日本血管外科学会雑誌
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15 巻 , 4 号
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巻頭言
原著
  • 三岡 博, 北村 史郎, 桑原 邦郎, 海野 直樹
    15 巻 (2006) 4 号 p. 415-420
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    【背景】末梢吻合のフローパターンはその三次元形状によって影響をうける. 大腿膝窩動脈バイパスの末梢吻合部におけるカフ付き吻合の流体力学的な効果をコンピュータ流体力学 (CFD) で評価した. 【方法】カフ付き吻合を作製し, その三次元形状を3D digital subtraction angiography (DSA) で調査した. カフ付き吻合にはDistaflo (Bard Peripheral Vascular™, Tempe, Phoenix) を使用した. 吻合部床の血管病変の個体差などの影響を少なくするために, 標準型吻合は, 同一な吻合面が全く等しくなるものと仮定して, 仮想標準型吻合を作製し, 比較のために使用した. 両者とも末梢での血流の分配比は足側 : 頭側=100 : 0と仮定した. CFDで得られる血流波形とシネアンギオグラフィーでの血流波形を解析した. 【結果】計算された流速ベクトルはシネアンギオグラフィーで可視化された血流とほぼ同一であった. カフ付き吻合は生体血管床の壁ずり応力を増加させた. 【結論】3D DSAを使用したCFD分析は症例特有の局所の流体力学を再現しうるものと考えられた.
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  • 佐々木 達哉, 中島 隆之, 吉田 弘之, 鎌田 啓介, 皆川 幸洋, 川副 浩平
    15 巻 (2006) 4 号 p. 421-426
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    【目的】岩手県における末梢動脈疾患 (PAD) に対する下肢切断症例の疫学について3年にわたる実態調査を行った. 【対象および方法】岩手県 (人口約140万人) で外科, 心臓血管外科, 整形外科, 形成外科のいずれかを標榜する72施設に対し2002年から2004年の単年ごとに質問票を郵送し, 前年に施行された下肢切断術の調査を行った. 【結果】回収率は88.6%で, 2001年から2003年の3年間に施行された下肢切断症例数は155例 (男118例) で, 平均年齢は73.0歳であった. 人口10万人あたり年間の症例数は3.7例で, 加齢とともに大腿切断の発生率が増加した. 併存疾患は糖尿病が46.8%と最も多く, 閉塞性動脈硬化症が83.2%を占めた. 臨床所見は潰瘍または壊疽が98.6%, 安静時疼痛42.1%であった. 切断術は161肢に施行され, 大腿切断が61.5%と高率であった. 全身的合併症の発生率は大腿および下腿が足関節以下に比し有意に高率であった. 創部合併症は12.4%に認め, 再切断率は5.2%であった. 病院死亡率は21.9%で, とくに大腿切断23.6%, 下腿切断36.3%と手術成績はきわめて不良であった. 【結語】PADに対する切断術の手術成績は不良であり, 高リスク症例が多いことが示唆された. 重症虚血肢の早期発見と基礎疾患の治療が重要であると考えられた.
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  • 羽賀 將衛, 稲葉 雅史, 東 信良, 赤坂 伸之, 浅田 秀典, 清川 恵子, 石川 訓行, 笹嶋 唯博
    15 巻 (2006) 4 号 p. 427-433
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    閉塞性動脈硬化症に対する自家静脈グラフトによるバイパスについて, 最近10年間の215例245肢 (R群) と, それ以前の10年間に施行した212例256肢 (P群) とを比較した. P群に比べR群では, 糖尿病合併, 慢性血液透析, 重症虚血肢, 足関節位動脈へのバイパスの割合が有意に増加していた. 術後グラフト不全は両群とも, 大半は2年以内に発生し, グラフト不良と限局性内膜肥厚が主な原因であったが, 2年以降は, 再手術の主たる原因は宿主動脈の病変進行であった. 術後5年および10年累積開存率は, P群が一次60.6%, 49.4%, 二次90.3%, 85.6%, R群が一次67.8%, 62.5%, 二次94.8%, 92.6%で, 併存疾患, 虚血重症度, 術式など臨床的背景が変化している状況においても, グラフト開存成績は良好であった.
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  • 古川 貢之, 中村 都英, 矢野 光洋, 矢野 義和, 松山 正和, 児嶋 一司, 遠藤 穣治, 西村 正憲, 鬼塚 敏男
    15 巻 (2006) 4 号 p. 435-440
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    腎動脈上遮断を要する腎動脈近傍腹部大動脈瘤 (AAA) に対する, 冷却リンゲル液灌流による腎保護法を用いた当科の外科治療成績および腎保護効果を検討した. 対象は2001年1月より2005年10月までに腎動脈上大動脈遮断を要したAAA 18例中, 維持透析例を除き冷却リンゲル液灌流による腎保護法を行った15例. 全例男性, 年齢72±6歳. 最大瘤径54±8mm. 手術は腹部正中切開経腹膜アプローチにより, 11例で両側腎動脈上遮断, 4例で片側腎動脈上遮断を行った. 遮断中は冷却リンゲル液による腎灌流を極力行い, 両側腎動脈上遮断例では11例中7例に両側, 4例に片側灌流を行った. 2例で腎動脈再建を行った. 腎虚血時間46±23分. 後出血による再開腹を1例認めたが, 血液浄化を要する症例はなく, 病院死亡も認めなかった. BUN値, CRE値は手術前 (17.2±5.6mg/dl, 0.97±0.31mg/dl) と比較して, 術後一過性に上昇する傾向にあったが (20.6±7.2mg/dl (P=0.046), 1.43±0.80mg/dl (P=0.02)), 回復期には術前値へ復した (13.3±5.1mg/dl, 0.96±0.39mg/dl). 腎虚血時間45分以上の症例においても45分未満の症例と比較してBUN値, CRE値に有意差は認めず, 腎虚血時間60分を超える2例を除く術後BUN値, CRE値変化率は腎虚血時間と相関関係を認めなかった. 冷却リンゲル液灌流による腎保護法は有効で, 当科の外科治療成績は良好であった.
