脳卒中
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7 巻 , 5 号
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  • 吉野 公明
    1985 年 7 巻 5 号 p. 375-383
    発行日: 1985/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    急性期脳卒中患者160例の尿中ノルエピネフリン (NE), 尿中エピネフリン (E) を急性期と慢性期に測定し (HPLC, THI蛍光反応), CT所見と対比検討した.
    1) SAHや脳出血ではNE, Eが, 脳梗塞ではNEが急性期に対照より有意に増加した。しかし, CT所見別に検討すると, 脳出血で脳室穿破 (PV) のない群はNEのみが増加し, 正中線偏位のない群はNE, E共に有意に増加しなかった.又, 大梗塞ではNE, E共に有意に増加した.以上より病型以外に病変の大きさ, PVや正中線偏位の有無等がNE, E分泌に関係するものと思われた.
    2) NE/E比については, PV合併脳出血で対照より有意に低く (P<0.001), 視床出血は被殼出血より有意に低かった (P<0.02).視床出血のPV合併率は78.6%で, 被殼出血のそれ (10.5%) より有意に高かった.
    3) 脳卒中のNE, E (ことにE) は慢性期に減少しNE/E比は高値を示した。
  • 本田 英比古, 木下 正信, 下条 貞友, 宮原 正
    1985 年 7 巻 5 号 p. 384-388
    発行日: 1985/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    虚血性脳梗塞98例について全血粘度, 赤血球変形能, 血漿フィブリノーゲン (以下fbg.) を測定しその臨床的意義を検討した.対象症例は臨床像 (特にCTおよび血管写所見) より皮質枝梗塞38例, 穿通枝梗塞60例の二群に分け, さらに急性期, 慢性期に分類して検討した. (1) 脳梗塞例のヘマトクリット (以下Ht) 補正全血粘度は対象群に比し有意に高値を呈した. (p<0.01) (2) 脳梗塞例の赤血球変形能も対照群に比し有意の低下を認めた. (3) 急性期脳梗塞の血漿fbg.は有意に高値を示すことが認められた.したがって脳梗塞の全血粘度の上昇は単にHtの上昇のみによるものでないことが明かとなった. (4) 皮質枝および穿通枝梗塞の2群間には全血粘度, 赤血球変形能ともに有意差は認められなかった. (5) 急性脳梗塞例では皮質枝, 穿通枝両群とも全血粘度の上昇する傾向が認められた.
  • 本田 英比古, 木下 正信, 下条 貞友, 宮原 正
    1985 年 7 巻 5 号 p. 389-393
    発行日: 1985/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳梗塞を多発性脳梗塞, 脳主幹動脈閉塞症, 穿通枝梗塞の3群に分け, 赤血球変形能 (deformability index以下DI) および全血粘度を検討した.多発性脳梗塞18例のDIは平均値0.687±0.150ml/minと対照群38例の0.896±0.168ml/minに比し有意に低値であった. (p<0.01) とくに多発梗塞性痴呆3例のDI平均値は0.514±0.160ml/minと低下が著明であった.穿通枝梗塞31例の平均DI値は0.776±0.180ml/minで対照群に対し有意に低値 (p<0.01) を示したが, 多発性脳梗塞群に比して有意に高値であった (p<0.05).また, 脳主幹動脈閉塞症のDIは対照群との間に有意差を認めなかった.さらに各群を急性期, 慢性期に分類してDIを検討したが, 両者に有意差を認めなかった.粘度-ヘマトクリット回帰直線による全血粘度の検討では多発性脳梗塞群の回帰直線は急性期脳梗塞にほぼ近似し, 高粘度を呈した.以上, 脳梗塞におけるDIを検討した成績からDIは全血粘度とともに脳梗塞, 特に多発性脳梗塞の発症に関与していることが推定された.
  • 小暮 哲夫, 小川 彰, 関 博文, 吉本 高志, 鈴木 二郎
    1985 年 7 巻 5 号 p. 394-401
    発行日: 1985/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    内頚動脈閉塞症急性期の臨床像とその予後を明らかにする目的で発症後24時間以内に収容された本症104例に対してCT・脳血管撮影を施行し, 2ヵ月間にわたり意識障害や運動障害の推移を中心に臨床経過の観察を行った.死亡例が5割, 社会復帰不能例が4割を占め, 社会復帰可能例が1割のみと, 本症の予後は不良であり, 過半数を占める塞栓症においてより顕著であった.入院時の意識状態や運動機能は予後とよく相関し, 多少とも意識障害を認めたり, 重力に抗する運動の不可能な例で社会復帰したものはまれであった.CT上のLDAの大きさも予後とよく相関し, 予後良好例は非出現例にほぼ限られ, 複数の脳主幹動脈に及ぶ出現例のほとんどが死亡していた.約半数を占める死亡例は高齢者に多く, その8割が第4病日をピークとする発症後早期の脳梗塞直接死亡例であり, 他の2割は合併症による間接死亡例に相当し, その死亡時期に一定の傾向は認められなかった.
