日本血管外科学会雑誌
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17 巻 , 4 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
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巻頭言
原著
  • 大澤 晋, 三井 秀也, 佐野 俊二
    17 巻 (2008) 4 号 p. 489-494
    公開日: 2008/07/29
    ジャーナル フリー
    下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)は動脈硬化疾患の増加に伴い疾患数も増えてきたが,急性増悪を予知する血液凝固学的な指標はこれまでになかった.当院にて1993年 6 月から2006年12月の間に観血的治療,または血管内治療を行ったASO患者147例に対し治療前状態の評価を行い,ASOに対する日常診療で有用な増悪予知の指標を検討した.下肢重症度分類にはFontaine分類を用い,I・II度を軽症群(n = 80),III・IV度を重症群(n = 67)とした.検討因子は一般血液検査,およびPT,APTT,フィブリノーゲン,総コレステロール値を検討した.血液学的検査ではヘマトクリットの低下(39.9 vs 35.5(%),p < 0.01),およびフィブリノーゲンの増加(379 vs 479(mg / dl),p < 0.01)を認めた.相関分析では,ヘマトクリット値に有意な負の相関(r = 0.429,p < 0.001)を,また血小板数(r = 0.331,p < 0.001),フィブリノーゲン(r = 0.440,p < 0.001)に有意な正の相関を認めた.二項ロジスティック回帰分析を行った結果,ヘマトクリット(OR 0.882,p < 0.01)とフィブリノーゲン(OR 1.003,p < 0.05)に有意差を認めた.ASOの診断補助にヘマトクリット,フィブリノーゲンを取り入れることでASOにおける高リスク群を抽出できる可能性が示唆された.
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  • 中村 都英, 矢野 光洋, 矢野 義和, 長濱 博幸, 遠藤 譲治, 中村 栄作, 松山 正和, 鬼塚 敏男
    17 巻 (2008) 4 号 p. 495-500
    公開日: 2008/07/29
    ジャーナル フリー
    【背景】高齢者の弓部大動脈置換術を若年者手術例と比較し,その特徴と遠隔期予後に関する危険因子を明らかにする.【方法】1992年から2006年の間に当科で施行した弓部大動脈置換術89例を対象とし,高齢者群(O群:70歳以上45例)と70歳未満44例(Y群)に分類し,患者背景,術中因子,手術成績,生存率の比較を行った.【結果】平均年齢はO群74 ± 3 歳,Y群61 ± 9 歳,置換部位は全弓部79例,近位弓部 7 例,遠位弓部 3 例で置換部位に両群間に差はなかった.O群には真性瘤が多く(p = 0.02),再手術例(p = 0.03)が少なかった.手術時間,脳分離時間(O群90 ± 23分,Y群107 ±34分,p = 0.008)はO群が有意に短く,挿管時間は長かった(O群7.3 ± 6.1日,Y群4.1 ± 3 日,p = 0.003).在院死(O群4.5%,Y群8.9%),脳合併症発生率(O群6.8%,Y群6.7%)および生存率に有意差を認めなかった.O群では術後脳合併症(p = 0.008),大動脈遮断時間(p = 0.025),脳分離時間(p = 0.042),再手術(p = 0.024)が在院死亡の危険因子であり,人工心肺時間(p = 0.03)と術前ショック状態(p = 0.03)が遠隔期生存率を有意に低下させた.【結論】 の弓部置換術は若年者に比べても,手術成績および遠隔成績には差を認めず良好な成績が得られた.高齢者ではとくに破裂前の手術が重要で,人工心肺時間と大動脈遮断時間および脳分離体外循環時間を短縮し,さらに脳合併症の発生を抑えることが高齢者の手術成績の向上に重要と考えられた.
