脳卒中
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33 巻 , 1 号
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原著
  • 井口 保之, 木村 和美, 立石 洋平, 寺澤 由佳, 林 浩嗣, 下山 隆, 泉 哲石, 平野 照之, 藤本 茂, 山村 修
    2011 年 33 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    【目的】脳卒中専門病院・地域病院間にテレビ電話機能付き携帯端末(SMT)を配備し,SMT実施の有無で急性期脳梗塞例の転帰が改善するかを検証した.【方法】全国9地域(23施設)において前半は既存の診療体制(非SMT実施群)を,後半はSMTを実施した(SMT実施群).【結果】非SMT実施群は66例,SMT実施群は68例が登録された.1カ月後の転帰を追跡しえた脳梗塞例では,非SMT実施群40例中t-PA療法は1例(3%)に実施,SMT実施群34例中4例(12%)に実施(p=0.173),転帰良好(modified Rankin scale 0–2)は,非SMT実施群19例(48%),SMT実施群15例(44%)であった.【結論】SMT実施によって,t-PA療法実施率は3%から12%に上昇し,SMTは地域の脳卒中診療支援に有用であることが示唆された.
  • 緒方 利安, 中根 博, 矢坂 正弘, 湧川 佳幸, 岡田 靖, 北園 孝成
    2011 年 33 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    われわれは,Fukuoka Stroke Registry(FSR)のデータを用いて,脳出血急性期の血圧と退院時予後の関連を検討した.2007年6月から2008年5月までのFSR登録症例のうち,発症24時間以内の脳出血患者で発症前mRS 2以下だった40例が対象である.退院時mRSが2以下の症例を予後良好例とした.来院時,来院6時間後,発症24時間後,発症7日後の血圧値を予後良好,不良群で比較した.予後良好と関連する因子を単変量,多変量解析で抽出した.多変量解析では,発症24時間後の収縮期血圧が有意に予後良好に関連しており,それが135 mmHg以下であることが予後良好に関連していた.
  • 武田 有希, 大沢 愛子, 前島 伸一郎, 西尾 大祐, 木川 浩志
    2011 年 33 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    回復期リハビリテーション(リハ)病棟における摂食嚥下障害の予後について検討した.対象は,発症1カ月の時点で経管栄養の患者47名(脳出血17名,脳梗塞19名,くも膜下出血11名)で,平均年齢は71.0±12.6歳であった.これらの患者の背景因子,身体機能,認知機能,嚥下機能,日常生活活動(ADL)を評価し,退院時に3食経口摂取の患者(経口群)と,経管栄養の患者(非経口群)の2群に分け比較した.また,原因疾患と嚥下障害の経過を検討した.その結果,経口群は非経口群に比べ年齢が若く,在院中の身体機能,認知機能,嚥下機能,ADLの改善が大きかった.脳出血の患者は発症6週から急速に改善したが,くも膜下出血の患者では発症後8週頃より改善した.以上から,脳卒中の嚥下障害の予後を考える上で,疾患による差に留意し,嚥下のみでなく身体機能,認知機能を高めるような訓練の継続が必要だと考える.
  • 森 真由美, 岡田 靖, 吉村 壮平, 松下 知永, 宮崎 雄一, 牧原 典子, 湧川 佳幸, 矢坂 正弘
    2011 年 33 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    脳卒中急性期病院におけるTIA入院例のリスクと転帰との関連を明らかにする目的で,発症48時間以内のTIA入院例連続160例を解析した.TIAの定義は24時間以内の神経症状消失かつ画像上脳梗塞巣が認められないものとし,発症後90日以内の脳梗塞発症率およびリスク因子と転帰の関連をABCD2スコアで検討した.脳梗塞発症を8例(5%)に認め(全例7日以内の発症,中央値2.5日),50%はラクナ梗塞であった.脳梗塞発症群で入院時血圧が有意に高かった.ABCD2スコアの各項目(年齢≥60 歳,血圧≥140/90 mmHg,臨床症候,症状持続時間,糖尿病)単独では有意な関連は認めないが,脳梗塞発症群のABCD2スコア中央値は5.5(非発症群中央値4,p=0.065)と高い傾向にあった.また,ABCD2スコア以外の要素では,心房細動合併例と主幹動脈病変合併例ではそれぞれ有意差を認めなかったが,両者の合併例では脳梗塞発症を高率(25%)に認めた.TIAではABCD2スコア高値に加えて心房細動と主幹動脈合併例が急性期脳梗塞発症と関連すると考えられた.
