脳卒中
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22 巻 , 2 号
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  • 古賀 政利, 木村 和美, 峰松 一夫, 山口 武典
    2000 年 22 巻 2 号 p. 301-306
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2009/12/07
    ジャーナル フリー
    本邦における急性期脳卒中医療の現状は明かではない.今回,急性期脳卒中患者の受診動向を把握するために,国立循環器病センター急性期(発症7日以内)入院連続518例での後向き調査と,一次診療の実態を調べるための大阪府北部地区の無床診療所(開業医)585施設に対する郵送アンケート調査を行った.前者の調査では,発症から来院までの時間に関係する要因を検討した.3時間以内受診は97人(19%),3~6時間は68人(13%),6時間以降は345人(67%)であった.3時間以内に来院しないことに関係する独立因子は,他の医療機関を経由すること(p<0.0001,odds ratio=6.42),非活動時の発症(p=0.0001,odds ratio=4.46),高度麻痺がないこと(p=0.005,odds ratio=3.02),救急車で来院しないこと(p=0.013,odds ratio=2.42)であった.一次診療の実態調査では,一過性脳虚血発作の約15%が専門病院へ紹介されず,神経症候の軽い患者の約24%はその日のうちに専門病院へ紹介されていなかった.また,56%の施設において急性期脳卒中患者の転送先を捜すのに苦慮していた.脳血管障害患者のより有効な急性期治療を実現させるためには,脳卒中の症候や発症時の対応についての医療スタッフおよび社会一般への教育,救急医療としての脳卒中院内診療体制作り,脳卒中救急医療ネットワーク作りが急務であると考えられた.
  • 岡田 芳和, 島 健, 山中 千恵, 豊田 章宏, 丸石 正治
    2000 年 22 巻 2 号 p. 307-312
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    著者らは各種課題に対する反応時間をマイクロコンピュータを用いて測定する高次脳機能評価法を開発した.本研究では5つの課題に対する反応時間,simple reaction time(SRT),choice reaction time(CRT),visual searching time(VST),modified Stroop test(ST)を健常成人で検討し,課題間の差異や年齢の影響を検討した.いずれの課題においても年齢と反応時間の問には正の一次相関を認め,60~80msec/10歳の延長が推察された.課題問ではSRT,CRTとVST,MST,STの問に有意な差が見られた.
    これらの結果から本反応時間測定法は,高次脳機能評価に応用できる可能性が示唆された.
  • 植松 大輔
    2000 年 22 巻 2 号 p. 313-319
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    独仏をはじめ欧州諸国ではイチョウ葉エキス(GBE)が医薬品として承認され,脳梗塞後遺症などに対し広く使用されている.本研究では脳梗塞慢性期患者においてGBEの臨床症状と局所脳血流に対する効果を検討した.対象は慢性期脳梗塞10例,平均年齢71±9歳.ドイツ医薬品と同等のGBE240mg/日を4週間使用し,前後において臨床症状の変化および123I IMP SPECTによる局所脳血流の変化を検討した.その結果,脚梗塞慢性期の脳循環不全に伴なう頭痛,抑鬱,自発性の低下などに高い有効性が認められ,全体として10例中8例に何らかの臨床的な改善がみられた.局所脳血流は低血流部位および対側の対応する部位の小脳平均カウントに対する比(CI%)を用いて評価した.低血流皮質部位の脳血流はCI:70.0±8.8から77.2±8.1%(p<0.05)へと有意な改善を認めた.イチョウ葉エキスの臨床効果を裏付ける局所脳血流の改善効果が確認された.
  • 北村 明彦, 飯田 稔, 今野 弘規, 嶋本 喬
    2000 年 22 巻 2 号 p. 320-328
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    地域の高齢男子住民を対象として,頸部エコー検査を実施し,頸動脈硬化の実態とその関連要因について検討した.分析対象は,秋田農村,高知農村,大阪近郊地区において,循環器検診を受診した男子65~74歳,計419人である.その結果,(1)総頸動脈体部の最大IMTが1.1mm以上の頻度は25~30%,球部~内頸動脈の最大IMTが1.5mm以上の頻度は40~55%を占めた.(2)秋田,高知の方が大阪に比し,最大IMTの平均値,及び総頸動脈血管径は高値を示し,その背景として高血圧の長期間の影響が最も関連していると考えられた.(3)高血圧者の多い秋田+高知では,球部~内頸動脈のIMT肥厚に対し,高血圧,及び喫煙が有意のリスクファクターとなった.一方,コレステロールレベルの高い大阪においては,総頸動脈体部のIMT肥厚と血清総コレステロール高値,及びHDLコレステロール低値との有意の関連が認められた.頸部エコー検査を健診に導入する意義は大きいと考える.
