韓国人259名と日本人270名を対象に、視覚障害鍼師に対する一般人の意識の実態を比較検討することを目的として、質問紙の直接配布方式による調査を行った。その結果以下の点が明らかになった。
まず韓国では、(1)鍼受療者と非受療者ともに漢方に加えて鍼治療に関する一般知識が定着している、(2)視覚障害鍼師からの受療者は視覚障害者が行う鍼治療を高く評価している、(3)視覚障害鍼師からの非受療者の30%は視覚障害者が鍼治療を行うことに対して不安を表している、(4)韓国の回答者の70%以上が視覚障害者の鍼師としての可能性を肯定している。一方日本は、(5)鍼治療に対する意識は鍼経験の有無によって異なる、(6)鍼治療を受ける際に鍼師の視覚障害の有無は問わない、(7)日本の回答者の80%が視覚障害鍼師の鍼師としての可能性を肯定している。
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