発症24時間以内に搬入された原発性橋出血を26例経験した.男20例, 女6例で発症年齢は33~68歳 (平均50歳) であり, これら26例につき, 臨床症状, CT所見, 予後につき検討した.
26例中15例は植物状態あるいは死亡と予後不良であったが, 残る11例 (42%) は軽快退院した.
予後不良群の多くは, 発症2時間以内に昏睡に陥り, 瞳孔は両側散大あるいはpin point pupilを示し, CT上の血腫横径は21mm以上のものが多かった.
予後良好群では, 意識低下は清明~半昏睡にとどまり, 瞳孔は正常, CT上の血腫横径は20mm以下のものが多かった.これらは, 臨床症状からはたとえpons lesionとの診断までは可能であっても, CTなしには橋出血の確定診断は困難であり, 以前は看過されていた症例と思われる.
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