脳卒中
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4 巻 , 4 号
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  • 小松本 悟, 後藤 文男, 島津 邦男, 荒木 信夫, 五味 愼太郎
    1982 年 4 巻 4 号 p. 291-296
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳血管障害50例について, ノルアドレナリン生成酵素であるDopamine-β-hydroxylase (DβH) 活性の立場より, 自律神経機能の変動とその予後との関連について検討した. (1) 急性期5H以内の閉塞性疾患の血清DβH活性は16.3±6.6u (mean±SE) であり, 一方, 出血性疾患においては26.9±4.4uを示し, 前者に比し有意に大であった (P<0.05). (2) 両疾患群ともに, 血清DβH活性は発作後極めて早期に上昇して, その後下降を始め, 7日目よりほぼ一定の値を示した. (3) 出血性疾患の血清DβH活性は, 閉塞性疾患に比し, 経過中より大きな変動がみられ, また高い値を示す傾向があった. (4) 閉塞性疾患においては, 退院時歩行可能であった群の血清DβH活性は22.8±2.1u, 車イスあるいは座位可能となり退院した群は12.2±2.3u, 臥位のまま退院あるいは死亡した群は7.4±2.9uであった.出血性疾患においてはそれぞれ24.6±2.5u, 13.8u, 10.2±2.2uであった.閉塞・出血性疾患ともに, 予後不良群は良好群に比し血清DβH活性は有意に低値であった.
  • 平田 温, 山口 武典
    1982 年 4 巻 4 号 p. 297-302
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    糖尿病性網膜症の重症度に左右差のある2例に, 一側眼動脈の閉塞ないし狭窄をみとめた。網膜症は眼動脈病変のある側で重症であった.症例1は31歳の女で, 網膜症は右Scott IV, 左ScottIIと右で重症であったが, 右眼動脈の著明な狭窄を伴っていた.症例2は50歳の男で, 網膜症は右ScottII, 左ScottIVと左が重症であり, 左眼動脈は起始部で完全に閉塞していた.また症例2は右片麻痺と失語があり, 左中大脳動脈閉塞を合併していた.
    網膜症のような糖尿病性microangiopathyが, 眼動脈閉塞のような糖尿病性macroangiopathyと考えられる病変と密接な関係をもつ場合のあることは, 両者の関係を探る意味で, さらには脳卒中診療の場において, 少なからざる意義をもつと思われる.
  • 高 昌星, 塚田 直敬, 上條 順子, 柳沢 信夫, 塚越 廣
    1982 年 4 巻 4 号 p. 303-309
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳血栓症を来した原発性血小板血症53歳男, 55歳男, 76歳女の3例を経験し, 臨床症状, 凝血能につき検討を行った.全例とも一過性脳虚血発作を前駆し, 中年以後の発症で, 2例に肝脾腫を認めた.血液検査では全例血小板数100万/mm3以上が持続し, 赤血球, 白血球数はほぼ正常.骨髄は過形成, 巨核球数の増加を認め, 白血病浸潤はみられず, 骨髄細胞のPh'染色体は陰性で, 好中球アルカリフォスファターゼ染色は正常.凝血学的検査では1例で出血時間の延長を認め, 2例にフロトロンビン時間の延長があり, 部分トロンボフラスチン時間, フィブリノーゲンは正常であった.トロンボエラストグラムは凝固亢進状態を示したが, 30万/mm3に希釈した血小板凝集能は全例で低下していた.原発性血小板血症による一過性脳虚血発作の詳細な報告はほとんどなく, 本症は治療可能であり, 早期に発見することにより, 血栓, 出血を予防できるものと考えられるので報告する.
  • 関 博文, 吉本 高志, 小川 彰, 鈴木 二郎
    1982 年 4 巻 4 号 p. 310-318
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    実験的局所脳梗塞モデルとして視床梗塞犬を用い, 脳梗塞巣における炭酸ガス反応性の動態を検討した.
    血流遮断による虚血の程度を3段階に分け, 一時的血流遮断時間を30分から6時間までとして血流遮断中および遮断解除後の炭酸ガス反応性の動態を経時的に観察し, さらに剖検脳における梗塞巣の有無を検討した.
    その結果, 虚血の程度の高度なもの程, また一時的血流遮断時間の長いもの程, 炭酸ガス反応性は障害されていく傾向が認められ, さらに剖検前すなわち遮断解除4時間目の炭酸ガス反応性の障害と梗塞巣形成との間には有意な相関関係が認められた.
