日本血管外科学会雑誌
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16 巻 , 5 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
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巻頭言
原著
  • 軽部 義久, 井元 清隆, 鈴木 伸一, 内田 敬二, 伊達 康一郎, 郷田 素彦, 初音 俊樹, 南 智行, 橋山 直樹, 坂本 哲
    16 巻 (2007) 5 号 p. 645-651
    公開日: 2007/08/28
    ジャーナル フリー
    感染性大動脈瘤はきわめて重篤な疾患であり, 診断, 治療等問題点が多い. われわれの経験例について検討した. 対象は2000年 1 月から2005年12月に当院で経験した 7 例の感染性大動脈瘤. 年齢は59~76歳, 男性 5 例, 女性 2 例. 病変大動脈は胸部(TAA)3 例, 胸腹部(TAAA)2 例, 腹部(AAA)2 例で, 仮性瘤形成を含む破裂例は 4 例であった. 細菌培養では術前血液から 1 例にKlebsiella pneumoniaを, 術前心嚢水から 1 例にStaphylococcus aureusを, 術中検体からStaphylococcus aureus, Staphylococcus capitisを 1 例ずつ, 術後血液から 1 例にSalmonellaを検出した. 前述の術後診断 1 例を除き術前より抗生剤投与を開始した. 手術は入院11.7 ± 8.2(0~21)日で施行した. TAA 2 例に自己動脈パッチによる大動脈形成術, 1 例に瘤切除・人工血管置換 + 大網充填術, TAAA 2 例に対して瘤切除・大伏在静脈グラフトによる腹部分枝再建・腋窩-大腿動脈間バイパス術, AAAには 1 例に瘤切除・人工血管置換, 腹部大動脈閉塞をきたした 1 例に腋窩-大腿動脈間バイパス術を施行した. 術後に白血球数やCRPが正常化した後も抗生剤を長期投与した. 合併症はTAAA症例 1 例に肺炎, 下行結腸穿孔を認めた. 在院死亡はTAAA症例で術後脊髄麻痺, 肝膿瘍, 敗血症を合併した 1 例のみであった. 自己組織による大動脈再建, 大網充填法等部位や形態に応じた術式選択と術前後の十分な抗生剤投与という基本戦略で感染性大動脈瘤治療を行い, 7 例中 6 例を救命した.
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  • 田淵 篤, 正木 久男, 柚木 靖弘, 浜中 荘平, 稲垣 英一郎, 久保 裕司, 久保 陽司, 種本 和雄
    16 巻 (2007) 5 号 p. 653-659
    公開日: 2007/08/28
    ジャーナル フリー
    感染性腹部大動脈瘤に対する非解剖学的血行再建術の治療成績, 遠隔成績を検討した. 対象は 7 例で, 患者年齢は56~87歳(平均68.4歳), 全例男性であった. われわれの手術術式は, 非解剖学的血行再建術(腋窩-両側大腿動脈バイパス術 6 例, 両側腋窩-大腿動脈バイパス術 1 例)を施行した後, 大動脈瘤切除, 感染組織のデブリードマン, 大動脈および腸骨動脈断端の縫合閉鎖および大網充填術を行った. 術前, 全例発熱あり, 炎症反応亢進 5 例, 血液培養陽性は 4 例に認め, CT所見は全例で嚢状あるいは仮性大動脈瘤がみられ, 診断に最も有用であった. 感染性腹部大動脈瘤の原因菌は, Salmonella 4 例, Bacteroides 1 例, Klebsiella 1 例および不明 1 例であった. 術後早期合併症は後腹膜膿瘍, 大動脈断端離開 1 例, 感染性胸部下行大動脈瘤 1 例, 尿管損傷 1 例および肝障害 1 例であった. 病院死亡はなく, 全例軽快退院した. 術後遠隔期合併症は 1 例に左腎膿瘍をきたし, 術後14カ月目に左腎摘出術, ドレナージを行った. 両側腋窩-大腿動脈バイパス術を行った症例は片側のバイパス人工血管が閉塞し, 術後12カ月目に大腿-大腿動脈交叉バイパス術を行った. 転帰は 1 例が他病死, 1 例が追跡不能で, その他の 5 例は現在までに術後15~132カ月の経過観察で良好に経過している. 遠隔期に大動脈断端離開, 感染性動脈瘤の再発あるいは下肢虚血をきたした例はなかった. 感染性腹部大動脈瘤に対する非解剖学的血行再建術は, とくに動脈瘤破裂例や感染コントロール不良例において安全で有用な方法と考えられた. 治療成績もおおむね良好であり, われわれの治療方針は妥当であると考えられた.
