非侵襲的脳血流測定法である
133Xe吸入法による脳血流測定値の再現性を本邦成人19例 (平均年齢51歳) について検討した.平均38分の間隔をおいての反復測定を行ったが,
133Xe 1分間吸入後脳各部からの
133Xe減衰曲線のピークが1,000カウント以上を呈し充分量の
133Xeが投与されたと思われる症例の脳両半球平均F
1、 (脳灰白質血流) は第1回測定時79.3±18.4 m
l/100g brain/min, 第2回測定時71.6±15.3を示し, ISI (initial slope index) も57.3±13.8から51.6±8.3へといずれも推計学的に有意に減少した.平均脳半球血流variation coefficient (V. C.) はF
1 7.6%, ISI 13.9%, 個々の検出器のV. C.はF
1 13.8%, ISI 14.6%であった.1, 2同目測定値の相関係数は両半球平均F
1 0.95, ISI O.85であり, 個々の検出器ではF
1 0.82, ISI 0.78と共に良好であった。本法により負荷前後に2回の脳血流測定を行い, その間に推計学的有意差があるか否かを判定する際に考慮すべき問題点を提起した.
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