脳卒中
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25 巻, 2 号
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  • 後藤 文男
    2003 年 25 巻 2 号 p. 205
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2009/12/07
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 25 巻 2 号 p. 206-214
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2009/12/07
    ジャーナル フリー
  • 厚生省循環器病研究委託費(12指-2)「若年世代の脳卒中の診断,治療,予防戦略に関する全国多施設共同研究」もやもや病ワーキング・グループ
    黒田 敏, 中山 若樹, 難波 理奈, 七戸 秀夫, 石川 達哉, 鈴木 明文, 西野 晶子, 宝金 清博, 峰松 一夫
    2003 年 25 巻 2 号 p. 215-229
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    もやもや病は東アジアに多く認められる特異な脳血管疾患であり,ひとつの疾患概念として認識されてから40年近くが経過しようとしている.本総説では,もやもや病の歴史的背景,疾患概念,診断,放射線学的所見,内科的あるいは外科的治療法に関して,過去の報告を総括する.特に,MRIおよびMRAは本疾患において診断と経過観察を行なう上で欠かせない方法論となりつつある.また,SPECTやPETは脳循環代謝パラメータを把握することにより,効果的かつ安全に治療を行なう上できわめて重要なものとなりつつある.脳血行再建術は虚血発作を有する小児・成人例で有効性が確認されつつあるが,頭蓋内出血で発症した成人例における有効性が,現在,全国多施設研究で明らかにされようとしている.また,本総説では,原因遺伝子の検索,無症候型もやもや病の治療指針,もやもや病を有する症例の妊娠・出産時の管理など,今後解決されるべき問題についても展開した.
  • 阿倍 正人, 川村 伸悟, 長田 乾, 鈴木 明文, 永田 倫之
    2003 年 25 巻 2 号 p. 230-237
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    1992年1月から2000年6月までに発症4日以内に当院へ入院した心原性塞栓機序による中大脳動脈水平部閉塞症例32例の画像所見,臨床経過を検討した.転帰は,回復良好(GR)が2例(6.3%),軽度障害(MD)が15例(469%),重度障害(SD)が12例(37.5%),植物状態(VS)が1例(3.1%),死亡(DD)が2例(6.3%)であった.32例中19例(59.4%)に閉塞血管の自然再開通を認め,全て発症30日以内であった.自然再開通した19例中12例(63.2%)が転帰良好(GR+MD),再開通しなかった13例中5例(38.5%)が転帰良好であった.梗塞巣体積と転帰について,相関関係に有意性を認めた.閉塞部位で比較すると,遠位部閉塞の66.7%,中間部閉塞の50.0%,近位部閉塞の33.3%がそれぞれ転帰良好であった.
  • 上原 秀明, 木村 文治, 福田 和浩, 藤村 智恵子, 伊藤 巧
    2003 年 25 巻 2 号 p. 238-244
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    脳梗塞患者の来院所要時間と影響因子について後ろ向き調査を行った.対象は1998年より約2年間の脳梗塞連続200例の入院患者で,ラクナ梗塞110例,アテローム血栓性梗塞50例,心原性脳塞栓症40例であった.全症例中発見から3時間以内早期来院患者は81例(40.5%),うち起床時発見例を省くと74例(37%)であった.心原性脳塞栓症の3時間以内早期来院率(65%)がアテローム血栓性梗塞(34%),ラクナ梗塞(28%)に比べ有意に高かった(p<0.01).意識障害を認める症例の3時間以内早期来院率は66.7%と認めない症例32.2%に比べ有意に高く(p<0.01),また配偶者の有無による3時間以内早期来院率(45%vs.31%)でも有意差を認めた(p<0.05).しかし麻痺の程度や脳梗塞の既往の有無及び同居家族構成員数では来院所要時間に差は認められなかった.
  • 藏元 聖子, 平野 照之, 橋本 洋一郎, 米原 敏郎, 内野 誠
    2003 年 25 巻 2 号 p. 245-251
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    脳卒中急性期診療態勢において,急性期病院とリハビリ専門病院間の病病診連携が,急性期病院に与える影響を検討した.対象は1999年5月から2000年4月に発症7日以内に入院した急性期虚血性脳血管障害患者.入院施設を良好な病病診連携が構築されているU群806例(男性459例,女性347例,71.0±12.2歳)と,そうでないR.群217例(男性140例,女性77例,72.2±119歳)に分け比較検討した.
    入院時の平均NIHSSはU群8.2,R群9.0,平均在院日数はU群17.3日,R群38.1日.自宅退院例はU群,R群のそれぞれ43%,55%を占め,在院日数は12.5日,32.0日,mRS(退院時/1年後)は0.8/1.4,1.0/1.6であり,転院例はU群の44%,R群の21%を占め,在院日数は22.7日,65.8日,mRSは3.7/3.8,4.0/4.0であった.
    熊本市内では良好な病病診連携が構築され,急性期病院の在院日数は明らかに短縮した.地域間の診療態勢は異なっても転帰に差は認められず,熊本市内の「地域完結型」も一つの診療態勢のあり方と考えられる.
