脳卒中
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17 巻 , 3 号
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  • 師田 晴子, 海江田 亮, 永積 惇, 赫 彰郎
    1995 年 17 巻 3 号 p. 209-217
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の認知機能と無症候性脳梗塞および白質病変との関連を検討する目的で, 事象関連電位 (P300) と頭部MRIによる無症候性脳梗塞の病巣個数の計数および側脳室前角部の白質T2値の測定を行った.
    対象は明らかな痴呆を有さず脳血管障害の既往のない糖尿病患者50例 (DM群), 脳血管障害合併糖尿病患者18例 (DMCVD群), および正常対照者23例 (NC群) である.DM群ではさらに無症候性脳梗塞の病巣個数により, 無梗塞群, 単発群, 多発群の3群に分類した.DM群と比較してDMCVD群では有意に無症候性脳梗塞の平均個数が多く, その病巣数の多い群ほど白質T2値およびP300潜時の延長を認めた.糖尿病患者での認知機能低下は, 無症候性脳梗塞の病巣個数との関連性を認めたことより, 糖代謝異常による糖尿病性中枢神経障害に加え, 無症候性脳梗塞の関与が大きいことが示唆された.
  • 柏木 史彦, 片山 泰朗, 神谷 達司, 赫 彰郎
    1995 年 17 巻 3 号 p. 218-225
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    脳の低酸素および虚血における脳浮腫および脳代謝障害に対する多価酵素阻害薬の効果を高血圧自然発症ラットを使用して検討した.脳低酸素モデルは4%02および96%N2の混合気中にラットを30分間留置することにより作成した.一過性脳虚血モデルは両側総頸動脈を2時間閉塞後30分間再開通することにより作成した.薬剤はurinastatin (US), gabexatemesilate (GM), nafamostat mesilate (NM) の3剤を使用した.低酸素負荷では脳浮腫は生じなかった.脳代謝諸量の検討では酵素阻害薬の投与群ではいずれの群もATPの減少が軽減され, lactateの蓄積が抑制された.脳虚血モデルでの検討では, 酵素阻害薬投与群では各群とも対照群に比べ脳含水量は低値を示し, 脳代謝諸量では, ATPの値は高値をIactateおよびlactate/pyruvate比は低値を示した.
    多価酵素阻害薬は脳低酸素における脳代謝障害および脳虚血における脳浮腫および脳代謝障害を改善することが示唆された.
  • 尾前 豪, 井林 雪郎, 藤井 健一郎, 佐渡島 省三, 藤島 正敏
    1995 年 17 巻 3 号 p. 226-231
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    慢性期脳血管障害患者の高血圧に対して専門医がどのような降圧薬を選択しているかを断面調査し, 血圧管理や年齢との関係を明らかにするために本研究を施行した.
    対象は九州大学第二内科および関連施設 (計7施設, 脳卒中担当医17名) の脳卒中専門外来に通院する脳血管障害患者762例で, 年齢, 診断名, 高血圧の有無, 服用中の降圧薬の種類, 再来時血圧を断面調査した.
    脳血管障害のうち, 高血圧あるいはその既往を有するものは563例 (高血圧群, 73.9%) で, 降圧薬は405例 (71.8%) に処方されていた.降圧薬処方例の血圧平均値は144±17 (mean±SD) /82±11mrnHgで, 非処方高血圧群 (158例) のそれは140±17/80±10mmHgに比べやや高い値を示した (unpairedt-test, p<0.05).降圧薬の種類では, カルシウム拮抗薬 (Ca拮抗薬) の使用が最も多く (58.4%), 続いてアンギオテンシン変換酵素阻害薬 (ACE阻害薬, 23.1%), β-遮断薬 (16.0%), 利尿薬 (5.9%) の順であった.単独・併用をみると, Ca拮抗薬の単独が34.8%で最も多く, Ca拮抗薬とACE阻害薬 (10.5%), Ca拮抗薬とβ-遮断薬 (5.9%), ACE阻害薬単独 (5。7%), β-遮断薬単独 (5.5%), Ca拮抗薬とACE阻害薬とβ-遮断薬 (2, 3%), Ca拮抗薬とACE阻害薬と利尿薬 (2.3%) の順に多かった.さらに, 高齢者ではCa拮抗薬が処方される頻度がより高く, とくに単独使用することが多い傾向にあった.
