都市型・近郊型2ヵ所のシルバー人材センター登録者143名の調査をもとに, 彼らの職業的心身機能の特性について分析した結果, 以下の5点が明らかになった。
(1) シルバー人材センター登録者はADL機能の自立性が問題になる程老化していない。
(2) 勤務状況は, 毎日または1~2日おきに8時間程度が全体の60%を占めている。
(3) 職業選択の際重視するのは, 自分の体力や健康に合っていること, 職場が近いこと, 過去の経験を生かせることの順である。
(4) 現在の仕事で特に必要と感じているのは, 判断力と協調性であり, 学習能力や企画力, 記憶力, 筋力, バランス, 敏捷性は余り必要ではなく, 集中力や視聴覚機能は普通程度に必要。手先の器用さは普通と不要に2極化されていた。
(5) 高齢求職者の希望職種は単純なものではあるが多岐にわたり, 低下機能を補う機器や技術習得支援機器の要望があった。
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