日本血管外科学会雑誌
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15 巻 , 3 号
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巻頭言
特別寄稿
原著
  • 三井 信介, 岡崎 仁, 江口 大彦
    15 巻 (2006) 3 号 p. 367-372
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    Externally supported knitted Dacron graft (EXS) による大腿-膝上膝窩動脈 (AKFP) バイパス206本の術後5年までの成績とグラフト閉塞の危険因子について検討し, さらにexpanded polytetrafluoroethylene (ePTFE) との前向き試験の結果も併せて報告する. 1982年から2003年までに閉塞性動脈硬化症に対し, 184例206肢にEXSを用いてAKFPバイパスを施行した. 早期閉塞は2例で, いずれもrevision手術で二次開存をえた. 術死はなかった. グラフト一次/二次累積開存率は2, 5年でそれぞれ82/88%, 74/79%であり, グラフト一次閉塞の有意危険因子は手術適応 (救肢手術) と虚血性心疾患の既往であった. 5年救肢率は94%, 生存率は2, 5年でそれぞれ88, 63%であった. 前向き試験 (非ランダム化) には両群33本ずつが登録され, 3年一次開存率はEXS79%, ePTFE73%であり有意差はなかった. EXSによるAKFPバイパスの成績は満足できるものであったが, 手術操作の煩雑性等を考慮すると, ePTFEに対する優位性はあるとはいえない.
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  • 石橋 宏之, 太田 敬, 杉本 郁夫, 高橋 正行, 川西 順, 山田 哲也
    15 巻 (2006) 3 号 p. 373-378
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    過去21年間に血行再建術後のグラフト感染症を31例経験した. 原疾患は, 閉塞性動脈硬化症18例, 腹部大動脈瘤7例, 胸部大動脈瘤3例などであり, グラフト移植部位は, 胸部大動脈3例, 腹部大動脈13例, 大動脈以外の動脈15例であった. 胸部大動脈グラフト感染は3例であったが, すべて緊急手術例であり, 2例は人工血管置換術, 1例はステントグラフト内挿術 (腹部大動脈瘤と同時手術) であった. 肋間筋弁移植を行った1例は救命しえたが, 保存療法を行った2例は救命できなかった. 腹部大動脈グラフト感染は13例であった. 大動脈-腸管瘻を合併した5例では, グラフト全摘出3例, 亜全摘1例, 脚摘出1例を行った. 5例中2例で大動脈-腸管瘻が再発し, 救命4例, 死亡1例であった. 大動脈-腸管瘻非合併の8例では, グラフト摘出・非解剖的再建6例, 筋弁移植, 大網移植各1例を施行し, 救命6例, 死亡2例であった. 大動脈以外のグラフト感染15例では, 感染グラフト摘出・血行再建あり5例 (救肢救命3例, 死亡2例), 感染グラフト摘出・再建なし6例 (救肢救命3例, 肢切断1例, 死亡2例), 感染グラフト非摘出4例 (肢切断3例, 死亡1例) であった. グラフト感染症の治療において, 感染の広がり, 宿主の状態を考慮して治療を行ったが, 救命のためには, 感染グラフトの完全除去と感染組織の広範囲デブリードマンが重要であった.
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症例
  • 大徳 和之, 一関 一行, 小山 正幸, 福井 康三, 福田 幾夫, 野田 浩
    15 巻 (2006) 3 号 p. 379-382
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    症例は39歳男性. 先天的凝固異常を認めず, 外傷などの後天的要因もなく深部静脈血栓症, 肺塞栓症を発症した. 前医においては本症例に対して, 腎静脈下部にGreenfieldフィルターを留置し, ヘパリンを用いた抗凝固療法を行ったにもかかわらず肺塞栓症を繰り返した. 当科紹介後, 新たにSimon nitinorフィルターを腎静脈上部に追加留置し, 抗血小板剤, ワーファリン等の内服によりINR (international normalized ratio) を2.5~3にコントロールすることで, 新たな肺塞栓症の出現をみることなくヘパリン投与を中止することができた. 退院後も外来通院としているが, 現在胸痛等の症状は認めない. 今後は凝固系遺伝子異常を含めたさらなる原因検索をする必要があると思われた.
