われわれが開発した血流動態と血管の形態の情報が得られる
d3D-CTA(dynamic 3D-CTA)が脳梗塞例に対して応用可能か否かについて検討した.ラクナ梗塞17例,心原性脳塞栓症14例,アテローム血栓性脳梗塞10例の計41例を対象とした.
d3D-CTAは64列のmulti-detector row CT scannerを用い,造影剤を毎秒6 m
l,合計30 m
lをbolusで注入し,scan delay 5秒でダイナミックスキャンを30秒間行った.全例で
d3D-CTAによって血管の閉塞あるいは狭窄の有無の診断に加えて三次元画像での血流動態とfunctional mapにより脳循環についての情報が得られた.
d3D-CTAは撮像範囲に制限があることや放射線被曝の問題があるが,一回のスキャンで血管の形態異常の有無,血流動態さらに脳循環の情報が得られ,脳梗塞の診断,治療に応用できる可能性が示唆された.
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