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脳卒中
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Print ISSN : 0912-0726
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3 号 p. 151-
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5 号 p. 415-
4 号 p. 309-
3 号 p. 199-
2 号 p. 85-
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11 巻 (1989)
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2 号 p. 101-
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総説
癌と脳卒中
髙橋 愼一, 大木 宏一, 鈴木 則宏
2015 年 37 巻 6 号 p. 395-402
発行日: 2015年
公開日: 2015/11/25
[早期公開] 公開日: 2015/09/29
DOI
https://doi.org/10.3995/jstroke.10326
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要旨:潜在癌患者に発症する脳卒中,特に脳梗塞は血液凝固亢進を基盤とした傍腫瘍性神経症候群として診療する必要がある.Trousseau 症候群の名は1865 年Armand Trousseau が提示した遊走性静脈血栓症患者に癌が発見されたことに由来し脳に限った病態ではない.脳梗塞の病型としては非細菌性血栓性心内膜炎(NBTE)による心原性脳塞栓症が最多で,複数の脳動脈領域に生じる多発性,再発性の梗塞を来す.弁破壊はないため心雑音は聴取されず,疣贅も小さく経胸壁心エコーでの診断は難しい.超急性期の経静脈的血栓溶解療法の除外項目ではないが,予期せぬ脳出血の危険性が報告されている.再発予防にはヘパリン,低分子量ヘパリンなどが使用されるが,原疾患の増悪に伴うDIC や原病の悪化などから継続に難渋することが多い.ワルファリン内服による再発抑制効果は乏しく,非ビタミンK 阻害経口抗凝固薬の有用性は確立されていない.
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(706K)
原著
脳動脈瘤コイル塞栓術におけるScepter バルーンカテーテルの使用経験
下田 健太郎, 須磨 健, 渋谷 肇, 吉野 篤緒
2015 年 37 巻 6 号 p. 403-408
発行日: 2015年
公開日: 2015/11/25
[早期公開] 公開日: 2015/09/29
DOI
https://doi.org/10.3995/jstroke.10308
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要旨:頭蓋内ステントが使用可能となった現在でも広頸脳動脈瘤に対するコイル塞栓術では,バルーンカテーテルは依然として重要なデバイスである.従来からHyperGlide/HyperForm などのシングルルーメンカテーテルが頻用されていたが,屈曲血管への誘導性や血流が多い部位でのバルーンカテーテルの安定性に問題があった.それらの問題点を解消しうるダブルルーメン構造を有したScepter バルーンカテーテルが2013 年に本邦で保険承認された.2014 年2 月から2014 年9 月の間,当院でScepter C またはScepter XC を用いて治療された未破裂脳動脈瘤患者4 例を対象にし,脳動脈瘤の特徴,周術期合併症や転帰について検討した.全症例で,完全閉塞または頸部残存の塞栓を達成し,バルーンによる合併症は認めなかった.Scepter バルーンカテーテルは安全で有効なデバイスと考えられた.
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(1701K)
血栓塞栓症発症急性期の非弁膜症性心房細動患者における左房内血栓,抗凝固療法と再発の関連性
中島 一夫, 樋口 陽, 後藤 暁子, 森本 光俊, 後藤 昌三
2015 年 37 巻 6 号 p. 409-416
発行日: 2015年
公開日: 2015/11/25
[早期公開] 公開日: 2015/09/29
DOI
https://doi.org/10.3995/jstroke.10314
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要旨:【目的および方法】血栓塞栓症発症7 日以内に経食道心エコー検査(TEE)が施行された非弁膜症性心房細動(NVAF)237 例を対象に,左房内血栓,抗凝固療法と血栓塞栓症再発との関連性を後ろ向きに検討した.【結果】TEE による左房内血栓は73 例(31%)に検出された.TEE 施行後から血栓塞栓症発症1 カ月以内の再発は,左房内血栓陽性73 例中10 例(13.7%),血栓陰性164 例中8 例(4.9%)に認められた(p<0.05).左房内血栓陽性群にて抗凝固療法施行40 例の再発率は未施行33 例の再発率より有意に低率であった(5.0% vs 24.2%,p<0.05).一方,左房内血栓陰性群にて抗凝固療法施行102 例の再発率は3.9%と未施行62 例の6.5%と有意差がなかった.【結論】血栓塞栓症発症急性期のNVAF 患者において左房内血栓は再発率を増加させ,早期の抗凝固療法はその再発率を有意に減少させた.
