当センターでは, 毎年, 中学新卒者の進路相談が職業相談の2割弱を占めており, 昭和55年からはこれら新卒者を対象とした職業準備指導を実施している。
この職業準備指導は, 作業, 生活, 体育の各学習を主な内容として, 約1年間, 通所により職業適応能力を身につけさせることを狙いとしている。そして各場面での評価を総合して精密評価にまとめ, 本人や家族に提示し, 本人の状況を十分に説明する。
昭和62年からは, 精密評価を基にして, 本人のニーズ達成のための目標や具体的な援助方法等を本人と共に話し合い, 本人に主体的に参加させるべく, 「個別福祉プログラム (IWP)」の利用を開始した。このIWPは, 実施から日も浅く, 今後さらに多くの実績を要するが, 各側面から評価し, 先を見ながら本人と共に進路を選べる点で意義があるように思われる。
本報告では職業準備指導の内容とそこで行われる評価方法を紹介し, その過程で用いるIWPの効果について論じることとする。
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