症候性脳主幹動脈高度閉塞性病変を有する52症例 (中大脳動脈水平部 [M
1] 狭窄11例, M
1閉塞14例, 内頸動脈 [ICA] 狭窄13例, ICA閉塞14例) を対象に再虚血発作の時期, 回数, 頻度について検討し, 更に脳血管撮影で病態確認後の再発作に注目して, その頻度を狭窄例と閉塞例で比較検討した.再発作は52例中26例 (50.0%) で64回認め, 初回発作から6~10日の間で最も頻度が高く, 0.0577回/日/例と, 初回発作から20日以降での平均0.0013回/日/例に比べ著しく高かった.症候性M
1またはICA高度閉塞性病変における初回発作からの20日間は虚血急性期の脳循環動態不安定期と考えられ, 厳重な患者管理の必要性が示唆された.また脳血管撮影で病変確認後の再発作はM
1及びICA閉塞例の全28例中では1例 (3.6%), M
1及びICA狭窄例の全24例中では6例 (25.0%) であり, 狭窄例では閉塞例に比し有意に高頻度に再虚血発作を起こした (p<0.025).
1.症候性M、またはICA高度閉塞性病変52例中26例 (50.0%) で経過観察中に再発作を認めた.
2.症候性M
1またはICA高度閉塞性病変例の再虚血発作は初回発作より20日までに多く, この期間は虚血急性期の脳循環動態不安定期と考えられた.
3.症候性M
1またはICA高度閉塞性病変では脳血管撮影による病変確認後に限定すると, 狭窄例は閉塞例に比べ有意に高頻度に再虚血発作を起こした.
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