  • 鈴木 健吾, 三上 毅, 飯星 智史, 馬場 雄大, 黒田 敏, 宝金 清博
    2011 年 33 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    もやもや病の中でも,出血発症のもやもや病は頻度が低く,その臨床像はあまり注目されていない部分もある.今回われわれは北海道における新規登録例のもやもや病のうち,出血発症例に関して近年の傾向を検討した.対象は,2002年から2009年に北海道で申請・登録された416例のもやもや病患者のうち,出血型で登録された85例である.出血発症の発症年齢は,虚血発症と比較して高齢であるのは以前と変わらないが,ピークが35~39歳と55~64歳の二峰性を示していた.出血発症の疾患同定率は,0.21人/ 10万人/年であった.発症時のADLは虚血発症と比較し有意に悪く,登録時点での血行再建術施行例も少ない傾向にあった.出血発症例に対する有効な治療が明確でない中,今後は JAM trialをはじめとした臨床研究の結果が待たれる.
  • 星野 晴彦, 高木 誠, 山本 康正, 石橋 靖宏, 寺山 靖夫, 武田 英孝, 棚橋 紀夫, 足立 智英, 田口 芳治, 高嶋 修太郎, ...
    2011 年 33 巻 1 号 p. 37-44
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    【目的】BADにおける進行性脳梗塞の頻度と急性期転帰を検討した.【方法】対象は8施設で2008年に入院となったレンズ核線条体動脈(LSA)と傍正中橋動脈(PPA)に限局する発症7日以内の脳梗塞413例.BADの定義は,LSA領域梗塞では頭尾方向で20 mm以上の梗塞巣,PPA領域梗塞では橋腹側に接する特徴的な梗塞巣を呈し,主幹動脈狭窄や心房細動を合併しないものとした.【結果】BADはLSA梗塞305例中の43.6%,PPA梗塞108例中の50.9%に認めた.入院後神経症状増悪したのは,LSAのBAD群30.1%対非BAD群15.7%,PPAでは43.6%対9.4%であった.退院時mRS 0–1は,LSAのBAD群40.5%対非BAD群60.0%,PPAでは36.5%対67.6%であった.【結論】BADはLSAとPPA梗塞の約半数をしめ,進行性脳梗塞となりやすく,急性期の転帰が不良であった.
  • 佐野 徳隆, 吉田 和道, 井上 勝美, 定政 信猛, 鳴海 治, 沈 正樹, 山形 専
    2011 年 33 巻 1 号 p. 45-51
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    【目的】Near occlusion(NO)とは内頚動脈高度狭窄に伴い末梢への血流が著しく低下し,血管の虚脱を来している状態である.本研究ではCEA摘出標本を基にNOの病態について検討した.【方法】過去4年間に当院でCEAを行った症例のうち,DSA上の狭窄率が85%以上である連続38例を対象とした.一塊に摘出したプラークを用い,特殊染色も併用して狭窄部位の内腔を中心に詳細な病理学的検討を行った.【結果】血管撮影上のNOでは,病理所見上急性閉塞性血栓内にわずかに不規則な内腔が保たれている,もしくは多蜂巣状の新生血管が存在する例が18例中11例(61%)にみられたが,non-NOでは20例中1例(5%)に認めるのみであった.【結論】線維性被膜の破綻に続発した,急性閉塞性血栓内の不規則な内腔や蜂巣状の新生血管による末梢の著しい灌流圧の低下が,血管造影上のNOと関連している可能性がある.
  • 前島 伸一郎, 大沢 愛子, 田澤 悠, 宮崎 泰広, 山根 文孝, 石原 正一郎, 栗田 浩樹, 佐藤 章, 武田 英孝, 棚橋 紀夫
    2011 年 33 巻 1 号 p. 52-58
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    【目的】摂食・嚥下リハビリテーション(リハ)の立場から,脳卒中急性期にみられる肺炎の要因について検討した.【対象と方法】対象はリハ依頼のあった急性期の脳出血・脳梗塞患者504名で,年齢は14~98歳,平均入院期間は26.1±16.1日であった.初回評価として,年齢,既往歴,入院時血液検査などの患者背景に加え,反復唾液嚥下テスト,改訂水飲みテストなどの嚥下機能評価,病巣,肺炎発症時の嚥下リハの内容などを調査し,不適切な経口摂取の開始または食形態の変化がなかったかどうかを検討した.肺炎のタイプは,症状の発現時期とリハ介入時期によって,経口摂取の開始前で脳卒中発症後早期(入院後3日以内)に肺炎を併発したもの(早期群)と,それ以降で絶食中に肺炎を発症したもの(非経口群),また,経口摂取の開始後で,摂食・嚥下リハの介入前に肺炎を発症したもの(未介入摂食群)と介入後に発症したもの(介入摂食群)の4群に分けた.【結果】肺炎は504例中91例(18.1%)にみられ,早期群38例,非経口群39例,未介入摂食群5例,介入摂食群9例であった.4種類の肺炎のタイプと脳の病変部位との関係をみると,一側性/両側性病変,単発/多発性病変の有無で差を認めたが,テント上/下/上下病変で差はなかった.経過中肺炎を起こさなかった群と肺炎発症群の比較では,年齢,神経症候,認知機能,在院日数,退院時ADLに差を認めた.【結語】高齢で神経症候,認知機能障害が重度な多発性病変の患者では,経過中の肺炎が予後を悪化させるため,摂食管理には十分な注意が必要である.
