脳卒中
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12 巻 , 1 号
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  • 丸山 芳一
    1990 年 12 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    We investigated the pathogenesis of the thrombotic stroke in the young with assay for coagulation and fibrinolytic factors in plasma.
    Eleven thrombotic stroke patients under 39 years old, 30.0±7.9 years old (mean±2SD), who had no risk factors such as hypertension, hyperlipidemia, collagen disease, and cardiac disease were reviewed. These consisted of ten males and one female, 31.7±5.3 years old (mean±2SD) for the control. The group of patient was clasified by computed tomography into two types; (1) small infarction, so called deep branch artery occlusion, four cases and (2) massive infarction, so called cortical branch artery oclusion, seven cases. Cerebral angiography was studied in six cases of massive infarction. Among of the six cases, two cases were right carotid artery occlusion, two cases were left carotid artery occlusion, one case was left posterior cerebral artery occlusion and one had no evidence of occlusion.
    We investivated the coagulation and fibrinolytic system with assay for Hageman factor, Factor VIII, C1 estelase inhibitor, antithrombin III (AT III), plasminogen, α2 plasmin inhibitor, Factor VIII related antigen (VIIIR : Ag), von Willebrand factor activity (vWF) and fibronectin. We could not find out any abnormalities except one case in which has congenital AT III deficiency. In this case, we suspected that the thrombotic stroke was induced by inadequate regulation of coagulation. vWF and VIIIR : Ag which have been throught as the marker of vascular damage were significantly higher in the patients with cortical branch artery occlusion than that in the patients with deep branch artery occlusion (0.005<p<0.01). According to the above data, although the young, cortical artery occlusion may be attributed to systemic vascular damage even in the young adults. And we could find out the teatable factor such as AT III deficiency in the young patients with thrombotic stroke.
  • 飯塚 孝, 伴野 祥一, 村田 和彦, 清水 澄雄, 菅井 芳郎
    1990 年 12 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳血管障害とリポ蛋白代謝異常の関係を検討する目的で, 発症後3ヵ月以上を経過しリハビリテーションの目的で入院中の脳梗塞103例, 脳出血88例と対照としての非脳血管障害43例について, 血清脂質, アポ蛋白, lecithin cholesterol acyltransferase (LCAT) 活性を比較検討した.血清総コレステロール, LDL-cholesterol (LDL-ch) は, 対照に比べ脳梗塞群で有意に高値 (p<0.001) を示したが, HDL-cholesterol, 中性脂肪は3群間に差はなかった.アポ蛋白Eは対照に比べ脳梗塞群に有意に高値 (p<0.05) であったが, A-I, A-II, B, C-II, C-IIIは3群間に差はなかった.また, 脳梗塞, 脳出血群ともに対照群に比し, ApoA-I/A-II, LDL-ch/Apo Bが有意に高く (p<0.05), アポリポ蛋白の粒子の大きさに差のあることも考えられた.LCAT活性は, 対照群に比べ, 脳梗塞, 脳出血群に高い傾向を示した.以上より, 脳血管障害例では慢性期においてもリポ蛋白代謝異常が認められた.
  • 安藤 隆, 西村 康明, 平田 俊文, 坂井 昇, 山田 弘
    1990 年 12 巻 1 号 p. 11-18
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/01/21
    ジャーナル フリー
    We have experienced 53 cases with multiple aneurysms during the past 6 years and 6 months. The incidence of multiple aneurysms was 17.6% in our series. The locations with the highest probability of rupture were anterior cerebral artery (70%) and anterior communicating artery (68%). It was possible to identify which aneurysm had ruptured in 92% of the cases preoperatively. Both ruptured and non-ruptured aneurysms should be treated in a early one staged operation, except for a few cases, such as those with aneurysms, one of which was located at the posterior circulation or those with poor-risk. In our series, however, the results of early one staged operation was poor with a mortality rate of 28%. Three patients died due to the postoperative intracerebral hematoma caused by disturbance of the venous return. All 3 patients were operated by the pterional and ipsilateral interhemispheric approaches for the accompanying distal anterior cerebral artery aneurysm. Therefore, in the cases of multiple aneurysms accompanied by distal anterior cerebral aneurysm, it should be emphasized to preserve the venous circulation.
