ウイルス
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特集:国内初の基礎研究用BSL-4の稼働に向けて
  • 国内初の陽圧防護服型BSL-4施設の稼働に向けた教育訓練プログラム開発を目指して
    南保 明日香, 浦田 秀造, 津田 祥美
    2022 年 72 巻 2 号 p. 125-130
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/01/13
    ジャーナル フリー
     近年,様々な新興感染症や再興感染症の流行が世界各地で発生し,大きな問題となっている.とりわけ,未知の感染症を含む致死性が高いウイルス感染症への対策の1つとして,長崎大学では,我が国初の研究・教育を主目的とした,陽圧防護服(スーツ)型BSL-4施設の稼働に向けて準備を進めている.BSL-4施設においてこれらの病原体を安全に取り扱うためには,研究活動に伴うバイオリスクの正しい認識と真摯な対策が求められる.また,スーツ型BSL-4施設の継続的な運用には,バイオリスク管理に関わる豊富な知識と経験を有する人材の育成が必須となる.  現在,我々は,海外BSL-4施設での経験やこれらの施設から提供された教材や作業手順等を参考に,長崎大学BSL-4施設の設備状況に基づく,実験従事者ならびに施設管理者を対象とした教育訓練プログラムの開発に向けて取り組んでいる.策定過程を含めて体系化したプログラムは,今後新設されるBSL-4施設を含む各研究機関が活用できる教材として提供することを目指している.本稿では,当該教育訓練プログラムの概要について,これまで実施した訓練の実例と共に解説する.
  • 七戸 新太郎
    2022 年 72 巻 2 号 p. 131-138
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/01/13
    ジャーナル フリー
     BSL-4施設は,ヒトに対する病原性が高く,予防法や治療法のない微生物を研究するために必要な施設である.現在,世界60カ所以上あるBSL-4施設では,陽圧防護服を用いたスーツ型の施設が主流となっている.2021年7月に,本邦初のスーツ型BSL-4施設が長崎大学に建設された.陽圧防護服は,実験従事者を病原体から防護するための一次バリアとして重要であるが,その選定過程の詳細はほとんど明らかになっていない.本稿では,長崎大BSL-4施設で使用する陽圧防護服の選定過程について述べるとともに,独自に設計された国産の新しい陽圧防護服(PS-790BSL4-AL)について紹介する.
  • 古山 若呼, 南保 明日香
    2022 年 72 巻 2 号 p. 139-148
    発行日: 2022年
    公開日: 2024/01/13
    ジャーナル フリー
     近年,エボラウイルス,ラッサウイルス等による致死性の高い新興感染症が世界各地で流行しており,公衆衛生上の問題となっている.これらのウイルスは高度安全実験施設(BSL-4)においてのみ取扱いが認められる.現時点でBSL-4施設は稼働予定のものも含め,世界24ヵ国62ヵ所に設置されている.本稿では,海外のBSL-4施設について概説すると共に,筆者が研究留学していた米国国立衛生研究所・ロッキーマウンテン研究所に設置されているBSL-4施設の紹介と,当該施設で遂行した野生型エボラウイルスを用いた研究について紹介する.
トピックス
  • 加藤 孝宣, 明里 宏文
    2023 年 72 巻 2 号 p. 149-158
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/13
    ジャーナル フリー
     B型肝炎ウイルス(HBV)は感染力が極めて強く,一旦感染すると排除が難しい.HBV感染者の減少のためにはB型肝炎(HB)ワクチン接種によるHBV感染の予防が必要である.現在,国内では酵母由来のSmall-HBs抗原を含むHBワクチンが用いられており,HBVの感染阻止が可能な抗体が誘導できる安全なワクチンとして知られている.しかし一部の接種者では十分に抗体が誘導されない例があり,またワクチンエスケープ変異と呼ばれる特定のアミノ酸変異を持つ株に対しては,誘導された抗体の感染中和活性の低下が報告されている.我々は,酵母由来のLarge-HBs抗原を用いた新規HBワクチンを開発し検討を行った.この新規HBワクチンにより誘導された抗体は,従来のHBワクチンで誘導された抗体では感染阻止が難しいワクチンエスケープ変異株の感染阻止が可能であり,感染中和活性が低下するHBVの遺伝子型は従来のHBワクチンとは異なっていた.この新規HBワクチンを従来のHBワクチンと併用することで,多くのHBV株の感染が阻止できる抗体誘導が可能と考えられ,HBV感染の根絶のために新規HBワクチンの一日も早い実用化が望まれる.
  • 鈴木 康嗣
    2023 年 72 巻 2 号 p. 159-166
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/13
    ジャーナル フリー
  • 岡村 智崇, 保富 康宏
    2023 年 72 巻 2 号 p. 167-170
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/13
    ジャーナル フリー
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