    以上より, 慢性期脳血管障害の専門外来では, Ca拮抗薬が第一選択薬として使用され, 降圧が不十分な場合にはACE阻害薬, β-遮断薬が併用薬として選択されていた.かかる傾向は高齢者ほど強かった.
  • 福井 俊哉, 杉田 幸二郎, 長谷川 幸祐, 市川 博雄
    1995 年 17 巻 3 号 p. 232-240
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2010/01/25
    ジャーナル フリー
    無症候性脳梗塞 (SCI) 43例の2年間の予後, SCI病変の増加に関与する危険因子, 認知機能の変化を検討した.くも膜下出血が1例に生じたが, 症候牲脳梗塞は発症しなかった.追跡可能であった32例から以下の点が示唆された. (1) SCI増加は側脳室周囲に多く, 脳後部に多い. (2) SCI増加に関与する因子は, a.脳室周囲病変;初回総合高信号指数, b.白質病変;追跡期間, c.基底核病変;抗血小板 (Plt) 薬の使用, d.テント下病変;年齢, 心電図異常, e.総合高信号病変;抗Plt薬の使用, 年齢, 追跡期間であった. (3) 抗Plt薬を服用することがSCI増加に関与するという結果は, 同薬が脳梗塞一般の危険因子を数多く有する症例に投与される傾向の反映である可能性が高い. (4) 一般に認知機能低下は認められなかったが, SCI増加群でレーブン色彩マトリシスの有意な成績低下がみられたことより, SCI増加に伴い他の認知検査も低下する可能性は否定できない.
  • 有光 誠人, 栗坂 昌宏, 美馬 達夫, 森 惟明
    1995 年 17 巻 3 号 p. 241-246
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    砂ネズミに5分間の一過性前脳虚血を負荷した場合, 海馬CA1領域の錐体ニューロンは数日後に形態学的な細胞死に陥る.この変化は遅発性神経細胞死として知られているが, 近年この病態にアポトーシスが関与しているという報告が見られ, アガロース電気泳動法による検討で, DNAの1addering formationが指摘されている.本研究では, 砂ネズミの前脳虚庇5分間負荷モデルを作成しTUNEL法 (terminal deoxynucleotidyl transferase (TdT) -mediated dUTP-biotin nick end labeling) によりDNA3'-OH末端のin situ end-labeling (ISEL) を行い, 錐体ニューロンのDNA断片化を同定し, 海馬CA1領域における遅発性神経細胞死とアポトーシスとの関連について検討した.海馬CA1領域の錐体ニューロンの核は再灌流後48時間までは染色されず, 72時間後より染色され始め, 観察した7日後まで続いた.この結果は, これまで報告されてきたアガロース電気泳動法の解析で判明したDNAの 1adderingformationの始まる時期にほぼ一致していた.TUNEL法によるDNA断片化の検出は遅発性神経細胞死におけるDNA laddering formationのindexとして使用可能であり, 本研究の結果は, 遅発性神経細胞死にアポトーシスが少なくとも部分的に関与していることを示唆している.