  • 坂井 文彦, 田崎 義昭, 石井 勝己, 中沢 圭治
    1985 年 7 巻 5 号 p. 402-410
    発行日: 1985/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    N-isopropyl-p- [123I] iodoamphetamine (IMP) とシングルフォトンエミッションCT装置により, 脳血管疾患20例の局所脳血流を三次元的に測定した.急性期6例では, X線CT上の低吸収域が限局していたにもかかわらず, 脳血流は周辺の脳皮質に及ぶ広範な低下がみられた.慢性期3例では, 局所脳血流低下とX線CT上の低吸収域とがほぼ一致した部位にみられた.TIA, RIND4例のうち2例で, 虚血発作の責任病巣部位に血流低下がみられた.モヤモヤ病2例は虚血型TIAの既往のみの症例であったが, いずれも病巣半球に血流の低下を認めた.脳梗塞2例で, 局所脳血流の増加がX線CT上の低吸収域あるいはその辺縁にみられた.本研究では局所脳血流の定性的検討を行い, 神経症状, X線CT, 脳血管撮影との関連を中心に虚血発作後の病態につき考察を加えた.
  • 新名主 宏一, 大勝 洋祐, 納 光弘, 井形 昭弘, 大野 安男
    1985 年 7 巻 5 号 p. 411-417
    発行日: 1985/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    現在知られているなかで, それぞれ最も鋭敏な凝固能および線溶能の指標であるfibrinopeptide A (FPA) およびfibrinopeptide Bβ15-42 (FPBβ) の両peptidesを脳血管障害 (CVD) 発症直後から経時的に測定することにより, CVD急性期の凝血病態の解析を試みた.脳出血においては, 発症直後に既に著明なFPAの増加を示し, やや遅れてFPBβの増加が発現するpatternであり, 両者の動態は脳動脈の破綻にひきつつく生理的止血機転の発動を反映していると考えられた.
    主幹動脈系脳梗塞においては, 発症直後に既にFPBβの増加を示し, 発症3日目をpeakとしてFPAが徐々に増加するpatternであり, とりわけ発症後のFPAの増加は血栓の進展に起因するstroke progressionを反映していると考えられた.
    深部穿通枝系脳梗塞においては, 両peptidesの有意な変動は認めず, 発症および発症後の病態の修飾に凝固・線溶系酵素反応の発動の関与は少ないと考えられた.
  • 岡田 和悟, 小林 祥泰, 山口 修平, 木谷 光博, 恒松 徳五郎
    1985 年 7 巻 5 号 p. 418-424
    発行日: 1985/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    我国の老年期痴呆の過半数を占める多発梗塞性痴呆 (MID) においては, 前頭葉白質病変が重視されている.しかしCT所見だけでは鑑別困難なMIDも多い.また, MIDの局所脳血流は, 痴呆の程度に比例して減少することが知られているが, その分布には一定の傾向がないとする報告もある.今回, 我々はこれらの点に注目し, 大梗塞を除いた狭義のMIDのCT上での病巣局在, 脳萎縮度, 局所脳血流 (rCBF) 等について痴呆のない穿通枝領域梗塞群と比較検討した.穿通枝領域MIDのCT所見は, 大脳半球前半部病変が多い傾向を示したが有意差はなく, 病巣局在よりも大脳の萎縮が強いのが特徴であった.局所脳血流は痴呆のない穿通枝梗塞群に比し有意に低下しており, 特に前頭頭頂部での低下が著明であった.二次元法で測定したCT上の大脳萎縮と脳血流量の間の相関はMID群においてのみ認められた.
