脳卒中
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35 巻 , 1 号
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原著
  • 姉川 敬裕, 福田 賢治, 甲斐 久史, 崎間 洋邦, 矢坂 正弘, 梶本 英美, 岩元 美子, 安岡 逸, 青木 裕司, 打和 大幹, 岡 ...
    2013 年 35 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/01/25
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】経口腔頸部血管超音波(TOCU)は体腔用探触子を口腔内に挿入し,内頸動脈(ICA)遠位部を観察する検査法である.今回,体腔用探触子よりも汎用性の高いマイクロコンベックス型探触子(MCP)を経口腔的に用いたmodified TOCU(mTOCU)を考案した.【方法】予めMCPに少量のゼリーを塗り,ゴム製のカバーを装着する.探触子を被験者の口腔に挿入し,ICAを描出した.健常被験者7名を対象とした検討を行った.【結果】全被験者において,観察野の描出は良好であった.mTOCUはTOCUと比べ,画質に遜色なく,操作が容易であった.計測値は既報のTOCUでの測定値と同様であった.【結論】mTOCUはTOCUと同等の画像・情報を得られ,操作性に優り,ICA遠位部の評価に有用である.今後,MCPを用いたICA遠位部の評価が普及し,脳卒中医療の現場で役立つことを望む.
  • 岡田 健, 中瀬 泰然, 佐々木 正弘, 吉岡 正太郎, 鈴木 明文
    2013 年 35 巻 1 号 p. 5-11
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/01/25
    ジャーナル フリー
     要旨:急性期脳卒中患者で肺塞栓症(PE)と診断された27例を対象とし,その臨床的特徴を検討した.原疾患は脳梗塞12例(0.25%),脳出血12例(0.94%),くも膜下出血(SAH)3例(0.59%)であり,死亡はそれぞれ3例(25%),3例(25%),1例(33%)であった.入院時NIHSSの中央値(四分位置)は脳梗塞で13.0(10.0~21.5),脳出血で17.5(16.0~23.3)とばらつきが多いが比較的高値であった.PE発症の中央値は8日から13.5日であった.発症時神経学的にはSAHは運動麻痺を認めていなかったが,脳出血,脳梗塞ではいずれも麻痺の強い症例に多く,日常生活動作レベルはベッド上が77.8%であった.過去の報告と比べてPEの発症率はほぼ横ばいであった.PEは抗血栓療法を行いにくい脳出血の方が高頻度であった.死亡率は依然高値であり,麻痺の重度な症例は入院後早期からの予防対策を考える必要がある.
  • 眞野 唯, 井上 瑞穂, 成澤 あゆみ, 小山 新弥, 昆 博之, 緑川 宏, 佐々木 達也, 西嶌 美知春
    2013 年 35 巻 1 号 p. 12-19
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/01/25
    ジャーナル フリー
     要旨:解離性椎骨動脈瘤の破裂による外転神経麻痺の特徴を明らかにするため,当科で経験した症例の検討を行った.対象は過去10年間の当科における破裂解離性椎骨動脈瘤26例中外転神経麻痺を確認した7例で,年齢は43~75歳(平均57歳)で,男性3例,女性4例であった.この7例の臨床経過を後方視的に検討した.入院時Hunt & Kosnik gradeはIIが2例,Vが5例であった.7例中6例で橋前槽に厚い血腫を認め,2例において急性水頭症を伴っていた.外転神経麻痺の予後は5例で完全回復,2例で不全麻痺が残存した.解離性椎骨動脈瘤の破裂による外転神経麻痺の出現頻度は26.9%であった.外転神経麻痺の原因は,血腫による直接圧迫や破裂時の直接損傷によると考えられたが,急性水頭症が明らかな症例では,false localizing signの可能性もあり,出血源の予測には注意が必要であると考えられた.
症例報告
  • 田中 禎之, 中尾 直之
    2013 年 35 巻 1 号 p. 20-23
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/01/25
    ジャーナル フリー
     要旨:左頭頂葉のcerebral venous angiomaと診断した1症例を報告する.症例は,数年来の右半身感覚異常を主訴とする75歳男性で,MRIルーチン検査で,左頭頂葉深部白質にT2強調画像で高信号の病変が指摘されていた.今回,MRIの新たな撮像法T2 star weighted angiography(SWAN)を用いることで,造影剤を使用することなくcerebral venous angiomaを的確に診断できたので報告する.また,脳血管撮影とは違い非侵襲性であることから外来での日常診療に非常に有用だと考えられた.
  • 徳田 直輝, 今井 啓輔, 濱中 正嗣, 山田 丈弘, 山﨑 英一, 辻 有希子, 竹上 徹郎, 池田 栄人, 武澤 秀理, 中川 正法
    2013 年 35 巻 1 号 p. 24-29
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/01/25
    ジャーナル フリー
     要旨:症例は52歳男性.突然の呂律困難と歩きにくさを自覚し発症より5時間で当院に救急搬送された.来院時,傾眠,構音障害,両上下肢の運動失調がみられ,頭部MRIで両小脳半球,右海馬,両後頭葉の脳梗塞,頭部MRAで脳底動脈閉塞がみとめられた.内科的治療を開始するも,入院2時間後に昏迷と四肢麻痺を呈したため,緊急脳血管内血行再建術を実施した.脳血管撮影では右椎骨動脈の完全閉塞,左椎骨動脈(V4)の90%狭窄病変,脳底動脈先端部の血栓をみとめた.左V4狭窄病変に対する経皮的脳血管形成術のみで,脳底動脈先端部の血栓が消失したため手術を終了した.術後経過は良好であり歩行可能なレベルにまで改善し,第30病日に転院した.本例では,近位狭窄の解除による血流の改善効果のみで遠位部血栓をwashoutできた.塞栓子より近位部に高度狭窄を伴うtandem lesionの血行再建術について示唆に富む1例であり報告する.
