脳卒中
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14 巻 , 4 号
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  • 山本 康正, 秋口 一郎, 大岩 海陽, 里井 斉, 木村 淳
    1992 年 14 巻 4 号 p. 343-348
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳血管障害各種病型について, 血圧, 脈拍24時間測定を30分毎に行い, 夜間降圧度, 血圧・脈拍相関について検討した.夜間降圧度については, 健常者, 軽症高血圧症, 穿通枝系単発梗塞および皮質広汎梗塞で夜間降圧現象が保たれるものが多かったが, 穿通枝系多発梗塞, 視床出血, 脳幹梗塞, 橋出血では, 健常対照群に対し夜間降圧度が有意に低く, 夜間降圧現象が消失する傾向にあった.血圧・脈拍相関については, 健常者, 軽症高血圧症および穿通枝系単発梗塞, 橋出血で有意の相関がみられたが, 穿通枝系多発梗塞, 内頸動脈閉塞症, 視床出血, 脳幹梗塞では有意の相関が見られなかった.相関の無い群は夜間降圧現象が消失した群にほぼ一致した.また夜間降圧現象はADL障害の少ない穿通枝系多発梗塞よりむしろADLが高度に障害されている皮質広汎梗塞で保たれており, この現象についてはADLの関与より脳障害部位による影響の方が大であると考えられた.
  • 豊島 裕子
    1992 年 14 巻 4 号 p. 349-354
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    集中力に欠け疲労し易く, 片麻痺を有する脳血管障害患者でも, 短時間に容易に行える簡易法で, 事象関連電位を記録し, その臨床的意義を検討した.
    対象は脳血管障害患者37例と20歳代健常人10人, 50歳代健常人12人.日本光電製NeuropackIIを用い, 単一クリック音を不定期に与え, 誘発された脳波の300msec付近の陽性波 (GP300) の頂点潜時を測定した.
    C-P300潜時は, 50歳代健常人で若年健常人に比し, 脳血管障害群では年齢の対応する健常人に比し有意に延長し, 中でも痴呆群と画像診断で視床に障害を有する群で有意に延長していた.さらにGP300潜時は, 長谷川式簡易知的機能評価スケールの成績と有意な相関を示した.
  • 橋本 卓雄, 神吉 利典, 阿部 聡, 中沢 克彦, 中村 紀夫
    1992 年 14 巻 4 号 p. 355-360
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    椎骨動脈脳底動脈系の解離性動脈瘤は比較的稀な疾患と考えられてきたが, 近年, 本疾患の可能性を考慮し, DSAなどの神経放射線学的診断が積極的に行われ, 少なからず経験されるようになった.しかし臨床診断治療は困難なことが多く, mortalityの高い疾患で, 治療法については確立されておらずまだ論議の多いところである.筆者らは脳幹部の虚血症状で発症し, 外側延髄症候群を呈した椎骨脳底動脈系の解離性脳動脈瘤4例を経験したので, 症状, 血管撮影所見, 特に虚血症状で発生した症例に対する外科的治療法の選択について報告した.解離性動脈瘤が椎骨動脈に留まっている間に時期を失することなく積極的に外科的治療を行う必要がある.血行再建術を施行し, 解離性動脈瘤が消失した1例を経験した.術後血行動態の変化が生じ, 解離性動脈瘤のorificeが閉鎖されることも期待でき, 椎骨動脈のclippingだけで.なく, 血行再建術も考慮すべきである.
  • 岡 尚省, 持尾 聰一郎, 佐藤 健一
    1992 年 14 巻 4 号 p. 361-367
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    心電図QT時間を用いた交感神経機能評価法により慢性期の脳卒中患者の自律神経機能障害を検討した.対象と方法 : 1) 健常者602名でQT時間とR-R間隔の回帰直線を求め, 実際に測定したQT時間とその時のR-R間隔を回帰直線に代入して得られたQT時間との差ΔQTを算出し, QT時間の指標とした.2) 発症1ヵ月以降の脳卒中患者42名でΔQTを算出し, 脳卒中の病態との関連を検討した.結果 : 1) 健常者のR-R間隔 (xmsec) とQT時間 (ymsec) の回帰直線はy=0.143x+243であった.また, 健常者のΔQTは0±17msecであった.2) 脳卒中患者のΔQTの平均は+23msecでagematchした健常者42名の+9msecに比較して大きかった.3) 罹病期間が1年未満の脳卒中患者のΔQT (29msec) は1年以上の群 (17msec) に比較して大きかった.結論 : 1) 罹病期間が1年未満の脳卒中患者では交感神経機能障害が強かった.2) ΔQTは脳卒中患者の交感神経機能障害の評価に有用である.