  • 名古屋 春満, 武田 英孝, 傳法 倫久, 加藤 裕司, 出口 一郎, 福岡 卓也, 丸山 元, 堀内 陽介, 棚橋 紀夫
    2011 年 33 巻 1 号 p. 59-66
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    2002年8月から2009年10月までの間に埼玉医科大学国際医療センター・埼玉医科大学病院を受診した特発性頸部内頸動脈解離症例10例(年齢は36~70歳,男性8例,女性2例)について臨床的検討を行った.診断にはSASSY-Japan脳動脈解離ワーキンググループの「脳動脈解離の診断基準」をもとに,頭部MRI・MRA,3D-CTA,脳血管撮影,頸動脈超音波検査などの検査を用いて行った.脳虚血発症例は8例,頸部痛のみの症例が1例,無症候性が1例であった.発症時に頭痛または頸部痛を伴った症例は4例(40%)であった.10例中4例で発症後3カ月以内に画像上解離血管の改善が認められた.発症3カ月後のmodified Rankin Scale(mRS)は7例がmRS 1であり,3例がmRS 2と全例で転帰が良好であった.平均観察期間17.2カ月において,全例で脳卒中の再発を認めなかった.本邦においても特発性頸部内頸動脈解離症例は決して稀ではなく,内頸動脈の閉塞または狭窄を来した症例に遭遇した際には,常に本疾患を念頭においた複数の検査を可及的速やかに行う必要がある.
  • 田口 芳治, 高嶋 修太郎, 小林 健二, 伏木 宏彰, 小川 心一, 田中 耕太郎
    2011 年 33 巻 1 号 p. 67-73
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    【目的】頸部放射線治療後に頸動脈狭窄病変を生じるが,近年,癌の予後が改善し,脳梗塞の発症が問題となっている.そこで頸部血管超音波検査による頸部放射線治療後の頸動脈病変について検討した.【方法】咽頭癌または喉頭癌と診断され頸部放射線治療を受けた11例を対象とし,頸部血管超音波検査で,血管径,最大内中膜複合体厚(maxIMT),狭窄率,プラークの部位と性状を評価した.【結果】全例で両側頸動脈にIMTの増加があり,maxIMTは放射線治療後の期間と有意な正の相関が認められた.4例(36%)に50%以上の狭窄病変を認め,いずれも低輝度プラークで,2例は潰瘍を伴い,1例は可動性プラークであった.脳梗塞を発症した2例は放射線治療後11.6年と13年目に発症し,高度狭窄と不安定プラークを認めた.【結論】本邦でも頸部放射線治療後は経過とともに広範囲に頸動脈狭窄病変が進展する可能性があり,放射線治療後は定期的な頸動脈病変の評価が必要である.
  • 南 浩昭, 三木 貴徳, 松本 洋明, 宮地 由樹, 増田 敦, 富永 正吾, 吉田 泰久, 山浦 郁也, 松本 茂男, 夏目 重厚
    2011 年 33 巻 1 号 p. 74-83
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    【背景および目的】脳深部小梗塞をbranch atheromatous disease(BAD)型と非BAD型に分類し進行例の臨床的特徴を検討した.【方法】対象は急性期脳深部小梗塞116例で進行群・非進行群またBAD型・非BAD型に分け特徴・MRI・治療・予後・血液生化学所見を検討した.【結果】進行例は29例でBAD型中36.7%,非BAD型中12.5%とBAD型に多かった.梗塞拡大はBAD型・進行群で有意に多かった.視床穿通枝領域に進行例はなく糖尿病の既往が進行群にて多く予後は非進行群・非BAD型が良好であった.BAD型中では非進行群はレンズ核線条体動脈領域,進行群は橋傍正中領域に多かった.【結論】脳深部小梗塞進行の特徴はBAD型・梗塞拡大・糖尿病の既往,BAD型では傍正中領域・axial像にて長径 10 mm以上のサイズ,非BAD型では糖尿病の既往が多く・脂質異常症の既往が少ないことであった.
