日本血管外科学会雑誌
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18 巻 , 5 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
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巻頭言
原著
  • 松丸 一朗, 高井 秀明, 山田 卓史
    18 巻 (2009) 5 号 p. 539-545
    公開日: 2009/09/01
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    【目的】バスキュラーアクセス(VA)閉塞に対する術式別治療成績をまとめ,現状と問題点について検討した.【方法】2001年 4 月から2008年 7 月までの 7 年 4 カ月間に当科で施行されたVA血栓閉塞例378例を対象とした.術前のVA形態は,自己血管使用皮下動静脈瘻(AVF)111例,人工血管使用皮下動静脈瘻(AVG)267例であった.血栓除去術単独群[TH単独群](n = 59),バルーン拡張術を追加施行した群[IVT群](n = 105),外科的再建術を施行した群[SR群](n = 127),および新たに内シャントを作製した群[新規VA群](n = 87)に分け,それぞれの開存率を比較検討した.【結果】AVF閉塞(n = 111)に対する各治療法別 6 カ月,12カ月の開存率は,TH単独群(n = 11)66%,66%,IVT群(n = 12)54%,46%,SR群(n = 37)95%,83%で,SR群が有意に良好であった(log rank,p < 0.05).新規VA群は,AVF 69%,61%,AVG 58%,52%であった.AVG閉塞(n = 267)では,TH単独群(n = 48)34%,22%,IVT群(n = 93)45%,28%,SR群(n = 90)47%,35%であり,統計学的有意差は認めなかった.新規VA群は,AVF 50%,50%,AVG 69%,61%であった.【結論】AVF閉塞に対する外科的再建術の成績は満足できるものであった.VAの長期開存には人工血管使用回避が望ましく,可及的な自己静脈による再建が重要であると考えられた.
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症例
  • 岡崎 仁, 三井 信介
    18 巻 (2009) 5 号 p. 547-550
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    両側の大腿・膝窩動脈および内頸動脈のfibromuscular dysplasiaに両側総腸骨動脈瘤・膝窩動脈瘤を合併した症例を経験した.症例は61歳女性,左下肢安静時疼痛を訴え来院.両側腸骨動脈瘤のほか,両側の大腿~膝窩動脈に瘤状拡張と狭窄が連続した“string-of-beads”所見が見られ,左膝窩動脈は膝下で閉塞していた.腸骨動脈瘤の切除再建後二期的に左大腿動脈−腓骨動脈バイパス手術を行った.特徴的な血管造影所見と術中に採取した動脈壁の病理所見により,大腿膝窩動脈領域のfibromuscular dysplasiaと診断した.
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  • 達 和人, 鎌田 聡, 笠原 勝彦, 田中 佐登司, 岡山 尚久
    18 巻 (2009) 5 号 p. 551-554
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    深部静脈血栓症(DVT)の原因としてさまざまなものが挙げられるが,腹部大動脈瘤(AAA)の下大静脈(IVC)圧迫による報告は少ない.症例は62歳,男性.両下肢浮腫にて来院.CT検査で最大径7.3cmの腎動脈下AAAを認めた.IVCはAAAに圧迫され,血栓閉塞していた.緊急入院,IVCフィルターを留置後,ヘパリン12000単位 / 日の持続点滴で下肢浮腫は著明に改善した.手術は腹部正中切開にて瘤へアプローチ,I 字型人工血管置換術を施行した.術後経過は良好,MR angiographyを施行,グラフトに問題はなかった.下大静脈造影検査,両下肢静脈造影検査にて血栓が残存していたため,IVCフィルターを永久留置し,術後17日目に軽快退院となった.AAAの圧迫により生じたと考えられるIVC血栓閉塞は稀である.IVCフィルターを術前に留置することで安全に人工血管置換術を施行することができた.
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  • 矢鋪 憲功, 斉藤 裕
    18 巻 (2009) 5 号 p. 555-558
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    【背景】静脈内平滑筋腫症は子宮筋腫が下大静脈内に伸展した比較的まれな腫瘍である.【症例】47歳,女性.巨大子宮筋腫の術後 2 カ月目に,造影CTにて肝部下大静脈から右総腸骨静脈,左大腿静脈に及ぶ腫瘍を認め紹介となった.【結果】腹部下大静脈よりバルーンカテーテルで行う腫瘍摘除術を施行した.術後経過は良好で肺塞栓などの合併症なく退院となった.【結論】症例に応じて体外循環の有無や大静脈再建の適否を踏まえた術式の選択が必要である.