  • 中野 真一, 森山 拓造, 鮫島 哲朗, 脇坂 信一郎, 矢埜 正実
    2000 年 22 巻 2 号 p. 329-334
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    九州・沖縄地区の平成9年度の脳梗塞急性期再灌流療法の実態調査のために,脳神経外科,神経内科のある195施設にアンケート調査を行い,117施設(60.0%)より回答を得た.そのうち脳梗塞急性期医療を行っている109施設について検討した。CTで異常がない急性期脳梗塞に対して血管閉塞部位診断を行う施設は全体の67.0%で,大部分がdigital subtraction angiography (DSA)あるいはmagnetic resonance angiography (MRA)を行っており,ultrasonography (US)やcomputed tomographic angiography (CTA)を行う施設は全体の2~3割であった.何らかの再灌流療法を試みる施設は全体の58.7%で,神経内科の53.3%,脳神経外科の28.1%の施設が再灌流療法は考慮しないという結果であった.再灌流療法として最も多くの施設で行われていたのはウロキナーゼの点滴静注で(51.6%),次いでマイクロカテーテルを用いた局所線溶療法(50.0%),血管造影用カテーテルからの血栓溶解薬の動注(46.9%)の順であった.
  • 中瀬 泰然, 山本 康正, 大岩 海陽, 林 正道, 中島 健二
    2000 年 22 巻 2 号 p. 335-342
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    糖尿病(DM)がどのような梗塞病変,脳血管病変に関連しているかを明らかにするため,心原性脳塞栓症を除く初発症候性虚血性脳疾患連続215例につき,各種危険因子とMRIによる症候性・無症候性脳梗塞巣の分布,脳血管撮影による血管病変との関連を検討した.DMで多く見られた梗塞型は脳幹梗塞橋底部に達するタイプ(branch atheromatous type:B型)であった(OR2.98,95%信頼区間1.41~6.29,p<0.01).脳幹梗塞深部小梗塞は高血圧(HT)と関連しDMとは関連しなかった.15mm以下の多発ラクナ梗塞は,基底核領域,視床領域ともHTと関連し,DMとは関連しなかった.DMと椎骨脳底動脈病変との関連は有意でなかった.DMとの明らかな関連は脳幹梗塞B型のみで,椎骨脳底動脈灌流領域の梗塞である脳幹深部小梗塞,視床梗塞,小脳梗塞とは有意に関連しなかった.
  • 中村 智実, 内山 真一郎, 山崎 昌子, 岩田 誠
    2000 年 22 巻 2 号 p. 343-347
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    European Stroke Prevention Study2により,低用量のアスピリン(ASA)とジピリダモール(DP)の併用療法が脳梗塞,TIAの二次予防に相加的な効果のあることが示された.そこで,われわれは健常男性を対象として,ASAとDPのinvitroにおける全血中の血小板凝集とATP放出に及ぼす効果をインピーダンス法による全血凝集計を用いて検討した.DPは10μMADP惹起血小板凝集を20μMで有意に抑制し,ASAは10μMのADPおよび2μg/mlのcollagenによるATP放出を20μMで有意に抑制した,また,血漿アデノシン濃度はDPにより増加する傾向を認めた.以上の結果より,DPとASAの併用による血小板の凝集と放出の両者の抑制が虚血性脳血管障害の再発予防効果の増強に関与し,DPの血小板凝集抑制には血漿アデノシン増加作用が関与している可能性が示唆された.
  • 石澤 錠二, 秋山 義典, 坂井 信幸, 中原 一郎, 永田 泉
    2000 年 22 巻 2 号 p. 348-352
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    頸部頸動脈狭窄症に対するステント留置術が全身血圧・脈拍数に及ぼす影響について検討した.対象は1998年1月から12月までにステント留置を行った17例で,ステントが内頸動脈から総頸動脈におよぶ症例(CCA群)と内頸動脈に限局する症例(ICA群)に分け,留置術直前および術中の平均血圧・脈拍数.留置術4日前と18日後に24時間血圧計にて測定した平均血圧・脈拍数,血圧の日内変動につき検討した.結果は両群問において留置術直前の平均血圧・脈拍数に有意差は認められなかったが,留置術中の平均血圧・脈拍数には両群間に有意差を認め(p<0.001),CCA群では留置術直前に比べ平均37%の平均血圧の低下がみられた.しかし,18日後には両群とも,ほぼ術前の血圧・脈拍に戻り,日内変動にも変化はみられなかった.ステント留置の際にステントが総頸動脈におよぶ症例は,頸動脈洞反射を強く受けhemodynamic changeによる脳虚血症状を呈する可能性があり,厳重な周術期管理が必要であると考えられた.
  • 2000 年 22 巻 2 号 p. 353-354
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2009/12/07
    ジャーナル フリー
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