  • 相澤 仁志, 澤田 潤, 齋藤 司, 遠藤 寿子, 片山 隆行, 長谷部 直幸, 平沼 初音, 高橋 康二, 羽根田 俊, 守屋 潔
    2011 年 33 巻 1 号 p. 84-88
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    【目的】脳卒中専門医不在の地域基幹病院において遠隔脳卒中診療(telestroke)を試み,その有用性と課題を検証する.【方法】脳卒中専門医チームを有する医療機関と脳卒中専門医不在の地域基幹病院をTV会議システムと放射線画像読影システムで結んだ.地域基幹病院に脳卒中を疑われた患者が搬送されたとき,TV会議システムを用いて得られた神経所見と放射線画像読影システムで転送された画像所見から,臨床診断し,治療方針を決定した.Telestrokeによる脳卒中診療の有用性および課題を検討した.【結果】Telestrokeにより患者の意識状態や麻痺の状態などを直接観察することができた.地域基幹病院で撮影した神経画像をリアルタイムで読影できた.脳卒中専門医のいる医療機関に直接搬送されるときより診断までの時間,治療開始までの時間が短縮した.診療点数が算定されないことが課題であった.【結論】Telestrokeは脳卒中専門医のいない地域基幹病院での脳卒中診療に有用と考えられた.
  • 團 志朗, 高橋 秀寿, 岡島 康友, 千野 直一, 小林 洋和, 脊山 英徳, 西山 和利, 塩川 芳昭
    2011 年 33 巻 1 号 p. 89-97
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    【目的】大学病院における脳卒中治療および急性期リハビリ後のADL改善と転帰について,脳卒中ユニット(SU)導入前後で比較し,その意義を示すとともに,大都市医療圏における脳卒中の地域完結型の診療連携の実態と問題点について年次を追って調査した. 【方法】平成18年3月1日~平成21年3月31日に当大学病院に入院し,リハビリテーションを実施した脳卒中患者788例を年次別に,年齢,在院日数,ADL自立度(FIM)を比較した.さらに転帰先を自宅,回復期病床,療養型等病床に分類し,年次変化を調査した.【結果】在院日数はSU導入直後で短縮したが,次年度以降は再延長した.転帰先別では自宅退院群で有意に在院日数の延長が認められた.SU導入後の二次医療圏内への転院割合は回復期病床で53.7%,療養型等病床で41.8%と医療圏内への転出の困難さが目立った.【結論】大都市圏では回復期・療養型など病床数不足が顕在化し,急性期病院のSUには回復期リハビリ機能の一部が求められている.大都市圏で効率的な医療連携を行うためには,とくに療養型病床を増やす必要がある.
  • 前島 伸一郎, 大沢 愛子, 山根 文孝, 栗田 浩樹, 石原 正一郎, 佐藤 章, 棚橋 紀夫
    2011 年 33 巻 1 号 p. 98-105
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    【目的】小脳出血急性期の臨床像と機能予後や転帰に及ぼす要因について検討した.【対象と方法】小脳出血45名(男性28,女性17)を対象に,初回評価時の神経症状に加え,嘔気・眩暈などの自覚症状,認知機能,嚥下機能,血腫量と退院時の日常生活活動,転帰先について検討した.なお,入院期間は平均24.6日であった.【結果】意識障害は11名に認めたが,いずれも血腫量が大きく,機能予後が不良で,自宅退院に至ったものはなかった.意識障害のない34名中,嘔気・眩暈を22名,四肢失調を19名,体幹失調を16名,嚥下障害を19名,構音障害を8名,認知機能障害を24名に認めた.自宅退院は12名で,日常生活活動が良好であると同時に認知機能と嚥下機能が保たれていた.【結語】急性期病院において,小脳出血の退院先を決定する要因には,意識障害や日常生活活動だけでなく,認知機能や嚥下機能も念頭におく必要がある.