  • 川畑 信也
    1992 年 14 巻 4 号 p. 368-374
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    発症前血圧が判明していた老年者脳出血28例の発症前後の血圧変動を検討した.発症前平均血圧は157/81mmHgを示し, 第1病日に186/104mmHgまで上昇し, 有意な血圧上昇は第3病日まで持続していた.経時的変動では第1病日に最大の上昇を示した後に緩徐に降圧していき第28病日に発症前血圧に回復した.老年者脳出血では発症後約1ヵ月にわたり発作に伴う血圧上昇がみられるが, 1ヵ月後までに発症前血圧に回復していくものと考えられる.発症前血圧や発症直後 (第1, 2病日) の血圧は生存群と死亡群で有意差をみなかった.発症前血圧は生命予後を推測する指標とはならず, 発症直後の血圧によっても生命予後を判断することは困難であった.
  • 野村 耕章, 遠藤 俊郎, 岡 伸夫, 西嶌 美知春, 高久 晃
    1992 年 14 巻 4 号 p. 375-381
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2010/01/22
    ジャーナル フリー
    頸部内頸動脈血栓内膜切除術 (CEA) を施行し, 術後2~10年経過した80例について長期追跡結果の検討を行った.対象は昭和56年4月より63年12月の間に, 脳虚血症状で発症, 頸部内頸動脈に75%以上の狭窄または潰瘍形成を疑われる50~74%狭窄病変を有し, CEAを施行した80例である.男74例, 女6例, 手術時の年齢は平均68歳, 70歳以上は26例であった.平成2年12月末日現在の追跡調査を行い治療成績を検討した.状態はExcellentよりDeadまでの5段階 (EGFPD) で判定した.この結果80例の予後は, E41・G22・F9・PO・D8であった.死亡8例の原因は心疾患3例, 脳底動脈閉塞1例, 肺癌1例, 詳細不明3例であった.退院時に比し症状増悪を認めた6例の原因は, 他部位血管閉塞4例, 脳内出血1例, 慢性硬膜下血腫1例であった.CEA80例の予後検討の結果, 手術部位に起因する脳卒中再発作はなく, 70歳以上の高齢者も含め, その意義は高いものと考えられた
  • 伊藤 泰司, 松本 昌泰, 半田 伸夫, 前田 宏明, 鎌田 武信
    1992 年 14 巻 4 号 p. 382-388
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳循環精査の為に経頭蓋超音波ドプラ法 (TCD) を施行した420例を対象として, 閉塞性血管病変診断におけるTCDの有用性を検討した.TCDによる中大脳動脈 (MCA) 検出率は76.8%, さらに両側MCA検出率は70.5%であった.検出率に男女差を認め, 特に70歳以上の女性の両側検出率は低値であった.診断基準作成に関しては, まず健常成人18例のMCA血流速をTCDにて計測し正常範囲を定めた.これより, a) MCA最高血流速 (MCAPF) ≧127cm/sec, b) MCAPF≦53cm/sec, c) 明らかな乱流所見, d) MCAPFの左右比≧1.34の4つをMCAPF異常項目とし, 血管造影を施行し両側MCA血流速が検出しえた61例で診断精度を検討した.一側内頸動脈病変では [b) and d)], 一側MCA主幹部狭窄では [a) or c)] をそれぞれのDefinite criterionとしたところ, overallaccuracyは84%, 89%と良好な結果を得た.以上より, 両側MCA血流速が検出できればTCDは内頸またはMCA閉塞性病変診断に有用と考えられた.
  • 中根 博, 佐渡島 省三, 井林 雪郎, 大星 博明, 藤島 正敏
    1992 年 14 巻 4 号 p. 389-394
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    3種類のアンジオテンシン変換酵素阻害薬 (captopril, enalapril, quinapril) を静脈内に単回投与し全身血圧や局所脳血流量, 脳血管抵抗の変化について, 高血圧自然発症ラットを用いて検討した.大脳皮質や視床の血流量は水素クリアランス法を用い, 薬剤投与前, 投与後10分および30分に測定した.全身血圧はそれぞれの薬剤1mg/kg投与により15~20mmHg, 10mg/kg投与で19~32mmHgの下降を示した.局所脳血流量は比較的よく保たれ, 各薬剤とも10mg/kg投与でも10~18%の低下にとどまり, 逆に1mg/kg投与では不変かむしろ5~21%の増加がみられた.脳血管抵抗は皮質ではenalapril 1mg/kg, captopril 1mg/kg投与群でそれぞれ18%, 14%と有意に低下し, また視床でもenalapril 1mg/kg, quinapril 1mg/kgでそれぞれ24, 18%の低下がみられた.アンジオテンシン変換酵素阻害薬は, 脳血管抵抗を減少させることで降圧時の脳血流量を保持する作用があることが示唆された.
