脳卒中
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8 巻 , 4 号
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  • 都筑 信介, 印東 利勝
    1986 年 8 巻 4 号 p. 249-254
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳卒中後の情動異常をハミルトンうつ病尺度を使って検討した.対象は, 右ききで, 一側大脳半球に病変をもつ脳卒中患者 (右18例, 左14例) とし, 評価時期は, 発症後3ヵ月とした.結果では, 右半球障害が, 左半球障害例に比して, 推計学的に高いうつ傾向が見られた.また, 病巣が左右の半球を境界する中心線に近づくほど, うつ状態は高くなる傾向が見られた.また, 病巣の体積や前後径方向の分布と, うつ状態の程度との間には, 大きな相関は見られなかった.脳卒中後の情動異常の発現を左右する因子としては病巣の大脳半球における配置とともに, 左右半球の統合不全が示唆された.
  • 浅利 正二, 国塩 勝三, 角南 典生, 山本 祐司, 貞本 和彦
    1986 年 8 巻 4 号 p. 255-260
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    1979年4月より1985年3月までに経験した未破裂脳動脈瘤80例 (94個) のうち, 未処置瘤を有する42例 (50個) を対象とした.男15例女27例, 38歳~75歳平均60.4歳であった.部位別頻度では内頸動脈領域が16個, 前大脳動脈領域が14個, 中大脳動脈領域が9個, 後大脳動脈領域が3個, 椎骨脳底動脈領域が8個であった.大きさでは, 10mm以下が42個で最多数を占め, 10mmから20mmは4個, および20mmを越えるものは4個であった.合併疾患は高血圧症が12例で最多数であり, 脳梗塞7例, 頭部外傷4例, もやもや病2例等であった.手術が行われなかった理由としては, 破裂瘤や原疾患の重篤さにより未破裂瘤の手術適応がなかったもの13例, 高齢によるもの8例, 希望しなかったもの13例, 瘤の存在を告知しなかったもの4例, 技術的問題によるもの3例, 待期中破裂に至ったもの1例であった.瘤の追跡調査では, 不変8個, 増大4個, 消失2個であった. 予後については, 多発性における破裂瘤による死亡5例, くも膜下出血の二次的病変により神経脱落状を呈したもの3例, 合併疾患により死亡したもの5例, 合併疾患により症状の出現・悪化をみたもの4例, 未破裂瘤の破裂を来たしたものは4例でありうち3例が死亡した.
    未破裂脳動脈瘤のnatural historyを明らかにすることは, その治療の選択に極めて重要な意味を持っ.
  • 篠原 保
    1986 年 8 巻 4 号 p. 261-268
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳主幹動脈閉塞における血流再開通の脳循環動態に及ぼす影響を脳血液含量 (CBV) を指標として検討した. [方法] ネコ中大脳動脈閉塞モデルを用い, low perfusion hyperemia (LPH) 期およびLPH期を経過した時期に血流再開通を行ない, CBVおよび脳血流 (CBF) の変化を検討した. [結果] LPH期に再開通を行なった群 (6例, 閉塞時間270±153分) では, 再開通直後にCBVが中大脳動脈閉塞前 (control) に比し増加し (反応性充血), CBFもcontrol値より増加した.10~30分後にはCBVおよびCBFはともにcontrol値に復する傾向にあった.LPH期を経過した時期において再開通を行なった群 (6例, 閉塞時間266±44分) では, CBV, CBFはともに再開通によってもcontrol値への回復はみられなかった。 [結論] LPH期における血流再開通は脳循環動態を改善するが, LPH期を経過し脳血液含量が中大脳動脈閉塞前より減少した時期における再開通は脳循環動態を改善しないと考えられた.
  • 佐藤 能啓, 溝口 克弘, 佐藤 洋介, 正島 和人, 林 隆士
    1986 年 8 巻 4 号 p. 269-274
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    急性期脳卒中患者170例の血清ミオグロビンをCPK, アルドラーゼとあわせて測定し, その臨床的意義について検討した.血清ミオグロビンは脳卒中のいずれの病型でも高値を示し, その頻度はCPK, アルドラーゼより高率であったが, 各病型間に推計学的有意差はみられなかった.ミオグロビンはCPKと正の相関をもって変動したがアルドラーゼとは相関を示さず, このことはミオグロビンとCPKは骨格筋由来, アルドラーゼは脳組織由来であることの反映と考えられた.ミオグロビンの変動は脳卒中の重症度や生命予後とは推計学的に無関係であったが, クモ膜下出血と視床出血では著明な高値を呈する場合急性期死亡例がミオグロビン正常例より高率であった.こうした脳卒中急性期の血清ミオグロビン値上昇にカテコールアミンが関与している可能性を指摘した.
