日本血管外科学会雑誌
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21 巻 , 5 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
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巻頭言
原著
  • 井上 有方, 福田 宏嗣, 吉龍 正雄, 山田 靖之, 柴崎 郁子, 桒田 俊之, 堀 貴行, 小川 博永, 土屋 豪, 清水 理葉
    21 巻 (2012) 5 号 p. 641-646
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】近年,腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(EVAR)が普及しているが,腎機能障害例に対し術中・術後造影剤の影響を考慮しEVARか,人工血管置換術(GR)にするか悩む症例も少なくない.今回EVARとGRで術後腎機能に対する影響を比較検討した.【方法】2008年8月から2009年10月の待機症例,GR 25例(男23,女2),EVAR 25例(男23,女2).術前透析患者は除外した.動脈瘤はすべてinfra renal typeで形態的にEVAR可能な症例は腎機能にかかわらずEVARを施行した.GRは全例腎動脈下遮断で施行した.腎機能障害EVAR症例は術前後に補液治療を施行,術中造影剤も40~50 ml程度にした.全患者の推定糸球体濾過量(eGFR)から日本腎臓病学会の慢性腎臓病(CKD)stage分類(stage 1-4)をし術前後で比較した.自然経過でもeGFRが低下するため術後eGFR 20%以上の低下を有意とした.【結果】術前後CKD stage(前:後)はGR群:stage 1=3 : 1,stage 2=4 : 7,stage 3=16 : 13,stage 4=2 : 4,stage 5=0 : 0.悪化例は6例(24%).EVAR群:stage 1=1 : 2,stage 2=15 : 14,stage 3=5 : 6,stage 4=4 : 2,stage 5=0 : 1.悪化例は1例(4%).術後eGFR 20%以上低下例はGR群6例(24%),EVAR群2例(8%)とGR群で有意に多かった.【結論】腎機能障害例でも術前後に補液治療を行い,造影剤を最小にすることでEVAR可能と考えられた.
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  • 栗本 義彦, 柳清 洋佑, 上原 麻由子, 前田 俊之, 宇塚 武司, 小柳 哲也, 伊藤 寿朗, 川原田 修義, 浅井 康文, 樋上 哲哉
    21 巻 (2012) 5 号 p. 647-652
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】合併症を発症した急性大動脈解離に対して施行した緊急ステントグラフト内挿術(TEVAR)の有用性を報告する.【方法】2003年より2010年において急性大動脈解離に対して施行した緊急TEAVR 20例を対象とした.使用したステントグラフト(SG)は開窓または末梢側をtaperさせた人工血管によるhand-madeを中心に用いたが,症例により企業製SGも使用した.【結果】20例の平均年齢は69.7歳(39~82),男性16例(80%),IIIa型7例,IIIb型8例,IIIbR型5例であり,治療対象合併症は破裂10例(50%),切迫破裂5例(25%),臓器下肢虚血6例(破裂重複1例含む)であった.早期死亡はIIIb型およびIIIbR型破裂の2例(10%)で,82歳男性がリーク残存しTEVAR後8時間で人工血管置換術へ移行し同日死亡,腸管下肢虚血合併の79歳男性が手術翌日に再破裂死亡となった.左鎖骨下動脈(LSA)解離合併IIIb型腎下肢虚血例でLSA温存TEVAR後LSA灌流領域脳梗塞を生じた(5%).術後脊髄虚血は認めなかった.下肢虚血後8時間と10時間でTEVAR施行した2例で腸骨動脈偽腔がすでに血栓化しており大腿動脈へのバイパス術を要した.遠隔期にIIIa型の86%で偽腔消失を認めた.術後5年生存率,大動脈関連死回避率,大動脈関連イベント回避率は73.5%,100%,84.4%と良好であった.【結論】合併症を発生した急性大動脈解離に対するTEVARは有用な治療法であるが,IIIb型破裂例はリエントリーからの血流が残存するため適応には慎重を要する.
