背景
当院は青森県津軽地方に位置し過疎地域を多く含み, 冬季は患者搬送が困難な場合が多い. 当院では1989年から画像電送装置を用いて救急搬送トリアージを行ってきた.
方法
画像電送装置を用い, 地域中核病院より紹介を受け, 頭部CTを元に症例検討を行う. 当院の脳神経外科専門医が, 即時移送, 後日受診, 経過観察の判断をしてトリアージする.
結果
1989年より2006年まで, 計11の基幹病院より2,858例の紹介が行われた. 脳血管障害1,615例, 頭部外傷869例, 脳腫瘍97例, その他277例であった. 即時移送はくも膜下出血の84%, 脳出血の25%, 頭部外傷の22%であった. 即時移送の要因は, 脳出血例では意識状態が, 頭部外傷例では意識状態と紹介時間が有意に関連していた.
結論
当システムにより病院間の連携が強化され, 紹介患者の救急搬送が適切に行われるようになった. 電送画像の画質, 受信側のマンパワーなどに検討を要した.
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