症例は82 歳男性.非弁膜症性心房細動に対しリバーロキサバン10 mgQD による抗凝固療法を受けていた.2014 年某日に急性発症の意識障害と右片麻痺を呈し最終内服3 時間後に救急搬送された.発症約1 時間で撮影した初回頭部CT で血腫量10 ml の左視床出血を認め,収縮期血圧140 mmHg 未満を目標に降圧療法を行い,第IX 因子複合体製剤1,000 単位を静注した.プロトロンビン時間(PT-INR)は1.33 から1.14 へ短縮したが,来院約3 時間後の頭部CT では血腫量は21 ml と増大した.リバーロキサバン内服中の脳出血に対し降圧療法と第IX 因子複合体製剤によるプロトロンビン時間の緊急是正を行ったが,血腫増大を認めた症例を報告する.
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