ウイルス
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28 巻, 2 号
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  • 小沼 操
    1978 年 28 巻 2 号 p. 53-60
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 大堀 均, 石田 名香雄
    1978 年 28 巻 2 号 p. 61-77
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
  • 三輪 智恵子, 山田 不二造, 松浦 章雄, 吉沢 邦重
    1978 年 28 巻 2 号 p. 78-86
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    1973年, 岐阜県で Hand, Foot and Mouth Disease (HFMD) が流行した. 42名の患者につきウイルス学的血清学的に検索した.
    患者の年齢は0歳から23歳に及んでいたが, 4歳以下の小児が71.4%を占めた. 42症例中, 中枢神経症状を合併した症例が20症例あった.
    ウイルスは38例中22例 (57.9%) より分離された. Enterovirus 71 (EV-71) が16症例 (42.1%), Coxsackievirus (Cox.) B-5が8症例 (21.1%), Cox. A-9が2症例 (5.2%), 同定不能ウイルスが1症例 (2.6%) より分離された. EV-71は Vero 細胞で18株, 乳のみマウスで1株分離された. 中枢神経症状を合併した症例より分離されたウイルスはEV-71とCox. B-5であった.
    分離されたEV-71は交差中和試験で, Cox. A-16とは交差がなく, EV-71標準株とは交差が認められたが, 標準株より抗原的に broad であった.
    ペア血清24例中, EV-71が25%, Cox. A-16が4%, 23例中 Cox. B-5が13%, 6例中 Cox. A-9が17%, それぞれ中和抗体の有意上昇が認められた.
    1973年岐阜県で流行したHFMDの主病原ウイルスはEV-71であると推定される. しかし, ほかの分離ウイルスも病因的役割を否定できない.
  • I. 黄色ブドウ球菌 Cowan I株処理によるIgMおよびIgA風疹赤血球凝集抑制抗体の測定法
    吉川 ひろみ
    1978 年 28 巻 2 号 p. 87-94
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    風疹IgM抗体の証明法として, Ankerst ら (1974)が行なった黄色ブドウ球菌 Cowan I株 (以下ブ菌と略) により血清中のIgGを吸収し, 残存するIgM+IgA風疹抗体を測定する方法を検討した. さらに, そのブ菌吸収法と蔗糖密度勾配遠心法との比較, および両者を組み合わせたIgA風疹抗体の証明法を検討した.
    ブ菌はIgGを選択的に吸収すると同時に, IgMおよびIgAも微量吸収することが解った, したがって, IgGを完全に吸収し, しかもIgMおよびIgAの非特異的と思われる吸収を最低にとどめる条件が必要となる. 今回の検討では, カオリン処理血清 (1:8希釈) 0.3ml当たりブ菌量0.1g (湿菌重量) が最適であった. カオリン未処理血清では, PBSによる1:8希釈血清0.3mlあたりブ菌量0.2gを用いた場合, 含有されるIgGをほぼ完全に吸収することができた, この最適条件でブ菌処理を行なうと, 風疹感染後4か月以内に採取した血清17例には残存のIgM+IgA抗体が証明され, 風疹感染後5年以上を経過して採取した血清5例には残存の風疹HI抗体はいずれも証明されなかった. この成績は蔗糖密度勾配遠心法によるIgM風疹HI抗体の検出成績とよく一致した.
    ブ菌吸収血清を, さらに蔗糖密度勾配遠心により分画し, 各画分について風疹HI抗体価を測定することによりIgMおよびIgA風疹HI抗体をおのおの独立に測定した.
  • II. 風疹ウイルス感染症におけるIgMおよびIgA風疹赤血球凝集抑制抗体の消長
    吉川 ひろみ
    1978 年 28 巻 2 号 p. 95-102
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    単一血清による新鮮な風疹感染の証明は, IgM風疹抗体の検出により可能と考えられてきたが, IgM風疹抗体の消長については十分に解明されていない. 本研究において感染後540日までに採取した血清374検体について, 第I編に報告したブ菌吸収法によりIgM+IgA風疹HI抗体, 蔗糖密度勾配遠心法によりIgM風疹HI抗体, さらにブ菌吸収法と蔗糖密度勾配遠心法との組み合わせによるIgA風疹HI抗体の測定を行ない, それぞれの抗体の消長を観察した.
    IgMおよびIgA風疹抗体は急性期より証明され, 発疹出現後3か月頃より陰性例が出現し, その後日数の経過とともに陰性率は漸増するが, IgM抗体は感染後ほぼ10か月まで, またIgA抗体は1年半以上持続するものがあることが証明された. IgMおよびIgA風疹HI抗体がこのように感染後長期間持続するものがあることから, これらの抗体を検出することにより, 風疹の血清診断を行なうことは容易ではないことが明らかになった. 今回のブ菌吸収法によるIgM+IgA風疹HI抗体の追跡結果からは, 次のような限られた範囲内でのみ感染時期の推定が可能であった. すなわちブ菌吸収後の残存HI抗体価が陰性 (1:8以下) であれば感染後3か月以上を経過している. 1:32またはそれ以上の場合は3か月以内の感染である. 1:8および1:16の場合は感染時期の推定は困難であった.
  • 血中gp70抗原活性物質の生化学的解析と内因性MuLV抗体の対応抗原
    吉木 敬, 早坂 隆, 伊藤 哲夫, 白井 俊一, 池田 久実, 片桐 一
    1978 年 28 巻 2 号 p. 103-111
    発行日: 1978/12/01
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    New Zealand (NZ) マウスはヒトSLEに酷似する自己免疫病を自然発生するが, 自己免疫病の発生にはこれらマウスに潜在感染する内因性C型白血病ウイルス (MuLV) が病因に密接に関連している. MuLV構造たん白の内, ウイルス粒子膜糖たん白gp70がループス様腎炎病変糸球体や壊死性血管炎病変血管壁に免疫複合体を形成して大量に沈着し, 組織傷害性を発揮している. 今回われわれは, NZマウスの血中に選択的に大量発現され, 免疫複合体の抗原となっているgp70抗原活性物質を生化学的に分離し, マウス白血病E♂G2細胞膜から分離したgp70との比較検討を行なった. 分離されたNZBマウス血中のgp70抗原活性物質は分子量約53,000, 45,000, 32,000の fragment からなり, 分子量70,000のgp70は回収されない. いっぽうマウス白血病E♂G2細胞膜から分離したgp70はMuLV粒子膜糖たん白gp70本来の分子量約70,000として同定された. Sephadex ゲルろ過法によるNZマウス血清分画中のgp70抗原活性は分子量約120,000~140,000の分画に認めらわる. 以上の成績から血中のgp70抗原活性物質が細胞膜のgp70とは異なり, 分子量53,000, 45,000, 32,000の fragment からなる特異的粒子膜関連糖たん白である可能性が考えられる.
    いっぽう, Sephadex ゲルろ過分画中のgp70活性はループス様腎炎の顕症となる時期には void volume に活性のピークが認められ, in vitro で作製したgp70抗原抗体免疫複合体のピークも同じく void volume に認められることから, この時期には血中のgp70抗原活性物質の大部分が免疫複合体として存在していることが示唆された.
    加齢とともにマウスに出現するMuLVに対する内因性抗体 (Gross natural antibody) の対応抗原の生化学的解析から, これがMuLV内部構造たん白p30, p15, p10の抗原性を併せ持つ precursor polyprotein, p (85) であることが明らかとなった.
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