  • 野村 栄一, 郡山 達男, 小塚 和子, 梶川 博, 中村 重信, 松本 昌泰
    2003 年 25 巻 2 号 p. 252-258
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    脳梗塞急性期から亜急性期にかけて血中のvon Willebrand因子(vW因子)活性を測定し,臨床病型による差異,重症度との関係について検討した.さらに,抗血小板薬の影響についても検討した.対象は発症48時間以内に入院した脳梗塞83例で,vW因子活性の測定は入院時および1カ月後に行った.vW因子活性は,対照群と比べ患者群において有意に高値であり,1カ月後には,入院時よりも有意に上昇した.vW因子活性の変動は,臨床病型による違いは明らかでなく,重症度とvW因子活性にも相関を認めなかった.抗血小板薬の有無・種類別の検討では,シロスタゾール投与群でvW因子活性の上昇が抑えられる可能性が示唆された.脳梗塞の急性期から亜急性期にかけてvW因子は上昇するが,病型,重症度による差異は明らかではなかった.シロスタゾールは,この上昇を抑制する可能性があり,その意義について検討していく必要がある.
  • 北野 英人, 西村 裕之, 立花 久大, 芳川 浩男, 松山 知弘
    2003 年 25 巻 2 号 p. 259-266
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    ORP150(150kDa oxygen regulated protein)は,小胞体に局在するストレス蛋白である.本研究では,脳梗塞におけるORP150の役割を検討する目的で,ORP150強制発現(以下TG)マウスとORP150欠損(以下KO)マウスの中大脳動脈閉塞による一過性局所脳虚血を作成した.虚血負荷再灌流24時間後には1時間虚血群で,TGマウスはKOマウスに比し,梗塞容積は大脳皮質で有意に縮小した(p<0.001).線条体では有意差はなく,また3時間虚血群では大脳皮質,線条体でも両群間で差はなかった.免疫組織化学的検討では,1時間虚血負荷したTGマウス群で大脳皮質のMAP2の染色性がよく保たれており,同部位に一致してORP150の染色性が亢進していた.一方,3時間虚血負荷では両群ともMAP2染色は消失したがTGマウスのORP150の染色性は保たれていた.1時問虚血後再灌流後6時間の時点では,TGマウス群の大脳皮質のMAP2の染色性が保たれている部位に一致してBcl-xs/Lの染色性が認められた.以上より,ORP150は脳虚血再灌流による小胞体ストレスを軽減し,アポトーシスを抑制することにより脳を保護する可能性が示唆された.
  • 今井 啓輔, 森 貴久, 泉本 一, 渡邉 聖樹, 神谷 俊輝
    2003 年 25 巻 2 号 p. 267-273
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    緊急脳血管造影で可動性血栓(floating thrombus:以下FT)を伴う内頸動脈高度狭窄を診断し,異なる臨床経過をとった急性期高齢者脳梗塞患者の2治験例を報告する.症例1:運動性失語と右不全麻痺で来院した83歳女性.来院時の頭部MRI拡散強調画像で左大脳半球に多発性の高信号が存在し,保存的治療にて症状は次第に改善した.頸部血管超音波検査にてFTが消失した入院16日目に頸動脈ステント留置術を施行し経過は良好であった.症例2:全失語と右不全片麻痺で来院した82歳男性.来院時の頭部MRI拡散強調画像で左放線冠に高信号が存在し,保存的治療を開始したが麻痺が次第に進行した.FTが消失した入院27日目に頸動脈ステント留置術を施行したが症状は改善しなかった.FTを伴う内頸動脈高度狭窄病変による急性期脳梗塞患者の臨床経過は多様であり,保存的治療のみでは症状が進行することがある.
  • 藤井 康弘
    2003 年 25 巻 2 号 p. 274-277
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    両側の難聴で発症し,その後明らかな脳梗塞症状を呈した症例を報告する.症例は77歳,男性で,右難聴その4時間後に左難聴が出現した.神経学的には右方視にて注視方向性眼振を認めた.発症翌日右片麻痺,麻痺性失声が出現し,脳血栓症として治療を行った.入院4日目の頭部CTで左橋中部に梗塞巣,6日目の3D-CTAでは脳底動脈中央部の閉塞を認めた.1カ月後の3D-CTAでは脳底動脈は再開通していた.難聴のみを主訴とする場合でも脳血管障害が原因である可能性があるため,慎重な経過観察と脳血管の検査が必要である.
  • 陰圧式固定具の有用性
    荒木 有三, 坂井 昇
    2003 年 25 巻 2 号 p. 278-281
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    キセノンCT検査の頭部固定に使用するプラスチックビーズを充填した陰圧式固定具の有用性について検討した.頭部の固定方法により,陰圧式固定具を使用した症例(M群)88例,空気枕を使用した症例(A群)87例,主としてスポンジにより固定した症例(S群)97例の3群にわけ,キセノンCT解析画像のConfidenceマップよりOM5cmの断面の平均Confidence値を比較した.各群の平均Confidence値の平均値は,M群が平均値0.461,A群が平均値0.866,S群が平均値1.043であり,統計学的にM群が有意に低値であった.体動の影響が少ない信頼性の高い脳血流値画像を得るために,陰圧式固定具が有用と考えられた.
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