脳卒中
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37 巻 , 2 号
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総説
  • 山本 康正, 永金 義成
    2015 年 37 巻 2 号 p. 75-82
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:横断的調査では,血圧高値が認知機能障害(CI)に関連するという報告から,逆の関係,さらに,U カーブの関連にあるとするものなどがある.縦断的には,中年期の高血圧は高齢期におけるCI と一貫して関連しているが,高齢者では,血圧低値がCI を増悪させ,血圧高値は保護的に働いているとの指摘もある.これらを仲裁するような,高齢者ではSBP 高値とDBP 低値がCI を増悪させるとする報告もある.また,認知症が発症進展すると,経年的に血圧が下降することを考慮に入れる必要がある.高血圧は脳血管性認知症(VD)との関連が強いが,アルツハイマー型認知症(AD)についてもより緩やかであるが関連ありとする報告が多い.特に脳血管性CI は,夜間血圧上昇型(non-dipper,riser)に強く関連しており,夜間血圧上昇型は食塩感受性高血圧が多いことから,レニン・アンギオテンシン系抑制薬と利尿薬の使用がCI 予防に役立つ可能性がある.
原著
  • 伊佐早 健司, 櫻井 謙三, 加藤 貴之, 今井 健, 徳山 承明, 吉江 智秀, 清水 眞, 内野 賢治, 赤松 真志, 秋山 久尚, 長 ...
    2015 年 37 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】静岡県を対象に,脳卒中急性期医療を担う施設の充足度を明らかにし,本邦におけるtelestroke 導入の潜在需要と導入の課題を検討する.【方法】県が公表している脳卒中医療を担う医療機関(S 群)34 施設と,それ以外の救急受入れ施設(NS 群)25 施設を対象に,地理情報システム(GIS)解析により60 分以内搬送可能圏域を可視化した.アンケート調査により各施設のtelestroke 支援必要日数,telestroke 導入の前提として解決すべき問題点を調査した.【結果】S 群,NS 群の施設に60 分以内に到達不能な地域に居住する人口は各々2.1%と4.5%であった.S 群,NS 群ともにtelestroke 支援を要すると回答した施設が存在し,導入には外科治療適応疾患への対応の整備の必要性を上げるものが24%と多く,法的責任を上げるものは15%であった.【結論】脳卒中対応施設を含めてtelestroke 導入の潜在需要は存在し,GIS 解析によるtPA 静注不能地域の可視化により,地域の特性に応じたtelestroke 導入の効果予測が可能と思われた.
  • 影治 照喜, 岡 博文, 永廣 信治, 里見 淳一郎, 溝渕 佳史, 谷 憲治, 坂東 弘康, 小幡 史明, 三橋 乃梨子
    2015 年 37 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:徳島県南部の海部地域では2008 年以降,医師不足から医療崩壊が進行して急性期脳卒中診療ができない状況となり県内での医療格差が顕著になってきた.この解消の目的でスマートデバイスとインターネットによる徳島県立海部病院遠隔診療支援システム(k-support)を2013 年2 月に導入した.本システムはCT やMRI などの画像情報や患者情報を海部病院常勤医師やサポートする医師,さらには三次救急病院のスマートデバイスにリアルタイムに提供する.導入後,2014 年1 月19日までの11 カ月間で救急患者126 例において本システムを使用し,急性期脳卒中患者は47 例(37%)で,4 例の急性期脳梗塞に対してrt-PA 静注療法を施行した.本システムのような,基幹病院脳卒中専門医と医療過疎地の医師を繋ぐ遠隔診療支援システムは過疎地域の急性期脳卒中診療に対して有用である.
  • 林 佐衣子, 秋山 武紀, 吉田 一成
    2015 年 37 巻 2 号 p. 96-101
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】硬膜動静脈瘻の診断における320 列area detector CT を用いた3D computed tomography-digital subtraction angiography(3D CT-DSA)の有用性の検討.【対象と方法】35 箇所の硬膜動静脈瘻を有する連続30 症例につき脳血管造影,3D CT-DSA を施行,2 名の医師で読影し整合性の有無につき評価を統計学的に行いまた 3D CT-DSA を利用したフォローアップを行い変化を認めた例でDSA と比較した.【結果】動静脈瘻の位置94.3%,流入血管55.1%,正常灌流障害88%,静脈逆流,頭蓋外静脈灌流,静脈洞閉塞100%で3D-CT DSA とDSA の結果が一致しフォローアップ中2 例で新たな皮質静脈逆流の出現を検出した.【結論】硬膜動静脈瘻の初期診断,経過観察中のフォローアップの検査に3D-CT DSA は有用な検査と考える.
