脳卒中
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28 巻 , 2 号
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  • 加藤 陽久
    2006 年 28 巻 2 号 p. 269-279
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】半側空間無視(USN)の出現と回復に係わる病態を明らかにするために脳酸素消費量(CMRO2)を解析した.【方法】右大脳半球に主病変を有する脳梗塞患者で,USNを呈する時期にPETを施行した13例(A群),回復後にPETを施行した11例(B群),右大脳半球の主幹動脈病変を有しながらもUSNを呈さなかった27例(C群),及び健常成人8例(NV群)について局所のCMRO2を比較した.【結果】A群及びB群は,C群あるいはNV群よりも,左小脳半球,右前頭葉,右側頭葉,右頭頂葉,右基底核,右視床及び両側帯状回においてCMRO2が有意に低下した.左下頭頂小葉を除くと,A群とB群の間にはCMRO2の有意差はなかった.【結論】USNの出現には広範な領域での脳循環代謝障害が関与したが,USNの回復には一定領域の関与を特定できず,これはUSNの出現機序や回復機序の多様性を反映するものと考えられた.
  • 石川 達也, 湯浅 直樹, 大友 卓, 白水 秀樹, 松田 博, 北川 泰久, 高木 繁治
    2006 年 28 巻 2 号 p. 280-285
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    脳梗塞急性期におけるMRI拡散強調画像(diffusion weighted image, DWI)の有用性は広く知られているが発症早期に撮像したDWIにて異常信号が描出されない症例も経験する.我々は当院にて発症24時間以内にMRIを施行した急性期脳梗塞患者170例,うちDWI陽性例151例(89%),DWI偽陰性例19例(11%)において撮像時間とDWI所見の有無からDWI偽陰性の脳梗塞の特徴を検討した.DWI偽陰性例において嘔吐,めまいなどの非特異的症状を多く認め,椎骨脳底動脈系で59例のうちDWI偽陰性は9例(15.3%)であった.DWI偽陰性19例のうち発症6時間以内は14例(73.7%),ラクナ梗塞は16例(84.2%)であった.DWI偽陰性は脳梗塞の初期状態を見ている可能性があることが示唆され,その診断には個々の症例における神経所見の変化を重視すべきと思われた.
  • 森田 優子, 滝沢 俊也, 大貫 知英, 小浜 るり子, 小原 さおり, 高木 繁治, 篠原 幸人
    2006 年 28 巻 2 号 p. 286-290
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    外科的手術あるいは内視鏡検査前などにおける抗血小板薬休薬の至適期間を,血小板凝集の面から検討した.手術・検査のために抗血小板薬を一時中止した患者22例(アスピリン9例,チクロピジン13例)を対象とし,休薬前,休薬3日,7日,14日目に比濁法にて血小板最大凝集率を求めた.その結果,アスピリン群では休薬前に対し休薬3日後より有意に凝集能が亢進し(14.0±8.5% vs 48.1±31.2%; p<0.05),チクロピジン群では休薬14日後に初めて有意差(19.5±11.4%vs58.4±30.8%; P<0.05)を認めた.確実な目処もなく日常的に行われている休薬期間を最小限にするという観点から血小板凝集能を指標とした場合,アスピリンは術前3日,チクロピジンは2週間が望ましいと結論された.
  • 古屋 大典, 棚橋 紀夫, 荒木 信夫, 島津 智一, 名古屋 春満, 加藤 裕司, 伊藤 康男, 二宮 充喜子, 島津 邦男
    2006 年 28 巻 2 号 p. 291-296
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    発症からエダラボン投与開始までの時間が心原性脳塞栓症の機能予後におよぼす影響を検討した.対象は2001年8月からの4年間に当院に入院し,エダラボン60mg/日を7~14日間投与された中大脳動脈起始部閉塞の連続51症例.発症から投与開始までの時間が3時間以内の症例をA群(16例),3~6時間をB群(16例),6~24時間をC群(19例)とした. Japan Stroke Scale (JSS), NIH Stroke Scale (NIHSS) および modified Rankin Scale (mRS) を用い,入院時と28日後に評価しA~C群で比較した. JSS スコアの改善度は投与時期と負の相関(r=-0.7602,p<0.001)を示した.28日後におけるNIHSS スコアとmRSの比較では差(p<0.001)がみられ,早期投与例で軽症が多かった.発症早期にエダラボンが投与された症例ほど,機能的回復が大であった.
  • 上野 祐司, 井上 剛, 芝崎 謙作, 井口 保之, 卜部 貴夫, 木村 和美
    2006 年 28 巻 2 号 p. 297-300
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は61歳の女性.複視で来院後,突然,意識障害,四肢麻痺となり,脳血管造影検査にて塞栓性脳底動脈閉塞と診断した.選択的血栓溶解療法を施行したところ,閉塞部位の再開通を得た.意識障害出現直後より血圧低下がみられ,心電図上のST低下と心エコー図検査にてたこつぼ型心筋症によるものと診断した.たこつぼ型心筋症はくも膜下出血に合併することはよく知られているが,脳梗塞急性期に合併することは非常に稀であるので報告する.
