日本血管外科学会雑誌
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20 巻 , 6 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
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巻頭言
原著
  • 石田 厚, 金岡 祐司, 大木 隆生
    20 巻 (2011) 6 号 p. 823-827
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
    【目的】血管外科専門医資格取得のため修練施設での症例数・症例内容は重要である.新たな教授を迎え,新しい血管内治療(EVT)を含む血管外科診療体制が始まった2006年以降,心臓血管外科専門医,ステントグラフト実施基準管理委員会の腹部大動脈・胸部大動脈ステントグラフト実施医または指導医の慈恵医大での取得状況を新たな診療体制を導入する以前の2005年と比較検討した.【対象と方法】2006年7月以降2009年12月までの合計2,465件の血管手術のうち,2007年658件,2008年834件,2009年720件の症例を,2005年の145件の症例と比較しながら,専門医資格で要求されている疾患基準にもとづき解析した.【結果】2005年の内訳は,腹部大動脈瘤(AAA)7例,末梢動脈閉塞症(PAD)11例であったのに対して,2009年の内訳は,AAA 236例(血管内治療206例,open surgery 30例),胸部大動脈瘤(TAA)79例,胸腹部大動脈瘤(TAAA)24例(TAA/TAAA:血管内治療82例,open surgery(含hybrid)21例),解離性大動脈瘤14例,PAD 106例EVT 35例,open surgery 35例,切断・他36例),内臓動脈瘤関連18例(EVT 12例,open surgery 6例),腎動脈狭窄症23例,頸動脈狭窄症30例(EVT 11例,頸動脈内膜剥離術 19例),その他190例で,血管外科のあらゆる領域の疾患に対し,固定型透視装置を備えた血管治療専用手術室(2室)を使用しEVTとopen surgeryを施行した.2007年から2009年までの過去3年間の手術症例2,212件中1,492件(67.5%)が心臓血管外科専門医認定症例だった.【結論・考察】EVTの導入により,動脈手術は飛躍的に伸び,大動脈手術は約50倍になった.今後の血管外科医の修練施設には,頸動脈や腎動脈を含む広い領域の血管疾患に対する知識を深めると同時にEVTとopen surgeryの両方をバランス良く,数多く提供できることが肝要である.
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総説
  • 廣瀬 仁
    20 巻 (2011) 6 号 p. 829-834
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
    【目的】日本の臨床研修は充実してきているが,研修期間中にできる手術の数と質が問題である.米国へ臨床研修に出る医師も数多いが,米国研修に際しては心しておくべきことがある.【方法】米国での臨床研修経験に基づき,その利点と問題点を記した.【結果】米国の教育病院では,研修医は体系的な教育を受ける権利があり,卒業までの間に行う手術数にも条件が設けられている.指導医は教育を与える義務があり,教育病院施設長は,研修医が適切な教育を受け,専門医試験に必要な症例を確認する義務を負う.米国にて,心臓,血管,胸部外科を目指す医師の大半は,一般外科の研修医を終了した後に専門研修医として2~3年を費やす.海外からの医師の場合,外科5年を経ずとも臨床フェローとして参加できるが,米国での専門医受験資格は生じない.米国正規レジデントの目標は専門医試験合格であるが,臨床フェローの目標は技術の習得であろう.日本人が米国で研修するに当たり,問題が3つある.1つは英語.患者や同僚とのコミュニケーションを行ううえで最重要である.2つめはUSMLE等の資格免許の問題である.免許がなければビザが出ず,ビザがなければ病院で勤務できず,米国で定められた勤務歴がないと免許が出ない.免許,ビザ,勤務資格の一つでも欠格すると米国滞在資格自体がなくなる.3つめは研修後に米国で就職することの難しさである.したがって,最終学年の研修の後は日本に戻ることとなるが,日本での再就職が思うようにいかないかもしれない.【結論】米国での臨床研修をめざす医師は,研修前,中,後の問題点を踏まえたうえで行動すべきであろう.
