生後90日までの心電図の変化を17頭のビーグル種仔犬を用い追跡した。
17頭の仔犬は心疾患をもたない親から正常に生まれたものである。
心電図記録は標準肢誘導(I・II・III),増高単極肢導誘(aVR,aVL,aVF)で行なった。
17頭中2頭に異常が認められたため以下の結果から省いた。
1)心拍数は生後30~40日まで200回/分前後を示し,その後緩徐に下降し,90日後で150回/分前後になった。
2)P波のvoltageは90日まで変化はみられず,T波は40日にかけてやや増加し,以後90日まで減少する傾向がみられた。
3)IIIにおけるR/S比は生後間もなくは1より小さく25日後では2以上に増加した。
4)各誘導法におけるQRS群が成犬の波形を示す日齢は2週間前後であった。
5)生後間もない平均電気軸は右頭側(+133.5゜~-160.8゜,av.-136.5゜)を示し,90日経過時においては左尾側(+19.8°~+101.4゜,av.+52.9゜)へ移動した。
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