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  • 新谷 英夫, 初岡 慎一, 近藤 晴彦
    21 巻 (2012) 5 号 p. 653-658
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的】当院での破裂性腹部大動脈瘤(RAAA)の手術成績ならびに診断群分類包括評価(DPC)導入に伴う医療経済面からみた問題点を検討した.【方法】対象は,2007年3月から2010年4月に手術を施行した16例.合併症のなかった群(G群)9例と合併症を併発した群(B群)7例に分け,術前・術中因子の比較と術後経過の検討を行った.医療経済については,出来高算定とDPC算定による診療報酬を算出し,差額[DPC-出来高]を求め,両群で比較した.【結果】16例中,病院死亡3例,術後合併症併発7例で,死亡率18.8%,罹病率は43.8%であった.術前・術中因子はいずれも両群で差を認めなかった.人工呼吸管理日数,ICU滞在日数,在院日数はB群で有意に長かった.術後合併症は,B群において手術死亡を除く6例中5例に腎不全,4例に呼吸不全(肺炎3例,ARDS 1例),4例に臓器虚血(下肢重症阻血2例,腸管虚血2例)を認めた.下肢重症阻血例は下肢切断を要し,腸管虚血例ではいずれも外科的処置を施したが失った.Abdominal compartment syndromeを1例で合併し,減圧開腹の後,二期的閉腹を行い救命し得た.DPC算定,出来高算定ともB群で有意に高額であった.両群とも差額[DPC-出来高]はマイナス,すなわち減収となり,その程度はB群で有意に大きかった(p=0.04).【結論】当院でのRAAAに対する手術成績は,未だ満足いくものではなかった.術後の重症化や入院の長期化には,術前のショック,術中術後のLOSに起因する臓器不全,臓器虚血の合併が大きく関与し,これらへの対策が重要であることが再認識された.術後重症,長期化する確率の依然高いRAAAに対する手術治療では,DPC算定による診療報酬評価の妥当性について再考の余地があると考えられた.
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  • 地引 政利, 工藤 敏文, 豊福 崇浩, 猪狩 公宏, 内山 英俊, 小泉 伸也, 米倉 孝治, 西澤 真人, 井上 芳徳
    21 巻 (2012) 5 号 p. 659-662
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:【はじめに】腎動脈上・傍腎動脈腹部大動脈瘤(PAA・JAA)や腎動脈上腹部大動脈遮断を必要とする腎動脈下腹部大動脈瘤(AAA)症例について検討した.【対象と方法】1996年1月から2010年10月にPAA・JAAや腎動脈上腹部大動脈遮断を必要としたAAA 56例のうち維持透析6例,緊急4例を除く待機例46例(男40例,女6例)(70±8歳)を対象とした.左腎静脈は流入静脈を切離し授動するか左腎静脈を離断し術野を確保し,腎動脈遮断前にマンニトールを0.5 g/kg点滴静注し,30分以上遮断の場合に4°Cリンゲル液40 mlを遮断腎動脈に注入した.腎動脈再建が必要な場合にあらかじめY型人工血管に6 mm ePTFEを側端吻合して中枢側吻合後,腎動脈を端々吻合した.【結果】左腎静脈離断は21例,腎動脈再建14例(両側3例,片側11例)で,腎動脈遮断時間は腎動脈再建例;49±14分,再建なし例;29±16分であった.術前後の腎機能は,各々血清クレアチニン(Cr)値1.0±0.5,1.1±0.5 mg/dl,eGFR値59±22,59±23 ml/min/1.73 m2で,腎動脈再建例でも各々術前後eGFR値56±26,57±31 ml/min/1.73 m2でともに有意差を認めなかった.腎機能増悪(Cr値上昇が0.3 mg/dl以上または術前後Cr比;1.5倍以上)を5例(再建;3例,再建なし;2例)に認め,在院死2例(再建;心不全1例,再建なし;S状結腸癌穿孔1例)だった.【結語】腎動脈上大動脈遮断を必要とするAAAに対して,本術式の方法による腎保護で概ね満足すべき結果が得られた.
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  • 内田 徹郎, 金 哲樹, 前川 慶之, 大塲 栄一, 林 潤, 吉村 幸浩, 貞弘 光章
    21 巻 (2012) 5 号 p. 663-668
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:【目的および方法】当科では胸部大動脈瘤のステントグラフト治療(以下TEVAR)が困難な広範囲胸部大動脈瘤に対して,正中切開で下行瘤内にlong elephant trunk(以下LET)をpull-through(以下PT)させて全下行置換を行ってきた.本術式の成績,妥当性および問題点について検討した.【結果】症例は4例,うち2例が破裂に対する緊急手術,年齢は平均72歳であった.A型解離術後の下行の残存解離腔拡大が2例,B型解離発症後の下行大動脈拡大が1例および弓部から下行へ進展した真性瘤が1例であった.本法の適応理由は,左開胸困難,腹部大動脈分枝の偽腔起始,下行大動脈の高度蛇行および著しく太い下行大動脈であり,TEVARは困難と判断した.LETの遠位端は,腹腔動脈直上の大動脈が1例,下行大動脈が3例であった.固定様式は,解離内膜の切除とinclusion法による吻合が2例,吻合せず留置のみが2例であった.術後に全例で瘤内および解離腔の血栓化を認め,対麻痺は認めなかった.1例が消化管出血で死亡したが,他の3例は経過良好であった.手術手技の工夫として,大動脈瘤の蛇行が著しい場合は,人工血管にスティッチを加え過伸展を予防した.中枢側と末梢側大動脈の口径差が大きい場合は異なるサイズの人工血管をcomposite graftとしてPTした.【結論】広範囲胸部瘤に対するLETによるPT法は,TEVARが困難なハイリスク症例の手術侵襲の軽減に有効であると考える.