  • 大浦 一雅, 大庭 英樹, 森 潔史, 名取 達徳, 水野 昌宣, 金 正門, 石橋 靖宏, 寺山 靖夫
    2011 年 33 巻 1 号 p. 106-113
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    【目的】頸動脈プラークに対する抗血小板薬の適応とその効果に関する報告はさまざまで確立されたものがない.今回われわれは,頸動脈病変を有する症例に対して,血管内皮機能改善作用を持つ抗血小板薬(シロスタゾール)を投与し,プラークの体積および形態の変化を三次元(3D)超音波検査法により経時的に測定し,その治療効果を脂質代謝の面から検討した.【対象】頸動脈プラークを有し,過去6カ月以上内服薬の変更のない脳梗塞患者21症例(男性16例,女性5例,年齢67±7歳).【方法】シロスタゾール200 mg/日を経口投与し,治療前および治療3カ月後に3D頸動脈超音波検査を施行して,プラーク体積とその形態学的な変化を観察した.同時にシロスタゾール投与前後の血液生化学データの比較検討を行った.頸動脈超音波検査は,3D超音波測定装置:VOLUSON 730 EXPERT,3D4D probe(GE Healthcare)を用いた.【結果】シロスタゾール投与3カ月後にプラークの体積は0.44±0.39 cm3から0.39±0.40 cm3に退縮傾向を認めた(p=0.005).このうち,シロスタゾール投与3カ月後にプラーク体積が退縮(15例)または不変(4例)であった19例について検討すると,血清HDL-C値は59±22 mg/dlから65±23 mg/dlに上昇傾向を認めた(p=0.017).【結論】シロスタゾール投与により,頸動脈プラークの体積は退縮した.これはシロスタゾールの持つ血管内皮機能改善作用に加え,脂質代謝改善作用が関与していることが考えられた.
症例報告
  • 山本 智彦, 藤本 茂, 陣内 重郎, 鈴木 聡, 井上 琢哉, 佐渡島 省三
    2011 年 33 巻 1 号 p. 114-118
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    症例は47歳女性.後頭部痛とめまいを主訴に来院した.頭部CTでは異常所見を認めず,点滴と安静により症状が軽減したため帰宅された.翌日構音障害,嚥下障害,左顔面麻痺,左片麻痺,左感覚異常などが出現し,当科受診となった.MRI拡散強調画像で,脳幹と小脳に多発性梗塞を認め,MRAでは両側椎骨動脈遠位部と脳底動脈先端部で描出が不良であった.同部位は3D-CT angiographyでも局所的な途絶像を呈したが,MRIのbasi-parallel anatomical scanning (BPAS)画像では血管の外径が拡張していた.以上の所見より,椎骨脳底動脈解離による多発性脳梗塞と診断した.椎骨動脈解離は若年発症の脳梗塞では重要な原因の一つであるが,めまいや頭痛のみで発症することも少なくない.3D-CT angiographyやMRIで比較的容易に診断できるため,見落とさないための指針が必要と思われた.
  • 菊井 祥二, 澤 信宏, 西脇 知永
    2011 年 33 巻 1 号 p. 119-122
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    症例は80歳,男性.糖尿病のコントロールが突然不良になったことが契機になり,膵体部腫瘍が発見され,切除可能と判断され,手術を予定された.術前に構音障害と右不全片麻痺をきたし,頭部MRIで左橋梗塞と診断し,悪性腫瘍に合併したTrousseau症候群の可能性を念頭に置き,第1選択薬であるヘパリンを持続投与することで症状が改善し,脳梗塞が再発することなく,手術を施行することができた.担癌患者では積極的にTrousseau症候群を考えて,ヘパリンによる抗凝固療法を行い,手術日まで管理することが重要であると考えられた.
  • 下畑 光輝, 成瀬 聡, 渡部 裕美子, 田中 一
    2011 年 33 巻 1 号 p. 123-128
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    中大脳動脈狭窄を伴い脳梗塞を生じた高ホモシステイン(Hcy)血症の1例を経験した.症例は48歳男性.有意な既往や健診異常なし.数分の右半身脱力,しびれが繰り返し生じ入院した.頭部MRI FLAIR画像,拡散強調画像で左被殻後方に高信号,MRAおよび脳血管造影で左中大脳動脈狭窄を認めた.脳血栓症と考えアルガトロバン,エダラボン,アスピリン,シロスタゾールを開始し,5日後より発作は消失した.血液検査で血清総Hcy高値,ビタミンB6低値,葉酸低値を認め,methylenetetrahydrofolate reductase 677多型はTT型であった.高ホモシステイン血症は独立した心血管リスクであり,近年のメタ解析では葉酸,ビタミンB6,B12によるHcy低下を介した脳卒中発症リスクの低減が報告された.原因不明の脳梗塞では高Hcy血症の有無を検索し,葉酸,ビタミンB群の投与を検討してもよいと思われる.
