要旨:【目的】一般住民における脳卒中発症時の早期受診行動の意識の現状を調べるとともに,早期受診行動に結びつく知識などについて検討を行った.【方法】神戸市政アドバイザー1,059 名に,脳卒中に関する知識と早期受診の意識に関するアンケート用紙を送付し,現状を調べるとともに早期受診行動と関連する因子および知識について分析を加えた.【結果】62%の返送を得,年齢は60 歳代が22.5%と最も多かった.回答結果より「早期受診行動有り」に分類される者は68%を占めていた.脳卒中の危険因子や発症時の急性症状の知識において,その知識量が増えるにつれ,早期受診行動有りに分類される者の割合は増加した.38.6%の者が治療法の1 つであるtPA を知っていると回答し,時間の概念があるtPA の知識の有無は早期受診行動の有無と関連した.【結論】量的そして質的な観点に着目しながら,早期受診行動に結びつく知識を評価し,啓発していく必要がある.
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