【目的】経口抗凝固薬が在院日数および医療費に与える影響について後方視的に検討した.【方法】心原性脳塞栓症患者(CE)で,経口抗凝固薬を処方され自宅退院した159 例を対象に非ビタミンK 拮抗経口抗凝固薬群(NOACs: NG)とワルファリン群(WG)に分け,在院日数と医療費(DPC による総報酬点数)を検討した.【結果】NG が68 例(43%),WG が91 例(57%)であった.在院日数(中央値)は,NG で有意に短く(NG 13 日vs. WG 18 日,P<0.001),総報酬点数(中央値)もNG で有意に低かった(NG 72,954 点 vs. 95,628 点,P<0.001).ロジステック回帰分析ではNOACs は在院日数短縮に関与した(OR 0.168; 95% CI 0.074–0.382; P<0.001).【結論】急性期病院におけるCE のNOACs による治療は在院日数短縮と医療費削減に関連した.
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