椎骨脳底動脈系の解離性動脈瘤の自験例6例を報告し, 文献例89例につき主としてその診断面より考察を加えた.
発生部位は, 椎骨動脈4例, 椎骨動脈から脳底動脈に進展したもの1例, 後大脳動脈1例であった.症状としては脳虚血症状を示したもの4例, SAHを認めたものは2例であった.全例において初発時に突発性の頭痛や項部痛を認めた.VAの4例では嘔吐, めまい, 嚥下障害等の下位脳幹症状で始まり, Wallenberg症候群を示した.
脳血管写所見としては, pearl and string sign 3, string sign2, pseudoaneurysm2, 等のpossible signが主であったが, true diagnostic signであるintramural pooling signを2例に認めた.
文献上でも, 脳血管写でpossible signしか認められなくても, 頭痛, 項部痛を伴う脳虚血症状等の臨床症状を参考にすれば診断はさほど困難ではないと考えられる.
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