  • 永山 富子, 津田 道雄, 清 ゆかり, 永山 正雄, 篠原 幸人
    1992 年 14 巻 4 号 p. 395-401
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    線溶活性の低下を呈する先天性プラスミノーゲン異常症の患者13人とその家族5人において2つのPCR (polymerase chain reaction) 法を用いて遺伝子解析を行った.突然変異による高次構造の変化を電気泳動での移動度の差として検出するPCR-SSCP法 (single strandconformation polymorphisrn) は, 本症の遺伝子変異のスクリーニングに有用であった.その変異部位を明らかにするために行ったPCR直接塩基配列決定法により, プラスミノーゲンの601番目のAlanineをコードする塩基GCTがACT (Threonine) に点変異していることが示された.従来の等電点電気泳動法を改良し, 本症の異常を蛋白レベルでも明らかにした.また本症は若年発症の虚血性脳血管障害で有意に (P<0.05) 高頻度であり, その危険因子の一つとなりうるものと推定した.
  • 前田 喜一, 村山 知行, 真野 和夫, 渡邊 英夫, 杉原 卓朗
    1992 年 14 巻 4 号 p. 402-408
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    症例は54歳男性で1990年6月下旬に右手指の運動障害に気づき, 7月中旬には言語障害が出現し入院となる.右上肢の中等度の脱力, 軽度の感覚性失語, 失書, 失算があり, 頭部CT検査にて左中大脳動脈領域に低吸収域を認め脳梗塞と診断した.入院時検査にて血小板数68,000/μl, 血小板結合IgG (PAIgG) 陽性, 骨髄像正常から特発性血小板減少性紫斑病 (ITP) の合併が認められた.血小板凝集能はADP・アラキドン酸・エピネフリンともに再現性を有し低下していた.梅毒反応生物学的偽陽性を認め, 抗カルジオリピン抗体 (抗CL抗体) が陽性であった.
    本例は血小板数が減少しているにもかかわらず脳梗塞を発症しておりITPと脳梗塞の合併の機序として抗CL抗体の関与が考えられた.
  • 松本 香, 野垣 宏, 山本 清, 佐々部 富士男, 森松 光紀
    1992 年 14 巻 4 号 p. 409-413
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    失語で発症したBasedow病とモヤモヤ病の合併例 (35歳女性) を報告した.自発語の減少を主訴として受診し, 軽い意識障害 (JCS1), 超皮質性運動失語, 軽度の右片麻痺を示した.同時に, 甲状腺機能亢進が発見され, 抗甲状腺剤の投与後, 甲状腺機能の正常化につれて神経症状が改善した.頭部単純X線CT, 頭部MRIにて脳梗塞が確認され, 脳血管撮影によりモヤモヤ病と診断された.本症例においてモヤモヤ病の症状発現には, 甲状腺機能亢進症による脳血流量の減少が関与した可能性がある.また, モヤモヤ病とBasedow病の発生機序における関わりも示唆される.
  • 羽田 浩, 〓川 哲二
    1992 年 14 巻 4 号 p. 414-416
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2010/01/21
    ジャーナル フリー
    Computed tomographyで典型的な被殼出血の所見を呈した破裂中大脳動脈瘤の1例を報告した.症例は44歳の男性, 路上に倒れているところを発見され島根県立中央病院脳神経外科に搬入された.初診時の神経学的重症度はHunt & Hessで3, 左片麻痺と左半身の知覚障害があった.Computed tomographyで右の被殻に高吸収域を認めた.右内頚動脈撮影にて中大脳動脈瘤破裂と診断し, 入院当日に動脈瘤のクリッピングと血腫除去術を施行した.術後, 意識は清明となり左片麻痺に対しリハビリテーションを行った後独歩退院した.本症例は, くも膜下出血を伴わず被殼部の脳内血腫のみで発症した稀な脳動脈瘤破裂の症例と思われる.
  • 並河 正, 多田 穣治, 森安 秀樹
    1992 年 14 巻 4 号 p. 417-422
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    高血圧症と喫煙歴のある42歳の男性が, 急性に一側の難聴, ふらつき, 嘔気, 嘔吐を来し, 数日後に, 嚥下障害, 構音障害, 顔面を含んだ左不全麻痺, 左側優位の四肢の協調運動障害, 躯幹失調が出現した.MRIでは右側の中脳~橋上部底部, 橋上部の被蓋・底境界部のほぼ正中部, 左側の橋中部底部, 右側の中小脳脚部と小脳半球下面にT2強調法でhigh, T1強調法でlow signal intenseの病変を認め, 脳血管撮影では脳底動脈の中部での閉塞を認めた.難聴, めまいが単独で出現した時は耳疾患と見なされやすいが, それらが椎骨・脳底動脈系の虚血性疾患のwarning signsのことがあるので, 特に脳血管障害のrisk factorのある例では注意を要する.