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  • 三保 貴裕, 古川 浩二郎, 大坪 諭, 岡崎 幸生, 伊藤 翼
    18 巻 (2009) 5 号 p. 559-562
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    鈍的外傷による胸部大動脈損傷は,受傷直後より30分以内に大半が死亡する重篤な疾患である.好発部位としては通常は内膜,中膜の断裂により大動脈峡部に限局する仮性瘤の形成を引き起こすことが多い.しかし,今回,画像上も病理学的所見上も通常のB型解離と同様の形態を呈した稀な症例を経験したので報告する.症例は72歳女性で1999年交通事故にて外傷性急性大動脈解離(Stanford B)を発症した.大動脈最大径は35mm程度で多発外傷もあり,降圧加療を行ったが大動脈径の拡大,破裂の兆候等なく,その後外来にて経過観察となった.2005年 2 月,背部痛出現し,CTにて大動脈径は55mmに増大を認め,手術の方針となった.部分体外循環下に下行大動脈人工血管置換術を施行した.術後は対麻痺など認めず良好に経過した.病理組織では,通常の解離と同様の中膜の外側 2 / 3 の部位で解離を認めた.
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  • 佐藤 俊充, 宮内 正之
    18 巻 (2009) 5 号 p. 563-566
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    【背景】胃十二指腸動脈瘤は内臓動脈瘤の中でもかなり稀であるが,いったん破裂に至ると,致命的になることが多い.今回は未破裂胃十二指腸動脈瘤の 1 症例を経験した.【症例】76歳,男性.既往は高血圧のみであった.近医の超音波検査で偶然に発見された右上腹部拍動性腫瘤の精査目的に当科紹介となった.CT検査および血管造影検査で,最大径 5cmの胃十二指腸動脈瘤と診断したが,瘤のproximal neckが短く,血管内治療は断念し,手術的治療の方針とした.【結果】全身麻酔下に開腹し,総肝動脈,左右肝動脈,胃十二指腸動脈(末梢側)をテーピング,遮断可能とした.瘤壁を切開し,1 カ所の胃十二指腸動脈の開口部を瘤の内腔から縫合閉鎖した.肝への血流は総肝動脈と固有肝動脈の端端吻合にて施行した.術後肝への血流は問題なく維持されていた.【結論】稀な未破裂の胃十二指腸動脈瘤に対して手術的治療を行い,経過良好であったので報告する.
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  • 池田 理, 國友 隆二, 森山 周二, 川筋 道雄, 山下 康行
    18 巻 (2009) 5 号 p. 567-571
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    【背景】Open stent法を用いた遠位弓部大動脈瘤術後のType I のendoleakに対してthoracic endovascular aortic repair(TEVAR)を施行した 2 例を経験し良好な結果であったので報告する.【症例】症例 1 は80歳代の男性.大動脈弁閉鎖不全および遠位弓部大動脈瘤に対して,大動脈弁置換術とopen stent法による上行弓部大動脈置換術を施行した.6 カ月後のfollow up CTで,Type I のendoleakが出現した.症例 2 は60歳代の男性.以前急性大動脈解離に対して全弓部置換術が施行されていた.4 年後のCTで吻合部仮性瘤が認められ,open stent法を用いた人工血管置換術と下行大動脈より起始異常していた右鎖骨下動脈再建術を施行した.術後inclusion法で行った遠位側吻合部から瘤内へのリークを認めたため,遠位側吻合部の離断・再吻合術を施行した.その 1 年後のfollow up CTでステントグラフト留置部のType I endoleakが出現し,瘤径の増大が見られた.【結果】症例 1,2 ともにTEVAR 6 カ月後のCTで,endoleakは完全に消失し動脈瘤は血栓化していた.しかながら症例 1 では,1 年後のCTでTEVARステントグラフトが尾側に移動しType I のendoleakが再発したため,再度TEVARを施行した.その後はendoleakなく経過良好である.また,症例 1,2 ともにTEVARに関する合併症は認めなかった.【結論】Open stent法を用いた遠位弓部大動脈瘤術後のType I のendoleakに対してTEVARを行った.TEVARは低侵襲かつ安全であり,再手術の困難が予想される症例において有用な選択肢であると思われた.