  • 廣澤 太輔, 深田 慶, 星 拓, 清水 幹人, 梶山 裕太, 青池 太志, 澤田 甚一, 狭間 敬憲
    2013 年 35 巻 1 号 p. 30-35
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/01/25
    ジャーナル フリー
     要旨:両側被殻出血を発症した結節性多発動脈炎の1例を経験したので報告する.症例は74歳男性.発熱と高CRP血症と間質性肺炎を認め,血管炎を疑うもののELISA法でのANCA,組織所見ともに陰性であり無投薬にて経過観察となっていた.経過中,構音障害,右口角下垂が突然出現し,頭部CTにて両側被殻出血を認め当科入院となった.血管炎による脳出血と考えステロイド治療を開始したが,脳出血の増悪を来し,間質性肺炎の増悪にて死亡した.穿通枝領域の脳出血であったが,病理解剖では中動脈レベルでの血管炎所見を中心に認め,結節性多発動脈炎であると病理診断した.
  • 金田 章子, 米永 悦子, 塚本 春寿, 勝田 俊郎
    2013 年 35 巻 1 号 p. 36-41
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/01/25
    ジャーナル フリー
     要旨:症例は53歳男性.10年以上放置された高血圧あり.3カ月前からの頭痛,食欲不振,倦怠感を主訴に前医を受診.血圧230/170 mmHgと高く,入院後に軽度意識混濁と霧視を生じた.頭部MRIでは延髄・橋・中脳を含む脳幹,小脳,視床,基底核,両側大脳白質深部から皮質下にかけて広汎な浮腫性変化と,右橋背側に亜急性期の小出血を認めた.降圧療法後,右顔面の知覚低下は残存したが,その他の症状は消失し,MRI所見も改善した.高血圧性脳症は適切な治療を行えば予後良好な疾患である.高血圧性脳症による画像所見は後頭葉白質に多いとされるが,非典型的な画像所見を示す場合があることを理解しておく必要がある.
  • 千葉 義幸, 木村 英仁, 岡村 有祐, 山本 祐輔, 藤本 陽介, 小林 誠人
    2013 年 35 巻 1 号 p. 42-47
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/01/25
    ジャーナル フリー
     要旨:ワルファリン内服中に発症した頭蓋内出血症例に対し,プロトロンビン複合体製剤(PCC)を投与し,効果および予後について検討した.対象は搬送時検査でPT-INRが高値を示し,PCCを投与した症例である.投与後10分,翌日のPT-INRを測定し,治療法,転帰を含め評価した.症例は18例で,抗凝固の主な基礎疾患は心房細動であった.PCC投与前後のPT-INRは,投与前3.1±1.2,投与後10分1.4±0.15であり,速やかに是正された.翌日も1.2±0.13と再上昇を認めなかった.15例に手術を施行し,搬入時より状態が悪かった1例を除き,来院時と比較して退院時のmRSは同等もしくは改善していた.ワルファリン内服中の頭蓋内出血は重症化しやすく,PCCのPT-INR是正に対しては種々のガイドラインにおいても推奨されている.我々の症例でも良好な周術期経過および転帰に大きく寄与したと考えられた.
短報
  • 岡本 定久, 石原 大二郎, 荒木 淑郎
    2013 年 35 巻 1 号 p. 48-50
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/01/25
    ジャーナル フリー
     要旨:症例は41歳男性,配管工.40歳から高血圧,脂質異常症の既往あり.平成X年7月から建設中施設内での溶接作業に従事し,体重が5 kg以上減少した.8月某日,最高気温36度,湿度67%と炎暑下での屋外作業となった.午後から,手足のしびれ,有痛性筋痙攣を自覚した.帰宅時に筋痙攣・全身倦怠感が増悪し,その後から傾眠傾向となり当院救急外来を受診した.来院時,傾眠傾向,右眼球偏倚,左中枢性顔面神経麻痺,構音障害,左不全片麻痺,左半側空間無視を呈し,また,診察時有痛性筋痙攣を頻回に認めた.検査所見では,低Na性脱水を認めた.頭部MRIにて,右中大脳動脈領域に脳梗塞を認めた.本症例は,熱中症を契機に脳梗塞が発症したと考えられた.
  • 中野 智伸, 蛭薙 智紀, 安藤 孝志, 櫻井 秀幸, 小林 洋介, 瀧田 亘, 山下 史匡
    2013 年 35 巻 1 号 p. 51-53
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/01/25
    ジャーナル フリー
    要旨:平成22年10月に脳梗塞に対する血栓回収デバイスMerciリトリーバー(MERCI)が保険償還開始となった.愛知県内救命救急センターの一部に,保険償還開始後15カ月間の使用実績をアンケート調査した.rt-PA療法同様MERCIにおいても使用数に差があることが示された.回答内容からは,使用数に影響する要因として,プロトコールの整備が考えられた.今後診療体制作りとともに,更なる詳細な調査が望まれる.
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