  • 山口 修平, 小林 祥泰, 木谷 光博, 恒松 徳五郎
    1986 年 8 巻 4 号 p. 275-280
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    ネコの総頚動脈閉塞モデルを用い, 脳軟膜動脈圧を持続的にモニターしながら, 総頚動脈閉塞後のWmis動脈輪を介する脳循環側副血行動態に及ぼすCa拮抗剤 (nicardipine) の影響を検討した.nicardipineは定常状態での全身血圧と軟膜動脈圧とを共に有意に低下させたが後老の低下度がより大であった.また脳血流量にも有意の増加が認められた.一側および両側総頚動脈閉塞後も軟膜動脈圧は有意に低下し脳血流は増加した.また, 動脈の部位別検討ではnicardipineは太い動脈より細い動脈を強く拡張した.さらにWillis動脈輪前半部と椎骨脳底動脈~Willis動脈輪後半部を比較すると, 本剤は両方の血管抵抗を有意に低下させたが, 低下度は前半部の方が大であった. 以上より本剤は末梢動脈より脳動脈を強く拡張させるとともに, 脳潅流圧が低下した状態でも脳血流を増加させるのでその臨床的有用性が示唆された.また, 血管局在部位により本剤に対する反応性が異なることが示された.
  • 稲田 良宜
    1986 年 8 巻 4 号 p. 281-293
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    高血圧性脳出血の大血腫形成機序について検討した.
    1) 対象として, 脳出血で搬入された患者のうち脳血管撮影で造影剤の血管外漏出像を示した31症例を検討した.そのうちの24例 (77.4%) は発症から6時間後には脳ヘルニア徴候を伴った半昏睡以上の状態に陥っていた.
    2) 脳血管撮影では, 31例中の27例 (87.1%) が動脈相について漏出像をみとめた.そのうち21例 (67.7%) が多発性の漏出像であった.また, 14例 (45.2%) は複数の動脈から漏出していた.
    3) Windowの幅を変えたCTscanでは, 大血腫は多数の小血腫が集まってできていることが示唆された.
    4) CT scanでの血腫の広がりと, 脳血管撮影での出血血管と多発性漏出像の現れ方を対比検討した.その結果は, これまで血腫が単一出血源から機械的な圧排力によつて進展するとされていたその方向に沿つて, 複数の動脈または多数の動脈枝から連鎖的・多発性に破綻出血して血腫が増大したものと考えられた.
    以上より, 高血圧性劇症型脳出血に関しては, 治療の立場からすれば, 超急性期における血腫増大の内科的防止策が手術以前に考慮されるべきと考えられる.
  • 上田 伸, 関貫 聖二, 大林 正明, 樫原 道治, 松本 圭蔵
    1986 年 8 巻 4 号 p. 294-300
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    TIA以上の虚血性脳血管障害群で, 発症後2ヵ月以内に4-vessel studyがなされている100例について, 脳血管の狭窄ないし閉塞性病変の出現頻度とその部位について検討した.10%以上の狭窄性病変は100例中80例, 236個みられ, 頭蓋外 : 頭蓋内の出現比率は150 : 86であった.頭蓋外病変の方が多く, 特に頚部内頚動脈に高頻度であった.50%以上の中等度ないし高度狭窄および完全閉塞は72個所にみられ, 頭蓋外 : 頭蓋内の比率は32 : 40, 頭蓋内脳血管に多かった.特に頚部内頚動脈と中大脳動脈M1部に同程度に多くみられたが, 臨床症状に対する責任病巣としての役割は中大脳動脈M1部の病変が重要であった.頭蓋外・内脳血管の狭窄性ないし閉塞性病変の出現度を1967年のKieffer, Takeyaの論文と比較すると, 今回のデータは, 当時のミネソタと九州の中間的出現比率を示し, 本邦でも頭蓋外病変の出現度が増加してきつつあることが示唆された.
  • 楠 進, 岩田 誠, 島田 康夫, 豊倉 康夫, 萬年 徹
    1986 年 8 巻 4 号 p. 301-305
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    頭蓋内圧亢進症状を伴わず良性に経過する上矢状静脈洞血栓症は比較的稀な病態であるが, われわれは全身性の遊走性血栓性静脈炎の部分症状として上矢状静脈洞血栓症を生じたこのような症例を報告した.症例は30歳台に両側性ブドウ膜炎を生じ失明に至った男性で, 45歳頃より遊走性血栓性静脈炎によると思われるエピソードを繰り返えしていたが, 57歳の時, 意識障害を伴う右半身痙攣発作を生じて入院, CTスキャンと脳血管撮影によって上矢状静脈洞血栓症が見出されたが, 脳脊髄液圧は正常で, 他の脳圧亢進症状も見られなかった.副腎皮質ステロイドの投与により遊走性血栓性静脈炎の再燃は見られなくなり, 良好な経過を辿っている.原因としてはBehçet病が考えられたが, 確認には至らなかった.