  • 福田 誠, 薬師寺 祐介, 光武 里織, 雪竹 基弘, 明石 道昭, 原 英夫
    2011 年 33 巻 1 号 p. 129-134
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,男性.耕運機の操作を誤り,後進してきたハンドル部で左下顎を強く圧迫され,一時的に頸部過伸展状態となった.その後,左後頸部痛が持続し,受傷10週後に激しい後頸部痛・左不全麻痺・意識障害を生じ当院へ搬送された.拡散強調画像では上位頸髄と左後下小脳動脈領域に急性梗塞を認めた.左椎骨動脈のMRAとbasi-parallel anatomical scanning画像の所見にミスマッチがあったこと,頭部単純CTで左椎骨動脈から脳底動脈にかけて壁内血栓を示唆する高吸収域を認めたことから10週前の鈍的頸部外傷に関連した椎骨動脈損傷に伴う解離・閉塞が生じたと考えた.本例を通じ椎骨動脈損傷の受傷機転には多様性があること,詳細な問診の重要性を改めて認識した.また頸部外傷後に慢性的な後頸部痛を訴える患者と遭遇した場合には,受傷からの期間があったとしても椎骨動脈損傷の可能性を考慮すべきと思われた.
  • 新田 勇介, 栗田 浩樹, 宮崎 寛, 塩川 芳昭
    2011 年 33 巻 1 号 p. 135-139
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    症例は3カ月の男児.くも膜下出血で発症し,術前の画像診断では部分血栓化脳動脈瘤が疑われ,再出血予防のため亜急性期に脳動脈瘤摘出術を施行した.病理診断は脳動静脈奇形(arteriovenous malformation; AVM)であり,術前・術中診断との乖離を認めた.術後検査でAVMは全摘出されており,病状も安定していたため術後10日目で軽快退院となった.小児出血性脳血管障害においてAVMによるくも膜下出血発症は,脳動脈瘤によるものより頻度は高いが,新生児期・乳児期に発症する例は非常に少ない.AVMは動静脈シャントを伴わなかったため比較的安全に摘出可能であった。術前の画像診断で動脈瘤と考えられてもAVMも鑑別診断の一つに挙げられる.
  • 河村 陽一郎, 定政 信猛, 鳴海 治, 沈 正樹, 山形 専
    2011 年 33 巻 1 号 p. 140-142
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    Physostigmineの皮下投与は不妊治療における人工射精法の一つで,これまで比較的安全とされ広く普及している.今回われわれは31歳の頸椎損傷後の男性が不妊治療のためにphysostigmineを皮下投与された後に血圧が上昇し,脳出血を発症した1例を経験した.MRIや脳血管撮影等の精査で明らかな器質的出血源は認めず,physostigmine投与とその後の人工射精中に血圧上昇があったことが関与し脳出血を来したと考えた.Physostigmineはコリンエステラーゼ阻害剤で血圧変動を来す可能性があり,また,頸椎損傷後はさまざまな刺激で自律神経過反射を来しうるため特に注意が必要である.Physostigmine投与後の人工射精中には血圧管理を厳重に行い,高血圧を認めた場合には迅速な降圧を行い,頭痛や神経脱落症状を認めた場合には頭部CTによる出血除外が望ましいと考えられた.
  • 出口 一郎, 傳法 倫久, 武田 英孝, 名古屋 春満, 福岡 卓也, 棚橋 紀夫
    2011 年 33 巻 1 号 p. 143-149
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    内科的治療で症状の再発を抑えることのできなかった進行性脳卒中に対し,急性期に血管内治療を行い,良好な結果が得られた症例を経験した.患者1は内頸動脈高度狭窄例であり,脳梗塞の発症機序として動脈原性脳塞栓(artery to artery embolism)や血行力学性の2つが考えられた.患者2は脳底動脈の高度狭窄例であり,発症機序として血行力学性が考えられた.通常,頭蓋内あるいは頸部脳主幹動脈の狭窄病変に起因する脳梗塞の急性期治療は抗血栓療法などを用いた内科的治療が一般的であり,外科的治療は待機的に検討される.内科的治療でも症状をコントロールすることができない進行性脳卒中に対しては,急性期に外科的治療を行うことも考慮されるが,待機的な外科的治療とは異なり緊急での外科的治療は,治療行為にともなう合併症発現の危険性がより高まると思われる.したがって個々の患者ごとに正確に病態を把握し,治療適応をみきわめることが重要と考える.