  • 石橋 昌也, 菊池 昭夫, 武田 篤, 小野寺 淳一
    2006 年 28 巻 2 号 p. 301-305
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は75歳女性である.糖尿病のコントロールは不良で,右上下肢に舞踏運動が出現した.T1強調MRIでは左線条体に高信号を認め,糖尿病性舞踏病(DHC)と診断した.T2強調MRIでは左線条体の一部に低信号を認めた.磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)では左被殻にN-アセチルアスパラギン酸/クレァチン(NAA/Cr)比の低下を認めたが,コリン/クレアチン(Cho/Cr)比は正常で乳酸の上昇もなかった.本例の原因として,高血糖により脳血液関門が破壊され生じた微小出血が考えられ,発症初期から確認できたことが特徴的であった.DHCの生検や剖検例は非常に少ないため,T2強調MRI及びMRSによる検討がDHCの原因を推察する上で重要な役割を果たすものと考えられた.
  • 梅原 藤雄, 野元 三治, 簗詰 伸太郎
    2006 年 28 巻 2 号 p. 306-312
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    多発性脳梗塞を契機に診断に至った卵巣癌に伴う非細菌性血栓性心内膜炎(NBTE)の1例を報告する.患者は38歳女性,2カ月前から繰り返す発作性視覚障害と構音障害を主訴に受診した.頭部MRI拡散強調画像で,両側大脳に多発性高信号域を認めた.経食道心エコーで僧帽弁に可動性腫瘤を認めた,入院後,抗菌薬及び抗凝固薬の投与を開始したが,徐々に腫瘤の拡大を認めたため,腫瘤摘出及び僧帽弁形成術を行った.摘出した腫瘤は,無菌性フィブリン血栓であったことから,NBTEと診断した.術後検査で骨盤内腫瘤が見つかり手術を施行した結果,ムチン産生卵巣癌であることが判明した.術後, NBTE は治癒し,長期間の経過観察中,脳梗塞の再発をみていない.以上より,卵巣癌に伴うNBTEと診断した.脳梗塞はNBTEによる塞栓性機序と考えた.病理学的に確定診断されたNBTEによる脳梗塞の報告は稀で,その原因として卵巣癌が確認された.卵巣癌から分泌されたムチンが, NBTE の発症要因のひとつである可能性が示唆された.
  • 大供 孝, 三科 秀人, 園川 忠雄, 伊藤 昌徳
    2006 年 28 巻 2 号 p. 313-317
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    一相性低用量(第三世代)経口避妊剤は本邦では平成17年4月より販売が開始された.同剤服用中に硬膜静脈洞血栓症を発症した例を経験したので報告する.症例は38歳の女性で頭痛,吐気にて発症し,入院時右上肢の痙攣,感覚障害を認めた.入院後痙攣重積状態となりプロポフォールにてコントロールした. CT, MRIにて左頭頂葉に静脈性梗塞の所見を認め,MRVでは上矢状静脈洞の信号が欠損していた。硬膜静脈洞血栓症と診断し,ヘパリン持続投与を2週間継続し,ワーファリン内服に切り替えた.プロポフォール中止後,痙攣の再発無く,梗塞巣の拡大は認めなかった.再検したMRVにて静脈洞の再開通を認めた.退院時に両手の軽度の感覚障害以外には症状を認めなかった.ヘパリン,ワーファリンによる抗凝固療法は有効と考えられた.我々が渉猟した限りでは一相性低用量(第三世代)経口避妊剤服用中硬膜静脈洞血栓症の本邦での報告は見当たらない.今後同剤の普及に伴い静脈洞血栓症が増加する可能性があるので注意が必要と考えられた.
  • 石川 剛久, 倉科 智行, 中村 優子, 嶋崎 晴雄, 瀧山 嘉久, 中野 今治, 佐久間 裕司, 田中 亨
    2006 年 28 巻 2 号 p. 318-323
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    Fibromuscular dysplasia(FMD)による脳梗塞の1剖検例を報告した.高血圧,高脂血症,喫煙,家族歴という多数の危険因子を有する43歳女性が左不全片麻痺のため当科に入院した.頭部MRIでは右大脳半球の一部に急性期梗塞の所見を,頸動脈ドプラーエコーでは左内頚動脈に軽度の動脈硬化性変化を認めたが,MRAは体動により評価困難であった.経過良好であったが,第14病日に左片麻痺が進行し。頭部MRIでは右中大脳動脈領域に一部出血を伴う広範な梗塞が認められた.第16病日には脳ヘルニアが進行し,第18病日に死亡した.剖検では高度な腫脹を伴う右大脳半球広範の出血性梗塞の他,右中大脳動脈には内弾性板の断裂,中膜の菲薄化や解離による瘤状変化が認められた.同様の血管病変が他部位にも確認されたことから,FMDに基づく中膜解離による動脈の狭窄ないし閉塞が原因で発症した脳梗塞と考えられた.
  • 宗田 高穂, 近藤 清彦, 吉岡 裕樹, 井川 鋭史
    2006 年 28 巻 2 号 p. 324-328
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は88歳女性。左片麻痺,意識障害で発見され当院救急外来に搬入された,右中大脳動脈領域の梗塞が認められ,入院の上保存的治療を行った.心電図で心房細動があり,心原性脳塞栓症と考えられた.約2カ月後四肢麻痺,意識障害で再び当科入院となった.脳幹反射の障害があり,3D-CT angiographyで脳底動脈が描出されず脳底動脈閉塞症と考えられた.入院後,経過観察の頭部CTで全大脳に梗塞巣が確認された.入院中に脳梗塞再発を疑わせる症状の変化はなく,両側内頸動脈領域も来院時既に虚血に陥っていたものと考えられた.大脳半球全域の脳梗塞の発生機序について文献的考察を加えて報告する.
  • 池田 憲, 中澤 勝, 田村 政紀, 馬場 繁二, 岩崎 泰雄
    2006 年 28 巻 2 号 p. 329-330
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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