脳卒中
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29 巻 , 5 号
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原著
  • 宮元 伸和, 伊澤 奈々, 本井 ゆみ子, 服部 信孝, 卜部 貴夫
    2007 年 29 巻 5 号 p. 617-623
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2009/02/06
    ジャーナル フリー
    目的 : 延髄梗塞における神経症状は多彩であり, 従来の延髄梗塞症候群の分類では不全型と診断せざるを得ない症例を数多く経験する. 2004年KamedaらによりMRIによる画像診断に基づいた分類が報告された. 今回我々は延髄梗塞を呈した症例においてMRIによる分類の有用性について検討した.
    方法 : 過去10年間に当院に入院した延髄梗塞46例を対象とし, 延髄症候群による分類とMRIによる分類を比較検討した.
    結果 : 症候群による分類では不全型を21例認めたが, MRI分類では全例がいずれかに分類された. 解剖学的位置よりWallenberg症候群はDorsolateral type, Dejerine症候群はParamedian typeと推測されたが, 合致しない症例が多数を占めた.
    結論 : 延髄梗塞のMRIによる分類は, 臨床症状と病変局在の関連性, および, 病態や危険因子の解析をする上でも有用と考えられた.
  • 斉藤 敦志, 沼上 佳寛, 上山 浩永, 古野 優一, 西村 真実, 西嶌 美知春
    2007 年 29 巻 5 号 p. 624-628
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2009/02/06
    ジャーナル フリー
    背景
    当院は青森県津軽地方に位置し過疎地域を多く含み, 冬季は患者搬送が困難な場合が多い. 当院では1989年から画像電送装置を用いて救急搬送トリアージを行ってきた.
    方法
    画像電送装置を用い, 地域中核病院より紹介を受け, 頭部CTを元に症例検討を行う. 当院の脳神経外科専門医が, 即時移送, 後日受診, 経過観察の判断をしてトリアージする.
    結果
    1989年より2006年まで, 計11の基幹病院より2,858例の紹介が行われた. 脳血管障害1,615例, 頭部外傷869例, 脳腫瘍97例, その他277例であった. 即時移送はくも膜下出血の84%, 脳出血の25%, 頭部外傷の22%であった. 即時移送の要因は, 脳出血例では意識状態が, 頭部外傷例では意識状態と紹介時間が有意に関連していた.
    結論
    当システムにより病院間の連携が強化され, 紹介患者の救急搬送が適切に行われるようになった. 電送画像の画質, 受信側のマンパワーなどに検討を要した.
症例報告
  • 善本 晴子, 松尾 成吾, 上川 秀士, 牛渡 一盛, 渡部 彩子, 川上 徳昭, 松野 太, 森山 貴
    2007 年 29 巻 5 号 p. 629-634
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2009/02/06
    ジャーナル フリー
    症例は70歳男性. 突然の頭痛で発症し, 頭部CTで後頭蓋窩中心にクモ膜下出血と脳室内血腫を認めた. 当科入院となった第2病日のMRAおよび3D-CTAで左椎骨動脈の解離性病変が疑われたが, 脳血管撮影では明らかな異常を認めなかった. 初回の検査で良好な造影が得られなかった右椎骨動脈撮影を行う目的で, 第3病日再度脳血管撮影を施行したところ, perimedullary veinの早期造影を認め, cervical spinal dural arteriovenous fistulaと診断した. 同日, 手術施行し, perimedullary draining veinの遮断を行った. その後の経過は順調であった. SAHの原因疾患として, cervical spinal dural AVFは忘れてはならない疾患であるが, 実際に経験されることはまれである. 出血源が同定できない場合には, 近位椎骨動脈撮影を含むfour vessel studyと注意深い検討が必要である.