  • 深田 信久, 小川 彰, 吉本 高志, 小暮 哲夫, 鈴木 二郎
    1985 年 7 巻 5 号 p. 425-432
    発行日: 1985/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    第8回日本脳卒中学会『虚血性脳血管障害に関する共同調査』にもとづき, 発症後急性期より2ヵ月間の臨床観察のなされた中大脳動脈閉塞症188例について検討した.発症2ヵ月後の予後は, 死亡率が約14%と比較的少数であったが, 社会復帰可能例は約20%にすぎず機能的予後は不良であった.年齢別では高齢者で予後不良であった.閉塞部位では起始部閉塞および分岐部閉塞で予後不良であった.病型別では塞栓症が血栓症の2倍を占め, 入院時神経症状は塞栓症でより重篤であり, その予後は不良であった.出血性梗塞は26%にみとめられ, その予後は非出血性梗塞別に比し不良であった.死亡26例の死亡原因は合併症による死亡が14例で, 脳梗塞直接死亡12例中7例は出血性梗塞によるものであった.入院時意識および運動障害の程度は予後とよく相関し, 入院時意識障害は生命予後を, また入院時運動障害は機能的予後を推測する指標になりうるものと考えられた.
  • 脇 理一郎, 宮下 孟士, 山口 武典
    1985 年 7 巻 5 号 p. 433-438
    発行日: 1985/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    本態性高血圧を基盤していると思われる視床出血 (T群) および被殼出血 (P群) を対象に, 発症後の血圧変動を検討し, 血腫の自律神経系, 視床下部への影響について考察した.
    (1) 急性期血圧 (1病日から3病日の平均値) はT群181/106mmHg, P群171/104mmHgであったが, 7病日には急性期に比べ両群とも有意に低下し, 30病日 (慢性期) にはT群140/88mmHg, P群145/89mmHgとなり, その後は安定化した. (2) T群はP群に比べ急性期と慢性期の血圧の差が有意に大きかった. (3) 血腫の大きさでは血圧に差は認められなかった. (4) T群脳室穿破例の血圧は, 急性期, 慢性期とも穿破のない例に比べ高い傾向にあった. (5) T群中ホルネル徴候を有する例では有さない例に比べ, 慢性期血圧が降圧薬投与なしに正常化したものが多かった.以上より, 血腫部位による血圧変動の差は, 血腫の視床下部への影響の違いを反映しているものと考えられた.
  • 米満 勤, 桜井 芳明, 小川 彰, 嘉山 孝正, 鈴木 二郎
    1985 年 7 巻 5 号 p. 439-443
    発行日: 1985/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    当科にて過去約6年間に, 最終クモ膜下出血発作後48時間以内に収容した破裂脳動脈瘤患者414例を対象とし, 初回破裂群, 先行破裂後1ヵ月以内の再破裂群に分け比較検討し, 以下の結果を得た.
    1) 入院時のgrade (Hunt&Kosnik) は再破裂群でより重症例が統計的有意に多かった.
    2) 手術成績及びoverallの成績でも初回破裂群が有意に良好な結果であった.
    3) 入院時のgrade別の治療成績では両群に有意の差は認められなかった.
    4) 再破裂はその多く (71%) が発作第1日目に集中し, さらに発症6時間以内が多かった (55%).
    5) 今後, 破裂脳動脈瘤の急性期治療成績を向上させる為には初回破裂発作直後よりの血圧の厳重な管理及び直ちに根治手術に持ってゆける様な救急システムの確立等が必要と考えられた.
  • 山沖 和秀, 天野 晶夫, 今鷹 耕二, 関 顕, 藤井 潤
    1985 年 7 巻 5 号 p. 444-449
    発行日: 1985/10/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    眼球雑音 (Ob) の頻度と臨床的意義を, 40~88歳 (平均63歳) の1050例の患者を対象とし検討した.Obは, 43例 (4%) に認め, 特に70歳以上では8%と高率であった.Obは過半数で両側に聴取し, 日内・日差変動が大きかった.Obを心音計で記録できた例で, 臥位下肢挙上, 紙袋内再呼吸, 対側頚動脈圧迫, 亜硝酸アミル吸入を試み, いずれも, 70%以上で雑音が増強した。不整脈でもObの強さが変動する例があった.60歳以上のOb33例では, 脳梗塞・一過性脳虚血発作33%, 虚血性心疾患36%, 間歓性破行24%, 高血圧48%, 耐糖能異常56%に認め, 頚部, 大腿動脈の血管雑音聴取率, X線的動脈石灰化合併率も含め, いずれもOb例で有意に高率であった.以上から, 眼球の聴診は, 老年者において, 神経学的診察法としてのみならず, 全身性動脈硬化の評価にも有用と考えられた.
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