脳卒中
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20 巻 , 5 号
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  • 本多 英喜, 橋本 洋一郎, 寺崎 修司, 三角 郁夫, 内野 誠
    1998 年 20 巻 5 号 p. 451-455
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    経食道心エコーを施行した脳梗塞連続121例において心房中隔瘤の有無について検討した.心房中隔瘤を30例(25%),卵円孔開存を23例(19%)に認めた.心房中隔瘤のみを21例(17%),卵円孔開存のみを14例(12%),両方を認めたものは9例(7%)であった.心房中隔瘤例で卵円孔開存の合併率は30%で,卵円孔開存例で心房中隔瘤の合併頻度は39%であった.心房中隔瘤を合併する頻度は,原因不明の脳梗塞では33例中18例(55%),臨床病型の明らかな脳梗塞では88例中12例(14%)で,原因不明の脳梗塞で合併頻度が有意に高かった.原因不明の脳梗塞では経食道心エコーによる心房中隔瘤の検索が必要である.
  • 鄭 秀明, 内山 真一郎, 大原 久仁子, 小林 道子, 村上 博彦
    1998 年 20 巻 5 号 p. 456-461
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2009/12/07
    ジャーナル フリー
    発症24時間以内の脳梗塞250例において,進行性増悪例の検討をOxfordshire CommunityStroke Project (OCSP)の4病型分類別に検討した.全体では28%に進行が観察され,partial anterior circulation infarcts(PACI)群の進行は9%と他の3群(total anterior circulation infarcts: TACI, lacunar infarcts: LACI, posterior circulation infarcts :POCI)に比し低率であった.進行群と非進行群の比較では,TACIの進行群で頭部CTでの早期異常が高率で,コレステロールが低下しており,LACIの進行群ではエントリー時に機能的に重症であったが,その他の因子に差はなく,POCIでは両群間に差は見出せなかった.進行例は生命予後.機能予後とも不良であった.進行例の頻度は病型別に異なり,若干の予知因子が抽出されたが,その予測は依然として困難と考えられた.
  • 稲福 徹也, 高木 誠, 星野 晴彦, 足立 智英, 瀬川 浩
    1998 年 20 巻 5 号 p. 462-468
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    3次元Time of Flight MRアンギオグラフィーを用いて脳底動脈の閉塞(A群:7例),血管径50%以上の狭窄(壁不整があるB群:50例,壁不整がないC群:15例)の連続72例について臨床的検討を行った.男性46例,女性26例,平均年齢は69.9±9.6歳でA群(59.1歳)は他に比べ有意に若年であった.脳血管発作(TIAまたは急性期脳梗塞)はA群66.7%,B群48.8%,C群18.2%にみられ(p<0.1),TIAはA群で有意に多かった(p<0.05).症状は複視がA群で有意に多かった(p<0.0005).MRI上は橋中部背側の梗塞がA群に多くみられた(p<0.05).MRA上後交通動脈の両側胎児型はA群42.9%,B群8.2%,C群93.3%であった(p<0.0001).以上よりA群とB群はアテローム硬化性で,C群は生来の脳底動脈低形成と考えられ,その臨床像にも違いがみられた.
  • 山下 勝弘, 柏木 史郎, 加藤 祥一, 伊藤 治英, 亀田 秀樹
    1998 年 20 巻 5 号 p. 469-474
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    高血圧性脳内出血患者の長期予後と理学療法の現状について検討した.山口県の北部地域において1990年から1996年までの7年間に高血圧性被殻,視床出血に罹患した330人を対象とした.患者の平均年齢は66.2歳で,男女比は1.4:1であった.発症からデータ集計までの平均期間は3.8年で,長期予後はBarthelindex(BI:10~29点)で評価した.
    多変量解析では,長期予後は出血の大きさと理学療法の積極性に有意に相関した(p<0.05).被殻出血では小出血,中等大出血,大出血の80%,40%,11.1%が長期予後良好(BI:29点)であり,視床出血ではこれらの割合が,75%,51.6%,14.3%であった.一方,長期予後が不良(BI:10~28点)の患者では,理学療法を積極的に継続している患者は,わずかに22%であった.