  • 伊藤 誠康, 桜井 芳明, 新妻 博, 嘉山 孝正, 鈴木 博義
    1992 年 14 巻 4 号 p. 423-429
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    くも膜下出血を呈した稀な血管芽細胞腫の1例を経験したので報告した.症例は45歳の男性で, 突然の激しい後頭部痛にて発症し, CTにて後頭蓋窩のくも膜下出血と, 小脳半球に壁在結節を伴う嚢胞を認め, また同時に第4脳室の圧排変形と水頭症も呈していた.さらに, 血管撮影にて壁在結節の部位に一致した腫瘍陰影, 及びdraining veinの早期出現が観察された.発症22病日に腫瘍全摘術が行われ, xanthochromicな脳表から発症時のくも膜下出血が確認された.組織診断は血管芽細胞腫であった.小脳皮質近傍の腫瘍辺縁部には, 壁が薄く拡張した小静脈がくも膜下出血部に接して存在していた.脳腫瘍からの出血機序として様々なものが報告されているが, 本症例では上述の様な血管が, 長時間に渡る頭蓋内圧亢進によりさらに脆弱化し, 頭蓋内圧亢進症状に対応した血圧上昇等を契機に破綻してくも膜下出血を呈したものと推定される.
  • 高野 健太郎, 佐渡島 省三, 井林 雪郎, 一矢 有一, 藤島 正敏
    1992 年 14 巻 4 号 p. 430-436
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    症例は基礎疾患のない19歳の男性.突発した左片麻痺を主訴として入院した.CT上, 右大脳基底核および右中大脳動脈分枝領域に梗塞巣を認め, MRIは出血性梗塞の像を呈した.脳血管撮影では右内頸動脈サイフォン部に高度の狭窄と右内頸動脈起始部, 右中大脳動脈主幹部に “string of beads” を認め, intracranial FMDと診断した.ポジトロンCTでは右大脳半球で梗塞巣より広範囲に脳血流や脳酸素消費量の低下がみられた.若年男性のintracranial FMDは稀で, またintracranial FMDにおける脳血管障害の予後は比較的不良であるとする報告が多い.その一因として本症例の様に広範囲な脳循環代謝障害が存在する可能性が考えられた.
  • 木村 正英, 蕎麦田 英治
    1992 年 14 巻 4 号 p. 437-441
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳卒中急性期に機能的な腸管の麻痺 (麻痺性イレウス) を起こした3症例を報告する.これは, 1年間に2週間以上当科に入院した全脳卒中患者の3.5%であった.症例は, 74歳男性のクモ膜下出血, 69歳男性の橋出血および88歳男性の右前頭葉白質梗塞であり, いずれもその急性期において, 手術待機中あるいは保存的治療中に, 経口摂取を開始して数日から12日目頃に著明な腹部膨満が起こり, 経口摂取が不可能となった.グル音は消失し, 理学的に鼓音を認め, 腹部単純X線写で小腸から大腸までの全腸管内に中等度から高度の拡張した腸管内ガス像を認めた.絶食, 中心静脈栄養, グリセリン浣腸, パントテン酸投与など腸管への負荷を軽減し蠕動を刺激する処置により1週間前後で腹部症状は改善した.これら3例のうち特に2例では, 一般にいわれる麻痺性イレウスの明らかな原因は指摘されず, 脳卒中そのものが麻痺性イレウスを起こしやすい基礎状態になりうると思われた.
  • 山本 清, 森松 光紀
    1992 年 14 巻 4 号 p. 442-444
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    橋底部小梗塞によりdysarthria-clumsy hand syndrome (DCHS) を呈した症例でmicrographiaを認めた.micrographiaは基底核周辺の血管障害・腫瘍性病変, 内包膝部周辺病変での報告があるが脳幹部病変での報告は本例が初めてである.DCHSの症状出現に, 一部, 錐体外路系の障害の関与が示唆される.
  • 木村 和美, 寺崎 泰弘, 志摩 清, 橋本 洋一郎, 荒木 淑郎
    1992 年 14 巻 4 号 p. 445-450
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    症例は, 高血圧, 耐糖能異常のある62歳の男性.神経学的には, 高次脳機能障害なく, 右不全片麻痺が認められた.頭部MRIにて, 左中大脳動脈前方領域に皮質を含む楔状の出血性梗塞を認め, 脳塞栓症が考えられた.塞栓源の検索として心エコー, 経食道心エコー, 頸部エコー, ホルター心電図などを行ったが心疾患および頸動脈病変はみられなかった.脳血管造影にて, 左中大脳動脈主幹部に狭窄, および左中大脳動脈皮質枝に閉塞を認めた.梗塞巣の広がりが血管写上の閉塞部位では説明できず塞栓子の分解移動が考えられた.以上より, 塞栓源として中大脳動脈主幹部の狭窄が考えられ, 中大脳動脈主幹部狭窄に基づくartery to arteryembolismが推測された.
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