脳卒中
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31 巻 , 1 号
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原著
  • 山田 実貴人, 山田 法顕, 豊田 泉, 吉村 紳一, 鈴木 明文, 坂本 哲也, 岩間 亨, 奥寺 敬, 小倉 真治
    2009 年 31 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/02/24
    ジャーナル フリー
    【目的】米国心臓学会(AHA)ガイドライン2000には急性脳卒中診療の7つのD(Detection, Dispatch, Delivery, Door, Data, Decision, Drug)がある.これを効率よく機能させる為に標準化された脳卒中初期診療(ISLS;Immediate Stroke Life Support)コースを13回開催した.【方法】コースは意識障害,脳卒中スケール,呼吸・循環,症例検討の計4ブースで構成される.医師115名を含む計183名が受講し,受講後アンケートで評価を行った.医師分について統計学的に検討した.【結果】各評価項目は受講後理解度が改善し,ECS, NIHSS,呼吸循環,7つのDで有意差を認めた.【結論】ISLSコースは救命士,救急初療医と脳卒中医の間に共通観念が生まれ,急性期脳卒中の標準化に大きく貢献し,研修医の脳卒中に興味を持たせる手段の一つと考えられた.
  • 緒方 利安, 矢坂 正弘, 湧川 佳幸, 井上 亨, 井林 雪郎, 岡田 靖
    2009 年 31 巻 1 号 p. 10-14
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/02/24
    ジャーナル フリー
    脳内出血患者の深部静脈血栓(DVT)の発症予防における,弾性ストッキングの効果について検討した.対象は当院に入院した急性期脳出血45例.発症約2週後に下肢静脈エコーでDVTの有無を調べた.着用群は15例,非着用群は30例であり,2週間後にDVTは13例(28.9%)で検出された.着用群と非着用群の間で2週間後のDVTの発症頻度に有意な違いは見られなかった.これは意識障害,重度の麻痺,NIHSSスコア≥13点,血腫サイズが大きい症例,及び手術を施行しなかった症例についても同様であった.急性期リハ実施下の脳内出血患者における弾性ストッキングの着用によるDVT予防効果は確認できなかった.
  • 藤岡 祐介, 真野 智生, 荒木 周, 橋詰 淳, 辻本 昌史, 須賀 徳明, 冨田 稔, 安井 敬三, 長谷川 康博, 柳 務
    2009 年 31 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/02/24
    ジャーナル フリー
    50歳以下で発症した若年性脳梗塞において,臨床特徴を検討した.対象は2002年1月から2006年12月までの5年間に当院に入院した急性期脳梗塞患者の連続2,080例である.このうち若年群は93例(4.5%)で,年齢は最低が15歳,平均は42.4歳であった.高血圧,糖尿病,心房細動を有する頻度,アテローム血栓性脳梗塞の割合はそれぞれ非若年群で有意に高かった.一方,喫煙の頻度,発症時に頭痛を伴う割合,動脈解離,血管炎をはじめとするその他の脳梗塞や原因不明の脳梗塞の割合は若年群で有意に高かった.退院時mRSは若年群で有意に低かった.発症後3時間以内の来院およびrt-PA使用の頻度は若年群と非若年群で有意差を認めなかった.若年の心原性脳塞栓症では非弁膜症性心房細動の割合は低く,何らかの先天性心疾患を有する割合が高かった.また,動脈硬化性脳梗塞は40歳を境に急増しており,動脈硬化性脳梗塞の若年化が示唆された.
  • 新名 由利子, 山田 深, 岡崎 雅代, 松本 由美, 齊藤 友美, 西山 和利, 栗田 浩樹, 今福 圭子, 岡島 康友, 山口 芳裕
    2009 年 31 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/02/24
    ジャーナル フリー
    【背景および目的】脳卒中ユニットにおける看護師を中心とした摂食嚥下機能療法の効果を検証する.【方法】96名の脳卒中患者(平均年齢69.9歳)に対して看護師が摂食嚥下障害のスクリーニングを行い,多職種連携のもとに摂食嚥下機能療法を施行した.誤嚥のリスクの有無によって群分けを行い,年齢,在院日数,重症度(NIHSS),および入退院時における食事形態の変化を比較した.【結果】33名(34.3%)が誤嚥リスク群と判断され,介入を行った.誤嚥リスク群は入院時における重症度が高く(p<0.05),平均在院日数も8.9日長期化していた(p<0.01).33名中27名(81.8%)が食事内容の改善を認め,肺炎を合併した症例は1名であった.【結論】脳卒中ユニットにおける摂食嚥下機能療法は肺炎の合併率を軽減し,経口摂取を確立するために有効である.多職種連携の要として,看護師の果たすべき役割は大きい.