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症例
  • 戸口 佳代, 岩橋 正尋, 重里 政信, 西村 好晴, 岡村 吉隆, 高垣 有作
    21 巻 (2012) 5 号 p. 669-673
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:炎症性腹部大動脈瘤に対し,外科的治療に難渋した2例について報告する.症例1は69歳男性,CT上マントルサインを有する径54 mmの腹部大動脈瘤を認めた.炎症による癒着のため,両側尿管狭窄による水腎症を併発しており,手術に先立って両側尿管ステント留置術を施行した.開腹時,後腹膜は著明に肥厚し,瘤壁と尿管,腸管などの動脈周囲組織とが強固に癒着していた.末梢側は剥離困難であると判断し閉腹,術後ステントグラフト治療を施行し,経過は良好である.症例2は69歳男性,CT上マントルサインを有する径70 mmの腹部大動脈瘤を認めた.開腹時,瘤壁は白色で光沢を有し,陶器のように硬化していた.十二指腸が瘤壁の右側に強固に癒着しており,瘤壁の一部をつける形で十二指腸を剥離し,人工血管置換を施行した.炎症性腹部大動脈瘤は,その癒着の程度や癒着部位により,症例に応じた治療方法の検討が重要であると考えられた.
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  • 小暮 周平, 湯浅 右人, 山本 直樹, 徳井 俊也
    21 巻 (2012) 5 号 p. 675-678
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:Shaggy aortaは,瘤形成を伴わずに大動脈内壁が広くアテローム潰瘍に侵された大動脈である.全身性の微小コレステロール結晶塞栓症を引き起こし,臓器障害などを伴い非常に予後不良の疾患である.一般的に第一選択となる内科的治療法では再発が問題となり,その場合外科的治療が考慮される.症例は77歳男性で,左足趾痛および色調不良にて受診し,blue toe syndromeと診断された.造影CTでは腎動脈分岐下のshaggy aortaを認めた.胸部大動脈や腎動脈周囲には粥腫を認めず,腹部臓器障害も認めなかった.抗血小板薬による内科治療を行ったが,左第2~4趾の壊死増悪を認め足趾切断となった.塞栓症を繰り返したため,再発予防目的に腹部大動脈人工血管置換術を行った.術後造影CTでは粥腫による内壁の不整は認めず,その後の再発は認めなかった.臓器障害がなく長期生命予後が期待される場合は腎動脈分岐下のshaggy aortaに対して人工血管置換術が有効であると考えられた.
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  • 森本 和樹, 白方 秀二
    21 巻 (2012) 5 号 p. 679-682
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:鈍的外傷後遠隔期に発症した仮性動脈瘤を伴う前脛骨動静脈瘻は極めて稀である.症例は38歳の男性.100 kg超の鉄板の下敷きになり左膝,下腿を挫傷.脛骨・腓骨近位端骨折を認め,整形外科でプレート固定を施行し,20カ月後にプレート除去を行った.その2カ月後に左下腿前面に拍動性腫瘤と疼痛を認め連続性雑音が聴取され,MRIにて前脛骨動脈に動脈瘤を認めたため,血管外科紹介となった.血管造影では,左前脛骨動脈に仮性動脈瘤と多発する動静脈瘻が確認された.腫瘤は増大傾向で,疼痛も増悪していたため,まず外科的に仮性動脈瘤の破裂孔閉鎖を行った.1カ月後,残存した動静脈瘻に対して血管内塞栓術(コイル塞栓)を施行し治癒できた.本症例の発見時の自覚症状は仮性動脈瘤による疼痛としびれであったが,発症機転としては動静脈瘻を有する前脛骨動脈の一部が瘤化し,その一部が破れて仮性瘤を形成したものと考えられた.
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  • 三島 秀樹, 片山 康, 伊藤 淳, 江花 弘基, 石川 進
    21 巻 (2012) 5 号 p. 683-686
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は77歳男性で1987年に閉塞性動脈硬化症に対してDacron製Y型人工血管を用いた血管移植術を受けた.約16年後に両側鼠径部の膨隆を自覚して来院し,両側人工血管瘤の診断で緊急手術となった.術中所見では両側ともに鼠径通過部で人工血管が菲薄化して最大径50 mmに拡張し,前壁内側が破裂して血腫を形成していた.いずれも末梢側吻合部には異常はなかった.菲薄部人工血管を切除してHemashield woven Dacron graft(径8 mm)で部分置換した.グラフト破裂の原因は鼠径部の機械的外力が持続的に加わることによる人工血管自体の繊維の材質劣化と考えられた.Y型人工血管移植後遠隔期の両脚部同時破裂はまれなため報告する.
