脳卒中
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原著
  • 杉村 勇輔, 中西 恵莉, 村本 春香, 松元 千明, 坂本 俊樹, 森崎 健之, 清崎 佳代, 中島 誠
    2023 年 45 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/25
    [早期公開] 公開日: 2022/08/01
    ジャーナル オープンアクセス

    【背景および目的】脳血管造影検査で残存した低浸透圧性非イオンヨード系造影剤を,直後の嚥下造影検査で使用し,その有効性および安全性を検討した.【対象と方法】対象は,脳血管造影検査と嚥下造影を同日に行った5人の虚血性脳血管障害患者とした.脳血管造影検査後に残存した低浸透圧性非イオンヨード系造影剤を用いて,直後に引き続き嚥下造影検査を行い評価した.【結果】5症例とも評価は問題なく終えることができた.1例では嚥下造影検査後の胸部CTで誤嚥を認めたが,発熱などの臨床症状は認めず,その他の患者では,早期および遅発性の合併症は起きることなく経過した.【結論】脳血管造影後に残存する造影剤を用いて,連続して嚥下造影検査を行うことで,残存した造影剤の破棄を減らし,コストを抑え,安全かつ適切な評価ができる可能性が示唆された.

  • 中原 正博, 荒井 篤, 中村 幸子, 清水 裕章, 佐野 秀, 森下 暁二, 相原 英夫, 篠山 隆司
    2023 年 45 巻 1 号 p. 8-15
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/25
    [早期公開] 公開日: 2022/08/04
    ジャーナル オープンアクセス

    【背景および目的】COVID-19は脳卒中と関連するとされる.今回,COVID-19に脳卒中を合併した症例とその他の症例を比較し,その特徴について検討した.【方法】2020年3月から2021年9月にCOVID-19で入院した1,101例について,臨床所見,入院時の血液検査所見,転帰について後方視的に検討した.【結果】8例の虚血性脳卒中,1例の脳内出血を認めた.脳卒中群では,非脳卒中群に比し有意に高齢で,高血圧,糖尿病,慢性腎不全の既往を有していた.COVID-19の重症度と有意に相関し,死亡率も高かった.血液検査では炎症反応,Dダイマーが有意に高値であった.【結論】COVID-19に脳卒中を合併した症例の特徴を検討し,発症危険因子についても検討した.脳卒中を予防し,適切に診断し,積極的な治療介入を行う体制を構築することが今後の課題である.

  • 北川 泰佑, 小林 和人, 山中 拓也, 市川 智教, 松尾 皇, 佐野 貴則, 山﨑 正禎, 種村 浩, 石垣 共基, 宮 史卓, 内藤 ...
    2023 年 45 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/25
    [早期公開] 公開日: 2022/09/08
    ジャーナル オープンアクセス

    【背景および目的】脳塞栓予防のため,心房細動には抗凝固療法が必要となる場合がある.本研究の目的は,心原性脳塞栓症患者の発症前抗血栓療法の現状を明らかにすることである.【方法】2017年1月1日から2019年12月31日の間に当院に入院した患者で,心房細動が原因の心原性脳塞栓症を対象とし,入院時の抗凝固療法を検討した.【結果】心房細動が原因の心原性脳塞栓症は366例.そのうち,抗凝固療法がなされていたのは124例.ワルファリン使用例は71例,DOAC使用例は53例だった.ワルファリン使用例でPT-INRが治療域にあったのは16例だった.DOAC使用例で添付文書通りの処方がなされていたのは35例だった.抗凝固療法がなされていなかったのは236例で,少なくとも73例は心房細動がすでに指摘されていた.【結論】心房細動が原因の心原性脳塞栓症において,適切な抗凝固療法がなされている症例は少数だった.