  • 早川 功, 田崎 義昭
    1982 年 4 巻 4 号 p. 319-326
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2010/01/22
    ジャーナル フリー
    感覚障害のみを示すpure sensory stroke 8症例につき, 臨床的検討を加えた.全例既往に高血圧を有し, 多ぐが安静時発症で, 症状が緩徐進行型であることから, 、成因として, 脳血栓が多いと考えられた.責任病巣として, CT上視床外側核の他に, 内包後脚部病巣が認められ, 異常感覚の発現には, 視床内病変とともにsupra-thalamic levelでの視床皮質線維障害の関与が示唆された.慢性期に施行した両側正中神経同時刺激法による体性感覚誘発電位は, 全例が異常を示し, 病側早期成分の消失, 低振幅が認められ, 診断に有用であった.pure sensory strokeは, 感覚障害のみのため, 脳血管発作として見逃されやすいので, 臨床上注意を要する.
  • 前田 真治
    1982 年 4 巻 4 号 p. 327-335
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢病院で昭和50年1月1日~昭和56年5月31日の間に入院訓練した脳卒中後失語症患者168名を対象として, SLTAを施行し, 失語症状の入院期間中の改善を知る目的にて, その平均値の変動, 重回帰分析を用いて調べた.
    SLTA合計得点の改善を, 古典的失語症分類別にみると, 分類不能群・軽症, 健忘失語では, 多くのSLTA項目が最高点で経過し, 全失語では逆に多くの項目が無得点で経過し, 平均値の変動は小さく, また, 伝導失語, 分類不能群・中等症, 運動失語では変動が大きかった.年齢別では, 特に40歳未満で変動が大きく, 70歳以上で変動が小さかった.発症~入院までの日数では, 特に4ヵ月未満で変動が大きいことを認めた.入院時SLTA28項目の各得点, 年齢, 発症~入院までの日数を独立変数, 退院時SLTA合計得点を従属変数とみなした重回帰分析では重相関係数0.92となり, かなり精度の高い予測が可能であると考えられた.
  • 望月 廣, 斉藤 博, 高瀬 貞夫, 小暮 久也
    1982 年 4 巻 4 号 p. 336-342
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    症例.71歳男, 右手利き, 1981年2月11日朝, 農作業を開始した時急に, 立つことも歩くこともできなくなり, 同日午後に左不全片麻痺が出現した。左不全片麻痺は軽度で10日後には歩行可能となったが, 左手を使用せず着衣できないことを主訴として当科に入院した.入院時, 左不全片麻痺がみられたが, この軽度の脱力では解釈不能な左上肢を使用しない傾向と随意運動の減少を示す運動無視, 着衣の一連のすみやかな連携動作の消失した両側性の着衣失行, 左手の鏡像書字が認められた.しかし, 構成失行や左半側失認などの着衣失行以外の失行や失認, および, 失語はみられなかった.CTでは, 右前大脳動脈領域の右大脳半球内側面に高吸収域があり, 周囲に低吸収域を伴っていた.この病変は造影により陰影増強がみられ, 出血性梗塞と診断した.発症25日後頃から運動無視, 着衣失行, 鏡像書字の改善がみられた.
  • 山口 修平, 小林 祥泰, 小谷 宏行, 恒松 徳五郎
    1982 年 4 巻 4 号 p. 343-345
    発行日: 1982/12/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    高安病では総頚動脈の閉塞が高率に認められるが, 脳卒中発作を起こすことは比較的稀であり, 特にamaurosis fugaxを前駆した脳卒中例は報告がない.症例は30歳, 女性.妊娠中に二度, 突発性の右眼下半分の視野欠損を自覚.数ヵ月後左片麻痺のTIAを前駆し, 左完全片麻痺が突発したため近医入院.高安病と診断されステロイド療法を受ける.当科入院時, 左鎖骨上部の血管雑音を聴取し, 右橈骨動脈は触知不能, 軽度左不全麻痺を認めた.大動脈造影で腕頭動脈と左総頚動脈の閉塞, 左椎骨動脈の拡張, 腹部大動脈の狭窄を認めた.CTでは, 右内包前脚から皮質下に低吸収域を認めた.本例では, amaurosis fugaxおよび片麻痺のTIAが前駆し, 突発完成型の脳梗塞をきたしていることから, その原因は脳塞栓によるものと考えられる.高安病では頭蓋内血管が直接おかされることはなく, 頚動脈病変により二次的に生じた壁在面栓が塞栓源と思われる.
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