脳卒中
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33 巻 , 6 号
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原著
  • 田口 芳治, 高嶋 修太郎, 道具 伸浩, 平野 恒治, 温井 孝昌, 小西 宏史, 吉田 幸司, 田中 耕太郎
    2011 年 33 巻 6 号 p. 551-558
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/25
    ジャーナル フリー
    【目的】非弁膜症性心房細動(NVAF)に起因して心原性脳塞栓症(CE)を発症した症例を対象に発症時の抗血栓療法の状況について検討した.【方法】2005年6月から2010年11月に当科に入院したNVAFに起因したCE 88例を対象とし,CE発症時の抗血栓療法の状況を検討した.【結果】88例のうち発作性心房細動(PAF)は39例(44.3%),CHADS2スコア1以下は34例(38.7%)であった.ワルファリン服用例は28例(31.8%),抗血小板薬単独服用例は20例(22.7%),抗血栓療法未施行例は40例(45.5%)であった.また,ワルファリン服用例の入院時平均PT-INRは1.17と低く,至適治療域であった症例は2例のみであった.CHADS2スコア1点は26例と多く認められたが,ワルファリン服用率は26%と低値であった.ワルファリン服用例に比し非服用例では,脳梗塞の既往が有意に少なく,PAFの割合とD-dimer値が有意に高値であった.【結論】CEを発症したNVAF例では,抗凝固療法が不十分であり,PAF例やCHADS2スコア1点例に対しても積極的な抗凝固療法が必要であると考える.
  • 富田 英春, 下田 亮, 藤野 泰祐, 橋本 朋也, 上松 章子, 安藤 真一
    2011 年 33 巻 6 号 p. 559-563
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/25
    ジャーナル フリー
    非弁膜症性心房細動(NVAF)症例において腎機能が脳卒中の危険因子およびワルファリンによる抗凝固に与える影響を調査した.ワルファリン服用中のNVAF93例をクレアチニンクリアランス(CCr)によりA群(15例):<30,B群(23例):30-50,C群(55例):>50 (ml/min)に分け,年齢,CHADS2 スコア,time in therapeutic range (TTR)を比較した.年齢,CHADS2スコア,TTRの平均はA群,B群,C群でそれぞれ87.3歳,82.1歳,72.5歳,3.33,3.13,2.35,56.9%,73.5%,76.8%であった.NVAF症例は腎機能が低いほど高齢で,CHADS2スコアが高く,TTRが低かった.腎機能の低下した非弁膜症性心房細動症例への抗凝固療法には,脳卒中のリスク,ワルファリンによる抗凝固療法の質,新規抗凝固薬の適応などに関し十分な配慮を払う必要がある.
  • 下邨 華菜, 清水 華奈子, 徳山 承明, 櫻井 謙三, 伊佐早 健司, 高石 智, 加藤 文太, 長谷川 泰弘
    2011 年 33 巻 6 号 p. 564-571
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/25
    ジャーナル フリー
    【目的】粥腫形成に炎症機転が推測されている.本研究は急性期血中炎症性バイオマーカーと脳梗塞亜病型の関連を検討した.【方法】発症48時間以内の脳梗塞患者142例を対象とし,入院時interleukin (IL)-6,IL-10,IL-18,matrix metalloproteinase (MMP)-2,MMP-9,高感度CRPを測定,TOAST分類での亜病型,頭蓋内外動脈硬化との関連をロジスティック回帰分析で検討した.【結果】心原性脳塞栓症では梗塞体積(OR 1.006,95%CI 1.001-1.010)と,MMP-2(OR 1.003,95%CI 1.000-1.005)が有意に関連した.脳動脈狭窄が高度なほどmaxIMT,高感度CRP,IL-6が有意に高値を示した.【結論】急性期血中MMP-2は,他の亜病型に比べ心原性脳塞栓症で高値であり,IL-6,高感度CRPは脳動脈狭窄度と関連する.
症例報告
  • 知禿 史郎, 佐藤 倫由, 大田 慎三, 後藤 勝彌, 大田 浩右
    2011 年 33 巻 6 号 p. 572-577
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/25
    ジャーナル フリー
    今回われわれは,破裂動脈瘤による重症くも膜下出血の症例で脳波上alpha comaと診断し,治療により回復のみられた症例を経験したので報告する.症例は突然の意識障害で搬送された60歳,男性.来院時より深昏睡状態で両側瞳孔散大傾向を示した.CTでは強いくも膜下出血を認め,3D-CTAで前交通動脈瘤が確認された.脳波検査では全体的に単調なα波がみられalpha comaと診断した.動脈瘤に対してコイル塞栓術を施行した.術後経過は良好で,意識レベルも改善し,簡単な日常会話が可能なまでに回復した.術後7週目の脳波では基礎波も正常化した.脳波上,alpha comaと診断された患者の予後は不良であることが報告されているが,近年予後の良い例も報告もある.病態として低酸素脳症が背景にあることが指摘されている.われわれの症例は,適切な呼吸器疾患の治療を行うことにより低酸素状態からの回復し,昏睡からの回復に応じた脳波所見の改善を示した.本例のような重症くも膜下出血例でalpha comaと診断された場合でも,入院時の他の電気生理検査の結果や,初期治療による臨床症状の変化を参考にしながら積極的な治療適応があるか決定することが勧められる.
  • 岳元 裕臣, 河野 浩之, 稲富 雄一郎, 米原 敏郎, 平野 照之, 内野 誠
    2011 年 33 巻 6 号 p. 578-582
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/25
    ジャーナル フリー
    症例は77歳,男性.突然発症した回転性めまい,頭痛を主訴に受診し,起立歩行困難であった.第2病日,入院時には認めなかった構音障害,左片麻痺が出現した.拡散強調画像では延髄前方と後方に非連続性の両側延髄内側梗塞を認めた.症状は段階状に増悪し,完全四肢麻痺となった.既報告とは異なる本例の特徴的な画像所見は予後不良を示唆する可能性がある.
  • 茂木 正樹, 藤澤 睦夫, 山下 史朗, 堀内 正嗣, 片木 良典
    2011 年 33 巻 6 号 p. 583-589
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/25
    ジャーナル フリー
    64歳女性.6年前に右小脳梗塞を発症後外来通院中であった.朝起床できず発語が認められないため来院.神経学的所見では下肢優位の右片麻痺と失語を認め,MRAにて左前大脳動脈(A2)の閉塞を認めた.入院後,ワルファリンによる抗凝固療法施行にても左後大脳動脈(P2),および左中大脳動脈(M1)の脳梗塞を再発した.CA19-9が12000 U/ml以上と著増を示し,腹部CTにて膵尾部に内部壊死を伴い多発性の肝転移を伴う径4 cmを超える腫瘍が認められ,再発性脳梗塞は進行性膵癌に伴ったTrousseau症候群と診断し,第34病日より抗凝固療法を低分子ヘパリンに変更した.膵癌はStage IVbで進行度が著しく,他院消化器内科と相談のうえ緩和治療を施行.入院2カ月後に永眠された.今回膵癌に伴い脳梗塞を繰り返したTrousseau症候群の1例を経験したので報告する.
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