  • 正和 信英, 吉田 洋二, 美原 樹, 城下 尚, 大根田 玄寿
    1986 年 8 巻 4 号 p. 306-315
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    脳塞栓屍剖検例30例のうち心房細動 (AF) を合併した20例の左房心内膜を肉眼的, 組織学的および走査電顕的に観察したところ, 15例に肉眼的に水腫性肥厚, 微細ないし粗大な皺, 顆粒状ないし粗造化, 内膜出血や血鉄素沈着, 線維素析出などが認められた (rough endocardium, REと称す).AFを伴わなかった症例10例には, REは2例にみられたが軽度であった.RE部には組織学的に新旧の微小血栓, 内膜水腫, 好中球や小円形細胞浸潤, 出血や血鉄素沈着, 血漿浸潤などが種々の程度に観察され, 走査電顕的には内皮剥離や血球の付着, 血栓の形成が非AF例に比し高頻度に観察された (p<0.01).左耳または房内血栓の証明率は, 肉眼のみによる検索では8例 (40%) に, REを指標として組織学的検索を加えた場合には14例 (70%) となった.REはAFによって生じた血栓と密接に関連する病変と考えられ, AFを有する脳塞栓剖検例において, 心腔内血栓が確認できぬ場合は, REを血栓の存在を示唆する一つの所見とみなすことができる.
  • 武智 昭彦, 吉本 尚規, 太田 桂二, 三上 貴司, 魚住 徹
    1986 年 8 巻 4 号 p. 316-321
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    最近一つの症例群として提唱されつつあるモヤモヤ血管網を伴った特発性中大脳動脈閉塞症の1例を経験した.症例は13歳女子で左前頭葉皮質下出血で発症し, 脳血管撮影にて左中大脳動脈M2部の狭窄とその周囲にモヤモヤ血管網がみられ, また前交通動脈より起始しright anterior insular pointに至る右副中大脳動脈がみられた.1年2ヵ月後に行った脳血管撮影では左中大脳動脈M2部の狭窄の改善とこれに伴いモヤモヤ血管網の減少が認められた.現在迄, 本症例群において閉塞, 狭窄の改善とモヤモヤ血管網の減少例や先天性血管奇形である副中大脳動脈合併例の報告はなく, 我々の症例は本症例群の疾患概念, 病因を検討する上で極めて興味ある症例と思われ, 文献的考察を加え報告した.
  • 日野 英忠, 青木 信平, 坂井 文彦, 神田 直, 田崎 義昭
    1986 年 8 巻 4 号 p. 322-327
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    四肢麻痺, 呼吸障害で発症し, X線CTにより両側延髄内側に梗塞を確認し得た極めて稀な症例を経験した.症例は68歳女性.既往に高血圧症, 糖尿病を有する.悪心, 嘔吐で発症し, 四肢麻痺, 呼吸困難を呈して入院.意識清明なるも, 神経学的には弛緩性四肢麻痺, 両側深部感覚の軽度低下, 著明な眼球下方共同偏視, upbeat nystagmusを認めた.CTにより両側の延髄内側に限局した低吸収域を認め, 梗塞と考えられた.椎骨動脈写では, 一側の椎骨動脈は造影されなかった.入院後, 眼症状は改善したが, 四肢の弛緩性麻痺は持続した.また, 呼吸管理を長期に必要とした.両側延髄内側梗塞の報告は本邦では未だなされていないので, 本例は貴重な症例と考えられる.
  • 岩本 俊彦, 美原 樹, 正和 信英, 城下 尚
    1986 年 8 巻 4 号 p. 328-337
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
    Megadolicho anomaly 7例を検討し, このうちCT, 剖検にて6例に脳梗塞を認めた.この多くはlacunar infarctionで, 既往に高血圧症のあるものが多く, 梗塞の発症は若年化傾向を示し, 神経症状は階段状の進行を認めた. megadolicho anomalyにlacunar infarctionの合併する頻度は少なくなく, その理由として, 既存の高血圧症に加えて, 異常に拡張した主幹動脈の弾力性欠如によるWindkessel機能の低下が, 穿通枝の動脈病変やlacunor infarctionを助長するものと考えられた.このことからmegadolicho anomaly類似の血管病変と考えられる主幹動脈の非狭窄性動脈硬化性変化もまた同様の機序で, lacunar infarction形成に重要な因子となりうることが示唆された.
  • 1986 年 8 巻 4 号 p. 345
    発行日: 1986年
    公開日: 2009/09/03
    ジャーナル フリー
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