  • 田中 優司, 西田 浩, 犬塚 貴
    2007 年 29 巻 5 号 p. 635-641
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2009/02/06
    ジャーナル フリー
    症例は65歳男性. 主訴は頭痛と嘔吐, 意識障害. 2週間前から頭痛と嘔吐がつづき, 徐々に言葉数が少なくなり入院. 意識はJCSでI-3, 髄膜刺激徴候を認めた. 入院時の頭部MRI, MRAは異常なし. 髄液検査は細胞数増多, 蛋白上昇, ADA上昇, 結核菌DNA (PCR) 陽性. 胸部CTは異常なし. 結核性髄膜脳炎と診断し, ステロイドを併用しながら抗結核療法を開始した. 症状は徐々に改善したため, ステロイドは開始して4週間後から漸減した. 入院45日目に右放線冠梗塞, 入院56日目に左MCA領域の梗塞をきたし, 頭部MRAで左MCA閉塞を認めた. 以後, 四肢麻痺が残存した. 結核性髄膜炎による脳梗塞において発症前後で脳血管の変化を捉えた報告は非常に少ない. 結核性髄膜炎では良好な経過中でも主幹動脈の閉塞から脳梗塞をきたすことがあり十分な注意が必要と考えた.
  • 今井 啓輔, 木村 雅喜, 牧野 雅弘, 巨島 文子, 小田 健一郎, 竹上 徹郎, 丸山 大輔, 丹羽 文俊, 東 裕美子
    2007 年 29 巻 5 号 p. 642-647
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2009/02/06
    ジャーナル フリー
    症例は79歳男性. 頸動脈エコーと頸部MRAにて, 左内頸動脈起始部の軽度狭窄を以前より指摘されていた. 平成18年6月5日, 急速に出現した意識障害にて当院へ搬送され, JCS100, 失調性呼吸, 右完全片麻痺, 左下肢麻痺をみとめた. 頭部MRI拡散強調画像にて左大脳半球を中心に多発高信号域がみられ, 頸動脈エコーと脳血管撮影で左内頸動脈起始部の高度狭窄と診断された. 同病変による低灌流が重篤な症候に関与していると考え, 頸動脈ステント留置術による緊急血行再建を施行した. 術直後より, 意識レベルと呼吸状態は急速に回復し, 第2病日に左下肢麻痺も改善した. 運動性失語と右片麻痺を残した状態で第23病日に転院となった. 本例では, プラーク形態変化に伴い急速に進行した頸部内頸動脈狭窄により生じた重症脳梗塞に対して, 頸動脈ステント留置術による緊急血行再建が有用であったと考えられた.
  • 日暮 雅一, 小野 敦史, 中野渡 智, 加藤 依子
    2007 年 29 巻 5 号 p. 648-651
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2009/02/06
    ジャーナル フリー
    今回我々は, 頭部打撲後に初回出血した脳動静脈奇形 (以下AVM) の男児症例を経験した. 症例は9歳男性. 頭部打撲の3時間後より頭痛, 嘔吐および右半身の脱力が出現した. CTにて左前頭頭頂葉に径5cm大の脳内出血を認め, 意識レベル低下および右片麻痺の悪化を認めたため, 緊急で開頭血腫除去術を施行した. 術後意識清明となり, 右片麻痺も完全に消失した. 脳血管撮影にて, AVMを認めたため二期的に手術にて全摘出を施行した.
    頭部打撲後に, AVMの出血がみられた場合, それが外傷の衝撃で発生したものか, 自然出血かの判断は困難である. 本病変は前頭頭頂部の傍正中脳実質内において, 深部から表層にかけて存在しており, 外傷によるShear strainの影響を受けやすい形態をしていると考えられたので, 文献的考察を含めて報告する.
短報
  • 山田 圭一, 吉川 幸弘, 西村 進一, 高橋 一浩, 井上 洋人
    2007 年 29 巻 5 号 p. 652-654
    発行日: 2007/09/25
    公開日: 2009/02/06
    ジャーナル フリー
    発症24時間以内のラクナ梗塞119例に対し, 抗血栓薬単独治療 (A群) 40例, エダラボン単独治療 (B群) 27例, 抗血栓薬・エダラボン併用療法 (C群) 52例に分け, retrospectiveに検討した. 退院時のmodified Rankin scale (mRS) による転帰においては各群間とも差はなく良好な結果が得られたが, 入院後に進行した症例の割合はA群15% (6/40), B群11.1% (3/27), C群3.8% (2/52) と統計学的有意差はないものの, 併用療法群にて少ない傾向にあった. また, 進行した11例はいずれも発症後5日以内に悪化していた. このことから, ラクナ梗塞に対して初期治療としての抗血栓薬脳保護薬併用療法は進行例の頻度を減少させる可能性があり, 発症5日経過後に単独療法への移行を考慮することが望ましいと考えられた.
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