日本血管外科学会雑誌
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16 巻 , 7 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
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巻頭言
原著
  • 尾崎 喜就, 向原 伸彦, 吉田 正人, 本多 祐, 金 賢一, 溝口 和博, 圓尾 文子, 志田 力
    16 巻 (2007) 7 号 p. 785-790
    公開日: 2007/12/28
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    【背景】腹部大動脈瘤(AAA)と冠動脈病変(CAD)の合併は比較的多く,その治療方針は症例に大きな影響を与える.CADとAAA合併例の手術成績からその評価を行った.【方法】2002年 1 月から2006年 4 月までの緊急例を除いた単独冠動脈バイパス手術(CABG)は323例で,AAA手術は317例であった.CADおよびAAAの両者に対して治療を行ったのは39例で,男性33例,女性 6 例,年齢は74 ± 7.2歳であった.AAAの径(瘤径)が55mm以上,もしくは左前下行枝近位部病変を合併する場合は同時手術とし,その他はCABGを先に行うか,AAA手術の前後に経皮的冠動脈形成術(PCI)を行うこととした.同時手術例(同時手術群)は22例で,CABGをAAA手術に先行して行った症例(CABG先行群)は 8 例,AAA手術の前後にPCIを行った(PCI合併群)のは 9 例であった.同時手術群のCABGの術式は,OPCAB 14例,MIDCAB 8 例であった.CABG先行群では術後平均6.3 ± 4.5週(3~16週)でAAA手術を行った.PCI合併群ではAAA手術前に 6 例,術後に 3 例でPCIを行った.これら 3 群について,術前,術中,術後因子の比較検討を行った.追跡期間は1.7 ± 1.2年(2 週~3.9年)であった.【結果】手術死亡は 1 例(2.6%)で,同時手術例であった.生存38例における術後合併症は 3 群間で差はなかった.CADの治療をAAA手術に先行して行った症例において,周術期にAAA破裂などの合併症は見られなかった.【結論】CADとAAA合併例に対して,適切に外科治療を選択することにより,良好な手術成績が得られた.
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症例
  • 山本 希誉仁, 平岩 卓根
    16 巻 (2007) 7 号 p. 791-794
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    症例は51歳,男性.左胸部を強打し来院した.来院時,左橈骨動脈の拍動は触知できなかったが,血流はドップラー聴診器にて聴取された.胸部造影CT上,左鎖骨下動脈の周囲に血腫が存在し,鎖骨下動脈損傷による出血が疑われたため,緊急血管造影を施行した.左鎖骨下動脈は起始部より約 3cmで閉塞し,左上肢末梢への血流は左椎骨動脈から逆行性に供給されていた.造影剤の血管外漏出はなかった.出血はなく,左手末梢への血流も保たれているため,経過観察とした.鎖骨下動脈盗血症候群を来した場合には,血行再建術が必要であると考えていたが,症状は出現しなかった.現在,発症後 2 年経過しているが,外来にて経過観察中である.鎖骨下動脈盗血現象がみられた外傷性鎖骨下動脈閉塞に対し,保存的治療を選択できた稀な 1 例を経験したので報告する.
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  • 眞岸 克明, 和泉 裕一, 清水 紀之, 内田 大貴
    16 巻 (2007) 7 号 p. 795-798
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    症例は68歳男性.上腹部痛で前医受診時に腹部エコー検査にて最大径47mmの腹部大動脈瘤を認め当科紹介となった.術前MSCTでは,腹部大動脈瘤と馬蹄腎ならびに大動脈分岐部に異常腎動脈(accessory renal artery)を認めた.同時に撮像時間をずらして尿管の撮影も行った.手術は経腹膜経路で行い,腎峡部は離断せずに動脈瘤切除を行った.異常腎動脈は大動脈分岐部から腎峡部へ分岐していた.左側総腸骨動脈は正常であったため,大動脈末梢切断端と右総腸骨動脈を縫合閉鎖し左総腸骨動脈へ人工血管でバイパスすることで,異常腎動脈は逆行性に血液が還流する術式とした.本疾患では,動脈瘤と腎尿管の位置関係が重要であるが,MSCTはそれらを同時,多角的に評価でき,術前評価として有用であった.
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  • Osamu Sato, Harunobu Matsumoto, Keisuke Kondoh
    16 巻 (2007) 7 号 p. 799-801
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    We encountered a case of middle mesenteric artery during abdominal aortic aneurysm repair. This third mesenteric artery arose from the ventral surface of the aneurysm between the superior and inferior mesenteric arteries and supplied the transverse colon; it anastomosed with the oral and anal marginal arteries. This is the eleventh report of this rare anomaly.