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  • 今井 崇裕, 深田 靖久, 松居 喜郎, 安田 慶秀
    15 巻 (2006) 3 号 p. 383-385
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    整形外科手術後の医原性膝窩動脈瘤に対する外科治療を経験したので報告する. 症例は59歳女性. 他医で左人工膝関節置換術施行時, 膝窩動脈を損傷し圧迫にて止血したが, 術後コンパートメント症候群を併発し, 術翌日に減張切開術を施行した. 以後創部の治癒も悪く, 術後26日目同部に植皮術を施行したが, 腓骨神経麻痺は残存した. 術後4カ月目で左膝窩部に硬い拍動性の有痛性腫瘤を触れ, 当科紹介受診となった. 当院入院後, 準緊急的に動脈瘤切除術を施行した. 動脈瘤は短径約5cm, 長径約10cmの仮性瘤であった. 膝窩動静脈は圧排閉塞され, 側副血行路が発達していたが, 安全のため患側の小伏在静脈による血行再建術を施行した. 以後経過良好で, 術後13日目にリハビリテーション目的で転院となった. 膝窩部は周囲に圧迫組織がないため巨大化しやすく, 重篤な症状を呈することがあり, とくに外傷性の場合は早期の対処が重要である.
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  • 久貝 忠男
    15 巻 (2006) 3 号 p. 387-390
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    症例は69歳, 女性. 平成4年より右坐骨静脈遺残による慢性静脈弁不全のためうっ滞性皮膚炎を繰り返していた. 平成16年6月に右鼠径部の有痛性腫瘤を自覚し, 血管造影で大腿動脈の狭窄とそれに一致したhypervascular lesionを認めた. 大腿動脈とともにen blocに切除し, 動脈欠損部は人工血管で置換した. 腫瘍は退縮遺残した大腿静脈から発生し, 割面は乳白色の軟骨様で, 線維性皮膜で被われていた. 腫瘍細胞は類円形で細胞質に大きな空胞をもち, 索状配列を示した. 一部に骨形成や核分裂像を認め, 免疫染色でCD31, factor VIII陽性で, 類上皮血管内皮腫と診断された. 文献上, 本邦において大腿静脈に由来する類上皮血管内皮腫の報告はなく, さらに坐骨静脈遺残を伴うことは極めて稀である.
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  • 田中 和幸, 吉田 博希, 杉本 泰一, 入谷 敦
    15 巻 (2006) 3 号 p. 391-394
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    腹部大動脈瘤, 腸骨動脈瘤破裂の主訴として下肢の神経障害は極めて稀で, そのなかでも下肢の運動障害にまで至る症例はさらに少ない. われわれは左下肢の脱力と歩行不能を主訴とした腹部大動脈瘤および左腸骨動脈瘤の破裂症例を経験したので, 若干の文献的考察とともに報告する. 症例は68歳, 男性. 因果関係は不明であるが, 2003年10月と12月に腰背部の重苦感を自覚していた. 2004年2月, 左下肢の脱力に気付き, 歩行不能のため当院に救急車で搬入された. 搬入時意識は清明であったが, 左下肢の神経障害を認めた. 両足背動脈の拍動は良好であった. 腹部~骨盤CT検査で腸骨動脈瘤および腹部大動脈瘤の後腹膜側への破裂を認めた. 腸骨動脈瘤破裂による左下肢神経障害と診断し, 緊急に瘤切除, 人工血管置換術を行った. 術後腎不全を併発し一時的に血液透析を要したが, 下肢の神経障害は改善し, リハビリテーションの後, 術後47日目に自宅退院した.
