脳卒中
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28 巻 , 3 号
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  • 渡邉 雅男, 渡邊 照文, 宮元 伸和, 水野 美邦, 卜部 貴夫
    2006 年 28 巻 3 号 p. 351-359
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    目的:悪性腫瘍に伴う脳梗塞の臨床的特徴と凝血学的分子マーカーの有用性について検討した.対象と方法:過去5年間に当院に入院した脳梗塞患者で悪性腫瘍を有した74例(平均71±11才,男53人,女21人)を対象とし,臨床的特徴について検討した.結果:45例(60.8%)が塞栓性,29例(39.2%)が血栓性であった.原発臓器は胃癌が最多で(23%),組織型は腺癌が最多だった(60.8%).対照群と比べ,発症時のD-dimer値が有意に高値だった(D-dimer;9.6±18.7μg/ml vs3.9±6.8μg/ml,p<0.05).また血清CA19-9値とD-dimer値との間に相関関係がみられた(CA19-9vs D-dimer R=0.37,p<0.05).結論:担癌患者では凝固線溶系の著しい活性化が脳梗塞発症に関与し,担癌患者においてはD-dimer値の上昇が脳梗塞発症の予測マーカーとして有用である可能性が示唆された.
  • 中瀬 泰然, 佐藤 美佳, 山崎 貴史, 小倉 直子, 鈴木 明文, 長田 乾
    2006 年 28 巻 3 号 p. 360-366
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    炎症が動脈硬化の発生および進展に強く関連し,脳血管障害においてもその病態に関与していると報告されている.従って,炎症マーカーを解析することは脳梗塞の発生や悪化における病態解明にも重要である.今回われわれは脳梗塞発症時の炎症マーカーを測定し,病型問での差異や予後との関連を検討した.急性期脳梗塞患者連続入院例(n=104)を対象とし,入院時に高感度CRP,TNFα,IL-6,酸化型LDL,血清鉄を測定した.また,病歴および頭部MRI,MRAより心原性脳塞栓,アテローム血栓性脳梗塞ラクナ梗塞動脈解離による脳梗塞に分類した.重症度はNIHSSにて評価した.その結果,全症例で酸化型LDLの増加が認められ,心原性塞栓とアテローム血栓で発症時の高感度CRPがラクナ梗塞に対して高値を示したが有意差はなかった.発症時の重症度と全症例のIL-6,ラクナ梗塞のTNFα高値が正の相関を示した.心原性塞栓の予後不良にはIL-6の高値が関与していた.脳梗塞急性期では炎症マーカーの上昇傾向がみられ,病態の活動性の指標となる可能性が示された.
  • 高田 達郎, 永野 恵子, 成冨 博章, 峰松 一夫
    2006 年 28 巻 3 号 p. 367-372
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    局所線溶療法(LIT)におけるNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)とJapan Stroke Scale(JSS)の有用性を検討した.対象は中大脳動脈塞栓症16例で,LIT前,直後,24時間後および1カ月後にNIHSSとJSSを,退院時にmodified Rankin scale(mRS)およびBarthelindex(BI)を評価した.各時期とも両スコアは有意に相関し,退院時BIは24時間後のJSSスコア,1カ月後の両スコアと相関した.退院時mRSは24時間後,1カ月後の両スコアと相関した.退院時自立(mRS〓2)に対するLIT直後のNIHSSスコア2以上およびJSSスコア0.65以上の改善での感度はそれぞれ0.75,0.75,特異度1.00,0.875であった.LITにおいて経時的な脳卒中スケール評価は退院時転帰の予測に有用であった.
  • 川上 雅久, 荒木 忍, 藤田 隆史
    2006 年 28 巻 3 号 p. 373-377
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    太田西ノ内病院に入院したくも膜下出血の症例430例の臨床像および治療成績をretrospectiveに検討した.入院時のHunt and Kosnik gradeはgrade IVが54例,gradeVが205例で全症例の60%を占めており,来院時心肺停止は100例(23%)であった.出血源を同定したものは274例(64%)で脳動脈瘤が272例,脳動静脈奇形が2例であった.脳動脈瘤クリッピング術が129例に,血管内治療が70例に行われた。退院時の転帰(GOS)はGR129例(30%),MD36例(8%),SD32例(7%),VS3例(1%)Dead230例(54%)であった.当院に搬送された症例の約半数は重症例であり,転帰も不良な症例が多かったが,良好な経過をたどる症例も認められた.
