脳卒中
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40 巻 , 1 号
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原著
  • 渡部 真志, 平野 聡子, 越前 康明, 榊原 健二, 若林 由佳, 髙谷 美和, 原田 祐三子, 村上 あゆ香, 小林 麗, 岡田 久, ...
    2018 年 40 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/25
    [早期公開] 公開日: 2017/02/16
    ジャーナル フリー

    【目的】Stanford A 型急性大動脈解離(type A acute aortic dissection: TAAAD)に伴う脳梗塞ではrt-PA 療法が致死的結果を招き得るため,鑑別に有用な臨床因子を検討した.【方法】TAAAD に伴う脳梗塞13 例(TAAAD 群)を後方視的に分析し,rt-PA を投与した脳梗塞57 例(rt-PA 群)と比較検討した.【結果】TAAAD 群は胸痛が多く(p<0.01),全例で何らかの意識変化が見られた.TAAAD 群は血圧が低値で(p<0.01), 収縮期血圧のcut-off 値はROC 解析で130 mmHg 以下であった. 特に110 mmHg 以下では陽性尤度比35.1 と特異性が高かった.また徐脈傾向が見られた.【結論】疼痛の問診がTAAAD 鑑別に重要で,収縮期血圧130 mmHg 以下でTAAAD が疑われ,110 mmHg 以下かつ心拍数60 回/分以下では積極的に疑うべきである.

  • 友田 昌徳, 矢坂 正弘, 中西 泰之, 髙口 剛, 中村 麻子, 後藤 聖司, 桑城 貴弘, 岡田 靖
    2018 年 40 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/25
    [早期公開] 公開日: 2017/02/16
    ジャーナル フリー

    【目的】“Champagne bottle neck sign(CBNS)”両側陽性例と片側陽性例における背景因子の差異を検討した.【方法】対象は頭部MRI 検査を受け,頸動脈超音波検査でCBNS が検出された26 例である.片側陽性群が13 例で,両側陽性群が13 例である.両群間で動脈硬化のリスク,頸動脈超音波検査でのプラーク所見,頭部MRA 検査でのもやもや病や動脈硬化の特徴的所見の有無を比較した.【結果】高血圧症,脂質異常症,頸動脈におけるプラーク所見の頻度は片側群で有意に高かった(p=0.03).頭部MRA 検査でのもやもや病所見は両側群で多く(46% vs. 100%,p<0.001),動脈硬化所見は片側群で46%に認めたが両側群では1 例も認めなかった(p<0.001).【結論】両側CBNS はもやもや病と強く関連し,片側CBNS はもやもや病のみならず動脈硬化とも関連する.

  • 立石 洋平, 金本 正, 中岡 賢治朗, 濵邊 順平, 吉村 俊祐, 諸藤 陽一, 堀江 信貴, 出雲 剛, 白石 裕一, 辻野 彰
    2018 年 40 巻 1 号 p. 11-18
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/25
    [早期公開] 公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

    【目的】脳卒中診療医と救急外来看護師が協同し,脳梗塞急性期診療を行うStroke Code を導入することが,tPA 静注療法のdoor-to-needle(DTN)時間を短縮させるかどうかを検討した.【方法】医師と看護師が集中研修を行い,Stroke Code 導入後にtPA 静注療法を行った患者(82 例)とそれ以前の患者(71 例)を比較した.患者背景,時間経過,来院時神経所見,画像所見,脳実質出血の有無,退院時と90 日後の転帰も比較した.【結果】Stroke Code 導入後,DTN 時間が改善していた(中央値,56分 vs. 48 分;p<0.001).退院時および3 カ月後の転帰に有意差はなかった.脳実質出血が増加することはなかった.【結論】Stroke Code を使い医師と看護師が協同して急性期診療を行うことがDTN 時間短縮に関与した可能性がある.

症例報告
  • 原 拓真, 伊藤 嘉朗, 平田 浩二, 丸島 愛樹, 滝川 知司, 鶴田 和太郞, 山本 哲哉, 松村 明
    2018 年 40 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/25
    [早期公開] 公開日: 2017/02/16
    ジャーナル フリー

    79 歳男性.発症時間不明の右片麻痺,全失語を発症した.NIHSS 14 点.心電図上は心房細動を認めた.MRI 拡散強調画像では左中大脳動脈領域の散在性脳梗塞,MRA では左内頸動脈領域に若干の信号強度低下を認めた.頸動脈エコーでは左内頸動脈起始部に浮動性血栓と高度狭窄の所見を認め,内頸動脈浮動性血栓による脳梗塞と診断された.血管造影検査では両側内頸動脈の強い屈曲と左内頸動脈起始部に浮動性血栓を認めたが,順行性血流は保たれていた.屈曲血管に血栓がトラップされた状態となっており,脳梗塞再発予防のため血栓回収療法を行うこととした.Proximal flow control として血栓を回収し,TICI 2b で手技を終了した.術翌日のMRI では梗塞巣の拡大はなく,神経症状の悪化も見られなかった.頸動脈の屈曲は稀な形態異常ではないが,血栓が屈曲血管にトラップされて順行性の血流が維持されることはきわめて稀である.屈曲血管においては有効血管径が実際の血管径よりも狭小化することが今回の発症機序に関わったものと考えられた.

