脳卒中
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37 巻 , 4 号
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原著
  • 食見 花子, 豊田 元哉, 三瀧 真悟, 小野田 慶一, 小黒 浩明, 長井 篤, ト蔵 浩和, 山口 修平
    2015 年 37 巻 4 号 p. 223-227
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/25
    [早期公開] 公開日: 2015/07/17
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】高齢者の無症候性脳病変(SBL)に対する腎機能障害および血管障害関連危険因子の関与を,中年期との比較により検討する.【方法】2001 年1 月から2008 年12 月の間に,当院関連施設で脳ドックを受けた総計1937 名を対象とした.MRI 画像で無症候性脳梗塞,脳室周囲高信号域,皮質下白質病変,微小出血を含むSBL を評価し,腎機能障害,高血圧,糖尿病等の危険因子との関連を中年と高齢に分けて検討した.【結果】腎機能障害の有病率は中年群の6.2%に比し高齢群で14.5%と有意に高率であった(P<0.001).いずれのSBL も高齢者で有意に出現率が高かった.各SBLの出現に対して中年群は高血圧や糖尿病などが関与する傾向があったが,高齢群では腎機能低下が関与していた.【結果】SBL に対する腎機能障害の影響は高齢者で特に大きく,高齢者における腎機能の保護が脳卒中の一次予防に重要であることが示唆された.
  • 田口 芳治, 高嶋 修太郎, 堀江 幸男, 青木 賢樹, 松田 博, 田中 耕太郎
    2015 年 37 巻 4 号 p. 228-231
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/25
    [早期公開] 公開日: 2015/07/17
    ジャーナル フリー
    要旨:【目的】アンケート調査により一般市民の心房細動(AF)の認知度の実態について検討した.【方法】富山県脳卒中公開講座の参加者を対象にAF の認知度に関するアンケート調査を行った.アンケートの内容は① AF の認知の有無,②自己検脈の実施の有無,③ AF が脳梗塞の原因となることの認知の有無,④無症候性AF の認知の有無,⑤発作性AF の認知の有無,⑥ AF における脳梗塞予防薬の認知の有無とした.【結果】回答を得た168 人の解析を行った.AF を認知している割合は43%,AF が脳梗塞の原因になることを認知している割合は24%,AF における脳梗塞予防薬を認知している割合は11%といずれも低値であった.また,高齢者は非高齢者に比べ,AF や脳梗塞予防薬の認知が有意に低いことも明らかとなった.【結論】一般市民,特に高齢者におけるAF の認知度は低い現状にあるため,心原性脳塞栓症予防のためにも更なる啓発活動が必要である.
症例報告
  • 加藤 宏一, 朝見 正宏, 鰐渕 博, 比嘉 隆
    2015 年 37 巻 4 号 p. 232-235
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/25
    [早期公開] 公開日: 2015/07/17
    ジャーナル フリー
    要旨:Persistent primitive hypoglossal artery(PPHA)とbasilar artery(BA)のdouble fenestration を伴う稀なSAH 発症例を経験したため報告する.症例は63 歳男性.サッカーの試合中に後頭部痛と嘔吐が出現し救急搬送となる.WFNS grade I のSAH を認め,右内頸動脈からPPHA が分岐しBA に移行していた.また,BA 近位部にはdouble fenestration を認めた.しかしSAH の出血源は明らかにならなかった.保存的治療で軽快しmRS0 で自宅退院となった.BA のfenestration は2 本のlongitudinal neural artery の融合不全と言われているが本症例ではfenestration が2 カ所認められ,PPHA の融合も影響していた可能性が考えられた.
