破裂脳動脈瘤患者690名について, アンケートによる最高約8年間の長期追跡調査を行なった.アンケートの回収率は約80%であり, 追跡時の日常生活, 通院状況に加え, 生命曲線をKaplan-Meier法により求めた.追跡調査可能であった, 544名のうち, 死亡退院は150例に認められ, 退院時ADLは1から6までそれぞれ, 172,105, 59, 26, 13, 17例であった.44例が追跡期間中に死亡しており, 多くは心, 肺合併症であった.生存率については, 年齢と退院時ADLに完全に依存し, 65歳以下でADL1-4については追跡期間中極端な低下は認められなかった。しかしながら, 65歳以上でのADLが3, 4, 5, 6のものと, 年齢を問わず退院時ADLが5, 6の者の生存率は悲観的であり, その約半数が2年以内に死亡していた.生存率向上の為, 退院時ADLを改善させる努力が望まれる.
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