  • 原 大祐, 清水 高弘, 白石 眞, 鈴木 祐, 星野 俊, 貫井 咲希, 伊佐早 健司, 長谷川 泰弘
    2018 年 40 巻 1 号 p. 24-28
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/25
    [早期公開] 公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

    症例は65 歳女性.58 歳時に頭蓋内主幹動脈狭窄を伴う脳梗塞を発症しシロスタゾールが開始された.62 歳時に初回とは対側に脳梗塞が再発し,クロピドグレル,アスピリンへ変更となった.65 歳1 月時にJAK2V617F 変異遺伝子が確認されたが,血球数増多が軽度のため真性多血症の診断には至らなかった.同年6 月にクロピドグレル単剤へ減量,その約2 カ月後に一過性喚語困難,呂律障害を繰り返し,crescendo TIA の診断で入院となった.入院後に真性多血症の診断となり,瀉血療法,シロスタゾール,ハイドロキシウレアの内服追加後に症状は消失した.真性多血症は脳梗塞のリスクとして知られているが,発症メカニズムは不明な点が多い.本症例は血球数増多を来す以前から頭蓋内主幹動脈狭窄を伴う脳梗塞を繰り返しており,JAK2V617F 変異遺伝子の関与が推定され,文献的考察を含めて報告する.

  • 山本 優, 西村 由介, 荒木 芳生, 池田 公, 前田 憲幸, 竹本 将也, 江口 馨, 若林 俊彦
    2018 年 40 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/25
    [早期公開] 公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

    症例は54 歳男性.弾性線維性仮性黄色腫(pseudoxanthoma elasticum: PXE)の脳病変精査目的に紹介受診となる.Carotid rete mirabile(CRM)の合併を認めたが,無症候にて経過観察を行った.19カ月後に左CRM が描出不良となり,浅側頭動脈中大脳動脈吻合術を施行した.CRM やPXE は,ともにまれな疾患であるがしばしば合併することが報告されている.しかし,本症例のようにCRM が経過観察中に描出不良となった報告はない.PXE に対する血行再建術の詳細な報告はなく,術後の長期経過,吻合血管の開存について不明な点も多い.本症例では,術後中期の経過で吻合血流の開存・発達を認め良好な経過である.浅側頭動脈の病理所見からは,PXE に特有な異常も認められなかった.本症例の臨床経過と病理所見からは虚血性脳血管障害予防のための血行再建術も可能な選択肢となることが示唆された.

  • 植村 順一, 松原 俊二, 宇野 昌明, 八木田 佳樹
    2018 年 40 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/25
    [早期公開] 公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

    症例は31 歳男性.既往歴は血友病A,human immunodeficiency virus(HIV) ウイルスキャリア.20XX 年某日朝8 時から左右に揺れるような症状を自覚し,嘔吐があったため当科を受診した.神経所見では左への水平性眼振を認めた.血液検査では activated partial thromboplastin time(APTT) 39.4 秒と延長し,第VIII 因子活性は30%(基準値50~200%)と低下していた.頭部CT,MRI で左小脳核部から第4 脳室に穿破した出血を示す所見があり,小脳出血と診断した.MRA 所見から左小脳に異常血管を疑い,脳血管造影検査を施行したところ,左小脳に脳静脈性血管奇形を認めた.以上より血友病A の関与した脳静脈性血管奇形に伴う脳出血と診断した.第VIII 因子製剤と高張グリセロール静脈投与による保存的加療を行い,第2 病日に症状は消失した.脳静脈性血管奇形に伴う脳出血の頻度は高くない.しかし血友病などの出血素因を合併している症例では,本例のように若年でも脳出血を発症しうると考えられた.

  • 今井 健, 加藤 文太, 大島 淳, 長谷川 泰弘
    2018 年 40 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/25
    [早期公開] 公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

    症例は50 歳女性.上気道炎症状の軽快後から,眩暈,両側内眼筋,外眼筋麻痺,運動失調が出現し,歩行困難となり当科を受診した.抗GQ1b IgG 抗体陽性のFisher 症候群(Fisher syndrome: FS)と診断し,免疫グロブリン大量静注(intravenous immunoglobulin: IVIg)療法を開始した.IVIg 投与4 日目に血圧の上昇とともに左上肢麻痺を呈し,MRI 検査で右皮質下出血,両側後頭葉と小脳にT2 高信号病変を認めた.Posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)の合併と判断しIVIg を中止したが,内眼筋,外眼筋麻痺はさらに進行し,末梢性顔面神経麻痺,球麻痺も加わった.FS の症状が増悪したと判断し,免疫吸着療法を開始したところFS によるすべての症状は軽快した.IVIg にPRES を合併することは知られているが,同病態がFS の症状を進行させる可能性があり注意を要する.

短報
  • 葛目 大輔, 西本 陽央, 佐島 和晃, 小松 奏子, 金子 恵子, 山﨑 正博
    2018 年 40 巻 1 号 p. 44-46
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/25
    [早期公開] 公開日: 2017/02/16
    ジャーナル フリー

    症例は50 歳女性.2014 年10 月下旬(第1 病日)早朝,突然,回転性眩暈,右耳難聴を自覚し,当院に搬送された.神経学的所見では,左方向への回旋性眼振,右難聴を認めた.頭部MRI 拡散強調画像で小脳梗塞を認め,同日入院した.第22 病日に実施した脳血管造影検査では,右前下小脳動脈(AICA)は椎骨動脈から分岐し,右後下小脳動脈分岐部から椎骨動脈が狭小化していた.以上より,右椎骨動脈解離によって右AICA が閉塞し,内耳に虚血性障害を来した結果,難聴を呈したと判断した.第40 病日に当科を退院したが,現在も,難聴は残存している.

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