職業リハビリテーション
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5 巻
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  • 山田 純子, 水上 邦子
    1992 年 5 巻 p. 1-11
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    東京都心身障害者福祉センター精神薄弱科の, 訓練室通所生134人の傾向と評価結果を検討した。(1) 10年前に比べ, 障害児教育出身者と職歴のある人の減少が顕著である。進路先は, 就職が減り, 福祉就労と東京都心身障害者職能開発センター (以下「開発センター」という) が増加している。(2) 進路別に福祉就労, 開発センター, 就職の3群に分け評価結果を比較すると, 「将来の目標」「仕事の取組」「自己統制」の項目において, 福祉就労群が他の2群より低い評価を得た人の比率が特に高く, これらの項目が, 進路に向けての援助, 評価において重要であることが明らかになった。(3) 上記対象者のうち1年間の通所生19人 (平均年齢15.8才) をみると, 「自己統制」「将来の目標」「仕事の取組」「協同行動」の項目での向上が顕著であり, 職場実習経験や職歴のない若年者にとって, 訓練室への通所による援助が効果的であることを示した。
  • 長谷川 真也, 阿部 順子, 稲木 順
    1992 年 5 巻 p. 12-18
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    重度更生施設における中高年脳血管障害者の, 就労の前提となる要因とその関係を探り, 就労群と非就労群の差異は何かを明らかにすることは, 彼らの処遇に携わる施設職員にとって重要な意味をもつ。
    就労要因については, 各々の要因を大きく規定要因群と変化要因群に分けたうえ, 各要因の関係を示したチャート図を作成することで, 従来, 経験的に対応してきた問題がより明確になった。そして, それらの就労要因を4段階に分類した評価表を用いて, 就労群と非就労群を評価した結果, 認識面の問題, 発症前の経歴や性格の重要性等, 各群のもつ特徴が浮きぼりにされた。さらに, ケースの事例を通し, アプローチによる効果が大きいのはどのような要因かなどを検証した。
  • 青柳 智夫, 寺嶋 修
    1992 年 5 巻 p. 19-27
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    「てんかんを有する人々」は, 一般企業への雇用が, どう阻害されているのかを探り, 雇用への援助の方向性を見いだすために, 「福井障害者職業センターを利用したてんかんを有する人々」の実態調査を実施した。
    その結果, 一般雇用の阻害要因として, 以下の3要因が得られた。(1) てんかん発作による受傷経験があること。(2) 発作の頻度が月1回以上であること。(3) 重複する知的, 身体的障害が, 中・重度であること。しかし同時に, 例外的な事例も数例認められたので, それらについても詳細に検討した。
    以上の結果, 職業リハビリテーションに従事する立場の者としては, てんかんのチェックリスト等を有効に活用して, てんかんを有する人の正確な障害像を把握した上で, 具体的なサービスを開始する必要がある, という結論が得られた。
  • シルバー人材センター登録者の実態から
    菊池 恵美子
    1992 年 5 巻 p. 28-32
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    都市型・近郊型2ヵ所のシルバー人材センター登録者143名の調査をもとに, 彼らの職業的心身機能の特性について分析した結果, 以下の5点が明らかになった。
    (1) シルバー人材センター登録者はADL機能の自立性が問題になる程老化していない。
    (2) 勤務状況は, 毎日または1~2日おきに8時間程度が全体の60%を占めている。
    (3) 職業選択の際重視するのは, 自分の体力や健康に合っていること, 職場が近いこと, 過去の経験を生かせることの順である。
    (4) 現在の仕事で特に必要と感じているのは, 判断力と協調性であり, 学習能力や企画力, 記憶力, 筋力, バランス, 敏捷性は余り必要ではなく, 集中力や視聴覚機能は普通程度に必要。手先の器用さは普通と不要に2極化されていた。
    (5) 高齢求職者の希望職種は単純なものではあるが多岐にわたり, 低下機能を補う機器や技術習得支援機器の要望があった。
  • 梅永 雄二, 井口 修一
    1992 年 5 巻 p. 33-39