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  • 片山 桂次郎, 季白 雅文, 小林 弘典
    16 巻 (2007) 7 号 p. 803-807
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    静脈うっ滞性潰瘍の治療は外科的手術,圧迫療法による下肢静脈高血圧の是正が重要である.今回われわれは感染を伴う一次性静脈不全症による難治性静脈うっ滞性潰瘍に対し,不全穿通枝を結紮し下肢うっ滞を改善した後,vacuum-assisted closure(以下VAC)を併用し良好な創治癒を得ることのできた症例を経験した.症例は78歳女性,以前より左下肢静脈瘤を自覚していた.1 年前より左下腿潰瘍が出現し外来通院処置を受けていたが改善せず静脈瘤加療目的にて入院となった.潰瘍部のデブリードメントを行った後,局所麻酔下に左大伏在静脈高位結紮術および大腿中央部,下腿 2 箇所に対し小切開下不全穿通枝結紮術を施行した.術後 1 日目よりVACを装着した.術後10日目には潰瘍部の良好な肉芽増生を認め,さらに術後20日目には上皮化も認めた.術後22日目VAC終了とし,術後27日目退院となった.術後 2 カ月目には創部の完全治癒が得られ,以後再発は認めていない.
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  • 織井 恒安, 日置 正文, 家所 良夫, 遠藤 直哉, 清水 一雄
    16 巻 (2007) 7 号 p. 809-814
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    腹部大動脈瘤人工血管置換術後 5 年目に二次性大動脈十二指腸瘻を形成した 1 例を経験したので報告する.症例は54歳男性.突然の吐下血とともに意識消失し入院となった.既往歴として 5 年前に腹部大動脈瘤に対しYグラフト置換術を施行している.CT,上部消化管内視鏡検査,血管造影から二次性大動脈十二指腸瘻と診断され手術となった.手術所見では,初回手術時の中枢側吻合部は仮性動脈瘤を形成し,腸管との間に大動脈十二指腸瘻を形成していた.手術は十二指腸瘻孔部の直接縫合閉鎖を行った後,十二指腸と瘻孔を形成したグラフトを部分切除し,新たな人工血管を用い解剖学的経路にて再建した.吻合部周囲には大網充填術を行った.現在術後 9 年を経過しているが良好に経過している.
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  • 小ヶ口 恭介, 並木 健二, 渡辺 徹雄
    16 巻 (2007) 7 号 p. 815-817
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    症例は74歳女性.40歳代に子宮筋腫にて膣式子宮全摘術,73歳時に肺癌にて右下葉切除を施行された既往を持つ.肺癌術後 7 カ月目のフォローアップのCTで下大静脈内の腫瘤を指摘された.腫瘤は右内腸骨静脈より腎静脈下下大静脈まで進展していた.手術は腹部正中切開で開腹し,補助循環は使用せずに下大静脈内腫瘍を切除した.病理組織検査は平滑筋腫であり,エストロゲンレセプター陽性であった.本症例は子宮平滑筋腫術後に内腸骨静脈経路で下大静脈に進展した,血管内平滑筋腫(intravenous leiomyomatosis)と診断された.
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  • 寒川 顕治, 青木 淳, 波多野 浩明, 小堀 陽一郎
    16 巻 (2007) 7 号 p. 819-822
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    症例は86歳の男性.便通異常で近医を受診し,腹部超音波検査で下腹部腫瘤を指摘され当院に紹介された.CTで両側内腸骨動脈瘤(右4.5cm,左 5cm)を認め,右内腸骨動脈瘤から連続する径 6cmの,のう胞性腫瘤により直腸が圧排されていた.入院後下血があり,内腸骨動脈瘤直腸瘻の疑いで緊急手術を行った.Y型人工血管置換術,endoaneurys- morraphy(瘤内縫縮術),Hartmann手術を行い術後経過は良好であった.病理検査では右内腸骨動脈瘤破裂,直腸壁への穿通と粘膜の虚血性変化を認めた.一次性大動脈腸管瘻におけるherald bleeding(前駆出血)の機序として虚血に陥った粘膜からの出血が考えられた.
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  • 井上 仁, 大島 哲, 前村 大成
    16 巻 (2007) 7 号 p. 823-826
    公開日: 2007/12/28
    ジャーナル フリー
    症例は45歳の女性で,約 1 年前より反復する腹痛・腸閉塞症状のため当院に入院となった.術前の腹部血管造影検査では腹腔動脈,上腸間膜動脈,下腸間膜動脈の 3 枝の根部は描出されず,腸管の血流は造影後期に内腸骨動脈領域からの側副血行路を介したわずかなものが確認されただけであった.手術時には,腹腔動脈は索状化していたが,他の 2 枝は人工血管を用いた腹部大動脈からの血行再建が可能であった.腹部大動脈との吻合は良好な流入口作成のため大動脈遮断下で行った.これに先行して一時的腋窩-大腿動脈バイパスの補助手段を用い,内腸骨動脈領域を介した腸管への血流を確保した.また,併存していた小腸狭窄に対して,切除・吻合もあわせて行った.病理学的検索では,血管壁には主として動脈硬化性所見を,切除腸管には慢性的な血流障害によると考えられる漿膜下組織の高度線維化や血管増生などの所見を認めた.術後経過は良好で腹部症状は軽快した.
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