【目的】急性期脳卒中診療の実態および地域格差を明らかにする目的で,都道府県別,二次医療圏別のアルテプラーゼ静注血栓溶解療法(rt-PA療法)実施状況を検討した.【対象と方法】rt-PA療法承認後4年間に,同治療を実施したと回答した医療機関全てを対象として,rt-PA療法実施率とその経年的変化を二次医療圏別に比較検討した.【結果】rt-PA療法承認後4年間のrt-PA療法実施症例数の推計は22,491例で,65歳以上人口10万人当たりのrt-PA使用症例数は経年的に増加し,rt-PA療法が全く実施されなかった二次医療圏数は2年目の61/348医療圏(18%)から4年目には44/348医療圏(13%)へと減少した.rt-PA療法実施率は都道府県,二次医療圏間で著しい地域格差がみられた.【結論】行政の積極的関与による脳卒中啓発活動の実施,救急搬送体制の整備などが望まれる.
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