症例報告
  • 那須 道高, 今井 啓輔, 牧野 雅弘, 濱中 正嗣, 武澤 秀理, 巨島 文子, 小田 健一郎
    2009 年 31 巻 1 号 p. 29-33
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/02/24
    ジャーナル フリー
    rt-PA静注療法の終了直後より神経徴候が急速に改善したにもかかわらず,脳主幹動脈の早期再開通がみられなかった脳梗塞の1例を報告する.心房細動のある83歳女性.全失語と右完全片麻痺のために発症40分で搬入され,来院時のNIHSSは22点であった.頭部CTにてearly CT signはなく,頸動脈エコー検査で左内頸動脈閉塞パターンはなかった.rt-PA静注の禁忌事項はなく,発症より130分の時点でrt-PA静注療法を開始し,170分の時点より意識レベルと右片麻痺が急速に改善した.しかし,直後の頭部MRAでは左中大脳動脈水平部の閉塞が残存しており,同閉塞部位は入院後も早期に再開通せず,最終的に第17病日のMRAにて再開通していた.入院中に症状の再増悪はなく,第23病日に後遺症なく退院した.rt-PA静注直後の症状改善には,脳主幹動脈の再開通以外の機序も寄与している可能性がある.
  • 林 成人, 武田 直也, 藤田 勝三, 森川 雅史
    2009 年 31 巻 1 号 p. 34-37
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/02/24
    ジャーナル フリー
    急性期の脳幹梗塞巣が拡散強調画像(DWI)により検出されにくい理由として,病巣の小ささや脳幹の虚血耐性の強さなどが挙げられる.我々はDWI矢状断像を追加することで診断が可能だった2症例を経験した.症例1は69歳男性で,頭痛,呂律障害,左顔面の痺れを主訴に来院した.発症6時間後のDWI水平断像で左延髄外側に虚血性変化を疑ったがT2強調画像(T2WI)水平断像では有意な所見を認めず,DWI矢状断像を追加し梗塞巣を確定しえた.症例2は65歳男性で,呂律障害,左片麻痺を主訴に来院した.発症日のDWI水平断像では虚血性変化を認めず,2日後のDWI水平断像で橋下部右内側に淡い高信号を疑うもT2WI水平断像では有意な所見を認めなかった.DWI矢状断像を追加し梗塞巣を確定した.急性期脳幹梗塞巣のDWIによる検出では,水平断像のみでなく矢状断像など複数の断面で評価することが,視認性を改善し診断に有用である.
  • 林 悟, 大谷 敏幸, 西本 陽央, 竹内 敦子, 根岸 正敏, 高橋 潔
    2009 年 31 巻 1 号 p. 38-44
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/02/24
    ジャーナル フリー
    硬膜静脈洞血栓症は,昨今の診断技術の進歩に伴い早期の診断と治療が可能になったが,治療のタイミングを逃せば致死的になりうる疾患であり,軽症例は見逃されている可能性がある.我々は初診時の臨床症状が軽微で,CT, MRIにて脳実質に異常所見がなく,初期診断に苦慮した硬膜静脈洞血栓症の4例を経験した.症例は20歳から72歳,男性2例,女性2例で,鬱血乳頭が1例に見られた以外,初診時の神経所見は問題なかった.3例は頭痛にて発症し,このうち2例は突然の痛みであった.1例は下肢の脱力にて発症した.確定診断は脳血管撮影で行ったが,T1強調画像にて静脈洞内の信号変化を認め診断に有用であった.静脈洞の閉塞部位は上矢状静脈洞,横静脈洞,S状静脈洞であった.抗凝固療法にて経過良好であったが,早期の診断と治療開始が大切であり,常に念頭におくべき疾患である.
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