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症例
  • 相澤 啓, 大木 伸一, 坂野 康人, 三澤 吉雄
    15 巻 (2006) 4 号 p. 441-444
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    今回われわれは異なる血行再建を行った2例の感染性腹部大動脈瘤を経験した. 1例は肺炎球菌による感染性腹部大動脈瘤の症例で, 解剖学的血行再建を行った. また, 1例はサルモネラ菌による腸腰筋膿瘍, 椎体炎を合併する感染性腹部大動脈瘤の症例で, 非解剖学的血行再建を行った. 2例とも感染の再燃なく軽快退院した. 感染性腹部大動脈瘤の頻度は全腹部大動脈瘤の1~3%といわれている. 死亡率は高く, 救命のためには可及的早期の診断と外科的治療が望ましいとされている. 術式としては瘤壁の切除と解剖学的血行再建, 移植した人工血管を大網で被覆することが望ましいとされているが, 椎体炎や膿瘍合併例など症例の状態によっては非解剖学的血行再建も選択肢として考慮すべきと考えられる.
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  • 池澤 輝男, 松下 昌裕, 新美 清章
    15 巻 (2006) 4 号 p. 445-448
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    後上腕骨回旋動脈 (PCHA) の慢性外傷による血栓閉塞を塞栓源とする末梢塞栓症の結果, 上肢虚血症状を呈したバレーボール選手の1例を経験した. 症例は28歳男性で, 右手虚血症状で発症した. 右手指先脈波検査において波形は全指で平坦であった. また, 右上肢の血管撮影ではPCHA根部の血栓閉塞と, 側副血行より造影されるPCHAの末梢分枝が認められた. 右上肢の強い投球様運動 (スパイク) が繰り返されたことによるPCHAの慢性外傷性血栓閉塞と, これを塞栓源とする末梢塞栓症と診断した. 再発防止の観点から後上腕骨回旋動脈の根部結紮術を行った. 上肢の虚血を訴えるスポーツ選手には, 中枢側上肢動脈の損傷を疑って早期に血管撮影を行うことにより診断を確定し, 虚血が進行しないように適切な治療を行うべきである.
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  • 渡辺 正明, 阿部 俊文, 猪狩 次雄
    15 巻 (2006) 4 号 p. 449-452
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    内側大腿回旋動脈瘤を疑った症例を経験した. 79歳男性で, 左大腿部の腫脹を主訴とし, CT検査上破裂性大腿動脈瘤が疑われた. 動脈造影では大腿深動脈近位側から5個の房状の動脈瘤が連続して認められた. 浅大腿動脈は閉塞し, 左下肢血流は大腿深動脈からの側副血行のみで維持されていた. 可及的に動脈瘤を切除し, 人工血管パッチによる断端形成を施行した. 約5年後に仮性動脈瘤を発症したが, 人工血管を間置する形で再建した. 内側大腿回旋動脈瘤は整形外科における股関節手術後や外傷などにより発症する稀な動脈瘤である. 本症例は内側大腿回旋動脈を巻き込んで発症した嚢状の大腿深動脈瘤あるいは動脈硬化性の内側回旋大腿動脈瘤の可能性が示唆された.
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  • 松本 三明, 濱中 荘平, 稲垣 英一郎, 田淵 篤, 正木 久男, 種本 和雄
    15 巻 (2006) 4 号 p. 453-455
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    真性胃十二指腸動脈瘤の手術例を経験した. 腹部精査中に発見され無症状であった. 症例にヨードアレルギーがあり血管造影, 経カテーテル塞栓術が不可能であったため開腹手術を行った. 真性胃十二指腸動脈瘤は瘤径からは破裂の予測が困難なため, 発見次第積極的な治療を考慮する必要がある.
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  • 林 諭史, 吉田 博希, 杉本 泰一, 梶浦 由香
    15 巻 (2006) 4 号 p. 457-461
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    上肢Buerger病女性例は極めて稀であるが, 血行再建にて良好な結果が得られたので報告する. 患者は49歳, 女性で, 左前腕部の冷感, 倦怠感, 上肢claudicationのため日常生活に支障を来したことから, 自家静脈を用いた腋窩-肘上上腕動脈バイパス術を施行した. 上肢Buerger病に対しても, 再建可能な血管がある場合には, 血行再建も考慮すべきと考える.
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  • 笠間 啓一郎, 熊本 吉一
    15 巻 (2006) 4 号 p. 463-466
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル フリー
    8年間に4カ所の末梢動脈瘤を合併した血管ベーチェット病の1例を経験したので報告する. 症例は26歳男性. 18歳時に血管ベーチェット病と診断され, 右前脛骨動脈瘤に対し動脈瘤結紮術施行, 19歳時に右後脛骨動脈瘤に対し動脈瘤縫縮術, 左橈骨動脈瘤に対し瘤切除・端々吻合術を実施した後, 経過良好で瘤の再発を認めなかった. 平成17年9月, 右膝関節背側に拍動性腫瘤を自覚, 外来を受診した. 体表エコーにて膝窩動脈瘤と診断した. CT上, 最大横径は5cmの嚢状動脈瘤であった. 瘤切除, 大伏在静脈による置換術を, 端々吻合にて行った. 術後は合併症なく良好に経過した. 術前のベーチェット病は活動期にはなく, 術後病理結果においても炎症像は優位ではなかった.
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