  • 忽那 史也, 諸藤 陽一, 塩崎 絵理, 内田 大貴, 徳田 昌紘, 岩永 洋, 小野 智憲, 川原 一郎, 原口 渉, 中道 親昭, 堤 ...
    2023 年 45 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/25
    [早期公開] 公開日: 2022/09/27
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】当院をhub,離島施設をspokeとしたhub-and-spoke型モデルによるtelestrokeにおいて,drip-and-ship(DS)法によるrt-PA投与の安全性/有効性を検討し,drip-and-stay法導入の可能性を探る.【方法】2012年4月から2021年10月までにrt-PA治療が行われた急性期脳梗塞203例を,離島群61例,当施設群142例に分け,症候性頭蓋内出血(sICH)/臨床的転帰(mRS)を検討した.【結果】離島群/当施設群のsICH発生率と30日後のmRS 0–2比率は,4.9% / 4.1%,36.1% / 38.0%であり,有意差を認めなかった.両群で脳外科的緊急処置が必要なsICHはみられなかった.【結論】離島群へのDS法は,当施設群と同等に安全かつ有効であり,DS法施行例は,必ずしも全例で緊急転院搬送による管理を必要としない可能性が示唆された.

症例報告
  • 植村 順一, 井上 剛, 山下 眞史, 八木田 佳樹
    2023 年 45 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/25
    [早期公開] 公開日: 2022/09/08
    ジャーナル オープンアクセス

    54歳,女性.トイレでいきんでいると突然後頭部に雷鳴頭痛が現れ,入浴時にも頭痛の増強があった.11日後,右足の脱力が出現し,頭部MRIで左頭頂葉に急性期脳梗塞巣,MRAで両側前大脳動脈,脳底動脈,両側後大脳動脈に多発性脳血管狭窄があり,加療のため入院した.RCVSと診断し,ニカルジピンを開始したが,脳梗塞は両側後頭側頭葉に拡大し,バリント症候群を呈した.入院5日目に右前頭葉,右側頭葉,右後頭葉に脳出血,硬膜下血種,くも膜下出血を認めた.入院6日目にベラパミルを開始したものの,入院10日目に頭部MRI DWIで脳梁右側に新規病変を認め,ファスジルの点滴を開始した.症状は急速に改善し,脳梁右側病変,血管狭窄も改善した.RCVSにファスジル静脈投与が有効であった報告例はなく,臨床的に重要と考えた.

  • 中村 普彦, 大久保 卓, 渡邉 竜馬, 河野 隆幸, 大倉 章生, 廣畑 優, 森岡 基浩
    2023 年 45 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/25
    [早期公開] 公開日: 2022/09/27
    ジャーナル オープンアクセス

    非外傷性急性硬膜下血腫は,様々な原因によって生じ得る.中でも破裂脳動脈瘤によるものは,治療方針に影響を及ぼすため,初期診断が重要である.発症時に意識障害を呈する場合や,くも膜下出血や脳内出血を伴わない場合などに,外傷性急性硬膜下血腫と認識し,初期対応する可能性がある.破裂動脈瘤の存在を見落とす危険性があり,再破裂により予後不良となり得る.今回我々は,2例の非外傷性急性硬膜下血腫で発症し,病歴や画像所見で初期診断に苦慮したものの,確定診断の後に血管内治療を行い,予後良好であった破裂遠位前大脳動脈瘤の2例を報告する.

  • 柴田 洋平, 秋山 恭彦, 中川 史生, 神原 瑞樹, 山﨑 智博, 㯃松 翔子, 吉金 努, 永井 秀政, 山本 和博, 林 健太郎
    2023 年 45 巻 1 号 p. 44-50
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/25
    [早期公開] 公開日: 2022/09/27
    ジャーナル オープンアクセス

    脳動脈瘤の血管内治療後に,遅発性に発生する白質病変についての報告が散見される.本病態は,血管内留置デバイスから溶出するニッケルに対するアレルギー,あるいは治療中にカテーテルなどから剝離する親水コート剤に対する異物反応などが発生機序と推測されている.今回我々は,潰瘍性大腸炎を基礎疾患に有する内頚動脈瘤患者のステント併用コイル塞栓術後,遅発性に大脳白質の浮腫が発生し,病変縮退後に浮腫病変内に微小虚血巣の残存した1例を経験した.血管内治療後の遅発性白質病変とそのリスク要因について,考察を加え本症の啓発を行う.