  • 小林 久滋, 加茂 力, 松井 豊裕, 杉原 浩, 米山 公啓
    1995 年 17 巻 3 号 p. 247-259
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    脳血管障害 (CVD) 患者の血圧と身体活動性の日内変動を時系列データとして解析し周期構造を求めた.その周期構造を健常者と比較し, さらに血圧と身体活動性の周期構造の関係を検討した.血圧は非観血的携帯型血圧計を, 身体活動性の記録は加速度センサーを用い, 最大エントロピー法 (MEM) による周波数解析と非線形最小二乗法の最適あてはめ曲線により収縮期血圧 (SBP) と身体活動性について, CVD患者110人と健常者50人の日内周期構造を求めた.健常者では24±3時間と12±3時間を主周期とする周期構造が認められたが, CVD群では24±3時間と12±3時間の基本周期構造を逸脱する例が多く認められた.また, CVDの各病型間においても周期構造に相違が認められた.CVD群の穿通枝系脳血栓症において, 身体活動性とSBPとの周期時間あるいは頂位位相が解離を示す例が認められ, 血圧の日内周期構造は身体活動性のみでなく脳血管障害そのものが影響を及ぼしている可能性が考えられた.
  • 栗山 長門, 山本 康正, 大岩 海陽, 里井 斉, 中島 健二
    1995 年 17 巻 3 号 p. 260-265
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    一過性脳虚血発作 (TIA) の病態をより明らかにするため, 内頸動脈系TIA45例 (心原性塞栓を除外) について, 脳血管撮影所見とCT・MRI所見とを併せ検討した.主幹動脈に25%以上狭窄を有するもの {angiographically abnormal, 以下AGA (+)} が26例, 狭窄がそれ以下ないし正常のもの {AGA (-)} が19例であった.AGA (+) で9例 (34.6%), AGA (-) で16例 (84.2%) にCT・MRIで小梗塞 (基底核領域/皮質下白質) を認め, その差は有意であった (P<0.001).これらのことから, TIA発作は, AGA (+) では主にmicroembolismの機序が, AGA (-) では穿通枝レベルでの虚血が関与している可能性が考えられた.AGA (+) とAGA (-) で, 発作回数, 発作持続時間に有意差は認めなかった.また, 高血圧, 糖尿病, 高脂血症, Hctなどの危険因子についても差がみられなかった.これらを追跡したところ (平均追跡期間5.0±2.4年, 全例追跡可), 7例が脳梗塞を発症し, 高齢で発生率が高い傾向にあった.
  • 藤田 真敬, 守本 祐司, 西岡 亮治, 中島 伸二, 中村 治雄
    1995 年 17 巻 3 号 p. 266-270
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    MRIの出現により診断の困難であった脳幹の微小梗塞巣が描出できるようになった.我々はMRIにより確認された両側上部延髄内側梗塞の一例を報告した.症例は63歳男性で, めまい, 嘔気で発症し, 四肢麻痺, 呼吸不全, 深部知覚障害を呈したが, 14病日で人工呼吸器より離脱し, 30病日には上肢の屈曲が可能になり, 60病日には杖歩行が可能となった.脳MRIで両側上部延髄腹内側に小梗塞を確認した.MR angiographyと脳血管撮影では脳底動脈下半部の動脈硬化性狭窄および右椎骨動脈低形成と合流部の高度狭窄を認めた.本例においては, 脳底動脈および右椎骨動脈の狭窄のため, 梗塞巣付近は左椎骨動脈からの穿通枝優位に栄養されていた可能性があり, 両側梗塞の起こりやすい素地にあったと推定される.両側延髄梗塞の報告は多くが予後不良であり剖検により確認されているが, 本例は機能予後良好で, MRIとMRAで責任病巣を確認し得た貴重な症例と考えられた.
  • 小松本 悟, 奈良 昌治
    1995 年 17 巻 3 号 p. 271-277
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    脳血管障害急性期の血漿・髄液Endothelin-1 (以下ET-1) 動態及びその経時的変化を検討し, 以下の成績を得た。 (a) 脳梗塞・脳出血を含む脳血管障害急性期においてET-1が高値を示し, 以後漸減することを示した. (b) 発症第1病日の髄液ET-1は正常健康者の髄液ET-1に比較し, 有意に高値であった. (c) 発症第1病日の髄液ET-1は14病日には減少した. (d) 髄液ET-1は血漿ET-1に比較し有意に高かった.今回の我々の研究では脳血管障害の急性期に血漿ならびに髄液ET-1が有意に増加することが明らかとなった.
