脳卒中
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12 巻 , 5 号
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  • 岡田 靖, 佐渡 島省三, 蓮尾 金博, 朔 義亮, 藤島 正敏
    1990 年 12 巻 5 号 p. 415-420
    発行日: 1990/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    画像診断機器の向上 (CT第一~第四世代, MRI) ともに, 脳梗塞の画像診断で神経症候と直接は結びつかない病変 (無症候性脳血管病変) の検出率が年々増加していることを示した.画像上責任病巣が検出できなかった症例は昭和52~53年の41% (19/46例), 57年30% (8/27), 60年19% (9/47), 61年17% (9/53), 62年13% (7/52) から63年には6% (3/51) にまで減少したが, 同時に無症候性脳血管障害病変が描出された例はそれぞれ8, 30, 28, 34, 60, 63%と年ごとに増加し, この傾向は特にMRI導入以降顕著となった.脳梗塞の同一50例におけるCTおよびMRIの責任病巣検出率はそれぞれ82%, 98%で, 無症候性脳血管障害病変の検出率はそれぞれ50%, 70%であった.さらにMRIではこのうち7例 (14%) が陳旧性脳出血と思われる所見を呈した.脳卒中の臨床所見と画像診断の対比や無症候性脳血管病変の臨床的意義について今後検討が必要と思われる.
  • 坂本 静樹, 赫 彰郎, 北村 伸, 荒木 俊彦, 飯尾 正明
    1990 年 12 巻 5 号 p. 421-429
    発行日: 1990/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    糖尿病 (DM) に合併した穿通枝系脳血栓症患者の脳循環代謝を15O PET studyにより測定し, 正常者および非DM穿通枝系脳血栓症患者と比較した.皮質脳血流, 酸素代謝低下は前頭葉で最も著しく, 被殼, 橋, 小脳でも低下が著明で, 対象に血管性痴呆を呈する例が多い事との関連が考えられた.DM患者群で橋の血流低下が著しいことを除いて, 非DM患者群との循環代謝低下の絶対値および部位による相違は認めなかった。機能予後不良例はDM患者群に多く, 両群ともADLの悪いものほど循環代謝の低下が著しかった.またDM患者の機能予後には皮質代謝低下の他に, 糖尿病性神経障害などのDM合併症の関与が考えられた.DM患者脳血管障害発症の危険因子と対側平均皮質血流量との検討より, DMに高血圧症を合併したもので血流低下が著しく, 頭蓋内血管の動脈硬化が進行している事が示唆された.他の危険因子と血流量低下とは有意な相関を示さなかった.
  • 近藤 英樹, 重清 俊雄, 岡川 和人, 岡本 順二, 上田 伸
    1990 年 12 巻 5 号 p. 430-435
    発行日: 1990/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    症例は41歳のSLEの女性で, 1985年1月2日に脳卒中発作あり, 頭部CTで右脳内血腫と脳室穿破が認められ, 脳血管撮影でmoyamoya病類似の右側中大脳動脈の狭窄, 異常血管網と豊富な側副血行路の形成が認められた.また, kaolin clotting time, tissue thromboplastininhibition testなどからlupus anticoagulant (LA) が患者血漿中に証明された.本患者におけるMoyamoya現象ともいいうる異常脳血行動態の発生にLAの関与したことが文献などから推定された.
  • 服部 達明, 新川 修司, 大熊 晟夫, 竹中 勝信, 出口 一樹
    1990 年 12 巻 5 号 p. 436-442
    発行日: 1990/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    症例は54歳女性.1987年6月突然の頭痛・嘔吐で発症した.CTにてくも膜下出血, 脳血管撮影では両側内頸動脈末端部における閉塞と脳底部のもやもや血管を認めた.保存的治療で症状は軽快したが, 次第に両手指のしびれ感・痛みを訴え, レイノー現象や爪の変色, 朝の手のこわばりが出現した.舌小帯の短縮肥厚や爪上皮の延長, 腰部の色素沈着もみられた.指尖容積脈波では冷水負荷により脈波の平低化の所見が観察され, 前腕伸側の皮膚生検では真皮や汗腺は萎縮し脂肪細胞には変性萎縮がみられ, 膠原線維は萎縮・狭小化しており, 全身性進行性硬化症 (PSS) の萎縮期の像であった.自己免疫抗体の検索では陰性であった.もやもや病の成因は未だ不明であるが, 免疫学的機序による血管炎の関与の可能性が推測されている.もやもや病にPSSが合併した症例は今まで報告されておらず, もやもや病の成因として免疫学的機序の関与の可能性を示唆する興味深い症例と思われる.
