ガラスビーズを固相として用いたELISA法によるヒトロタウイルス検出法の基礎的検討を行なった. 最も問題となる非特異的反応を除去する為には, 結合する抗体の純度を高める事および作製した抗体と同種の正常血清を加える事が要諦であると思われた. この系を用いた臨床応用を下痢症を呈した小児下痢症患者253例の直腸スワブを用いて行ない, 68例, 約27%にヒトロタウイルスを検出する事が出来た. これは, IAHA法の約2倍の陽性率であった. この検出法は約4時間で測定する事が出来, 特殊な設備を必要とせず, しかも高感度であり, ヒトロタウイルスの検れ出には極めて有用な方法であると思われる.
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