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    井口・梅永は事業主からみた知能障害者の就労上の問題点について, 大阪府下の51ケ所の事業所にアンケート調査を行った。その結果, 事業主は自閉症という障害名は認識しているが, その具体的な障害像に関しては誤って理解し, 実際には自閉症者によく見られる行動特性を就労上の問題点と考えていることが究明された4
    本研究ではこの結果を踏まえ, 法定雇用率によって分類される事業規模別, また業種別に事業主の考えに差が認められるかどうかを調査した。その結果, 事業規模別には差は認められなかったが, 業種別では「製造業」や「サービス業」に比べ「卸売り・小売業」においてその評価基準が厳しいことが究明された。また, 事業主が問題と考えている「自傷・攻撃的行動」に関する適応指導において, 許容範囲の広い事業所を調査したところ, 障害像を正しく理解し, また作業指導に行動療法的アプローチを用いることにより適応させていることが認められた。
  • 岡田 敦史
    1992 年 5 巻 p. 40-48
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    身体障害者福祉法における身体障害者更生援護施設は, 施設の数も増え, 内容も充実されてきた。法上の施設種別だけでは, 各施設の運営方針や作業・訓練の内容は把握できないほど多種多様な施設が増えている。障害者本人が, 希望にあった施設を選ぶ上でも, 更生相談所の施設入所判定でも, 地域の身体障害者施設情報の収集と整理は重要な課題となっている。そこで, 本研究では, 施設独自の特色や内容を「施設個性」と呼ぶこととし, その施設個性を捉えるための調査方法について検討を目的とする。調査様式は自由記述部と評定部に分けて, 施設個性を表現できると思われる項目を選定し名古屋市内の身体障害者更生援護施設を対象に調査を行なった。今回の分析からは, 施設個性を表現するには施設利用者に要求する能力的次元は妥当と考えられた。また, 職業リハビリテーションネットワーク形成のために施設情報の収集整理は, 今後重要な課題と思われた。
  • 新 雅子
    1992 年 5 巻 p. 49-53
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    筆者自身の職歴に合わせて, 脳性まひ者と精神薄弱者に対する場合と, 精神分裂病者を主とする精神障害者に対する場合とについて, それぞれ就労援助後もアフターケアとして長期に係わり続けた実際を紹介し, その結果を明らかにした。この継続性のあるアフターケアが, それぞれの障害者の職業リハビリテーションをより一層促進し, 確実なものとするばかりでなく, その援助者にとってもメリットは大きく, その実力を養うことにつながるということを, 体験的に悟ることができた。同時に, それは臨床心理学の一分野であるコミュニティ心理学のアプローチに当るということにも思い至り, 障害者の職業リハビリテーションを促進する援助の一つとして位置付けされることを期待する。
  • 身体障害者雇用職場の実践より
    小川 一平
    1992 年 5 巻 p. 54-60
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    (社) 太陽の家愛知事業本部 (以下, 愛知太陽の家と略す) においては, 一般企業でも取り上げられている作業改善や自動化を, 職業リハビリテーションの実現のために積極的に取り入れてきた。その結果, 非常に多くの成果を上げることができた。
    また, その結果から, 作業改善を授産施設や福祉工場のような身体障害者を「雇用」する職場での, 職業リハビリテーションを実現していくためのより有効的で, 実践的な方法の一つとして捉えることができると考えた。
    ここでは, 愛知太陽の家で行ってきた作業改善の実践とその成果の一例を紹介する。それと同時に, 作業改善というものの考え方や, 作業改善を実践する際の方法論を取り上げる。
  • 新しいコミュニケーションのかたち: パソコン通信
    加藤 朗
    1992 年 5 巻 p. 61-65
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
  • トイ・モデルの試み (注)
    服部 兼敏, 米本 清, Fong Chan
    1992 年 5 巻 p. 66-70
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
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