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  • 中村 浩志, 井上 芳徳, 広川 雅之, 菅野 範英, 岩井 武尚, 清澤 源弘
    15 巻 (2006) 3 号 p. 395-399
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    視力低下と眼底出血から眼虚血症候群と診断され, それを契機に内頸動脈狭窄と診断された2症例を経験した. 眼虚血症候群とは, 何らかの要因によって網膜の循環が不良となり慢性化した状態で, 網膜色調の左右差や蛍光眼底染色法における腕眼循環時間で判定されるが, 頭蓋外頸動脈病変との関係も報告されている. 内頸動脈の有意狭窄に起因した眼虚血症候群を呈した2症例に対して, 症例1では頸動脈内膜切除術 (carotid endarterectomy; CEA) を, 症例2ではバイパス術による血行再建を施行したところ, 両症例とも視力が回復した. 全身併存症が耐術の場合には外科的治療が有効であるが, 術後脳出血や眼圧上昇などの合併症に対し血圧と眼圧の管理が非常に重要であった. 眼虚血症候群症例に対して血行再建術を行い, 良好な経過を辿った2例を経験した. CEAや血行再建術は本症候群に対して有効な治療法であるといえる.
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  • 榊 雅之, 大竹 重彰, 流郷 昌裕, 吉田 卓矢
    15 巻 (2006) 3 号 p. 401-403
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    胸部大動脈瘤にisolated left vertebral artery (ILVA) を合併した2症例に対して, 脳分離体外循環下に上行弓部大動脈置換術を施行した. 症例は, 71歳女性および70歳男性. 1例目は大動脈解離 (Stanford B) の慢性期外来フォロー中, 遠位弓部大動脈拡大のため, 2例目は定期健診時CTにて嚢状遠位弓部大動脈瘤を偶然指摘され手術適応となった. 両症例とも術前CTおよび血管造影にてILVAの診断は得られず, 術中に発見された. 手術は選択的脳分離体外循環下に施行し, ILVAへの送血は左鎖骨下動脈の送血管側管より点滴用延長チューブを介して行った. 分枝再建は左鎖骨下動脈とILVAの起始部大動脈壁を島状に切離後, 人工血管分枝に吻合し4分枝再建とした. 脳分離体外循環時間は186分および162分であった. 両症例ともに術後脳合併症の発生は認めず, 術後20日目および11日目に軽快退院した.
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  • 北川 敦士, 大上 博章, 山下 義信
    15 巻 (2006) 3 号 p. 405-408
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    真性多血症が原因と思われる若年性急性下肢動脈閉塞の1例を経験した. 症例は30歳男性. 突然右下肢の疼痛を自覚. 近医受診し鎮痛剤で経過観察されるが, 翌日, 疼痛の増強, チアノーゼが出現し当科受診. 右下肢急性動脈閉塞と診断. 血液検査上, RBC 696×104/mm3, Hb 23.6g/dl, Ht 66.1%と多血症を合併していた. 同日緊急血栓除去術を施行. 術後経過は順調で第30病日に退院した. また, シンチグラムにより循環血液量の高値, 腹部CT上脾腫を認め, 真性多血症と診断された. 若年性急性動脈閉塞症は稀であり, 若干の文献的考察を加え報告する.
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  • 笹田 伸介, 鬼塚 誠二, 安森 弘太郎, 伊東 啓行
    15 巻 (2006) 3 号 p. 409-412
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    上肢の急性動脈閉塞症状で発見された胸郭出口症候群の1例を経験したので報告する. 症例は45歳, 男性. 2年ほど前から右手指のRaynaud様症状を繰り返していたが, 突然, 右上肢の安静時痛と手指の運動障害が出現した. 動脈造影で右鎖骨下動脈の閉塞と上腕動脈, 尺骨動脈の閉塞を認めた. 胸郭出口症候群による動脈血栓症, 末梢動脈血栓塞栓症と診断し, 左腋窩動脈-右腋窩動脈交叉バイパス術, 前腕末梢動脈血栓摘除術を施行した. 術後CTにて第一肋骨の肥大と第二肋骨との癒合という骨形成異常がみられ, これが胸郭出口症候群の原因と考えられた. 胸郭出口症候群による上肢虚血症状を呈する症例は多くはないが, 上肢急性動脈閉塞症例には急激に悪化し大切断となる症例もあるため, 迅速な診断と治療が必要である.
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