  • 柴田 靖, 遠藤 聖
    2011 年 33 巻 1 号 p. 150-153
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    症例は69歳の男性で,刑務所服役中に自室で意識障害で発見された.全失語,右片麻痺を認め,CT/MRIでは左中大脳動脈領域脳梗塞であった.保存的加療により意識障害,片麻痺はやや改善したが,失語は残存した.服役中であり,家族へは連絡せず,常に刑務官により拘束され,放射線検査以外はリハビリも個室内で行った.保険加入はなく,全額自費,刑務所負担であり,治療内容は病院に任されたが,転院は刑務所の都合で決められた.刑事収容施設および被収容者等の処遇に関する法律には受刑者も適切な医療を受ける権利があるとされるが,入院などは刑務所所長の権限とされている.本症例の医療倫理を考察すると,患者本人に意識障害,失語があるため,自己決定権が行使できず,利益,無害,正義も入院中は病院任せで,転院では倫理は守られていなかった.受刑者では発症前の本人の希望,living willの確認記録,受刑者に対する倫理的対応の診療ガイドライン整備が必要であろう.
  • 中務 正志, 倉前 卓実, 稲桝 丈司
    2011 年 33 巻 1 号 p. 154-159
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    症例は72歳男性で内科的治療でも進行した左頸部内頸動脈狭窄に対して治療目的にて入院した.過灌流症候群(CHS)の危険因子がないため局所麻酔下に頸動脈ステント留置(CAS)を施行したが治療中から著明な血圧低下を認め治療後も血圧維持には多量の昇圧剤を必要とした.治療3時間後から不穏,感覚性失語,右片麻痺が出現したがCTでは出血は認められず翌日のMRI,脳血管撮影でも原因は確認できなかった.この間血圧は多量の昇圧剤を使用して100 mmHg台を維持していたがけいれんを起こしたためCHSを疑い血圧を厳密に100 mmHg前後に維持したところ症状は急速に改善し2日で完全に消失した.SPECTでは過灌流が確認された.本例ではCHSの危険因子がなくまた低血圧であったにもかかわらずCHSを生じたが,原因としてはCASの際の急激な血圧変動や微小血栓が新たに脳血管autoregulation障害を起こしたことが考えられた.
  • 齋藤 秀夫, 松浦 秀樹, 幸治 孝裕, 山野目 辰味, 小笠原 邦昭, 尾崎 雄飛, 玉手 義久, 小山田 尚, 松橋 俊夫
    2011 年 33 巻 1 号 p. 160-163
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    症例は70歳の男性で,くも膜下出血発症3日後に右中大脳動脈の2個の動脈瘤に対し,クリッピング術を施行した.術後4日目に突然腹腔内出血によるショック状態となった.肝動脈瘤破裂と診断し,親動脈塞栓術を行った.脳血管攣縮の治療中,稀ではあるが潜在している腹部内臓動脈瘤の破裂が起こりうることが示唆された.
事例報告
  • 岩下 具美, 上田 泰明, 城下 聡子, 新田 憲市, 今村 浩, 岡元 和文
    2011 年 33 巻 1 号 p. 164-170
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    【目的】県外施設への転院は難航することがある.旅行や出張職務で県外へ訪れた際に,脳卒中を発症した患者の亜急性期転院に関する検討をした.【方法】長野県外の施設へ亜急性期に転院となった県外出身者を対象とした.転院依頼開始から転院までの日数(待機期間)を後ろ向きに調査した.【結果】31施設(69%)から回答があり,対象患者総数は24カ月で295例.脳卒中は51例で内因性疾患の最多(54%)を占めた.8月が最多で,2月が最少であった.病型別で脳出血の比率(41%)が高かった.転院先は,家族(55%),次いで医療ソーシャルワーカー(16%),病院のwebsite情報(12%)の順で探していた.待機期間は平均15日で,2週間以上要した割合は疾患別で最大(32%)であった.【結論】出身元の医療体制が分からず,家族やインターネットの情報から転院先を検討し,待機期間が長期になった.地域医療支援病院や日本脳卒中学会認定研修教育病院が仲介となり,県内出身者同様に円滑な転院調整が望まれた.
