動物の循環器
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28 巻, 2 号
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  • 冬眠哺乳動物の心筋Caイオン調節機構に学ぶ
    近藤 宣昭
    1995 年 28 巻 2 号 p. 71-76
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
    Most mammals are not capable of surviving at low body temperature for extended periods. Although some degree of hypothermia provides an advantage in medical treatment, such as organ plantation and open heart surgery, through depression of the energy consumption and prevention of accumulation of harmful metabolites, the lowering of body temperature causes serious cold-damage to cells, probably by overloading Ca2+, resulting from a perturbation of membrane ion regulation. Mammalian hibernators undergo extreme hypothermia (near 0°C) during hibernation without any damage to their bodies, indicating the existence of an effective strategy for the protection of cells and tissues against cold. Recent studies on excitation-contraction coupling of cardiac muscles of hibernators found dramatic changes in Ca2+ regulatory systems, Ca channels and sarcoplasmic reticulum (SR), during hibernation. The contraction usually depends on Ca2+ influx through Ca channels, whereas during hibernation, Ca2+ for contraction is derived mainly from intracellular Ca stores, SR. Further electrophysiological and biochemical studies in hibernating animals revealed that these are attributed to both the marked enhancement of the Ca2+ uptake ability of SR and much less activation of Ca channels. These changes greatly contribute to the reduction of cytoplasmic Ca2+ after contraction. Thus, during hibernation, hearts are kept functioning normally at low body temperature through avoiding Ca2+ overload. The present mechanism of adaptation to cold provides a useful model for studying a strategy for overcoming cold injury.
  • 上原 勇作
    1995 年 28 巻 2 号 p. 77-85
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/03/05
    ジャーナル フリー
    犬における超音波パルスドプラ波形の形状と各種計測値に関して,臨床的に意義のある項目を知る目的から,2歳以下の健常犬35頭を用い麻酔下での検討を行った。要点を以下に記す。
    1) 超音波パルスドプラ波形の形状は人のそれとほぼ同様であった。
    2) ドプラ波形のピーク速度の計測値を診断に用いる場合は,麻酔の影響を考慮する必要があった。
    3) 2歳以下の健常犬において,左室流入路波形は常にA波が低く, E波が高い値を示した。
    4) 両心室流出路波形において,ETは安定した測定値が得られた。
    5) TVIの測定値は,血流量測定上の重要な位置を占め,変動係数も小さいことから,その有用性について検討をする必要が認められた。
    6)右室流出路波形のAT/ETは,医学では肺動脈圧ならびに肺血管抵抗との関連があると言われており,獣医学領域にいても検討する必要性が認められた。
  • 中田 義禮, 佐村 恵治, 宮沢 英男, 鈴木 順, 松本 浩良, 菅野 茂
    1995 年 28 巻 2 号 p. 86-94
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
    健康なビーグル犬(6~40カ月齢,体重7.0-12.0kg)100頭を用い,無麻酔下の右側横臥位にて肢誘導による心電図記録を行い,イヌにおけるT波の形状やQT間隔の変化およびQT間隔とRR間隔との相間について検討した。
    1.イヌ心電図におけるT波には,陽性,陰性,二峰性,二相性あるいはほとんど平坦なT波など様々な形状のものがみられた。また,T波の形状が短時間に陽性T波から二相性T波に変化し,再度陽性T波にもどる個体もみられた。
    2.96頭のイヌの心電図で,比較的高振幅のT波がみられたのは,II,IIIおよびaVF誘導であった。T波の極性については,陽性T波は主としてII,IIIおよびaVF誘導で,陰性T波はI,aVRおよびaVL誘導で観察された。
    3.4頭のイヌについて,2~4分間の連続的な心電図記録を2日間行い,記録開始からのRR間隔およびQT間隔の経時的推移を調べた。RR間隔は,これら4頭の中で2頭が,記録開始から徐々に延長し,他の2頭では記録開始から終了まで,ほとんど変わらなかった。QT間隔は,4頭とも徐々に延長する傾向にあった。
    4.4頭のイヌについて,1日2~4分間,5~7日間にわたり繰り返し心電図記録を行い,個体別に約1000個のQT間隔とRR間隔の相関を検討した結果,相関係数の高い個体と,きわめて低い個体がみられた。これら個体別の心電図の4~8秒間のQT間隔とRR間隔の平均値を算出し,この平均値について相関を調べたところ,その相関係数は個々のQT間隔およびRR間隔の場合より明らかに高くなった。
    本試験においてT波は個々のイヌで種々の形状を示し,記録中にも変化する個体がみられた。さらに,QT間隔についても,短時間の記録中に変化することから,イヌでT波やQT間隔を問題にする場合には,それらの特性に関する詳細な検討が必要であると考えられた。
  • 向井 真, 町田 登, 西村 昌晃, 稲垣 秀晃, 中村 孝, 桐生 啓治
    1995 年 28 巻 2 号 p. 95-106
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
    我々はこれまでにロードアイランドレッド種(RIR)を含む5品種のニワトリを用いて自然発生性不整脈の検索を実施した結果,他の品種に比べて各種不整脈がRJRにおいて有意に高率に発生していることを見出した。そこでRIRにおける不整脈の好発性の原因を明らかにするために,RIRの不整脈例(心室性期外収縮,心室頻拍,心室早期興奮症侯群,心房性期外収縮,心房細動)18羽とシャモ種(JG)の不整脈例(心室早期興奮症侯群,心房性期外収縮)4羽,ならびにRIRを含む4品種[RJR,JG,白色レグホン種(WL),RIRとJGとの交雑第一代(RIR×JG)]の正常洞調律例161羽を用いて心臓および心臓外心臓神経の病理学的検索を実施した。
    心臓に観察された主な病変は,壁内冠状動脈における細胞性あるいは細胞・線維性内膜肥厚とそれらに随伴して認められた間質性および血管周囲性の心筋線維化であった。重度の血管病変は不整脈例の22羽中16羽(72.7%. RIR:83.3%., JG:25.0%)に,そして正常洞調律例の161羽中27羽(16.8%.RIR:48.5%, JG:8.2%, WL:13.6%, RIR×JG:2.9%)に観察された。また,心筋線維化はRIRの不整脈例18羽中17羽に,JGの不整脈例4羽中1羽に,正常洞調律例ではRIRの33羽中7羽,JGの49羽中2羽,WLの44羽中1羽に認められた。重度血管病変の発生率について不整脈の有無および品種間で比較したところ,RIRの不整脈例はJGの不整脈例およびRIRの正常洞調律例よりも有意に高い発生率を示した(p<0.05)。また,重度血管病変は正常洞調律例においてもRIRが他の品種よりも有意に高い発生率を示した(p<0.001)。一方,心臓外心臓神経には神経線維束のごく軽度の水腫性粗鬆化と石灰沈着が観察されたにすぎなかった。
    以上の結果から,RIRにおいて壁内冠状動脈の硬化性変化がより高率に見出された現象が,RIRにおける不整脈の好発性に関わっていた可能性が指摘された。
  • 町田 登
    1995 年 28 巻 2 号 p. 107-108
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
  • 水野 昌子
    1995 年 28 巻 2 号 p. 109
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
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