  • 奥田 聡, 山口 武典
    2006 年 28 巻 3 号 p. 378-384
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    脳保護薬エダラボンのラクナ梗塞に対する有効性を検討するため,過去に報告された臨床報告を併合解析し,メタアナリシスの手法を用いて検討した.「エダラボン」「脳梗塞」「人」をキーワードとして電子的検索を行い,主要学会報告についてはその抄録からハンドサーチを実施した.抽出された臨床報告の報告者に調査協力とデータ提供を依頼し,使用許可の得られた35報のうち,対照群を設けた研究デザインで,「エダラボン投与群が10例以上」「評価項目にmodified Rankin Scale(mRS)を使用」「対照群と投与群間の入院時重症度に有意差がない」などを基準として解析対象報告を選別,臨床報告14報をラクナ梗塞の併合解析に使用した.ラクナ梗塞におけるmRS 0-1の割合は,オッズ比1.41(95%CI:1.01~1.97)で,エダラボン群で軽度ながら有意に機能予後が良好であった.ラクナ梗塞にエダラボンを投与することで,機能予後良好の割合が改善する可能性が示唆された.
  • 飯嶋 睦, 内山 真一郎, 吉澤 浩志, 赫 洋美, 益田 陽子, 松村 美由起, 堤 由紀子, 岩田 誠
    2006 年 28 巻 3 号 p. 385-390
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    脳梗塞と片頭痛の関連性について検討した.対象は片頭痛を有し,片頭痛発作にひき続き脳梗塞を発症した7例.発症年齢は平均30歳で,女6例,男1例であった.発症時に前兆のある片頭痛を呈した患者は2例のみで,他の5例は前兆を認めなかった.病巣は椎骨脳底動脈・後大脳動脈領域が6例,中大脳動脈領域が1例であった.高血圧,高脂血症糖尿病,心疾患の合併例はなかった.βトロンボグロブリンと血小板第4因子は6例で上昇し,抗核抗体は5例で陽性,カルジオリピンIgM抗体は1例で陽性,ループスアンチコアグラントは2例で陽性で,うち1例は急性期のみ陽性であった.片頭痛による脳梗塞は椎骨脳底動脈系に多く,その発症に血小板機能亢進や,一部の症例では自己免疫病態や抗リン脂質抗体の関与が推察された.
  • 角田 朗, 徳川 城治, 富田 禎之, 丸木 親
    2006 年 28 巻 3 号 p. 391-395
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    初回血管撮影で出血源が確定出来なかったくも膜下出血(SAHUE)例の臨床像について,自験例で検討した.1997.1~2005.6までに当院に入院した非外傷性SAH連続325例中,初回血管撮影で出血源が診断されなかった34例を対象.最終的に出血源不明で,再出血もきたさなかった15例をgroup A,出血源が判明した,或るいは再出血をきたした19例をgroup Bとして,その臨床像を比較検討した.Group Bはgroup Aに比べて,入院時症状・CT上の血腫量・症候性血管攣縮・水頭症の有無・最終的予後,のいずれについても重症度が高い傾向があきらかであった.最終的に出血源が判明したのは15例で,内頚動脈系と椎骨脳底動脈系が各6例と多かった.前者のうち,5例がいわゆる内頚動脈前壁動脈瘤(ICA)であった.SAHUEは,明らかな出血源がみられず予後良好な群は半数程度で,破裂動脈瘤の存在する通常のSAHも多く含まれている.中でも特に予後不良な転帰をとる例はICAの含まれている可能性が高く,注意を要する.
  • 吉田 和雄, 高田 幹彦
    2006 年 28 巻 3 号 p. 396-402
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    59名の脳卒中患者に対して,急性期病床から回復期病床への転院時期による機能予後の違いを,運動FIMを用いて検討した.平均在宅復帰率は79.6%であった.発症1カ月以内に転院してきた患者群は,運動FIMが入院時50.5から退院時75.4へ改善(FIM利得24.9)し,2カ月以内の転院群は,51.6から66.1へ(FIM利得14.5),3カ月以内の群は,38.3から50.3へ(FIM利得12.0)それぞれ改善を示した.FIM項目別に見ても全ての項目において各群間に差が認められた.また在宅復帰率はそれぞれ91.6%,73.0%,25.0%であった.自宅退院と施設転院との分岐点は運動FIM70点前後と考えられ,このレベルのADLを目指すためには,急性期病床からの転院がスムーズに行われることが必要で,遅くとも発症1カ月以内の転院が望ましいと思われた.
  • 杉山 幸生, 下出 淳子, 小仲 邦, 長束 一行, 飯原 弘二, 植田 初江, 成冨 博章
    2006 年 28 巻 3 号 p. 403-407
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は自宅で倒れているところを発見された67歳男性.来院時の神経学的所見では右片麻痺と失語があり,頭部MRI拡散強調画像上,左内頸動脈灌流域に多発性の急性期梗塞巣がみられた.入院時の頸動脈エコーでは左内頸動脈に可動性血栓を伴った低輝度プラークを認め,さらにそのプラークの中心部が拍動性に動く像が認められた.経頭蓋超音波では左中大脳動脈にmicro-embolic signal(MES)が検出され,左頸動脈可動性病変由来のartery-to-artery em-bolismによる脳梗塞を再発する危険性が高いと考えられたため,第4病日に左頸動脈内膜剥離術を施行した.術後経過は良好で,右片麻痺,失語はほぼ消失し第34病日に自宅退院した.剥離した頸動脈内膜の病理学的検査では,プラーク内出血と線維性被膜の断裂,その周囲に器質化しつつある血栓の付着が認められ,最近のプラーク破綻を示唆していた.脳梗塞急性期にみられる頸動脈可動性病変の意義について考察する.