    高血圧性脳内出血患者では,特に長期予後不良の患者で理学療法が積極的に行われておらず,患者の長期予後改善に向けて理学療法に対する積極的な取り組みが必要である.
  • 長澤 史朗, 坂口 一朗, 川西 昌浩, 川端 信司, 太田 富雄
    1998 年 20 巻 5 号 p. 475-479
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    従来から上位脳幹部に対する血行再建術として上小脳動脈(superior cerebellar artery;SCA)や後大脳動脈(posterior cerebral artery;PCA)のP2部を対象にバイパス術が施行されてきたが,深部での手術操作を要するため脳圧排による脳挫傷や静脈梗塞など,少なからぬ合併症が報告されている.我々は同領域の灌流低下が推定された3症例に,浅側頭動脈(superficial temporal artery;STA)をPCAの側枝である後側頭動脈(posterior tempo-ral artery;PTA)に吻合した.PTAはP2部から分枝して側頭葉底面を外側に走行する下側頭動脈群の中でも,高頻度(96%)に存在し径が大きい(平均外径1.6mm)という特徴をもつ.また今回報告した3症例では,P2部に吻合する場合と比較して平均13.3mm浅い術野で吻合することができた.PTAを吻合対象にすることで,吻合時間の短縮や脳圧排が軽度になり,バイパス開存度の向上や合併症の軽減に役立つものと考えられる.
  • 星野 晴彦, 高木 誠, 土谷 治久, 高木 康行
    1998 年 20 巻 5 号 p. 480-488
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    1年間に入院した急性期のアテローム血栓性脳梗塞28例,ラクナ梗塞57例,心原性脳塞栓25例,分類不能の脳梗塞11例,脳出血31例を対象に,初期治療までに要した時間を検討した.睡眠中発症例は25例(16.4%)あり,アテローム血栓性脳梗塞とラクナ梗塞で多かった.発症からCT撮影までの平均時間は,心原性脳塞栓症が2.06時間,脳出血が6.84時間,アテローム血栓性脳梗塞が20.78時間,ラクナ梗塞が38.69時間であった.CT撮影までに要した時間は,救急車で来院,救急外来を受診,他院受診せずに直接来院,臨床病型で心原性脳塞栓症と脳出血が有意に早かった.発症3時間以内にCT撮影が終了しているものは36例(23.7%)あり,心原性脳塞栓症が15例(60.0%),脳出血が15例(48.4%),ラクナ梗塞5例(9.1%)であった.しかし,抗血栓療法が開始されたのは発症3時間以内は1例もなく,6時間以内でもラクナ梗塞の2例と心原性脳塞栓症1例にすぎなかった.早期初期治療のためには,脳血管障害が疑われたならば救急車を呼ぶことの啓蒙と,来院後の早期治療開始の院内のシステム作りが必要と考えられた.
  • 堤 孝一, 長田 乾
    1998 年 20 巻 5 号 p. 489-499
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    左中大脳動脈領域の脳梗塞に基づく失語症例64例を対象に,発症3日から2,048日まで,延べ93回の脳循環代謝測定を行い,脳血流量(CBF),脳酸素消費量(CMRO2),酸素摂取率(OEF),血管通過時間(VTT),脳血管反応性(VR)について解析した.全体では18.3%にOEFの上昇した貧困灌流症候群が観察され,7.5%は発症後30日から250日までの慢性期に出現した.梗塞域では,OEFの上昇に加えて,VTTの延長,VRの低下が観察され,貧困灌流症候群を示す群ではOFFとVTTが相関していた.対側半球や後頭葉の非梗塞域でも,CBFとCMRO2が低下し,OEFの上昇やVTTの延長もみられ,潜在的な低灌流状態に加えて脳梗塞の遠隔効果が病態を修飾している可能性が考えられた.アテローム血栓性脳塞栓と心原性脳梗塞の間で慢性期の脳循環代謝病態には明らかな差異は見られなかった.