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(1107K)
症例報告
血流遮断による虚血症状が遷延した頸部内頸動脈狭窄症の1 治療例
山口 卓, 西野 克寛
2015 年 37 巻 6 号 p. 417-422
発行日: 2015年
公開日: 2015/11/25
[早期公開] 公開日: 2015/09/29
DOI
https://doi.org/10.3995/jstroke.10317
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要旨:症例は78 歳男性で,左中心前回の皮質梗塞による右上肢の単麻痺で発症.頸部MRA で左頸部内頸動脈狭窄を指摘.狭窄部は内出血を伴う脆弱性プラークが示唆された.発症約2 カ月後に頸動脈ステント留置術を施行.バルーンによる遠位プロテクションを選択.左内頸動脈を遮断すると直後より右片麻痺,失語,意識障害が出現.鎮静下に速やかにステントを留置し,遮断時間は8分50 秒.血流再開後の撮影で末梢塞栓はみられなかったが,遮断解除後も虚血症状は改善しなかった.治療3 時間後には右片麻痺は改善したが失語が続き,完全に改善したのが治療翌々日であった.バルーン遠位プロテクションでは虚血耐性が問題となるが,血流再開後虚血症状は多くは速やかに改善するとされる.本症例は片麻痺が約3 時間,失語が30 時間程度遷延したが,新たな脳梗塞はみられず,その後完全回復し,純粋に虚血不耐性による症状が遷延したものと考えられた.
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(2364K)
子宮内膜症治療薬が原因と推測された横静脈洞血栓症の1 例
羽柴 哲夫, 本郷 卓, 山上 敬太郎, 岩城 克馬, 高崎 盛生, 宮原 永治, 山田 圭一, 藤本 康裕
2015 年 37 巻 6 号 p. 423-427
発行日: 2015年
公開日: 2015/11/25
[早期公開] 公開日: 2015/09/29
DOI
https://doi.org/10.3995/jstroke.10295
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要旨:症例は47 歳女性で,発症約3 年前より子宮内膜症による月経困難症に対してノルエチステロン・エチニルエストラジオール配合製剤を近医婦人科にて処方されていた.発症に先行して頭痛が出現し,4 日目に意識障害を来し救急搬送となった.頭部CT 上,左後頭葉に径4 cm の皮質下出血を認め,血腫周囲は低吸収域を示した.左横静脈洞は高信号を呈し,脳血管撮影にて左横静脈洞閉塞症と診断した.発症翌日に血腫拡大がない事を確認の上,抗凝固療法を開始し,発症21 日目に独歩退院した.経口避妊薬は静脈洞血栓症の原因として知られているが,処方されていた子宮内膜症治療薬は低用量経口避妊薬と同一成分であり,患者に基礎疾患がない事から本剤の服用が原因と考えた.本剤は子宮内膜症治療薬として保険適用が認められた比較的新しい薬剤であり,今後も処方が増加すると思われる.処方医と患者双方に静脈血栓症の可能性につき啓蒙する事が重要と考えられる.
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(1022K)
後頭部痛のみを呈し,積極的降圧療法で良好な転帰を得た椎骨動脈解離の2 例
外山 祐一郎, 矢坂 正弘, 桑城 貴弘, 湧川 佳幸, 齊藤 正樹, 下濱 俊, 岡田 靖
2015 年 37 巻 6 号 p. 428-433
発行日: 2015年
公開日: 2015/11/25
[早期公開] 公開日: 2015/09/29
DOI
https://doi.org/10.3995/jstroke.10322
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要旨:症例1 は63 歳男性.頸部回旋時より右後頭部痛を自覚した.右椎骨動脈に6 mm の拡張を認め,右椎骨動脈解離と診断した.出血や脳梗塞の所見なく,降圧療法を開始(150/90 から100/60 mmHg)した.後頭部痛は改善し第17 病日に消失し,第26 病日に退院した.症例2 は39 歳男性.起床時に正中後頭部痛を自覚した.第12 病日に当科受診.右椎骨動脈に9 mm の瘤形成を認め,降圧を行い(血圧120/60 から110/60 mmHg),後頭部痛は改善し第17 病日に消失し第23 病日に退院した.2~3 カ月後のMR 検査にて解離病変は症例1,2 ともに改善した.椎骨動脈解離急性期の降圧療法は頭痛や血行動態の改善に有効と考えられる.
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(3167K)
重篤な誤嚥性肺炎を生じた両側延髄外側梗塞の1 例
林 宣秀, 三木 潤一郎, 山家 弘雄, 中川 真里, 今村 和弘, 仲 寛
2015 年 37 巻 6 号 p. 434-439
発行日: 2015年
公開日: 2015/11/25
[早期公開] 公開日: 2015/09/29
DOI
https://doi.org/10.3995/jstroke.10327
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要旨:症例は62 歳男性.2 年3 カ月前に左延髄外側梗塞を生じたが嚥下障害は呈さなかった.その後,右延髄外側梗塞を生じてから嚥下障害が出現した.両側延髄外側梗塞に陥ったあと2 度の誤嚥性肺炎を来したが軽快し,以降は明らかな誤嚥性肺炎を生じていない.諸検査からはいずれの梗塞も動脈硬化性血栓症と診断した.両側延髄外側梗塞は極めて稀であり,誤嚥性肺炎が重篤な合併症となりうるため,予防を含めて文献的考察を加えて報告する.