  • 古田 義博, 中川 秀光, 中島 伸, 小林 智則, 小林 亨
    1990 年 12 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    Subclavian steal syndrome (以下SSS) の鎖骨下動脈近位部の狭窄に対するPTA (percutaneous transluminal angioplasty) は脳塞栓の危険は少ないとされている.我々は, SSSに対し頚部の経皮的超音波ドップラー検査でPTA中の血流動態に若干の所見が得られたので報告する.症例は62歳男性.上肢血圧の左右差とめまい発作を主訴として来院.超音波ドップラー検査で左椎骨動脈の逆流を認め, 大動脈造影は, 左鎖骨下動脈近位に高度な狭窄を示し, 初期椎骨動脈陰影欠損と後期での造影がみられSSSと診断し, これに対しPTAを施行した.まず6気圧2分間では逆行性であった左椎骨動脈は, 血流が確認できない無血流状態から徐々にto and fro型に移行し, 220秒後にはじめて不十分な順行性となったが再度逆行性へ移行した.次に8気圧, さらに10気圧と, 2分間施行したところ, 初回の6気圧にPTAの場合とは異なりPTA終了直後から順行性血流を認めた.
  • 衣川 秀一, 澤田 徹, 金子 尚二, 栗山 良紘, 井上 典子
    1990 年 12 巻 1 号 p. 26-32
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    発症当日入院の被殻出血144例 (P群), 視床出血127例 (T群) および皮質・皮質下出血35例 (C群) について, 発症24時間以内の意識障害程度を3-3-9方式で評価し, 血腫量別および脳卒中既往の有無別に左右差を比較検討し以下の成績を得た.1) 症例数, 平均年齢および血腫量に3群とも左右差はない.2) 意識障害はP群ではII桁, T群とC群ではI桁のものが最も多い.3群ともII桁以上のものは左の方がやや多いが有意差はない.3) 各群を平均血腫量で2分すると, II桁以上のものは, P群の平均血腫量以下およびT群とC群の両群でやや左の方が多い傾向にあるが有意差はない。4) 既往の有無別にみると, III桁の意識障害を呈するものはP群とT群の平均血腫量以下の群で既往を有するものがやや多いが有意ではない.5) 既往を有する症例のみでは, P群とT群では平均血腫量以下の場合, II桁以上の意識障害はやや左が多い傾向にあるが有意ではない.
  • 針谷 康夫, 東海林 幹夫, 岡本 幸市, 平井 俊策, 高玉 真光
    1990 年 12 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は76歳, 女性.繰り返す一過性の右片麻痺・構音障害の発作 (TIA) を主訴に入院.理学的所見では高血圧, 肝脾腫がみられ, 神経学的所見では右側の麻痺徴候・深部反射亢進を認めた.汎血球増加 (赤血球653万, 白血球10,500, 血小板81.3万), 循環赤血球量の増加がみられ真性赤血球増加症と診断した.血液粘度と血小板凝集能は充進していた.X線CTではPVLのみの所見であったが, MRIでは両側基底核・側脳室前角周囲に高信号域がみられた.左内頚動脈撮影ではM1に高度狭窄を認め, PETでは左前頭・側頭葉のCBF, CMRO2の軽度低下がみられた.入院後もTIAが頻発し種々の治療を試みたが, 瀉血・抗凝固療法は無効で, aspirinによる凝集能抑制とbusulfanによる血小板数の是正が有効であった.本例のTIAは血管病変を基に血小板増加と凝集能亢進により出現したものと考えた.