短報
  • 井熊 大輔, 大沢 愛子, 前島 伸一郎, 宮崎 泰広, 田澤 悠, 武田 英孝, 棚橋 紀夫
    2011 年 33 巻 1 号 p. 171-174
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    橋梗塞における嚥下障害に着目し,臨床的特徴と機能予後の検討を行った.対象は急性期の橋梗塞30例で,嚥下機能に加え,神経症候,認知機能などの評価を行い,必要に応じて嚥下造影検査(VF)を施行した.また,退院時の食形態から,常食摂取が可能であった群(常食群),経口摂取は可能だがゼリーやペーストなど特殊な食形態を必要とした群(訓練食群),経口摂取に至らず退院した群(非経口群)の3群に分類し,その要因について検討した.その結果,常食群は訓練食群,非経口群に比べ,年齢が若く,神経症候,認知機能が良好であった.初回の嚥下機能評価で25名に異常を認め,このうち11名は退院時に経口摂取に至らなかった.VFは20名に施行し,16名に誤嚥(9名は不顕性)を認めた.橋梗塞による嚥下障害の予後は悪くないものの,頻度は高く,不顕性誤嚥が多い.経口摂取に際して慎重なリハ介入が必要である.
  • 甲田 宗嗣, 平山 秀和, 小林 浩介, 砂堀 仁志, 工藤 弘行, 加世田 ゆみ子
    2011 年 33 巻 1 号 p. 175-181
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    脳卒中患者の動作能力評価指標を作成し,妥当性と信頼性を検討した.対象は脳卒中患者12名とした.作成した動作能力指標(motor ability scale; MAS)は順序尺度5段階評点で計12項目から構成され,寝返りから床からの立ち上がり,ジャンプ動作までを評価した.対象にはブルンストローム・ステージ(Brunnstrom stage; BrS)と機能的自立度評価法(functional independence measure; FIM)も評価した.結果として,MASの各項目間のcronbachのαは0.956であった.MAS総得点とBrS(上肢,手指,下肢)およびFIMの運動項目すべてと相関が認められたが,FIMの認知項目とは相関が認められなかった.MASとFIM運動項目合計点およびFIM総得点との相関には強い検定力が示された.
  • 豊田 元哉, 雑賀 玲子, 青山 淳夫, 安部 哲史, 三瀧 真悟, 河野 直人, 白澤 明, 卜蔵 浩和, 小林 祥泰, 山口 修平
    2011 年 33 巻 1 号 p. 182-184
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    脳卒中後にアパシーを合併することはよく知られている.またアパシーは血管性認知症に先行する症状であるとともに廃用性認知機能障害をきたす重要な要因でもあり,アパシーを早期に診断し対策を講じることにより血管性認知症への進展を抑制,遅延させることが重要である.一方で,脳卒中後のアパシーの病態に関する検討はまだ少なく,治療に関するエビデンスレベルも低い.脳梗塞の再発予防に使用されるシロスタゾールは抗血小板作用の他に,血管拡張作用,神経保護作用があり,脳内のドパミン濃度を上昇させることが報告されており,脳梗塞後のアパシーに有効である可能性が考えられる.今回,脳梗塞後のアパシーに対するシロスタゾールの影響を島根大学版やる気スコアを用いてアスピリン投与群と比較検討した.各薬剤を6カ月投与した結果,アスピリン群に比し,シロスタゾール群ではアパシーが有意に改善した.以上よりシロスタゾールは脳梗塞後アパシーに有効である可能性が示唆された.
第35 回日本脳卒中学会講演 シンポジウム2
総説
「脳梗塞t-PA 研究会」第4 回研究集会
原著
  • 紺野 豊, 松本 由香
    2011 年 33 巻 1 号 p. 191-198
    発行日: 2011/01/25
    公開日: 2011/01/26
    ジャーナル フリー
    小規模施設におけるrt-PA治療の現状を報告する.当院ではrt-PA治療を2007年10月に開始し,2010年3月までの2年6カ月間に急性期脳梗塞患者314例中の15例(4.8%)にrt-PA治療を施行した.投与前の画像検査で超急性期の虚血巣と閉塞血管を確認した.閉塞血管の再開通は12例で得られた.再開通が得られなかった3例のうち1例にバイパス術を慢性期に,1例に減圧術を急性期に行った.転帰は改善12例,不変2例,消化管出血による死亡1例であった.少数例の経験での結果であるが,閉塞血管の開存例で必ずしも良好な結果が得られるとは限らなかった.専門医の少ない小規模病院でrt-PA治療を行うためには,専門医以外の医師やコメディカルスタッフの協力が不可欠である.急性期脳梗塞患者の病状や経過は多種多様であるため,全職員を対象とした院内研修にて経験不足を補うように試みた.全職員がrt-PA治療に対する共通認識をもつことと各個人の意欲や努力が重要と考えている.
症例報告
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