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(2761K)
Dabigatran 110 mg 1 日2 回療法中に心内血栓が検出されRivaroxaban 15 mg 1 日1 回内服へ変更後にその縮小・消失が観察された1 例
和田 晋一, 矢坂 正弘, 濱田 広之, 鶴崎 雄一郎, 湧川 佳幸, 岡田 靖
2015 年 37 巻 6 号 p. 440-445
発行日: 2015年
公開日: 2015/11/25
[早期公開] 公開日: 2015/09/29
DOI
https://doi.org/10.3995/jstroke.10334
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要旨:症例は77 歳男性.非弁膜症性心房細動に対しdabigatran 110 mg 1 日2 回内服中.2014 年10月某日に一過性の言語障害を主訴に来院,一過性脳虚血発作の診断で入院した.第2 病日に施行した経食道心エコーで左心耳に心内血栓を認め抗凝固薬をrivaroxaban 15 mg 1 日1 回に変更,血栓は縮小し第13 病日に消失した.凝固系を抑え抗凝固療法に伴う心内血栓縮小現象を惹起する点ではdabigatran 110 mg 1 日2 回よりもrivaroxaban 15 mg 1 日1 回の方がより効果的である可能性がある.抗トロンビン薬と抗Xa 薬の作用機序の差異への考察と心内血栓と非ビタミンK 拮抗経口抗凝固薬に関する文献的考察を踏まえて報告する.
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抗凝固薬が症状の進行抑制に有用と考えられたアテローム血栓性脳梗塞の1 例
樋口 瑛子, 内山 由美子, 飯嶋 睦, 北川 一夫
2015 年 37 巻 6 号 p. 446-451
発行日: 2015年
公開日: 2015/11/25
[早期公開] 公開日: 2015/10/05
DOI
https://doi.org/10.3995/jstroke.10328
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要旨:症例は81 歳男性.構音障害,左定方向性眼振,右上肢協調運動障害を呈し,右小脳半球,左後頭葉に急性期アテローム血栓性脳梗塞を認めた.頭部MRA で,頭蓋内血管はびまん性に壁不正,狭窄があり,特に椎骨脳底動脈で高度であった.アルガトロバン点滴に加えクロピドグレル,アスピリンを内服投与したが,アルガトロバン投与終了後,意識障害,右片麻痺,左下肢麻痺が出現,症状は急激に進行した.このためヘパリン持続投与を開始し,その後神経症状は安定した.本例のようにアテローム血栓性脳梗塞では,神経症状の増悪を抑止するため,急性期に,抗血小板療法に加え,抗凝固薬併用をすべき症例が存在すると考えられた.
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短報
脳卒中急性期患者の経管栄養におけるレモン果汁併用の効果と安全性の検討
山田 由李子, 本多 里美, 緒方 利安, 山本 澄子, 用松 美咲, 竹下 恵美, 青柳 邦彦, 坪井 義夫, 井上 亨
2015 年 37 巻 6 号 p. 452-455
発行日: 2015年
公開日: 2015/11/25
[早期公開] 公開日: 2015/09/29
DOI
https://doi.org/10.3995/jstroke.10313
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要旨:脳卒中急性期で経鼻経管栄養(以下:経管栄養)が必要な症例に対し,レモン果汁を用いた経管栄養剤の急速投与を実施し,その有効性と安全性を検証した.脳卒中で入院し,経管栄養が必要で,かつできるだけ早期のリハビリを行うことが望ましい患者7 名に対し,経管栄養剤投与前後に,レモン果汁を経管栄養剤の5%の量を注入し,消化器症状(嘔吐・下痢)の有無,リハビリ単位を比較した.全例でレモン果汁使用前・後では排泄パターン(便回数・便性状)に変化はなく,悪心,嘔吐は見られなかった.従来1 回の経管栄養剤の投与には1 回1.5~2 時間程度(1 日に4.5~6 時間)を要したが,レモン果汁と経管栄養剤の急速投与は約20 分であり,経管栄養剤投与時間の短縮が実現できた.経管栄養を行っている患者にレモン果汁を用いることで,安全に早期離床が達成できる可能性があり,今後多数例での検討が必要である.
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