脳卒中急性期診療態勢において,急性期病院とリハビリ専門病院間の病病診連携が,急性期病院に与える影響を検討した.対象は1999年5月から2000年4月に発症7日以内に入院した急性期虚血性脳血管障害患者.入院施設を良好な病病診連携が構築されているU群806例(男性459例,女性347例,71.0±12.2歳)と,そうでないR.群217例(男性140例,女性77例,72.2±119歳)に分け比較検討した.
入院時の平均NIHSSはU群8.2,R群9.0,平均在院日数はU群17.3日,R群38.1日.自宅退院例はU群,R群のそれぞれ43%,55%を占め,在院日数は12.5日,32.0日,mRS(退院時/1年後)は0.8/1.4,1.0/1.6であり,転院例はU群の44%,R群の21%を占め,在院日数は22.7日,65.8日,mRSは3.7/3.8,4.0/4.0であった.
熊本市内では良好な病病診連携が構築され,急性期病院の在院日数は明らかに短縮した.地域間の診療態勢は異なっても転帰に差は認められず,熊本市内の「地域完結型」も一つの診療態勢のあり方と考えられる.
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