  • 佐藤 祥一郎, 高田 達郎, 豊田 一則, 峰松 一夫
    2006 年 28 巻 3 号 p. 408-410
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は104歳女性.突然の転倒と意識障害の発症後1時間45分で来院した.心原性脳塞栓症と診断し,アルテプラーゼ静注療法を検討したが,CTで同定し得なかった硬膜下血腫をMRIのFLAIR画像および拡散強調画像で診断した.超高齢であること,比較的広汎な早期虚血変化と併せて適応外と判断した.転倒や頭部打撲を伴った症例では,CTで検出できずMRI撮像が必要な外傷性頭蓋内出血もあることを念頭におくべきであろう.
  • 井上 智夫, 西村 真実, 林 央周, 沼上 佳寛, 西嶌 美知春
    2006 年 28 巻 3 号 p. 411-418
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    [背景]硬膜動静脈瘻(dural AVF)は多彩な臨床像を呈する血管奇形である.[対象・方法]過去6年間に経験した頭蓋内duralAVFの画像所見・臨床症状・治療法・治療成績を検討した.[結果]全28例(男性14例,女性14例,平均年齢63.5歳).病変部位は海綿静脈洞部13例,横-S状静脈洞部7例,前頭蓋底部4例,辺縁静脈洞部1例,頭蓋頚椎移行部3例,Bor-den分類ではtypeI18例,typeII8例,typeIII2例,I18例中5例(28%)が無症候性,7例(39%)が慢性な経過,II8例中5例(63%)が急激な頭蓋内圧亢進症状を呈し,出血発症2例はIIとIIIであった.治療方法はdrainer clipping術4例,direct sinus packing2例,血管内塞栓術12例,放射線治療2例,経過観察8例.転帰は18例で症状の改善が得られ,9例で症状は不変,1例はくも膜下出血で死亡であった.[結語]個々の臨床症状や血管撮影のパターンに応じた的確な治療で良好な経過が得られる.
  • 柳原 千枝, 片山 重則, 高橋 竜一, 和田 裕子, 西村 洋
    2006 年 28 巻 3 号 p. 419-425
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    DAVFにおけるMR画像所見として,可逆的な病変が大脳白質に出現することはあるが,皮質中心の病変の報告例はない.今回我々は意識障害と痙攣重積で発症し大脳皮質と皮質下白質表層を中心とした広範な病巣が可逆性に出現した多発性硬膜動静脈瘻(DAVF)の1例を経験した.症例は62歳男性.20年前に脳梗塞の既往があり,10年前から間欠的に痙攣発作が出現していたが特に精査加療は行っていなかった.右半身を中心とした痙攣重積で発症し,静脈洞血栓症を伴う多発性DAVFを認めた.頭部MRIでは左大脳半球の皮質を中心に広範な病変がT2強調画像とFLAIR画像で出現し,臨床症状の改善とともに消失したが,白質に一部虚血性病変が残存した.痙攣重積時にMR画像で広範な可逆性病変が皮質に出現することは知られているがDAVFでの報告はなく,本例ではうっ血による還流障害によりMR上可逆性の病変が出現したと考えられた.
  • 古賀 政利, 中根 博, 湧川 葉子, 横山 葉子, 長尾 哲彦, 井林 雪郎
    2006 年 28 巻 3 号 p. 426-430
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    当院におけるアルテプラーゼ導入前の院内発症脳卒中の対処状況を検討する.院内発症した脳卒中連続症例で年齢性,入院の原因疾患,診療科,病型,発症から発見までの時間を調べた.脳梗塞症例では入院時NIHSS,睡眠中発症か否かを調べた.発見時間3時間前後の脳梗塞症例2群を比較した.19人(平均年齢77歳,男性8人)の院内発症脳卒中があった.入院の原因は心疾患(10人),消化器疾患(3人),担当科は循環器内科(11人),整形外科(3人)が多かった.病型は心原性5人,アテローム血栓性5人,ラクナ2人,その他の脳梗塞4人,脳出血3人であった.脳梗塞16人のNIHSSスコアは中央値5.5で,睡眠中発症は4人で,発見までの時間は中央値5.7時間であった.発見までの時間が3時間以降の群ではNIHSSスコアが低く,睡眠時発症が多い傾向があった.院内発症脳卒中は心疾患で循環器内科に入院中に多く,軽症脳梗塞および睡眠時発症では発見が遅れていた.
  • 高田 浩次, 小島 進, 弓場 孝治, 山名 大吾
    2006 年 28 巻 3 号 p. 431-432
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 田口 明彦, 明神 和紀, 松山 知弘
    2006 年 28 巻 3 号 p. 433-436
    発行日: 2006/09/25
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
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