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症例
  • 浦山 博
    17 巻 (2008) 4 号 p. 501-504
    公開日: 2008/07/29
    ジャーナル フリー
    腹腔動脈瘤は比較的稀な疾患であるが,破裂をきたせばショック等の重篤な病態を招く危険がある.嚢状動脈瘤に対して瘤切除,腹部大動脈-脾動脈-総肝動脈バイパスを施行した症例を経験した.症例は50歳,男性であり,既往歴として17歳のときに十二指腸潰瘍にて胃切除術施行していた.腹痛を認め,CTスキャンを施行し腹腔動脈瘤を指摘された.血液検査所見にとくに異常を認めなかったが,ツベルクリン反応は強陽性であった.Gaスキャンにて動脈瘤に一致して集積を認めた.手術は開腹にて腹腔動脈根部で結紮し,瘤を切除した.大伏在静脈を用いて腎動脈分枝より末梢の大動脈から脾動脈に端側,総肝動脈に端端に吻合し,バイパスを施行した.摘出された腹腔動脈瘤は最大横径23mmであり,解離性と診断された.腹腔動脈瘤は症例ごとの的確な診断,治療方法の選択,手術適応,術式の選択が重要と思われた
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  • 久保 陽司, 松本 三明, 末広 晃太郎, 稲垣 英一郎, 正木 久男, 種本 和雄
    17 巻 (2008) 4 号 p. 505-507
    公開日: 2008/07/29
    ジャーナル フリー
    今回われわれは間歇性破行を呈した,稀な膝窩動脈外膜嚢腫の 1 例を経験したので報告する.症例は48歳,男性.約 1 カ月前から右下肢の間歇性跛行が出現,2007年 5 月当院に精査,入院となった.右下肢冷感あり,下肢脈拍は右膝窩動脈以下触知せず,ankle brachial pressure index(ABI)は右0.49,左1.14であった.血管造影にて,右膝上部膝窩動脈に滑らかな限局性狭窄像が,またCTにて動脈外からの圧排像が認められた.以上より膝窩動脈外膜嚢腫と診断し,後方到達法による膝上部膝窩動脈切除術,大伏在静脈を用いた血行再建術を施行した.手術所見としては,外膜下にゼリー状の内容物を有する嚢胞によって動脈腔の圧迫所見が認められた.術後,ABIは右0.89まで改善した
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  • 保科 克行, 大島 哲
    17 巻 (2008) 4 号 p. 509-513
    公開日: 2008/07/29
    ジャーナル フリー
    症例は58歳,男性.7 年前より不全型ベーチェット病に対しフォローされていた.2007年 4 月に発熱・腹痛・関節痛を主訴に来院し,CTで腹部大動脈瘤を認めた.瘤は嚢状で大動脈分岐部右側に存在し,瘤壁は淡い造影効果を伴った毛羽立ち状に認められ,内部のlow density areaは隔壁を伴っていて膿瘍の存在が示唆された.WBC 11700 / mm3,CRPも4.1mg / dlと高く感染性瘤の可能性があると考え,術前から抗生剤を投与した.手術は瘤切除掻爬,高濃度リファンピシン浸透Y graftを使用し左側後腹膜経路での腹部大動脈-左総腸骨動脈,-右大腿動脈(恥骨上迂回路)バイパスを行った.馬蹄腎を認め大動脈遮断・閉鎖時に峡部を一部切離し,右腎下極枝を結紮切離した.術中採取組織からの培養は陰性であったが,臨床データからは感染の可能性があったため今後長期にわたる抗生剤投与が必要と考えられた.
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  • 服部 努, 前田 英明, 梅澤 久輝, 五島 雅和, 中村 哲哉, 根岸 七雄
    17 巻 (2008) 4 号 p. 515-519
    公開日: 2008/07/29
    ジャーナル フリー
    46歳,男性.平成11年よりベーチェット病で加療,平成16年 6 月より腹痛発作を認め,精査にて腹腔動脈瘤の診断.激烈な腹痛を伴い準緊急に平成16年 9 月中旬,ePTFEを用いて大動脈-総肝動脈バイパス術施行,術後ステロイド剤併用し術後 2 年順調に経過している.
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  • 野村 佳克, 杉本 貴樹, 北出 貴嗣
    17 巻 (2008) 4 号 p. 521-524
    公開日: 2008/07/29
    ジャーナル フリー
    症例は87歳,女性,右膝窩動脈瘤に対し瘤空置 + 浅大腿動脈-膝下膝窩動脈バイパスが施行されていた.術後 8 年を経過し,右大腿~膝窩部に拍動性腫瘤の増大,疼痛,膝関節の機能障害を認め,当科紹介となった.CTにてグラフトの中枢側吻合部に30mmの動脈瘤と,70mm大に拡大した血栓化空置膝窩動脈瘤を認めた.手術は前回手術創を延長した内側経路でアプローチし,巨大化した空置瘤を切開,内腔から1250gの多量の陳旧性血栓を摘出し,流入動脈を内腔より閉鎖した後,大伏在静脈を用いてバイパス術を行った.術後グラフトの良好な開存が確認され,第16病日に軽快退院した.空置された膝窩動脈瘤の著明な拡大を示した稀な症例を経験したので,若干の考察とともに報告する.
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  • 伊藤 寿朗, 川原田 修義, 原田 亮, 黒田 陽介, 栗本 義彦, 樋上 哲哉
    17 巻 (2008) 4 号 p. 525-528
    公開日: 2008/07/29
    ジャーナル フリー
    症例は62歳女性.当院で感染性胸腹部大動脈瘤に対しホモグラフトを用いた置換術が施行された 4 カ月後,突然の背部痛を自覚した.造影CTにて左後腹膜腔に血腫を伴う最大径80mmの動脈瘤を認め,その瘤が吻合部とは連続性を認めないことから,ホモグラフト本体の破裂と診断された.手術は緊急でステントグラフト内挿術が施行された.術後経過は良好であった.
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