    動脈硬化などの血管内腔側の形態学的変化による局所血流の変化, ずり応力の変化などによりET-1産生が惹起された可能性がある.さらに加齢にともなう血管内皮障害部ではプロスタサイクリンなどの血管拡張物質の産生が低下しており, 血管拡張物質によるET-1産生抑制が減弱するため, 結果として脳血管障害急性期にみられる種々の変化に対してET-1産生が亢進した可能性も考えられる.
    以上のデータより, 脳血管障害急性期の血漿, 髄液ET-1動態は脳血管収縮作用を介して, 脳血管障害に起因する病態に関与することが示唆された.
  • 高橋 弘明, 渡辺 活見, 久喜 寛之, 田村 乾一, 東儀 英夫
    1995 年 17 巻 3 号 p. 278-283
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    脳血栓症発症後における接巻分子血清濃度の変動を検討した.対象は脳血栓症29例 (穿通枝梗塞19例, 皮質枝梗塞10例) と正常対照19例.脳血栓症例は急性期 (発症3日以内), 亜急性期 (発症7~10日), 慢性期 (発症28~35日) に採血し, 血清ICAM-1, VCAM-1, E-selectin濃度をELISA法により測定した.ICAM-1濃度は, 皮質枝梗塞において対照例 (277±81ng/ml) および急性期 (283±71ng/ml) に比して慢性期に有意に高値 (397±123ng/mJ, p<0.05) であり, VCAM-1濃度は, 穿通枝・皮質枝梗塞とも対照例 (584±79ng/ml) および急性期 (穿通枝629±157ng/ml・皮質枝712±203ng/ml) に比して亜急性期 (穿通枝933±294ng/ml・皮質枝1,223±433ng/m1, p<0.005) および慶性期 (穿通枝805±224ng/ml・皮質枝1,030±256ng/ml, p<0.01) で有意に高値であった.E-selectin濃度は, 脳血栓症症例では対照群に比較して全経過を通じて高値であったが, 経過中に有意の変動は認めなかった.接着分子は脳血栓症発症後に変動し.病熊にも影響を与えている可能性が示唆された.
  • 泉 義雄, Elisabeth Pinard, Simon Roussel, Jacques Seylaz, 篠原 幸人
    1995 年 17 巻 3 号 p. 284-291
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2010/01/25
    ジャーナル フリー
    マグネシウムはvoltage dependent Ca channelおよびNMDA receptor-associatedchannelなどに作用し, 細胞内へのCaの流入に拮抗する.我々は既にMg大量投与 (2mmol/kg) が神経保護作用を持つことを発表したが, 今回はMgの比較的少量投与の脳虚血に対する保護効果を検討した.直達法により中大脳動脈閉塞モデルを作製した.Mg投与群 (n=13) では閉塞直後, 1.5, 3時間後にMgCl20.2mmol/kgを腹腔内投与し, 対照群 (N=13) では生食を投与した.48時間後TTCにてラットを灌流固定染色し, 梗塞容積を測定した.皮質梗塞容積は対照群82±11mm3, Mg投与群54±9mm3でMg投与群は統計学的に低値を示したが, 線条体梗塞容積は有意差を示さなかった.Mg大量投与は高血糖を誘発したが, 今回少量投与により, 血糖値などへの影響がない状態で同様の梗塞容積縮小作用が認められた.以上より, 将来脳虚血に対するMgの臨床応用の可能性が示唆された.
  • 卜蔵 浩和, 小林 祥泰, 山口 修平, 岡田 和悟, 山形 真吾
    1995 年 17 巻 3 号 p. 292-297
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2010/01/25
    ジャーナル フリー
    脳ドックを受診した健常成人460名における潜在性脳血管障害についてMRI上の分類を行い, 脳血管障害の危険因子について検討した.
