各種抗浮腫薬の虚血性脳浮腫に対する影響をMRIを用いた画像解析により検討した.SDラット26匹に頸動脈カテーテル法により右中大脳動脈閉塞を作製し, 24時間後0.5テスラのMRIを用いて軸状断T
2画像を厚さ3mmの間隔で撮影した.撮影後直ちにglycerol 1.7g/kg (n=9), manllitol 3.3/kg (n=9), furosemide 17mg/kg (n=8) のうちいずれかを腹腔内に投与し, 2時間後にMRIを再撮影した.全脳高信号領域容積はglycerol, mannitol, furosemide投与前後でそれぞれ207→191mm
3, 189→177mm
3, 189→180mm
3と減少し, 変化率は92% (p<0.Ol), 94 (p=0.07) %, 95% (p=0.03) であった.皮質高信号領域容積の変化率はそれぞれ87% (p<0.01), 89% (p=0.03), 98% (p=0.47) で線条体高信号領域容積の変化率は102%,106%, 87% (p<0.05) であった.信号強度は薬物投与前後で健常側皮質ではそれぞれ54→49 (p<0.01), 54→50 (p<0.01), 55→54と変化した.病巣側皮質高信号領域では102→97 (p<0.01), 100→98, 98→97で病巣側線条体高信号領域では100→93 (p<0.01), 94→88 (p=0.03), 94→94となった.抗浮腫薬による脳浮腫の改善はMRI上高信号領域の縮小, 信号強度の低下として観察され, glycerol, malmitol, furosemide投与のいずれにおいても有意な変化として捉えられた.
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