  • 田崎 薫, 島 健, 西田 正博, 山田 徹, 西田 俊博
    1990 年 12 巻 1 号 p. 40-46
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳動静脈奇形 (AVM) の脳血管写上の自然消失を認めた報告は稀である.著者らは, 14年の経過で, 脳血管写上完全に自然消失したAVMの1例を経験し, 難治性の痙攣に対し手術を施行して, 血栓化したAVMを認め, 摘出したので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
    症例は45歳の男性で, 1967年2月, 突然激しい頭痛と言語障害, 左半身麻痺が出現し, 近医で脳内出血と診断された.1970年より痙攣発作を繰り返したため, 1971年7月, 中国労災病院に紹介入院となった.右頚動脈写で, 後側頭動脈をfeeding arteryとする5.5×4.0×5.0cmのAVMを認めた.保存的治療にて経過観察していたが, 痙攣発作, 意識消失発作を繰り返した.1973年6月には, くも膜下出血で入院した.1985年4月, 右頚動脈写で, AVMは完全に消失していた.難治性の痙攣に対して開頭術を施行し, 血栓化したAVMを認め, 摘出した.術後, 痙攣は消失した.
  • 木村 正英, 岡部 慎一, 鈴木 重晴, 岩淵 隆
    1990 年 12 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    微かな頭蓋内圧上昇及び脳室拡大によって意識状態の明らかな低下を示した高齢脳出血症例について報告し, 高齢者脳の頭蓋内圧変化への低対応性を示した.患者は76歳女性で脳室穿破を伴う脳出血後, 微かな脳室拡大によると思われる意識及び呼吸障害を来した.脳室ドレナージによって症状の改善した後, この設定圧を100mmH2Oから120mmH2Oへ上げただけで再度意識障害が出現し, 低圧チューブを用いての腰椎一腹腔シャント術によって再び意識レベルの改善を得た.本症例は高齢者脳の圧脆弱性の具体的一面を示すものと考えられた.
  • 渡辺 誠悦
    1990 年 12 巻 1 号 p. 51-57
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/01/22
    ジャーナル フリー
    急性期脳血管障害 (CVD) において, 起立前後の血漿arginine vasopressin (AVP) を測定し, 圧受容器求心路の機能を検討した.急性期CVD群 (脳出血10例, 脳梗塞17例) 27例 (64±11歳) および健常者対照群13例 (59±10歳) に対し, 70°passive head-up負荷を実施し, 起立前・起立負荷15分後の血漿AVPと血漿norepinephrine (NE) を測定した. [I] 安静仰臥位 : 血漿AVPは脳出血群, 脳梗塞群共に対照群に比し, 有意な高値を示した.血漿NEは脳出血群のみ高値傾向を認め, 血漿AVPと正相関 (p<0.05) を示した. [II] 起立負荷 : 起立15分後の血漿AVPは脳出血群のみ有意に増加し, 他の2群との比較でも差は有意であった.血漿NEは脳出血群のみ対照群に比し増加傾向を認めた.以上の成績は, 急性期脳出血において圧受容器求心路が過剰に反応していることを示唆する.
  • 棚橋 紀夫, 後藤 文男, 冨田 稔, 太田 晃一, 奈良 昌治
    1990 年 12 巻 1 号 p. 58-61
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    我々の開発した全血赤血球aggregometer (Am J physiol 1986;251 : H1205-H1210) を用いて慢性期脳梗塞患者 (男性54例, 女性23例, 平均年齢59±9歳) の赤血球凝集能 (RBC-A) を深部梗塞と皮質梗塞に分けて検討した.深部梗塞群 (46例, 61±8歳) のRBC-Aは0.151±0.026/s, 皮質梗塞群 (21例, 55±10歳) は0.137±0.024/s, 深部+皮質梗塞群 (10例, 58±6歳) は0.161±0.026/sであり, 健常者群 (38例, 59±9歳) の0.123±0.021/sよりもいずれも有意 (p<0.01, p<0.05, p<0.05) に亢進していた.また深部梗塞群のRBC-Aは皮質梗塞群よりも有意 (p<0.05) に亢進していた.深部梗塞群と皮質梗塞群の血液諸因子の比較では, ヘマトクリット, A/G比には有意な差が見られなかったが, フィブリノーゲン値が深部梗塞群 (322±78mg/dl) で皮質梗塞群 (295±41mg/dl) よりも高い傾向を示した.深部梗塞は皮質梗塞よりもヘモレオロジー異常に関連深いことが推察された.