  • 大塚 快信, 岸本 利一郎, 脇 理一郎
    1998 年 20 巻 5 号 p. 500-505
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    脳虚血発作を2回繰り返し,その治療に成功した右内頸動脈高度狭窄の1例を経験したので報告する.症例は69歳左利き男性.一過性の左麻痺を主訴に第1回目入院.同日,左麻痺と失語を発症,緊急脳血管撮影にて右内頸動脈の99%狭窄と同側M1の塞栓閉塞を確認,まず後者に対して線溶療法を行いMCAを再開通させ,次に前者に対し経皮的血管形成術(PTA)による2段階拡張を行い,結果ごく軽度の健忘失語を残すのみで麻痺は消失し,日常生活に復帰した.その後外来通院中,頸動脈エコーでは再狭窄を認めていなかったが,約6カ月後に左麻痺と失語を再発し,第2回目入院.緊急脳血管撮影にて右内頸動脈に99%再狭窄を認めたが末梢は開通していたため狭窄に対しPTAを施行,拡張に成功した.症状も直後より改善,麻痺は消失し,失語も前回退院時のレベルに回復した.
  • 原 靖幸, 日野 洋健, 橋本 洋一郎, 寺崎 修司, 内野 誠
    1998 年 20 巻 5 号 p. 506-511
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    蛋白漏出性胃腸症の治療中に左中大脳動脈領域の広範な脳梗塞を来した46歳男性を報告した.左眼視力低下(網膜中心動脈閉塞症)で発症し,その3時間後に意識障害,右片麻痺,失語が出現した.第2病日の脳血管造影では左内頸動脈の高度狭窄を認めた.血液生化学検査で著明な低蛋白血症と高脂血症を認め,凝固線溶系ではアンチトロンビンIIIの低下,フィブリノーゲン,FDP,D-ダイマーの上昇などの凝固線溶亢進状態がみられ,脳梗塞との関連が示唆された.抗血栓療法を施行し,経時的に施行した頸部血管エコーで,内頸動脈起始部に形成された血栓が消退し,狭窄性病変が改善していく様子が確認された.
  • 藤田 桂史, 谷中 清之, 目黒 琴生, 成島 淨
    1998 年 20 巻 5 号 p. 512-516
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    くも膜下出血の原因として,脳動脈瘤,脳動静脈奇形,脳動脈硬化性疾患などがあげられるが,初回脳血管撮影で出血源が同定されないことがある.その際は繰り返し血管撮影を行う事で,出血源が明らかになる場合もあるが,結局原因不明に終わる場合も少なくない.
    今回我々は,一旦は出血源不明のくも膜下出血と診断されたものの,長期経過観察中に再び出血し,DSAによって出血源が同定された2症例を経験した.DSAは加算処理により従来の血管撮影に比して血管病変が強調されるという特徴を有す.本稿ではくも膜下出血の原因検索,特に後頭蓋窩病変の検出におけるDSAの有用性に関して報告する.
  • 猪原 匡史, 柳原 千枝, 西村 洋
    1998 年 20 巻 5 号 p. 517-521
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    経頭蓋カラードプラ法(TC-CFI)で血栓溶解療法後の再開通を確認した中大脳動脈(MCA)分枝閉塞例を報告した.症例は50歳男性.超皮質性全失語と右片麻痺で発症し,TC-CFIで左M1部の平均血流速度(MV)が右M1部MVの半分以下に低下しており,左MCA分枝閉塞と考えられた.脳血管撮影でも分枝閉塞が確認されたが,MRAでは証明されなかった.塞栓性機序が予想され,経静脈的に血栓溶解療法を施行し,緩徐に神経脱落症状の改善をみた.その後のTC-CFIで左M1部のMV正常化が観察され,再開通と診断した.TC-CFIは動脈の同定が容易で,入射角度で補正した血流速度が得られるため,狭窄や閉塞の診断が正確であり,血栓溶解療法後の再開通の診断にも有用である.これまでTC-CFIでMCA分枝閉塞の再開通を診断した報告はなく,貴重な症例と考え報告した.
  • 1998 年 20 巻 5 号 p. 522
    発行日: 1998年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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