  • 高岸 創, 亀田 勝治, 庄野 禎久
    2015 年 37 巻 4 号 p. 236-240
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/25
    [早期公開] 公開日: 2015/07/17
    ジャーナル フリー
    要旨:今回われわれはリバーロキサバン内服後に両側小脳出血を呈したため,アピキサバンに変更したが,再度小脳出血を呈した症例を経験した.症例は78 歳男性.非弁膜症性発作性心房細動に対し,リバーロキサバン内服を開始した.その4 カ月後に突然の吐き気,めまいが出現し,頭部CTで左小脳陳旧性出血と右小脳急性出血を認めた.リバーロキサバン内服を中止し,保存的加療により症状改善した.その後,アピキサバン内服に変更したが,服用開始6 日後に吐き気,めまいが出現した.頭部CT で両側小脳出血の再発を認めた.血腫は増大傾向であったため,内視鏡下穿頭血腫除去術を施行した.術後,症状は改善し,心房細動は認めないため,抗凝固薬は中止している.活性型Xa 阻害薬はワルファリンと比較し有意に頭蓋内出血が少ないが,本症例のように再出血を来すこともあり注意が必要である.
第39回日本脳卒中学会講演
シンポジウム
総説
  • 宮地 茂, 浅井 琢美
    2015 年 37 巻 4 号 p. 241-247
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/25
    [早期公開] 公開日: 2015/07/17
    ジャーナル フリー
    要旨:頭蓋内主幹動脈狭窄に対する経皮的血管拡張術(PTA)は本邦でもさかんに行われてきたが,recoil や再狭窄が多いことから冠動脈ステントによるstenting が併用されてきた.本年認可されたWingspan® は,柔軟な自己拡張型ステントで,欧米の初期臨床成績は良好な結果であった.米国のstudy では術後30 日の同側脳卒中は4.5%,6 カ月後の50%以上の再狭窄は7.1%と有効性が高かった.しかし一昨年発表されたSAMMPRIS trial では,内科的治療群に比べてステント留置群に有意に合併症が多かったことから,本邦の実施基準では,Wingspan® の適応をレスキューと再狭窄例にしぼるとともに,血管内治療医以外の第三者の適用合意を義務づけている.頭蓋内主幹動脈狭窄に対するPTA stenting は,解離,穿通枝閉塞,出血性合併症などに十分留意し,適切な適用で慎重に行われるべきである.
  • 山内 浩
    2015 年 37 巻 4 号 p. 248-252
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/25
    [早期公開] 公開日: 2015/07/17
    ジャーナル フリー
    要旨:アテローム硬化性脳主幹動脈閉塞性疾患において,脳循環障害を有する患者は脳梗塞再発ハイリスク群であり,このハイリスク群の検出と治療が予後の改善に重要である.当然,脳循環障害のある例とない例では治療法は異なると想定されるが,脳循環障害重症度に基づいた治療方針は確立されていない.一般的に厳格な内科治療は再発リスクを低下させるが,脳循環障害を有する患者において厳格な血圧降下療法が再発リスクを低下させるかについてはエビデンスが乏しい.最近,症候性アテローム硬化性脳主幹動脈閉塞性疾患患者を対象とし,PET で脳循環障害の程度を評価したうえで経過観察し,経過観察中の血圧と脳卒中発症リスクの関係を検討した2 つの研究結果が報告されたが,結果は一致していなかった.脳循環障害のある例とない例で血圧管理法を変えるべきか,また,脳循環障害のある例ではどのくらいの程度の降圧をするべきかについて更なる検討が必要である.
  • 武信 洋平, 宮本 享
    2015 年 37 巻 4 号 p. 253-258
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/25
    [早期公開] 公開日: 2015/07/17
    ジャーナル フリー
    要旨:症候性頭蓋内動脈狭窄の再発率は10~18% / 年と高く,治療抵抗性の疾患である.その病態は多様であり,各病態に対する治療方針はそれぞれ異なる.近年の薬物治療の進歩によって頭蓋内動脈狭窄のイベント率は低下傾向にある.これに対し,血行再建術には現時点で優位性を示すエビデンスはない.頭蓋内動脈狭窄ではmisery perfusion を呈する症例は少なく,EC/IC bypass の適応は限られ,頭蓋内動脈用ステントもその有効性は示されていない.しかし,real world では積極的にこれらの介入が行われていると懸念される.外科治療を行う際には,病態が明確であり,「積極的」薬物治療にも抵抗性の症例のみを対象とすべきで,明確なエビデンスが示されていない現状では,best medical treatment の進歩を十分認識したうえで,血行再建術の適応にはより慎重であるべきと考える.
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