  • 伊藤 誠康, 亀山 元信, 吉本 高志
    1990 年 12 巻 5 号 p. 443-451
    発行日: 1990/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    従来虚血病変作製が不確実とされてきた両側総頸動脈一過性閉塞のみによる, ラット慢性期脳虚血モデルの作製を試みた.1時間または2時間の両側総頸動脈一過性閉塞を加え, 虚血1週間後に灌流固定を行い脳を摘出し, H-E染色切片における虚血病変を光学顕微鏡下に検討した.虚血病変はselective neuronal necrosis (SNN) とinfarction (INF) に分類した.対象108匹のうち31匹 (28.7%) が死亡し, 虚血後1週間生存した77匹中38匹 (49.4%) に何等かの虚血病変が認められた.このうち1時間虚血群49匹では, 死亡は4匹 (8.2%) のみであり, 虚血病変の認められた19匹中17匹 (89.5%) にSNNのみが認められた.これに対し2時間虚血群では, SNNの増加は認められずINFと死亡率が増加した.以上より, 形成される虚血病変のほとんどがSNNであり, 多くが生存しうる両側総頸動脈1時間閉塞ラットモデルが, 慢性期の病態研究に応用可能と思われた.
  • 田中 健治
    1990 年 12 巻 5 号 p. 452-462
    発行日: 1990/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳卒中患者のリハビリテーション (リハ) 予後に影響を及ぼす因子について脳卒中患者151例を対象にリハ開始時における年齢, 性別, 臨床所見, X線CT所見等の35項目より, 日常生活動作 (ADL) 得点を指標に検討した.そして, これらの因子をもとにリハ予後予測を重回帰分析により行ない, さらに得られた予測式を他症例 (54例) にも適用し, 予測式の有用性, 妥当性を検討した.リハ予後に関与する有意かつ重要な因子としては, 年齢, リハ開始までの日数, リハ開始時ADL得点, 再発, 健側筋力, 患側筋緊張, 失語, リハに対する意欲の8因子が挙げられた.これら, 8因子の寄与率は73.8%であり, 本予測式を他症例にも適用した結果, 精度の高い予測が可能であることが明らかとなり, 本予測式が臨床的に極めて有用であることが判明した.
  • 小原 克之, 後藤 文男, 篠原 保, 高嶋 修太郎, 高橋 一司
    1990 年 12 巻 5 号 p. 463-471
    発行日: 1990/10/25
    公開日: 2010/01/22
    ジャーナル フリー
    Xe enhanced CT法を用いて, ウィリス動脈輪閉塞症11例 (22側), および動脈硬化性脳主幹動脈閉塞症8例 (内頚動脈閉塞症2例, 中大脳動脈閉塞症2例, 中大脳動脈領域梗塞4例) の安静時局所脳血流量および局所CO2反応性を測定した.動脈硬化性主幹動脈閉塞症では, 閉塞側の前頭葉皮質, 側頭葉皮質, 被殼, 尾状核の局所脳血流量, CO2反応性は, 非閉塞側の同部位に比し有意に低下していた.ウィリス動脈輪閉塞症の局所脳血流量は, 後頭葉皮質以外の部位で, 動脈硬化性主幹動脈閉塞症の閉塞側に比し有意に高値を示した.また, 局所CO2反応性は, 被殼, 尾状核の基底核部で, 動脈硬化性主幹動脈閉塞症の閉塞側に比し有意に高値であった.すなわち, ウィリス動脈輪閉塞症と動脈硬化性主幹動脈閉塞症では, 脳循環動態に明かな相異を認めた.これは, ともに脳主幹動脈が閉塞する疾患でありながら, 側副血行路の発達が異なることに起因すると考えられた.
    1.Xe enhanced CT法を用いて, ウィリス動脈輪閉塞症11例, および動脈硬化性脳主幹動脈閉塞症8例の安静時局所脳血流量および局所CO2反応性を測定した.
    2.動脈硬化性主幹動脈閉塞症において, 非閉塞側半球の平均脳血流量はCO2負荷により有意に増加したが, 閉塞側半球の平均脳血流量は有意には増加しなかった.
    3.動脈硬化性主幹動脈閉塞症では, 閉塞側の内頚動脈潅流領域の局所脳血流量, 局所CO2反応性は非閉塞側の同部位に比し, 有意に低値であった.
    4.ウィリス動脈輪閉塞症では, 動脈硬化性主幹動脈閉塞症の閉塞側に比し, 内頚動脈潅流領域の安静時局所脳血流が有意に高値であった.
    5.ウィリス動脈輪閉塞症の局所CO2反応性は, 基底核部において, 動脈硬化性主幹動脈閉塞症の閉塞側に比し有意に高値であった.
    6.以上の結果は, ウィリス動脈輪閉塞症において, 脳底部モヤモヤ血管を中心とした側副血行路の発達が良好なためと考えられた.
  • 山根 冠児, 島 健, 岡田 芳和, 武田 哲二, 魚住 徹
    1990 年 12 巻 5 号 p. 472-479
    発行日: 1990/10/25
    公開日: 2010/01/22
    ジャーナル フリー
    重篤な脳腫脹を生じるシリコン円柱の塞栓法によるラット脳主幹動脈閉塞モデルで, 独自に開発したmicroballoon法による硬膜外圧の変化と, 脳組織pH像の比較検討を行なった.硬膜外圧は, 急速に上昇するタイプと緩徐に上昇するタイプの2つに分類できた.脳組織pHは脳深部を中心にacidosisとalkalosisの混在する像が主体であった.このalkalosisの領域は, 血液脳関門の破綻部とよく一致しており, さらに, このalkalosisの大きさと硬膜外圧の上昇値の間に, 正の相関があることを明らかにできた.