症例報告
  • 朝来野 佳三, 善本 晴子, 湯澤 美季, 白水 秀樹, 石田 敦士, 新村 核, 根本 暁生, 松尾 成吾, 堀 智勝, 森山 貴
    2015 年 37 巻 2 号 p. 102-106
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:症例はくも膜下出血を発症した49 歳男性.右中大脳動脈瘤クリッピング術の後,内外減圧術を行い,いったん脳浮腫は軽快した.第17 日病日ごろより,両側後頭側頭頭頂葉を中心に脳浮腫が再度悪化し,鉤ヘルニアを来した.MR 静脈撮影より左S 状静脈洞血栓症と診断し未分画ヘパリンによる抗凝固療法を施行するも,症状がさらに悪化したため,第28 病日に血管内治療を行った.バルーンによる血管形成術を施行しても左内頸静脈に高度狭窄が残存し良好な順行性血流が得られなかったため,狭窄部に頸動脈用のステントを留置した.術直後から脳腫脹と臨床症状が改善した.28 カ月後のMR 静脈撮影でステントの開存が確認された.本症例は,硬膜動静脈瘻を伴わない脳静脈血栓症に対してステント留置術を施行した本邦で初めての報告である.しかし現時点では,脳静脈血栓症に対する血管内治療のエビデンスレベルは低く,今後症例を重ね検討していく必要があると考えられた.
  • 馬場 雄大, 山村 明範, 岸本 利一郎, 外山 賢太郎, 布村 克幸, 藤重 正人, 中川 俊男
    2015 年 37 巻 2 号 p. 107-110
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は83 歳男性.短期間に進行した認知機能低下により自宅生活が困難となったため受診となった.頭部MRI 検査にて両側視床にT2 強調画像,FLAIR 画像にて高信号域を,T2* 強調画像で出血性変化を疑う低信号域を特に右側に認め,認知機能低下の原因であることが示唆された.MRA 検査にてMRI 信号変化に関係すると考え得る異常血管の描出を認めたため選択的脳血管撮影を施行した.結果,直静脈洞閉塞を伴う硬膜動静脈瘻を認め,内大脳静脈領域への逆流,鬱血を来していた.この鬱血が視床機能に影響し,認知機能低下を来すに至ったと診断された.血管内治療にて逆流するシャント血流を遮断することで症状は改善し自宅生活が可能となった.今回,視床病変に由来する認知機能低下の原因として静脈洞閉塞を伴う硬膜動静脈瘻の稀な症例を経験したので報告する.
  • 中島 一夫, 樋口 陽, 後藤 暁子, 後藤 昌三
    2015 年 37 巻 2 号 p. 111-116
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:心原性脳塞栓症発症急性期の経食道心エコー検査にて左房内血栓を認め,dabigatran etexilate(DE)投与後に血栓消失を確認した非弁膜症性心房細動5 例を呈示する.発症時年齢は平均83 歳,女性が3 例,左房内血栓の最大径は平均13 mm であった.未分画ヘパリン投与後のDE への切り換え例が3 例,発症前よりのワルファリン投与からDE への切り換え例が1 例,発症前よりワルファリンが投与され発症後に未分画ヘパリンへの変更を経てのDE への切り換え例が1 例であった.発症各3 日,5 日,5 日,7 日,18 日後からの平均18 日(6~39 日)間のDE(4 例で110 mg×2/日,1 例で150 mg×2/日)投与により全例で症候性再発を認めることなく左房内血栓消失が確認された.心原性脳塞栓症急性期に心内血栓が検出された非弁膜症性心房細動患者におけるDE 投与が,再発予防を目的とした急性期抗凝固療法の一方法になりうることが期待される.
  • 福田 修志, 林 健太郎, 前田 肇, 山口 将, 諸藤 陽一, 日宇 健, 堀江 信貴, 出雲 剛, 松尾 孝之, 永田 泉
    2015 年 37 巻 2 号 p. 117-120
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/26
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】窓形成と脳動脈瘤または脳動静脈奇形の合併は報告されているが,3 者の合併は極めて稀である.今回われわれは中大脳動脈の窓形成と前交通脳動脈瘤および脳動静脈奇形を合併した1例を経験したので報告する.【症例】52 歳の女性,意識障害で発症した.頭部CT では左前頭葉底部に血腫を伴うくも膜下出血を認め,脳血管造影では,右中大脳動脈の窓形成,前交通脳動脈瘤と左前頭葉弁蓋部に脳動静脈奇形を認めた.前交通脳動脈瘤に対して脳動脈瘤塞栓術を施行し,術後経過は良好であった.【結論】中大脳動脈の窓形成と前交通脳動脈瘤および脳動静脈奇形を合併した1 例を報告した.適切な診断をし,対処する必要がある.
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