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  • 吉村 耕一, 古谷 彰, 森景 則保, 小野田 雅彦, 濱野 公一
    16 巻 (2007) 5 号 p. 661-670
    公開日: 2007/08/28
    ジャーナル フリー
    【目的】近年, 医療経済的な視点から医療を見直す必要性が指摘されている. 本研究では, 胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(EVAR)の有用性を治療成績のみならず医療経済的評価をふまえて検討した. 【対象と方法】胸部下行および遠位弓部大動脈瘤に対する自験のEVAR 14例と同時期の従来手術(OSR)9 例をケースコントロール研究の対象とし, 早期治療成績, 中期予後ならびに医療費を比較検討した. さらに, 胸部下行大動脈瘤治療の決定樹モデルを作成し, 本邦の治療成績と包括医療制度を反映させ, EVARとOSRの医療費の期待値を解析した. 【結果】ケースコントロール研究において, 入院死亡と中期までの動脈瘤関連死亡は認められず, 両群の差は認められなかった. 入院総医療費は, EVAR群262.0 ± 16.9万円, OSR群694.2 ± 86.1万円であり, EVAR群はOSR群よりも有意に低値であった(p < 0.01). モデル分析において, EVARの総医療費は318.0万円とOSR 543.6万円より低値であった. 入院期間, EVARの再治療率およびステントグラフト費用を変動させた感度分析を行ったが, いずれの場合もEVARの医療費がOSRを上回ることはなかった. また, モデル分析のために収集した本邦の報告において, EVARの治療成績が明らかにOSRに劣ることはなかった. 【結論】EVARは, OSRより明らかに少ない医療費でOSRにひけをとらない治療成績を達成しており, EVARの優れた医療経済性が示されたものと考えられる.
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症例
  • 三岡 博, 新谷 恒弘, 吉田 佳嗣, 東 茂樹
    16 巻 (2007) 5 号 p. 671-674
    公開日: 2007/08/28
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎不全の患者は末梢動脈疾患を合併していることが多く, 内シャント(AVF)の維持やそれに関連する合併症の管理に難渋することが多い. 透析アクセス関連盗血症候群(DASS)により左第 2 指の先端と左 4, 5 指切断端が難治性潰瘍となっていた症例に対し, 上腕動脈-橈骨動脈バイパスを施行して救肢し得た症例を経験した. 症例は56歳男性. 左上腕に上腕動脈と尺側皮静脈とのAVFが作成してあり, 術前の血管造影により左橈骨動脈の閉塞, 左尺骨動脈に多発する高度狭窄, およびアクセス部の盗血による手掌部の虚血の発生が明らかとなった. 動静脈吻合部の中枢から手関節近傍の橈骨動脈に自家静脈を使用した血行再建術を行ったところ, 難治性潰瘍は治癒した. DASSによる潰瘍発生後に本症例のようなバイパス手術にて救肢し得た報告はみうけられない. DASSに対するdistal revascularization interval ligation(DRIL;遠位血行再建兼吻合間結紮術)はよく知られた方法であるが, distal revascularizationのみでも救肢が可能な症例もあると思われたので報告する.
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  • 井上 天宏, 蜂谷 貴
    16 巻 (2007) 5 号 p. 675-677
    公開日: 2007/08/28
    ジャーナル フリー
    閉塞性病変を起こしやすい浅大腿動脈において, 一般に動脈硬化が原因とされる非特異的浅大腿動脈瘤は比較的稀な疾患である. われわれは腹部大動脈瘤を伴った非特異性浅大腿動脈瘤の 1 例を経験したので報告する. 症例は71歳男性, 左大腿部の拍動性腫瘤を主訴に来院, 造影CT検査にて径53mmの腎動脈下腹部大動脈瘤と, 左大腿中央部に径40mmの浅大腿動脈瘤を認めた. 切除した瘤の病理所見では, 高度の粥腫性変化が認められ, 動脈硬化が原因である非特異性動脈瘤であることが判明した. 浅大腿動脈は大腿深部に存在するため, 瘤の触知が困難となり, 破裂が初発症状となることも少なくない. 末梢動脈瘤としての頻度は少ないが, 浅大腿動脈瘤に対する十分な認識と診断後早期の外科的治療が重要であると考えられた.
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  • 犬塚 和徳, 海野 直樹, 山本 尚人, 相良 大輔, 鈴木 実, 西山 元啓
    16 巻 (2007) 5 号 p. 679-683
    公開日: 2007/08/28
    ジャーナル フリー
    症例は73歳, 男性. 突然の腹痛を主訴に当院を受診した. 腹部CTにて腹部大動脈瘤を認め, 瘤壁は前側壁を中心に肥厚していた. 炎症性腹部大動脈瘤と診断し, 切迫破裂を疑い, 緊急で全身麻酔下にステントグラフト内挿術を施行した. 術後経過は良好で第 9 病日に退院した. 術後18カ月目の腹部CTで瘤径と瘤壁の肥厚はともに縮小していた. 炎症性腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術では動脈周囲の剥離操作を必要としないため, 術中の出血や周囲臓器の損傷などの問題を回避できる. また, 動脈瘤の縮小のみならず, 周囲の線維性肥厚に対する縮小効果も期待し得る治療法である.
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  • 島田 晃治
    16 巻 (2007) 5 号 p. 685-688
    公開日: 2007/08/28
    ジャーナル フリー
    症例は83歳の女性. 突然の腹痛で発症. 近医でCTを施行され後腹膜腔の血腫を認め動脈瘤の破裂を疑われ当科紹介となった. 緊急で開腹手術を行ったところ出血は左外腸骨静脈からのもので, 特発性の腸骨静脈破裂が原因であった. 左総腸骨静脈の慢性の閉塞を認めたため左外腸骨静脈を結紮し止血を得た. 術後経過は良好であった. 特発性腸骨静脈破裂は稀な疾患であり, これまで30数例の報告を認めるのみでありその原因・病態は不明である. 文献的考察を加えて報告する.
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