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  • 池田 理, 出田 一郎, 國友 隆二, 宇都宮 大輔, 浦田 譲治, 平山 統一, 川筋 道雄, 山下 康行
    18 巻 (2009) 5 号 p. 573-579
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    【背景】人工血管置換術後の吻合部仮性動脈瘤は破裂や周囲臓器への侵食などの経過を辿るため,適切な治療が必要である.今回,10病変の吻合部仮性動脈瘤に対するステントグラフト(SG)内挿術を経験したので報告する.【方法】対象は 8 症例で10病変の吻合部仮性動脈瘤に対してSG内挿術を行った.吻合部仮性動脈瘤の局在は,下行大動脈 4 病変,腹部大動脈 2 病変,総腸骨動脈 4 病変である.また,人工血管置換術から吻合部仮性動脈瘤治療までの平均期間は10年であった.術後CTで経過観察した.【結果】吻合部仮性動脈瘤に対してSG内挿術を行った10病変中 9 病変は予定の位置にSGを留置でき,合併症なく手技は成功した.症例 3 はSGを内挿したシースが,総腸骨動脈を通過する際,広範な動脈解離が生じたため手技を中止した.吻合部仮性動脈瘤が十二指腸に穿破した症例 4 はSG内挿後 1 カ月で,感染兆候が著明化し,外科手術を行った.経過観察できた 8 病変の平均観察期間は35カ月であるが,動脈瘤は血栓化し,エンドリークなども出現していない.【結論】人工血管術後吻合部仮性動脈瘤は,術後長期間の経過観察が必要であり,その治療法としてSG内挿術は低侵襲で,有用な方法であると考えられる.
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  • 小畑 貴司, 松原 純一, 四方 裕夫, 飛田 研二, 野口 康久, 秋田 利明
    18 巻 (2009) 5 号 p. 581-585
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    【背景】腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(endovascular aneurysm repair; EVAR)は低侵襲的治療方法であるが,本法はヨード造影剤が必要であり,ヨードアレルギーや腎機能障害などの合併症を有する症例には躊躇する.われわれは今回,医療用炭酸ガス(以下,炭酸ガス)造影法を用いてEVARを施行した症例を経験した.【症例】87歳男性.4 回の開腹手術を施行され,膀胱結石にて通院中にMRI検査を施行し,腎動脈分枝下腹部大動脈に,潰瘍様突出像を認めた.また,24時間クレアチニン・クリアランスは30.60ml / minと腎機能低下を認めた.病状より動脈瘤に対する低侵襲的治療方法であるEVARを医療用炭酸ガス造影法で施行した.【結論】ヨード造影剤の使用制限を有する症例に対し,炭酸ガス造影法は有用な方法であり,今後のEVAR適応を拡大できる可能性が示唆された.
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  • 青山 徹, 孟 真, 橋山 直樹, 安達 隆二, 井元 清隆, 益田 宗孝
    18 巻 (2009) 5 号 p. 587-590
    公開日: 2009/09/01
    ジャーナル フリー
    症例は50歳,女性.主訴は右下肢腫脹,既往歴は両側変形性膝関節症.現病歴は,2004年12月上旬から右下肢腫脹が出現し当科を受診した.初診時身体所見では右鼠径部から大腿部に硬性浮腫を触知し,また若干の大腿周径増大を認めた.血液検査上明らかな異常はなく,D-dimerも0.5μg / ml以下と正常であった.造影CTで,嚢胞による右大腿静脈の圧排がみられた.嚢胞の存在部位から腸恥滑膜嚢胞炎が疑われた.一時症状は改善したが,2005年 1 月中旬から再び右下肢腫脹が出現した.下肢静脈造影で腫瘤による大腿静脈の圧迫を認め,腫脹の再燃,深部静脈血栓症のリスクが高いことから嚢胞の穿刺吸引を施行した.しかし,右大腿静脈の狭窄と嚢胞の残存を認め,2 月中旬嚢胞切除術を施行した.術中所見で,腫瘤は腸腰筋の筋膜から派生しておりこれを鋭的に切除した.解剖学的に腸恥滑膜嚢胞炎と診断した.下肢腫脹が改善し軽快退院となった.下肢浮腫の鑑別に稀ながら腸恥滑膜嚢胞炎を考慮に入れるべきと考えられた.
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