  • 岩本 宗矩, 大塚 喜久, 辻 麻人, 井村 隼, 塩見 亮司, 岡村 有祐
    2023 年 45 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/25
    [早期公開] 公開日: 2022/09/29
    ジャーナル オープンアクセス

    患者は76歳女性.突然発症の意識障害,右共同偏視,左片麻痺を来し,救急搬送された.MRIで右中大脳動脈閉塞を示唆する所見があったが,自然再開通により来院後40分で劇的な症状改善を認めた.その後,嘔吐したため,メトクロプラミド10 mgを急速静注したところ,約1時間後から口舌・四肢にジスキネジアが出現した.メトクロプラミドによる急性ジスキネジアと診断し,翌日からビペリデンを開始して,ジスキネジアは消退した.メトクロプラミドは代表的な制吐薬で,長期投与により遅発性ジスキネジアを惹起し得ることが知られるが,稀ながら本例のように,単回かつ通常量の経静脈投与でも,急性ジスキネジア等の錐体外路障害を呈する場合がある.脳卒中診療において,嘔吐は日常的に対処を求められる症状であるが,静脈内投与する場合は,緩徐に点滴投与してジスキネジア等の錐体外路障害予防に努めるべきである.

  • 上田 彩加, 渡部 真志, 尾上 裕貴, 玉井 宏一, 烏谷 政和, 奥津 武志, 久保 仁, 京樂 格, 岡本 憲省
    2023 年 45 巻 1 号 p. 56-62
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/25
    [早期公開] 公開日: 2022/09/29
    ジャーナル オープンアクセス

    症例は30歳女性.妊娠6週の悪阻出現後,7週に頭痛,8週に右片麻痺を認めた.意識はJCS-1で,右半側空間無視と右片麻痺を認めた.頭部MRI/MRVにて脳静脈洞血栓症と診断した.血液検査から,プロテインS欠乏症と妊娠時一過性甲状腺機能亢進症が原因と考えられた.ヘパリン持続投与にて神経・画像所見は改善した.妊娠11週からヘパリン皮下注に変更した.妊娠27週に注射部位に一致した硬結と掻痒を伴う紅斑が出現し,同薬による遅発性過敏反応と診断した.ヘパリン減量,注射部位変更,ステロイド剤外用にて治療を継続した.妊娠38週に経腟分娩で出産したが,母子共に問題はなかった.産後46日でヘパリンを中止したが,血栓症や皮膚所見の再燃はない.今後,再妊娠時において,抗凝固療法は必要となる可能性が高いと予測されるため,胎盤・母乳移行や催奇形性を考慮した,慎重な代替薬の選択が必要である.

  • 山口 真司, 庄野 健児, 白川 典仁, 岸本 伸人
    2023 年 45 巻 1 号 p. 63-69
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/25
    [早期公開] 公開日: 2022/10/13
    ジャーナル オープンアクセス

    COVID-19では,凝固異常によって血栓症のリスクが高くなることが報告されている.症例は72歳女性.12日前にSARS-CoV-2のPCR検査で陽性となり,COVID-19の診断にて自宅療養を行い,2日前に解除された.意識障害を呈し,右側頭葉と右頭頂葉に皮質下出血,広範囲な灌流障害(brush sign)と脳静脈洞血栓症を認めた.抗凝固薬と抗てんかん薬の投与を行い,症状は改善し,brush signも消失,MRVで左横静脈洞からS状静脈洞の再開通所見を認めた.COVID-19関連の脳静脈洞血栓症は,COVID-19の重症度にかかわらず,COVID-19の発症より47日以内に起こると報告されている.非COVID-19関連の脳静脈洞血栓と比較して院内死亡率が高いが,今回の症例では,MRI/MRVによって早期診断と治療介入を行い,再開通と症状の改善が得られた.

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