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  • 森下 清文, 氏平 功祐, 上原 麻由子, 黒田 陽介, 大堀 俊介, 馬場 俊雄, 馬渡 徹
    20 巻 (2011) 6 号 p. 835-838
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
原著
  • 松崎 賢司, 瀧上 剛, 松浦 弘司, 松居 喜郎
    20 巻 (2011) 6 号 p. 839-843
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
    【目的】総大腿動脈(CFA)にステントが入った症例に対する当科での血行再建の経験を報告する.【対象と方法】CFAにステント留置の既往のあった3例に血行再建を行った.全例80歳代の跛行の男性.使用ステントは1例がballoon expandableで2例はself expandable.全例で鼠径部縦切開,外腸骨動脈(EIA)~CFA露出.EIA,浅大腿動脈(SFA),大腿深動脈(DFA)を遮断しCFAをステントごと縦に切開.ステントを含む肥厚内膜を摘除したのち大伏在静脈パッチを縫着した.術中腸骨動脈の造影を行い,有意狭窄のあった2例でステント留置.SFAへとステントが続いていた2例ではいずれもDFA分岐後の位置でステントを離断した.【結果】術後合併症はなく,全例で跛行が消失した.【結語】ステント留置後慢性期でも,ステントごと血栓内膜摘除を行うことは可能である.SFAに続くステントについてはDFA分岐直後でステントと肥厚内膜を離断するのみでも良い.
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症例報告
  • 佐々木 章史, 成瀬 好洋, 田中 慶太
    20 巻 (2011) 6 号 p. 845-848
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
    鎖骨下動脈瘤は末梢動脈瘤のなかでもまれな疾患であり,外科的治療に関してなお検討の余地がある.症例は61歳男性.直腸がん術後の化学療法中であったが,嗄声が出現したため施行したCT検査にて右鎖骨下動脈に胸腔内に突出する最大径33 mmの嚢状瘤を指摘され手術適応となった.右襟状切開を加えた胸骨正中切開で到達し,腕頭動脈,右鎖骨下動脈と右総頸動脈のそれぞれを単純遮断して瘤切除を行った.再建は右鎖骨下動脈近位部での端々吻合が可能であった.鎖骨下動脈瘤に対する手術手技においては,アプローチと動脈遮断中の脳血流維持の問題が重要となり,個々の症例において十分検討する必要があると考える.
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  • 猪狩 公宏, 工藤 敏文, 菅野 範英, 加藤 奨一, 長岡 秀郎, 井上 芳徳
    20 巻 (2011) 6 号 p. 849-853
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
    要  旨:膝関節周囲の鈍的外傷に伴う膝窩動脈損傷は稀ではあるが,早期の血行再建術が行われない場合には高率に下肢切断に至る病態である.われわれは,鈍的外傷後に遅発性に発症した膝窩動脈閉塞の1例を経験した.症例は17歳,女性.交通外傷にて右膝部を打撲し,受傷後同部位から下腿にかけての腫脹が出現したが,2週間ほどで自然軽快した.受傷約4カ月後に間歇性跛行を自覚するようになり,MRA検査で右膝窩動脈の分節的閉塞を指摘された.血行再建を行う方針として当科に入院し,右大伏在静脈をin situグラフトとして使用した右膝上膝窩動脈-膝下膝窩動脈バイパス術を施行した.術後に腓骨神経麻痺による一過性の下垂足を認めたが,跛行症状は消失した.膝関節周囲の鈍的外傷においては膝窩動脈損傷を念頭に置いた診断,および治療が必要であり,また本症例のような遅発性の動脈閉塞にも留意すべきである.
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  • 安田 章沢, 井元 清隆, 内田 敬二, 南 智行, 杉浦 唯久, 益田 宗孝
    20 巻 (2011) 6 号 p. 855-859
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
    腎動脈瘤は妊娠中に破裂する危険が高い瘤とされているが,帝王切開後に破裂した腎動脈瘤に対し,緊急瘤切除術を施行し腎機能の温存をし得た症例を経験したので報告する.症例は31歳女性.妊娠糖尿病で近医通院中,常位胎盤早期剥離のため緊急帝王切開術を施行された.児娩出17時間後に突然の左腰痛と背部痛が出現しCT上左腎動脈瘤の破裂を認めた.瘤のコイルパッキングを施行したが,瘤が大きいため完全にパッキングすることができず手術を施行した.後腹膜アプローチで瘤を切除し端々吻合にて腎動脈を再建,術後経過良好で腎機能を温存することができた.帝王切開後に破裂した稀な腎動脈瘤に対し,手術治療により良好な結果を得られた.
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  • 大原 勝人, 関根 裕樹, 後藤 均, 佐藤 成
    20 巻 (2011) 6 号 p. 861-865
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
    大動脈解離を伴わない内臓動脈解離は比較的稀な疾患である.以前の報告では,腸管虚血および瘤化により外科的処置が必要となった症例が目立ったが,近年では保存的療法のみで経過観察する報告が多い.当科では,過去5年間に孤立性内臓動脈解離4例を経験したが,すべての症例で保存的治療が可能であった.画像診断を用いて,動脈解離の状態と腸管虚血の程度を正確に判断し,適切に治療方針を決定することが重要と思われた.
