静岡県下の17基幹病院における昭和53年度及び昭和54年度の脳卒中入院患者につき, アンケート調査を行い, 男女別頻度, 年齢別頻度, 疾患別内訳, 手術件数, 入院死亡等につき, 詳細な分析を行った.また, 同時に地域保健所の協力を得て, 脳卒中死亡統計との対比を行い, 次の結果を得た.
1) 脳卒中入院患者群のうち, 40~69歳のものが全体の約65%を占めていた。
2) 県全体での年間脳卒中死亡総数は4,994人 (昭和52年) で年齢分布からは70歳以上の人が68.9%を占めていた.
3) 入院群での疾患別頻度は脳梗塞41%, 脳出血30.9%, 脳動脈瘤18.6%の割合であった.
4) 入院群の入院死亡率は全脳出血で36%, 脳動脈瘤で27%, 脳梗塞では11%であった.
5) 脳卒中の全発症数は死亡数の約4~5倍と推定された.
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