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  • 陣内 宏紀, 樗木 等, 内藤 光三, 坂口 昌之, 片岡 浩海, 松本 倫典
    21 巻 (2012) 5 号 p. 687-690
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:64歳男性.低血圧,急性肝腎障害にて当院救急外来受診となる.胸部CTおよび心エコーにて弓部大動脈瘤の肺動脈への破裂(弓部大動脈瘤-肺動脈瘻)を認めた.カラードップラーエコーでは大動脈瘤から肺動脈へのシャントが描出された.カテーテル検査では弓部大動脈瘤-肺動脈瘻を呈し,Qp/Qsは3.1であった.心不全による高度の肝腎機能低下があったためICUにて内科的治療を施行後,準緊急的に弓部大動脈人工血管置換術,肺動脈瘻閉鎖術を行った.補助循環として低体温循環停止法および選択的脳分離体外循環法を用いた.瘻孔部は直接縫合にて閉鎖した.手術後左右シャントは消失し,心不全も改善し術後30日で軽快退院した.弓部大動脈瘤の肺動脈への破裂は稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.
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  • 地引 政利, 工藤 敏文, 光岡 明人, 井上 芳徳, 三浦 圭子, 小林 大輔
    21 巻 (2012) 5 号 p. 691-694
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:症例は30歳男性.既往にBuerger病(TAO),気管支喘息,喫煙歴がある.足趾潰瘍・手指の安静時疼痛および好酸球増多を認め,腰部交感神経切除術,胸部交感神経焼灼術を施行した後,保存的治療(内服・点滴加療)を施行し,疼痛は軽快したが潰瘍は治癒しなかった.経過中,右肺野腫瘤像,左右巨大冠動脈瘤を認めた.下腿に色素沈着を伴う丘疹の病理組織学的所見からアレルギー性肉芽腫性血管炎と診断した.ステロイド,メトトレキサートによる治療が行われ,丘疹は痂疲化し改善し好酸球数は正常値となったが,足趾潰瘍病変は増悪し左下腿切断術が施行され足部病理組織学的の好酸球浸潤を認めなかった.好酸球増多を認めたTAOでは,その診断には閉塞血管や皮膚病変部の病理学的組織診の重要性が示唆された.また,好酸球増多を併発したTAOに類似した症状を呈する場合にはTAOの確定診断は慎重に行うことが望ましい.
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  • 上山 克史, 永吉 靖弘, 畔栁 智司, 津田 祐子, 上山 武史
    21 巻 (2012) 5 号 p. 695-697
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:長年にわたり右下肢に過重をかける仕事をしていた56歳男性で,膝窩部の網目状静脈瘤とともに膝関節屈曲不全と膝から腓腹筋部にかけ作業が不能なほどの激痛を認める症例に対し膝窩-小伏在静脈接合部での切離,小伏在静脈の抜去とともに接合部周囲の嚢状静脈瘤の切離を行った.手術後,腓腹部の緊満痛は軽減したが膝部屈曲不全は改善せず,膝上部に圧痛を認める嚢状腫瘤が残存した.ガングリオンとの鑑別に苦慮したがエコー検査で拡張した静脈と診断された.圧迫により漸次縮小し,1カ月の経過で屈曲不全は治癒した.エコー検査より,接合部から上方の嚢状静脈瘤内に血液がうっ滞し術後屈曲不全を呈していた稀な小伏在静脈瘤と考えられた.
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  • 杉田 浩章, 飯野 賢治, 大竹 裕志, 越田 嘉尚, 富田 重之, 野田 征宏, 渡邊 剛
    21 巻 (2012) 5 号 p. 699-702
    公開日: 2012/08/30
    ジャーナル フリー
    要  旨:大動脈炎症候群により大動脈弓部とその分枝に瘤化を来したため弓部全置換術を行い,その後急激な経過で再び吻合部瘤化を来したためBentall手術を施行した症例を報告する.症例は41歳女性.2010年2月に大動脈炎症候群に伴う上行弓部大動脈瘤に対して,上行弓部置換術を行った.術後経過良好で外来経過観察となるが,経過中に人工血管近位側および遠位側吻合部に仮性動脈瘤形成,さらにValsalva洞拡大に伴う大動脈弁閉鎖不全症を認めたため再手術としてBentall手術を行った.手術は両腋窩および右大腿動脈送血による体外循環下に21 mm弁付きグラフトを用いた.術後経過は良好で,その後残存する遠位側の仮性動脈瘤に対してはステントグラフト内挿術を施行し経過良好である.大動脈炎症候群の弓部全置換術後症例に対して,近位吻合部はBentall手術,遠位吻合部はTEVERを二期的に施行し成功したので報告する.
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