    0.2T, MRIにより, 限局性病変については2mm以下とそれ以上の病変に分類.Periventricular hyperintensity (PVH) は4段階に分類した.PVHとは別に, T2強調画像でのみ大脳白質に境界不鮮明な高信号域を認めるものを白質癒合性病変として3段階評価した.危険因子の評価は脳卒中家族歴, 高血圧の有無, 受診時血圧, 糖尿病歴, 喫煙歴, ヘマトクリット, 血清脂質, Fibrinogenについて検討した.
    潜在性限局性病変の頻度は, état cribléと考えられる2mm以下の病変のみが (5.7%), 2mm以上のラクナ様病変が (16.1%) であった.PVHの頻度は, PVH2度が12.6%, PVH3度が2.2%であった.白質の癒合性病変は8.7%に認められた。年齢, 高血圧の有無は潜在性限局性病変, PVH, 白質癒合性病変のすべてにおいて最も大きな危険因子と考えられた.糖尿病はラクナ様病変に関与する可能性が考えられた.PVH, 白質癒合性病変は年齢, 高血圧の影響が大きくその他の危険因子は年齢の影響を除けぼ有意な危険因子とはならなかった.
  • 北 秀幸, 島 克司, 秋 山巖, 千ケ崎 裕夫
    1995 年 17 巻 3 号 p. 298-305
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2009/09/16
    ジャーナル フリー
    脳血管攣縮期の血小板凝集能充進の重要性に着目し, 血小板凝集能抑制剤 (塩酸チクロピジン) による症候性脳血管攣縮予防効果を検討した.自家血脳槽内注入による脳血管攣縮モデルでは, 血小板凝集能充進が塩酸チクロピジン投与により改善し, 活性型血小板及び変形赤血球の出現率も低下した.臨床では, くも膜下出血急性期に入院し, 症候性脳血管攣縮の有無を確認できた139例を対象とした.症候性脳血管攣縮は, 投与群で33%, 非投与群で65%に発生し, 死亡群は, 投与群6%, 非投与群32%で, 投与群では症候性脳血管攣縮発生率及びこれによる死亡率が減少した.両群とも死亡群では血小板凝集能の低値とFibrin/Fibrinogendegradation productの高値を認めた.塩酸チクロピジンは症候性脳血管攣縮予防に有効であったが, くも膜下出血発症早期より血管内凝固症候群と呼びうる例に死亡例が多く, 血小板凝集能等による発症早期での予後判定の可能性が示唆された.
  • 野崎 博之, 田中 耕太郎, 白井 俊孝, 永田 栄一郎, 福内 靖男
    1995 年 17 巻 3 号 p. 306-314
    発行日: 1995/06/25
    公開日: 2010/01/25
    ジャーナル フリー
    砂ネズミ一側総頸動脈結紮モデルにおいて局所脳血流量 (LCBF) および脳組織ryanodine受容体結合能を測定し, 脳虚血時のryanodine受容体の変化について検討した.動物は虚血群とsham手術群に分けた.結紮6時間後 [14C] iodoantipyrine法によりLCBFを測定し, さらに [3H] ryanodineを用いてin vitroオートラジオグラフ法によりryanodine受容体結合能を測定した.LCBFは虚血群結紮側で小脳を除いたすべての領域でsham手術群に比し有意な低下を示した (p<0.01).一方ryanodine特異的結合量は虚血群結紮側の海馬CA1においてのみsham手術群に比較して有意な低下 (p<0.05) を示した.以上の事実はryanodine受容体を介する細胞内Ca2+率放出機構 (Ca22+induced Ca2+elease : CICR) の変動が海馬CA1の虚血に対する選択的脆弱性に密接に関与している可能性を示唆しているものと考えられた.
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