  • 前島 伸一郎, 土肥 信之, 梶原 敏夫, 佐野 公俊, 神野 哲夫
    1990 年 12 巻 5 号 p. 480-483
    発行日: 1990/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    混合型超皮質性失語を呈した1例を報告し, 局所脳血流からみた責任病巣と発現機序について考察した.症例は67歳の右利き女性で, 左内頚動脈・前脈絡叢動脈分岐部の動脈瘤クリッピング術後, 右片麻痺と失語症のリハビリ目的で当科を受診した.初診時, 意識は清明で, 右顔面神経麻痺と右片麻痺を認め, 右半身の知覚鈍麻を認めた.言語学的には自発話に乏しく, 呼称や語の想起は著しく障害をうけていた.しかし復唱は良好で, 5~6語の短文でも可能であった.言語の聴覚的理解や文字の視覚的理解はともに単語レベルで障害をうけ, 書字は全く不可能であった.CTでは左前脈絡叢動脈領域に低吸収域を認めたほか, 左中前頭回皮質~皮質下にも低吸収域を認めた。123I-IMP SPECTでは左大脳半球全体に血流低下を認めるが, 言語野周囲の血流は比較的保たれていた.本症例は言語野が2ヵ所の病変によって周辺の大脳皮質から孤立した状態であると推定された.
  • 柴田 尚武, 笠 伸年, 山下 弘巳, 安永 暁生, 森 和夫
    1990 年 12 巻 5 号 p. 484-492
    発行日: 1990/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    内頸動脈海綿静脈洞部巨大動脈瘤の4例に総頸動脈結紮のみを行った.全例女性, 38~71歳, 右側3例, 左側1例, 全例非破裂であった.術前の対側圧迫併用CAGでMCAへのcollateral circulationが全例にみられた.Matasテスト30分間時の神経症状, EEGに異常なく, CBFは4例の平均で同側8%, 対側5%の減少であった。術中の試験閉塞時におけるstumppressureは4例の平均で前106mmHg, 50~80%閉塞88mmHg, 100%閉塞62mmHgであった.50~80%閉塞のstump pressureはほぼ同値であることが判明したため, 2例では80%閉塞とし, 2日間で100%閉塞とした.術後の動注DSAで巨大動脈瘤は3例で消失し, 1例で不変であった.CTで血栓化は術直後より始まり数日でピークに達し, 数週で器質化した.合併症は全例で認めなかった.本症に対し総頸動脈結紮は簡便で安全な治療法であり, かつ動脈瘤内血栓化も十分であった.
  • 後藤 文男
    1990 年 12 巻 5 号 p. 493-500
    発行日: 1990/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    昭和59年から昭和63年までの5年間に11施設 (慶應義塾大学神経内科およびその関連病院) に発病24時間以内に入院し, CTスキャンを施行し得た被殼出血819例 (男514例, 女305例, 平均年齢59±11歳) を内科治療群678例と外科治療群141例に分け, 入院時神経学的重症度 (NG), CT分類, 血腫最大径, 血腫量と退院時予後との関係を検討した.NG, CT分類, 予後は, 脳卒中外科研究会の分類に準じた.その結果は (1) 軽症, 中等度の例 (NG1, NG2, NG3の例, CT分類1, IIa, IIIa, IVaの例, 血腫の最大径5cm以下の例, 血腫量30ml以下の例) では, 内科治療が, 機能予後の面で優っていた. (2) 重症例 (NG4a, NG4b, NG5の例, CT分類のIVb, Vb, 血腫の最大径5.1~7.0cmの例, 血腫量31ml以上の例) では, 外科治療は内科治療に比較し死亡率は有意に低下させるが, 外科治療により生存したものの機能予後は極めて不良であった.従って被殼出血の外科治療の目的は重症例における救命のみにあると考えられた.
  • 不破 功, 甲斐 豊, 和田 秀隆
    1990 年 12 巻 5 号 p. 501-503
    発行日: 1990/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    60歳以上の高年齢で発症した動静脈奇形 (以下AVM) の7症例を報告した.発生頻度は, 198例のAVM中7例3.5%であった.発生部位はいずれも天幕上であった.初発症状の発症様式は, 4例がAVM破裂による脳内出血, 合併する動脈瘤の破裂によるクモ膜下出血が1例, 一過性脳虚血発作1例, 痙攣発作1例であった.最終的には7例中5例でAVMが破裂し, 頭蓋内出血の頻度は高率であった.
    高年齢層におけるAVMは必ずしも稀なものではなく, 破裂例も少なくない.高年齢者の脳卒中の診断, 治療上注意が必要である.
  • 1990 年 12 巻 5 号 p. 506
    発行日: 1990年
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
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