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  • 降矢 温一, 東上 震一, 頓田 央, 福廣 吉晃, 薦岡 成年
    20 巻 (2011) 6 号 p. 867-871
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
    腹部大動脈瘤と冠動脈疾患の合併例に対し,ステントグラフトを利用した血管内治療(endovascular aneurysm repair; EVAR)と心拍動下冠動脈バイパス術(off pump coronary artery bypass; OPCAB)の同時手術を施行し良好な結果を得た2例を報告する.症例1は70歳男性.50 mm大の腹部大動脈瘤と左前下行枝近位部を含む3枝病変で紹介された.症例2は83歳男性.51 mm大の腹部大動脈瘤と27 mm大の左腸骨動脈瘤を認め紹介.術前冠動脈造影で左前下行枝近位部を含む3枝病変を認めた.両例ともEVARを先行させ,ヘパリン中和後にOPCABを施行した.術後1日目から食事・リハビリを開始し合併症なく良好に経過し退院した.周術期の大動脈瘤破裂と急性心筋梗塞を回避できる同時手術は,メリットは大きいが手術侵襲も大きくなる.EVARを用いた本法ではさらなる低侵襲化が実現されており同時手術に有効である.
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  • 道本 智, 中村 喜次, 清家 愛幹, 伊藤 雄二郎, 高井 秀明, 田鎖 治
    20 巻 (2011) 6 号 p. 873-877
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
    症例は66歳男性.再生不良性貧血に対して免疫抑制療法を施行され,部分寛解中であった.著明な出血傾向を認め血液内科受診,腹部大動脈瘤による線溶亢進型DICと診断された.DICは内科的治療抵抗性であったため人工血管置換術を施行した.術後,出血傾向は改善し,退院となった.再生不良性貧血はDICとは血液学的に相反する病態で,合併することは非常に稀である.本症例は相反する稀な疾患の合併によって重度のDICを呈したが,手術時期を逸することなく治療することができたので報告する.
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  • 今村 敦, 山尾 順, 田中 宏典, 高田 秀穂, 權 雅憲
    20 巻 (2011) 6 号 p. 879-883
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
    今回われわれは腹腔動脈起始部狭窄を伴う膵十二指腸動脈瘤に対して大動脈-腹腔動脈バイパス術を行ったと同時に動脈瘤に対して動脈塞栓術を施行して加療を行った症例を経験したので報告する.症例は61歳男性.健診で腹部超音波検査を施行され膵頭部の異常陰影を指摘された.精査を受け膵十二指腸動脈瘤の診断が得られ加療目的で当科へ入院となった.造影CT検査,血管造影検査では腹腔動脈起始部の高度狭窄と後下膵十二指腸動脈に瘤径約20 mmの動脈瘤が認められた.全身麻酔下に腹部大動脈-腹腔動脈バイパス術を自家静脈にて行った後に血管造影室において動脈瘤に対するコイル塞栓術を施行した.術後軽度の膵炎が認められたがとくに問題なく軽快退院となった.膵周囲の内臓動脈瘤に対する直達手術は膵液瘻などの合併症を伴うこともあり従来危険な手術であったが,ハイブリッド治療を行うことで大きな合併症もなく低侵襲化が可能となった.
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  • 濱本 正樹
    20 巻 (2011) 6 号 p. 885-890
    公開日: 2011/10/21
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    DeBakey I型急性大動脈解離に腎と下肢の虚血を同時合併した2症例が,異なる臨床経過を示したので報告する.症例1は左腎動脈が真腔から右腎動脈が偽腔から起始し,偽腔による真腔圧排で左腎動脈が閉塞し虚血を生じた.同様の機序で左下肢虚血も合併していた.症例2は両腎動脈とも真腔起始していたが,左腎動脈が偽腔から圧排され虚血を発症した.同様の機序で両下肢虚血を合併していた.手術はエントリー切除を含む上行および部分弓部置換術を行った.術後,症例1では真腔血流が増加して左腎および左下肢の虚血は解除されたが,偽腔血流低下により今度は右腎が虚血に陥った.結果的に両腎機能が低下し血液透析を必要とした.一方,症例2では左腎と両下肢血流が改善し,透析は不要であった.
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