  • 古城 信人, 徳富 孝志, 中山 顕児, 高木 繁幸, 重森 稔
    1990 年 12 巻 1 号 p. 62-67
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    破裂脳動脈瘤で初回発作後再出血をきたした28例を対象として, 再出血の時期や出血の要因について臨床的に検討し, 以下の結果を得た.
    (1) 再出血は初回発作より12時間以内, とくに3時間以内に最も多くみられた.
    (2) 12時間以内の再出血群とそれ以後の再出血群を比較すると, 12時間以内の早期再出血群に高血圧の合併が高率に認められた.
    (3) 転帰は12時間以後の再出血群が良好であった.
    (4) 12時間以内の早期再出血群のうち高血圧合併例に脳内血腫の形成や頻回の再出血発作がみられ, これらの症例の手術成績が不良であった.
    (5) 以上のことより, 高血圧を合併している症例に対しては, 厳重なる血圧管理と可及的早期手術が重要と考えられた.
  • 久門 良明, 榊 三郎, 茶木 隆寛
    1990 年 12 巻 1 号 p. 68-73
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    前下小脳動脈末梢部動脈瘤は現在までに20数例報告されているに過ぎず稀である.また本動脈瘤はその多くが小脳橋角部に存在し内耳孔に進入するため, 術前ないしは術後に第7・8脳神経障害を示すことが多い.
    今回我々は, 術前に小脳橋角部症状を示さず, くも膜下出血発症翌日に施行した直接穿刺法による両側逆行性上腕動脈撮影では描出できなかったため, 診断に苦慮したが, 15日後のセルジンガー法による椎骨動脈撮影で初めて診断し得た前下小脳動脈末梢部動脈瘤の1例を経験し, 術後第7・8脳神経障害を残さず治癒せしめ得たので報告する.
    本動脈瘤で小脳橋角部症状を示さなかった理由は, 内耳孔への進入がなく第7・8脳神経への圧迫が軽度であったことと, くも膜下出血が少量であったことによると考えられた.
  • 矢坂 正弘, 土谷 隆, 山口 武典, 長谷川 泰弘, 木村 和美
    1990 年 12 巻 1 号 p. 74-79
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    経頭蓋リアルタイムカラーフロードプラ (TRCD) を用いて, 中大脳動脈 (MCA) 水平部の血流速度を2検者で測定し, その再現性を検討した.健常人21例 (平均27歳) に対し, 上耳介前部よりMCA水平部を描出するとともにその測定深度, ドプラ入射角度, 血流速度を測定した.測定装置は東芝社製SSH160A (探触子 : 2.5MHz) を用いた. (1) 2検者間の測定深度とドプラ入射角度の相関はr=0.41, r=0.43と不良で, 測定毎に測定深度とドプラ入射角度が異なることが示唆された.また, 血流方向に対するドプラ入射角度は2検者それぞれ49.8±12.6度, 42.6±17.9度と大であった. (2) 2検者の平均血流速度とその相関係数は入射角度補正後には86±17cm/s, 85±13cm/s, r=0.93と, 角度補正前の相関係数r=0.66に比し, きわめて高い相関を示した.以上より, TRCDによるMCA水平部の血流速度測定は極めて再現性に優れた非侵襲的検査法であり, 今後脳循環動態の評価に有用性が期待できる.
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